4575 M-CANBAS 2020-03-24 16:05:00
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する影響について [pdf]

                                                                             2020年3月24日
各 位
                                            会社名          株式会社   キ   ャ  ン   バ   ス
                                            代表者名          代表取締役社長      河邊 拓己
                                                           (コード番号:4575 東証マザーズ)
                                            問合せ先          取締役最高財務責任者兼管理部長
                                                           加登住 眞(電話 055-954-3666)



                   新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する影響について

 当社における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響について,下記のとおりお知らせします。

                                             記

1. 米国で進行中の臨床試験への影響

  3月18日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDA監督下で活動する製薬創薬企業・臨床試験実施施設・治験審査委
員会(IRB)に向け、COVID-19パンデミックの期間中に実施されている臨床試験活動に関するガイダンスを発出しま
した。
  https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/fda-guidance-con
duct-clinical-trials-medical-products-during-covid-19-pandemic
  このガイダンスでFDAは、臨床試験参加者の安全を最優先考慮事項とし、直接訪問が原則である患者モニタリング
を遠隔で対応するなど、プロトコールに必ずしもこだわらず柔軟な対応を検討するよう推奨しています。

 当社は、臨床試験の実施を委託しているCROと早期から緊密な連携を取り、FDAの今回のガイダンスに沿った形
で臨床試験(CBP501フェーズ1b試験拡大相)を継続しています。
 幸いなことに現在までのところ、臨床試験の継続を脅かしたり進行を遅延させたりといった具体的な事象は発生し
ていません。
 しかしながら、現場からのリアルタイムの報告や各種報道等によると、当社が実施しているものに限らず、米国にお
ける臨床試験をめぐる状況は日々悪化しています。
 この状況が長期化した場合には、当社が現在実施している臨床試験に以下のような影響が生じるおそれがありま
す。
 ・臨床試験組入れペースの鈍化・遅延
 ・MSS直腸大腸癌について現在実行している組入れ促進策の継続困難
 ・組入れ途上や投与途上での被験者離脱、評価のための検査来院回避等による「評価不能」の発生
 ・モニタリングの遠隔対応などの変更に由来する臨床試験データの混乱
 仮にこれらのリスクが最も大きく悪い形で顕在化した場合には、臨床試験の全面停止(中断、延期、中止)を検討せ
ざるを得ないおそれがあります。

 当社は、仮にその場合であっても、臨床試験を一旦中断し、膵臓癌についてはこれまでに収集した評価可能9症例
のデータで一旦取りまとめ、MSS直腸大腸癌は事態の収束を待って再開する対応によって、当社事業への影響を最
小化できると考えています。※
 膵臓癌の評価可能症例数は、もちろん当初目標の10例が揃うに越したことはないのですが、仮にこれまでに収集
した9症例のデータを用いるとしても、学会発表や提携交渉での説得力、次相臨床試験の方針検討・設計・判断に大
きな支障はありません。
 また、MSS直腸大腸癌については現在のところ拡大相の組入れ半ばであり、今後の状況次第では、早期の完了を
目指すあまりに過大な費用をかけリスクを負うよりも、事態の収束を待って再開したほうが良いと総合的に判断する場
合もあり得ます。
                        ※注 上記の対応を決定したわけではないことにご留意ください。
                            仮に上記のような最悪のケースでもダウンサイドリスクが限定的であることをご説明しています。
 これらの状況は流動的であり、今後新しい発生事実・決定事実が生じたときは、速やかに開示いたします。



2. 学会発表への影響について

 CBP501フェーズ1b試験(用量漸増相・拡大相)について6月から9月に計画している学会発表に関しては、現時点
で計画変更はありません。
 たとえば、学会発表の目標としているうちのひとつである米国臨床癌学会(ASCO)は、3月11日付で「フォーマット
にかかわらず(デジタル・バーチャルへの置き換えによる開催も含めて)ASCO年次総会を開催する計画」と公表して
います。
 https://meetings.asco.org/am/asco-statement-novel-coronavirus-covid-19
 米国の状況はこの公表後も悪化しており、また、送付した抄録が発表対象として採択されないリスクも依然あります
が、学会年次総会自体が一切開催されず臨床試験データを公表する機会を喪失するリスクは、現時点では小さいと
当社は考えています。



3. 日本国内における活動への影響について

 当社の日本国内における活動は、外部との面談の一部を電話会議に移行するなどを除き概ね通常どおり稼働して
おり、企業活動への影響は発生していません。



4. 業績への影響について

 2020年6月期の業績への影響については,現段階では不透明な部分や未確定要素が多いことから,影響が明ら
かになり次第、速やかに開示いたします。

                                                                    以上