4575 M-CANBAS 2021-11-12 15:00:00
新規免疫系抗がん剤候補化合物CBT005で抗腫瘍効果(in vivo)が確認されました [pdf]

                                                2021年11⽉12⽇
各 位
                            会社名     株式会社    キ   ャ   ン   バ   ス
                            代表者名           代表取締役社⻑ 河邊 拓⼰
                                      (コード番号︓4575 東証マザーズ)
                            問合せ先       取締役最⾼財務責任者 加登住 眞
                                                IR@canbas.co.jp




      新規免疫系抗がん剤候補化合物CBT005で抗腫瘍効果(in vivo)が確認されました


 当社は、⾃社で新規抗がん剤候補化合物を創出できる創薬バイオ企業として、臨床試験段階の⾃社創出抗が
ん剤化合物CBP501・CBS9106、前臨床試験直前段階のCBP-A08に続く探索創出段階〜最適化段階の化合物パ
イプラインを複数有し、前臨床試験に向かうリード化合物の獲得に向けて基礎研究を続けています。
 このたび、それらのパイプラインのうち、最適化段階にあったCBP-BシリーズとNEXTプロジェクトの連携
によって創出した新規化合物CBT005(仮称)のマウス実験において、魅⼒的な抗腫瘍効果が確認されました
ので、お知らせします。


1. 効果が確認された実験の概要
 今回の実験は、シスプラチン・抗CTLA4抗体・CBP501・CBT005の4剤の組み合わせを変えて投与し、マウ
スに移植した腫瘍のサイズ推移を⽐較したものです。
 CBT005の強い薬効を確認するために敢えてハードルを上げ、通常の実験に⽤いるよりもサイズの⼤きな移
植腫瘍を対象にしているのがこの実験の特徴です。⼀般に免疫系抗がん剤はヒトでも動物でも⼤きなサイズの
腫瘍に効果を⽰しにくいことがわかっており、通常の動物薬効試験では概ね100mm3未満の移植腫瘍を⽤いま
すが、今回は約200mm3からスタートしています。
2. CBT005の特徴
 CBT005は、DDS(薬剤をターゲット部位に選択的に届け、薬物の効果を⾼め副作⽤を抑えることを⽬的と
する、薬物送達システム)部分とがん免疫関連部分を合体させ両⽅の機能を有するよう設計し獲得した、当社
としては初めての、がん細胞を狙った標的特異的な化合物です。
 論⽂等での発表や特許の出願まで詳細の説明は控えますが、がん免疫関連部分は免疫を加速させる⽅向に作
⽤するものであり、CBP501など既存パイプラインとは全く異なる作⽤メカニズムです。
 また、CBP501との併⽤で相乗効果が期待でき、CBP501の知財戦略への好影響が期待できることも、当社に
とって好ましい特徴です。


 加えて、現時点までの実験結果とCBT005の構造・作⽤メカニズムに基づくと以下の特徴を有すると考えら
れることから、がんの『治癒』を⽬指せる新薬候補であると考えています。
 ü   幅広いがんに適応可能
 ü   ⼀般に免疫系抗がん剤の効果が⾒られない、サイズの⼤きな癌にも効果が期待される
 ü   ⻑期間の投与が可能
 ü   副作⽤が少ないことが期待される
 ü   耐性が⽣じにくい作⽤メカニズム


3. 今後の取扱い
 今後当社では、効果に関する前臨床試験段階前の社内最⼤のハードルと設定している、難治性のヒト膵臓が
んに近い膵臓がん⾃然発症モデルマウス(東京⼤学附属病院伊地知秀明講師が作製したもの。東京⼤学附属病
院との共同研究に基づき社内薬効試験に使⽤しています)を⽤い、CBT005の薬効確認試験を2021年12⽉〜
22年2⽉頃まで続⾏します。
 当社は、その結果を踏まえて前臨床試験段階への進⾏可否を判断します。


当社代表取締役社⻑ 河邊拓⼰コメント
「NEXTプロジェクトは、進⾏がんの『治癒』を⽬指すプロジェクトとして⽴ち上げたものです。
 多機能なペプチドによるがん治療を⽬指して知⾒を蓄積してきたCBP-Bシリーズとの連携により、その第⼀
弾の成果となり得る化合物が獲得でき、それを⽰唆する実験結果が出ました。
 まだマウスでの実験結果段階ですが、これまで⾒てきたものとは明らかに異なる効果を⾒せていると考えて
おり、ひいてはCBP501の知財戦略・提携戦略にも好影響を及ぼす可能性があることから、現段階で適時開⽰
します。今後の進捗をとても楽しみにしています」


 なお本件は、2022年6⽉期業績など短期的な当社の業績に直接の影響はありませんが、当社の企業価値の源
泉である「創薬」能⼒を⽰すものであり、製薬企業等から⾒た当社のアライアンス魅⼒を⾼めるものです。
 また、中⻑期的には、臨床第2相試験準備中のCBP501、臨床第1相試験中のCBS9106に続く研究開発資産の
拡充につながり、収益や企業価値向上に寄与する可能性があると考えています。
【株式会社キャンバスについて】


 キャンバスは、がん免疫に特化して新規抗がん剤の創出を⽬指す、臨床開発段階の研究開発型創薬バイオ企
業です。
 創業期から研究開発を続け現在最も開発ステージの進んでいる⾃社創出化合物CBP501は、「CD8T細胞の存
在しない(または極めて少ない)免疫コールドながん組織にCD8T細胞を誘引して免疫ホットにし、免疫チェ
ックポイント阻害抗体の効果を⾼める」というユニークな作⽤機序を持つImmune Igniter(免疫着⽕剤)で
あり、これまで多数の臨床試験で⼗分な安全性が確認された上、直近では膵臓がん3次治療を対象とした臨床第
1b相試験で有効性を⽰す有望な結果が得られました。現在は臨床第2相試験の実施施設オープンを終え、患者
リクルーティング中です。
 後続の化合物CBS9106は、⾃社の探索システムから創出し⾃社で前臨床試験を完了した段階で2014年に⽶
国Stemline社へ導出しました。臨床第1相試験で有望な安全性と有効性が⽰されており、次相臨床試験が検討
されています。
 これらのほかキャンバスは、今回のCBT005、前臨床試験段階の抗がん剤候補化合物CBP-A08、低分⼦の免
疫系抗がん剤である IDO/TDO⼆重阻害剤、新しいコンセプトの免疫系抗がん剤の探索創出段階にあるNEXT
プロジェクト、免疫系抗がん剤の感受性予測システムなど、がん免疫領域に集中した基礎研究に基づく中⻑期
的な研究開発ポートフォリオを有しています。


                                                     以上