4575 M-CANBAS 2019-05-10 15:30:00
CBP501用途特許 欧州特許庁より特許査定受領のお知らせ [pdf]

                                                                2019年5月10日
各 位
                                  会 社 名        株式会社   キ   ャ  ン   バ   ス
                                  代表者名          代表取締役社長      河邊 拓己
                                                 (コード番号:4575 東証マザーズ)
                                  問合せ先          取締役最高財務責任者兼管理部 長
                                                 加登住 眞(電話 055-954-3666)



                CBP501用途特許 欧州特許庁より特許査定受領のお知らせ

 当社が創出し開発中の抗癌剤候補化合物CBP501の用途に関する特許について、欧州特許庁から特許査定※1
を受領しましたので、お知らせします。

      【発明の名称】   “PEPTIDES AND PEPTIDOMIMETICS IN COMBINATION USES AND
                 TREATMENTS FOR CANCER PATIENT SUBPOPULATIONS”
                (参考訳: ペプチド及びペプチド模倣物の併用並びに癌患者亜集団の処置)
      【出願番号】    No. 14 81 8523.4 (2014年6月24日米国出願 14/313,264)
      【特許権者】    株式会社キャンバス

 本特許は、開発中の抗癌剤候補化合物CBP501を含む類縁ペプチド/ペプチド模倣物群に関する用途特許です。
 具体的には、CBP501の投与対象を白血球数で絞り込むことに特許性(新規性・進歩性)が存在すると認められた
ものです。2015年10月5日公表および2018年9月3日公表のとおり本特許は既に米国および日本国で成立してお
り、今回の欧州での成立によって医薬品市場の中核となる日米欧三極での特許が成立しました。※2

 CBP501は、癌細胞のほか、癌細胞を取り巻く癌微小環境にも作用することがわかっており、この作用によって、白
血球数が異常値の症例においてはCBP501の抗癌作用を打ち消す現象が起きるおそれがあります。
 白血球数を事前に測定してふるい分け、白血球数が正常な患者集団(ふるい分けられた集団なので「亜集団」と呼ばれ
ます)のみを対象とすることで、負の効果の危惧なくCBP501の良い効果をより強く引き出せる可能性があります。
 当社は、これに関する基礎研究成果を積み上げ、この事前ふるい分け手法の正当性を特許化する作業を進めてま
いりました。米国・日本に続き今回欧州でも特許査定を得た用途特許は、これらの基礎研究の成果です。
 当社は現在、本特許にある白血球数による患者亜集団の絞り込みのほか、併用の変更や投与方法の改良など新
たな設計を盛り込み、米国でCBP501フェーズ1b試験拡大相(対象:膵臓癌、マイクロサテライト安定直腸大腸癌)を
実施しています。

 CBP501を含む化合物群に関する物質特許は既に米国、欧州主要国および日本などで成立しています(国際出願
番号2003/059942)が、この用途特許によって、CBP501を含む化合物群が特許によって保護される実質的な期間が
欧州においても大きく延長されると期待されることから、CBP501の開発が成功し上市に至った場合の理論上の期待
収益予想値も大幅に増大することとなります。
 当社は今後も、開発中の他の抗癌剤候補化合物について、このように戦略的な特許展開を実施していきます。

 この特許査定受領による当期業績への直接の影響はありませんが、現下の最優先課題として進めているCBP501
提携獲得活動に生かしてまいります。
                                                  以上

 ※1   特許査定とは、特許庁の審査で特許権を与える価値がある出願発明であると判断されたことを示すものです。このあとに特許料を
      納付することによって、特許権の効力が発生します。
 ※2   当社は、特許の成立に関し、原則として米国・欧州・日本それぞれ最初の成立(特許査定)のみを公表しています。


 当社の抗癌剤候補化合物CBP501は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の
         助成事業の結果得られた「堅牢な合成方法」を活用して製造しています。