4575 M-CANBAS 2021-02-25 15:00:00
東京大学との共同研究契約内容拡大のお知らせ [pdf]

                                                     2021年2⽉25⽇
各 位
                          会社名     株 式 会 社    キ   ャ    ン   バ   ス
                          代表者名              代表取締役社⻑ 河邊 拓⼰
                                    (コード番号︓4575 東証マザーズ)
                          問合せ先       取締役最⾼財務責任者 加登住 眞
                                                 IR@canbas.co.jp



               東京⼤学との共同研究契約内容拡⼤のお知らせ


 株式会社キャンバスと国⽴⼤学法⼈東京⼤学医学部附属病院は、当社が創出し開発中の抗癌剤候補化合物
CBP501の膵臓癌発症モデルマウスによる薬効試験について、2016年3⽉から共同研究契約を実施しています。
 今般、当該共同研究の内容を拡⼤する合意が成⽴し、改めて共同研究契約(2021年2⽉24⽇効⼒発⽣)を締
結しましたので、お知らせします。


【研究⽬的の拡⼤】


(拡⼤前)
 CBP501を含むキャンバスの研究開発に関連する医薬品・医薬品候補化合物及びそれらの併⽤による膵臓癌
 への薬効・安全性等を、膵臓癌発症モデルマウスを⽤いて確認する。
(変更後)
 ・東京⼤学医学部附属病院が提案または提供する医薬品・医薬品候補化合物
 ・CBP501を含むキャンバスの研究開発に関連する医薬品・医薬品候補化合物
 それら単剤および併⽤による膵臓癌への薬効・安全性等を、膵臓癌発症モデルマウスを⽤いて確認する。


 なお、共同研究契約の期間(2022年3⽉31⽇まで)については、今回は変更ありません。


【研究⽬的拡⼤の背景】


 CBP501、CBP-A08など当社が開発中の抗癌剤候補化合物は、癌微⼩環境に作⽤することがわかっており、
従来は難治性癌で最新の免疫チェックポイント抗体も効果が期待できないとされている膵臓癌でも、他の治療
との併⽤によって薬効を発揮する可能性があります。
 この共同研究では、東京⼤学医学部附属病院伊地知秀明講師が作製したヒト膵臓癌に近い膵臓癌発症モデル
マウスを当社の研究開発にかかる実験に活⽤し、当社が開発中のものを含むさまざまな医薬品や医薬品候補化
合物を⽤いて、膵臓癌への薬効・安全性等を確認し、薬効が⾒られた場合には、組織染⾊などの⼿法を⽤いて
当該薬効が発揮されるメカニズムを解析してきました。
 過去約5年間の共同研究においては、主に「本モデルマウスが確かにヒト膵臓癌発症と⾮常に類似しているこ
と」「CBP501が⽩⾦製剤・免疫チェックポイント阻害抗体との併⽤によって効果を⽰すこと」「医薬品候補化
合物のふるい落としやCBP501の併⽤候補化合物の選別に有⽤であること」の3点が確認できました。


 従来の共同研究は、CBP501・CBP-A08を含むキャンバスの研究開発に関連する医薬品候補化合物を対象と
してきました。
 今回の共同研究⽬的拡⼤により、新たに「東京⼤学医学部附属病院が提案または提供する開発候補化合物」
(作⽤メカニズムは⾮開⽰ですが、従来キャンバスが研究または開発してきた候補化合物の作⽤機序とは異な
ります)が加わり、これらの単剤投与や、CBP501・CBP-A08を含むキャンバスの研究開発に関連する候補化
合物との併⽤投与についても、薬効・安全性等を確認し薬効メカニズムを解析することとなります。


 既に複数の医薬品候補化合物が東京⼤学医学部附属病院から提案されており、今回の共同研究⽬的拡⼤によ
り、当社の開発ポートフォリオ拡充に直結する可能性のある研究が追加されることが期待されます。また、
CBP501とは作⽤メカニズムの異なる候補化合物を基礎研究の素材とできることから、新たな併⽤戦略が描ける
可能性もあります。


 なお本件は、2021年6⽉期業績など短期的な当社の業績に直接の影響はありませんが、中⻑期的には、臨床
第2相試験準備中のCBP501、臨床第1相試験中のCBS9106、前臨床試験準備段階にあるCBP-A08や「NEXT」
プロジェクトに続く研究資産の拡充につながり、中⻑期的な収益や企業価値向上に寄与する可能性があると考
えています。


【株式会社キャンバスについて】


キャンバスは、癌免疫に特化して新規抗癌剤の創出を⽬指す、臨床開発段階の研究開発型創薬企業です。


創業期から研究開発を続け現在最も開発ステージの進んでいる⾃社創出化合物CBP501は、「CD8T細胞の存在
しない(または極めて少ない)免疫コールドな癌組織にCD8T細胞を誘引して免疫ホットにし、免疫チェックポ
イント阻害抗体の効果を⾼める」というユニークな作⽤機序を持つImmune Igniter(免疫着⽕剤)であり、こ
れまで多数の臨床試験で⼗分な安全性が確認された上、直近では膵臓癌3次治療を対象とした⽶国での臨床第1b
相試験で有効性を⽰す有望な結果が得られました。現在は臨床第2相試験を準備中です。


後続の化合物CBS9106は、⾃社の探索システムから創出し⾃社で前臨床試験を完了した段階で2014年に⽶国
Stemline社へ導出しました。臨床第1相試験で有望な安全性と有効性が⽰されており、次相臨床試験が検討され
ています。


これらのほかキャンバスは、前臨床試験段階の抗癌剤候補化合物CBP-A08、低分⼦の免疫系抗癌剤である
IDO/TDO⼆重阻害剤、新しいコンセプトの免疫系抗癌剤の探索創出段階にある「NEXT」プロジェクト、免疫
系抗癌剤の感受性予測システムなど、癌免疫領域に集中した基礎研究に基づく中⻑期的な研究開発ポートフォ
リオを有しています。また、IDO/TDO⼆重阻害剤については、同じ作⽤メカニズムでサイトカインストームの
抑制にも効果が期待できることから、静岡県⽴⼤学と共同で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬
としても研究を進めています。


                                                        以上