4576 J-DWTI 2020-09-17 15:30:00
米国Glaukos社との共同研究の対象疾患の追加並びに新たなライセンス契約締結のお知らせ [pdf]

                                                          2020 年 9 月 17 日
各     位
                                   会社名       株 式 会 社 デ・ウエスタン・セラピテクス研 究 所
                                   代表者名      代表取締役社長             日高 有一
                                                     ( コ ー ド 番 号 :4 5 7 6 )
                                   問合せ先      経営企画室長             山北     真子
                                             TEL    0 52-2 1 8-87 8 5




          米 国 Glaukos 社 と の 共 同 研 究 の 対 象 疾 患 の 追 加 並 び に
                 新たなライセンス契約締結のお知らせ



    当 社 は 、 米 国 Glaukos Corporation( 米 国 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 、 ニ ュ ー ヨ ー ク 証 券
取 引 所 上 場 、 以 下 、 Glaukos」 と の 間 で 締 結 し て い る 共 同 研 究 契 約 に 関 し て 、 疾
                 「        )
患領域を緑内障以外にも拡大することを目的に、対象疾患の追加並びに新たなラ
イセンス契約を締結いたしましたので、お知らせいたします。


    Glaukos と は 、 2018 年 に 緑 内 障 患 者 に お け る 眼 圧 降 下 治 療 用 の 新 規 眼 内 投 与 製
品の創出を目的とした共同研究契約並びにライセンス契約を締結しております。
    今 回 、進 行 中 の 共 同 研 究 の 進 捗 が 順 調 に 進 ん で い る こ と か ら 、Glaukos の 求 め に
応じて現在の共同研究の対象疾患である緑内障に加えて新たに角膜障害と網膜疾
患を対象として追加することとなりました。この対象疾患の拡大に応じて、現在
Glaukos か ら 受 け 入 れ て い る 研 究 費 は 増 額 と な り ま す 。ま た 、共 同 研 究 契 約 の 対 象
疾 患 の 追 加 に 伴 い 、既 存 の ラ イ セ ン ス 契 約 に 追 加 さ れ た 疾 患 を 加 え る と 共 に 、新 た
に2件のライセンス契約を締結することとなりました。
    当 社 と し ま し て は 、こ れ ら の 成 果 は 、当 社 の 新 薬 候 補 化 合 物 を 創 出 す る 創 薬 技 術
が評価された結果だと考えております。
    本 共 同 研 究 契 約 並 び に ラ イ セ ン ス 契 約 締 結 後 の Glaukos と の 契 約 は 以 下 の 通 り
となります。


<変更前>
          共同研究契約                                ライセンス契約
 対                     一定の条件下
                                    前房内投与製品
 象                     でライセンス
 疾     緑内障
                       契約に移行
 患                                  局所投与製品(オプション権)

※研究費の受領あり
<変更後(本共同研究契約並びにライセンス契約締結後)>
         共同研究契約                                   ライセンス契約

        緑内障、             一定の条件下
                                      前房内投与製品
 対
 象      角膜障害             でライセンス       局所投与製品(オプション権)
 疾                       契約に移行        硝子体留置投与製品
 患      網膜疾患
                                      硝子体注射投与製品(オプション権)
※研究費の受領あり(金額増加)


 な お 、本 共 同 研 究 契 約 に 組 み 込 ま れ た ラ イ セ ン ス 契 約 に つ い て は 、そ の 開 発 進 捗
に 応 じ て 、契 約 一 時 金 、開 発 及 び 販 売 の 進 捗 に 応 じ た マ イ ル ス ト ー ン フ ィ ー 、並 び
に製品の販売後は、販売高に応じたロイヤリティを設定されております。


 角 膜 障 害 に は 、フ ッ ク ス 角 膜 内 皮 変 性 症( 注 1 )や ド ラ イ ア イ 等 が あ り ま す 。市 場
規 模 に 関 し て は 、 世 界 の ド ラ イ ア イ 市 場 規 模 は 約 40 億 ド ル と 言 わ れ て お り 、 フ ッ
クス角膜内皮変性症は日本での患者数は数千人~数万人であり希少疾患とされて
い ま す が 、 米 国 に お い て は 40 歳 超 の 国 民 の 4 % 程 度 が 罹 患 し て い る と い う 報 告 も
あ り ま す 。フ ッ ク ス 角 膜 内 皮 変 性 症 は 、現 時 点 で は 角 膜 移 植 が 唯 一 有 効 な 治 療 法 で
あ り 、有 効 な 医 薬 品 が 強 く 求 め ら れ て い る 領 域 で あ る こ と か ら 、非 常 に 大 き い 市 場
が生み出される可能性があります。また、網膜疾患には、滲出型加齢黄斑変性(注
2)
     や 糖 尿 病 網 膜 症 ( 注 3 ) 等 が あ り 、米 国 の 約 2,800 万 人 が 網 膜 疾 患 に 罹 患 し て い る
と言われています。
 当 社 は Glaukos と 共 同 で 研 究 開 発 に 取 り 組 む こ と で 、患 者 様 の QOL( Quality of
Life) の 向 上 に つ な が る 新 た な 治 療 法 の 創 出 に 努 め て ま い り ま す 。


 当社代表取締役社長の日高有一は、次のとおりコメントしています。 緑内障の
                                「
みならず角膜や網膜をも対象にする適切に設計されたマイクロスケールの治療用
デバイスの幅広い独自のポートフォリオを構築するための優れた基盤技術を持つ
眼 科 領 域 の ト ッ プ リ ー ダ ー と し て よ く 知 ら れ て い る Glaukos と の 研 究 開 発 提 携 を
拡大することができ嬉しく思います。この拡大は両者の卓越した基盤技術のシナ
ジーの証拠だと信じています。協業を通じて複数の革新的な眼科用製品が生み出
されることを期待しています。」


 Glaukos の 社 長 兼 CEO の ト ー マ ス・バ ー ン ズ は 、 の と お り コ メ ン ト し て い ま す 。
                                          次
「 我 々 は デ・ウ エ ス タ ン・セ ラ ピ テ ク ス 研 究 所 と の 研 究 提 携 が 拡 大 さ れ る こ と を 喜
ばしく思います。これは革新的な創薬がうまく進んだという証明となる実績であ
り 、 独 自 の ROCK 阻 害 化 合 物 で の 傑 出 し た 研 究 の 仕 組 み と し て 業 界 で も 高 く 評 価 さ
れています。緑内障での両者の協業によりなされた進歩をより推し進めることに
加えて、角膜障害や網膜疾患の治療に使われることになるであろう有望な新しい
化合物を探索していくことになるこの拡大された共同研究の最初の段階が始まる
ことにわくわくしています。」
 本 共 同 研 究 で は 、 当 社 の 基 盤 技 術 の 1 つ で あ る Rho キ ナ ー ゼ 阻 害 剤 ( 注 4 ) の 独 自
化 合 物 ラ イ ブ ラ リ ー( 注 5 )か ら 化 合 物 を 提 供 し 、も し く は 当 社 で 新 た に 化 合 物 の 創
製 を 行 い 、Glaukos が そ れ ら の 化 合 物 の 評 価 及 び 開 発 を 実 施 い た し ま す 。本 共 同 研
究 期 間 は 、 2021 年 9 月 ま で と な っ て お り ま す が 、 進 捗 状 況 に 応 じ て 研 究 期 間 を 延
長する場合があります。


 な お 、本 件 に よ る 2020 年 12 月 期 の 業 績 予 想 の 変 更 は あ り ま せ ん が 、中 長 期 的 な
業績向上に資するものと考えております。


Glaukos Corporation に つ い て
(1)名 称        Glaukos Corporation
(2)代 表 者      CEO: Thomas W. Burns
(3)所 在 地      229 Avenida Fabricante, San Clemente, CA 92672 United States
(4)設 立 年 月    1998 年 7 月
(5)純 資 産      673,272 千 ド ル ( 2019 年 12 月 期 )
(6)事 業 内 容    緑 内 障 、角 膜 障 害 、網 膜 疾 患 の た め の 革 新 的 治 療 法 の 開 発・商 業
              化
(7)U R L      https://www.glaukos.com


                                                                     以   上




用語解説

(注 1 )フ ッ ク ス 角 膜 内 皮 変 性 症
角膜内皮細胞に障害がおき、角膜浮腫・混濁が生じ、視力が低下していく疾患で
す。

(注 2 ) 滲 出 型 加 齢 黄 斑 変 性
加齢に伴い眼の網膜にある黄斑部に障害が起こり、視力の低下や失明を引き起こ
す 病 気 で 、 滲 出 型 ( wet) と 萎 縮 型 ( dry) の 2 種 類 が あ り ま す 。 滲 出 型 は 脈 絡 膜
から異常な新生血管が生じ、その血管により出血や浮腫などが出現することで、
物がゆがんで見える等の視力障害を引き起こします。

(注 3 ) 糖 尿 病 網 膜 症
糖尿病が原因で網膜が傷害され、視力が低下し、失明を引き起こす病気です。
糖尿病網膜症は、糖尿病神経症・糖尿病腎症と共に糖尿病の三大合併症の1つ
といわれております。

(注 4 )阻 害 剤
生体内の様々な酵素分子に結合して、その酵素の活性を低下若しくは消失させる
物質を指します。化学物質が特定の酵素の活性を低下若しくは消失させることに
より、病気の治療薬として利用されることがあります。
(注 5 )化 合 物 ラ イ ブ ラ リ ー
化合物ライブラリーとは、当社が長年にわたり蓄積してきた新薬候補化合物のタ
ネとなる化合物群です。これらの化合物の一つ一つが特徴的な性質を有してお
り、基礎研究や新薬候補化合物発見に利用されます。