4572 J-カルナバイオ 2020-03-16 15:30:00
バイオノバ・ファーマシューティカルズとのライセンス契約締結に関するお知らせ [pdf]
2020年3月16日
各 位
会 社 名 カルナバイオサイエンス株式会社
代 表 者 名 代表取締役社長 吉野 公一郎
(コード番号:4572)
問 合 せ 先 取締役経営管理本部長 山本 詠美
(TEL:078-302-7075)
バイオノバ・ファーマシューティカルズとのライセンス契約締結
に関するお知らせ
当社は、2020年3月16日開催の取締役会において、バイオノバ・ファーマシューティカルズ
(中国・上海市、英名:BioNova Pharmaceuticals、以下「バイオノバ社」という)との間で、
当社が開発中の次世代BTK阻害剤AS-1763の中華圏におけるライセンス契約(以下「本契約」と
いう)を締結することを決議し、同日付で本契約を締結しましたのでお知らせいたします。
記
1. 本契約の概要
当社は、当社が創製し、現在、血液がんを治療標的として開発中の次世代BTK阻害剤AS-1763
の開発・商業化にかかる中華圏(中華人民共和国および台湾)における権利を、中国バイオノ
バ社に供与する契約を締結しました。
その対価として、当社は契約一時金を受領するほか、開発状況や上市などの進捗に応じて追
加的に最大で約 205 百万ドル(約 215 億円)を受け取ることになります。さらに、当社は、AS-
1763 の中華圏における上市後の売上高に応じた最大2桁の料率の段階的ロイヤリティを受け
取ります。中華圏を除く全世界における AS-1763 の開発・商業権は引き続き当社が保有し、開
発を継続いたします。
2. 本契約の意義
BTK阻害剤AS-1763は、現在当社が前臨床試験を実施しており、2020年中に米国においてIND申
請(新薬臨床試験開始届)を提出する計画に変更はありません。一方、本契約に基づき、今後
中国においては、バイオノバ社が臨床試験を実施することになります。バイオノバ社の経営陣
は、欧米の製薬企業での臨床開発経験が豊富であり、また、中国が2017年にICH(医薬品規制調
和国際会議)に加盟したことから、AS-1763に関するより多くの臨床試験データを収集・利用で
きることになり、AS-1763の価値をより早期に最大化できると考えております。
当社の取締役研究開発本部長である澤匡明は次のように述べています。 「米国では、抗がん剤
の臨床試験実施にあたり、患者様のリクルートに関する競争が激しくなっているため、血液が
んを治療標的とした次世代BTK阻害剤の開発を加速させるために、 バイオノバ社は最適なパート
ナーだと考えています。同社との連携により、AS-1763の開発を最速で進めていきます。 」
また、当社の代表取締役社長である吉野公一郎は、本契約締結にあたり次のように述べてい
ます。 「バイオノバ社との提携により、AS-1763の抗がん剤としての可能性をより広げることが
できると考えています。バイオノバ社の開発チームと協力し、当社の革新的な医薬品候補化合
物をがんで苦しむ患者様に一日も早く届けたいと考えています。 」
バイオノバ社のイエ・フア創業者兼CEO(Ye Hua, MD, MPH)は次のように述べています。 「悪
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性B細胞腫瘍の標準治療におけるBTK阻害剤の近年の成功に付随して、第一世代の共有結合型BTK
阻害剤による治療の結果、主にC481Sの変異による薬剤耐性が問題となってきています。今回の
カルナバイオサイエンスとの協業は、アンメット・メディカル・ニーズの高い、分子標的薬の
薬剤耐性を克服する新たな解決法の研究につながると考えています。 」
3. 相手先の概要
①名 称 BioNova Pharmaceuticals Limited
② 800 Naxian Road, Building 1, 402-06, Shanghai 201211,
所 在 地
China
③代 表 者 の 役 職 ・ 氏 名 Ye Hua, Chairman and Chief Executive Officer
④ 事 業 内 容 医薬品の開発
⑤ 資本金(Common Stock) ―
⑥設 立 年 2018年
⑦大 株 主 及 び 持 株 比 率 ―
⑧当 事 会 社 間 の 関 係
資 本 関 係 該当事項はありません。
人 的 関 係 該当事項はありません。
取 引 関 係 該当事項はありません。
関 連 当 事 者 へ の
該当事項はありません。
該 当 状 況
⑨ 最近3年間の連結経営成績及び連結財政状態(単位:百万ドル、特記しているものを除く)
決 算 期 ― 2018年12月期 2018年19月期
純資産 ― ― ―
総資産 ― ― ―
1株当たり純資産 ― ― ―
売上高 ― ― ―
営業利益 ― ― ―
経常利益 ― ― ―
当期純利益 ― ― ―
1株当たり当期純利益 ― ― ―
1株当たり配当金 ― ― ―
(注)バイオノバ社は非公開企業であり、株主構成、連結経営成績および連結財政状態は公表
していないため、記載をしておりません。
4. 本契約の日程
当社取締役会決議 2020年3月16日(月)
本契約締結日 2020年3月16日(月)
5. 今後の見通し
本契約締結およびこれに伴う一連の事象が、当社の 2020 年 12 月期の連結業績に与える影響
は精査中であり、連結業績の見通しに大きく影響を与える場合は、速やかに開示いたします。
以 上
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(注1)1ドルは 105 円で換算しております。
AS-1763 について
AS-1763 は、野生型および C481S 変異型の両方のブルトン型チロシンキナーゼ(Bruton's
tyrosine kinase、BTK)を選択的に阻害する、経口投与可能な非共有結合型 BTK 阻害剤であり、
慢性リンパ性白血病(CLL)や悪性 B 細胞腫瘍を治療標的としています。イブルチニブなど第一
世代の共有結合型 BTK 阻害剤は、CLL や悪性 B 細胞腫瘍の治療に画期的な変化をもたらしまし
た。しかし、多くの患者様で、BTK の 481 番目のシステイン残基(C481)がセリンに置き換わる
変異が生じて、第 1 世代の共有結合型 BTK 阻害剤の結合が弱まり、薬剤耐性になることが報告
されています。AS-1763 は、インビトロでの研究において、野生型 BTK および C481S 変異体 BTK
のリンパ腫細胞の両方の増殖を強く阻害することから、 野生型のみならず C481S が変異した BTK
を持つ悪性 B 細胞腫瘍の患者様に新しい治療の選択肢を提供できる可能性があります。 AS-1763
は現在、第 1 相試験の開始にむけて、遺伝毒性、安全性薬理試験および 28 日間反復投与毒性試
験などの前臨床試験を実施中です。
バイオノバ社について
バイオノバ・ファーマシューティカルズは、アンメット・メディカル・ニーズの高い分野にお
ける革新的な治療薬を開発、商業化することを目指しています。バイオノバは自社での研究開
発、グローバル・パートナーとの協業および選択的なライセンス契約により強固なパイプライ
ンを構築することにフォーカスしています。優秀な研究開発チーム、効率的な業務モデルと豊
富な資金により、バイオノバは中国および世界の患者様に革新的な治療薬を届けることに専念
しています。
バイオノバ・ファーマシューティカルズに関する情報は以下のホームページをご覧ください。
www.bionovapharma.com
カルナバイオサイエンスについて
カルナバイオサイエンスは、がん、免疫炎症疾患や神経変性疾患など、アンメット・メディカ
ル・ニーズが高い疾患領域を中心に、画期的な分子標的薬を創製するために研究開発に取り組
んでいるバイオベンチャー企業です。2003 年、神戸において、日本オルガノン社からスピンオ
フして設立されました。創薬研究と同時に、キナーゼ阻害薬研究に必須な高品質なキナーゼタ
ンパク質やスクリーニング・プロファイリングサービスを製薬企業等に提供しています。同社
は、2008 年に株式公開し、現在東京証券取引所 JASDAQ グロース(コード:4572)に上場してい
ます。
カルナバイオサイエンスに関する情報は以下のホームページをご覧ください。
www.carnabio.com
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