4575 M-CANBAS 2020-09-23 15:00:00
ライセンス導出済み化合物CBS9106に関するESMO2020での発表について [pdf]

                                                                                  2020年9月23日
各 位
                                 会社名                      株 式 会 社       キ    ャ     ン   バ   ス
                                 代表者名                       代表取締役社長      河邊 拓己
                                                             (コード番号:4575 東証マザーズ)
                                 問合せ先              取締役最高財務責任者兼管理部長 加登住 眞
                                                                            ir@canbas.co.jp



             ライセンス導出済み化合物CBS9106に関するESMO2020での発表について


 当社が創出し米国Stemline Therapeutics Inc.(以下「Stemline社」)へライセンス導出した抗癌剤候補化
合物CBS9106(同社における開発コード:SL-801、一般名:felezonexor)について、2020年9月19日から21
日までバーチャル(オンライン)で開催された欧州臨床腫瘍学会年次会議(ESMO Virtual Congress 2020)に
おいてポスター発表がおこなわれましたので、お知らせします。


      “Updated Results Of A Phase I Study Of Felezonexor (SL-801), A Novel XPO-1
      Reversible Inhibitor, In Patients With Relapsed/Refractory Solid Tumours”
      「再発/抵抗性固形癌を対象とした新規XPO-1可逆的阻害剤felezonexor(SL-801)臨床第1相試験結果アップデート」


 今回の発表は、現在Stemline社が実施している再発/薬剤抵抗性の固形癌を対象としたfelezonexor
(SL-801)臨床第1相試験の途中経過報告です。
  同臨床試験の内容は下記(ClinicalTrials.gov)をご参照ください。
 https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02667873

 今回発表された概要は下記のとおりです。



      【症例の内容】
      58症例(うち女性52%)、年齢中央値 66歳 (レンジ:39-85歳)
      52症例(90%)が3次治療以上
      対象癌腫は幅広い固形癌(消化器癌、乳癌、肺癌、神経内分泌腫瘍、卵巣癌など)


      【結果】
      ・ 有効性: 4次治療のK-RAS変異直腸大腸癌で、7ヶ月にわたる部分奏効(PR)1例。腫瘍サイズ53%縮小。
      13例で2〜11ヶ月の病勢安定(SD)。 うち12例は3次治療以上。
      ・ 安全性: 引き続き、制御可能な安全性と忍容性が示されている。
      ・ 薬物動態: 投与量増加に伴う最高血中濃度(Cmax)およびAUCの上昇が観察された。


      【現状のまとめと次のステップ】
      felezonexorは、既治療歴が多く予後不良の進行性癌患者群に対して、安全性と薬効を示している。
      至適用量および投与方法は未決定で、改良された投与スケジュール(スケジュールB)による用量漸増試験を継
      続中。現在は80mg/日の投与群の組入れを実施中。
      次のステップとしては、特定のXPO1突然変異癌を対象とした評価や、多発性骨髄腫を含む血液がんを対象と
      した臨床試験の可能性がある。
 当社では、臨床第1相試験開始時の投与スケジュールを途中で改良したことなどに伴い想定以上の時間はか
かっているものの、これまでどおり安全性の高さが示されていることや、投与量増加に伴う薬物血中濃度上昇の
確認、さらに、高用量の投与群において部分奏効(PR)1例を含む腫瘍縮小症例が増えている傾向などに基づき、
felezonexor(SL-801)臨床第1相試験は引き続き極めて順調に進捗していると判断しています。


 当社代表取締役社長河邊拓己は次のようにコメントしています。
 「投与量増加に伴う薬物血中濃度上昇は、本薬剤の安全性の高さを示すと同時に、血中濃度の上昇によって
これまでを上回る高い有効性が期待できるものです。実際に、60mg/日以上の用量を投与した患者群において
は、部分奏効(PR)や、PRの基準には達しないものの腫瘍の縮小している症例が増加しています。
 Stemline社はイタリアMenarini社に買収され、これによって従来の米国に加えて将来の本格的な欧州展開
も見えてきました。買収作業やコロナ禍の中でも、当社と同社開発チームとの緊密な連携は継続しており、今回
の発表のように、臨床試験も順調に進められています。
 キャンバスは、Menarini社・Stemline社とともに、CBS9106/SL-801をベスト・イン・クラスのXPO1阻害剤
とすることを目指し臨床開発に取り組んでいきます」


 なお、本件による当期業績への影響はありませんが、中長期的には、不確実性は伴うものの、同薬剤の開発
が進展した場合にはそれに伴うマイルストーン収入、上市された場合にはその後のロイヤルティ収入が見込まれ
ます。


                                                              以上