4572 J-カルナバイオ 2021-12-03 08:30:00
BTK阻害剤AS-1763の第1相臨床試験BAパート投与開始に関するお知らせ [pdf]

                                                       2021年12月3日
 各    位
                                  会 社 名   カルナバイオサイエンス株式会社
                                  代表者名    代表取締役社長     吉野 公一郎
                                                (コード番号:4572)
                                  問合せ先    取締役経営管理本部長 山本 詠美
                                               (TEL: 078-302-7075)


      BTK阻害剤AS-1763の第1相臨床試験BAパート投与開始に関するお知らせ

 当社が開発中の次世代型BTK阻害剤AS-1763に関し、第1相臨床試験における新製剤を用いたバイオ
アベイラビリティ(BA)パートを開始しましたのでお知らせいたします。
 AS-1763は当社が創製したブルトン型チロシンキナーゼ(Bruton's tyrosine kinase, BTK)を標的と
する阻害剤であり、高選択的かつ強力にBTKの活性を阻害します。非共有結合型の阻害様式であること
から、イブルチニブ耐性の血液がん患者にも有効な治療薬として開発を進めています。
 AS-1763の第1相臨床試験はオランダで実施しており、健康成人男女を対象としたプラセボ対照無作
為化二重盲検、用量漸増単回経口投与(SAD)パートにおける全ての投与が完了し、安全性、忍容性お
よび良好な薬物動態プロファイルを確認しています。当社は、患者を対象とした第1b相臨床試験以降
で使用するAS-1763の新たな製剤の開発を進めておりましたが、12月2日(オランダ現地時間)に、新
製剤を用いたBAパートの投与を開始いたしました。本パートは、SADパートで用いた簡易製剤に対する
新製剤の相対的BAを検証すること目的としています。
 当社は、慢性リンパ性白血病およびB細胞リンパ腫の患者を対象とした第1b相試験を2022年に米国
で実施する予定にしており、当該試験の実施に必要なIND(新薬臨床試験開始届)申請に向け、Pre-IND
ミーティング (FDA、Food and Drug Administrationとの事前相談)の準備を行っています。
 なお、本件が2021年12月期の連結業績予想に与える影響はありません。
                                                               以上


BTK阻害剤AS-1763について
AS-1763は、慢性リンパ性白血病(CLL)を含む成熟B細胞腫瘍の治療を目的として開発中の、野生型お
よびC481S変異型Bruton's Tyrosine Kinase(BTK)の両方を阻害する高選択性で非共有結合型の経口
投与可能な化合物です。イブルチニブを代表とする第1世代の共有結合型BTK阻害薬は、CLLや他の成
熟B細胞腫瘍の標準選択薬として使用されています。しかしながら、多くの患者で、BTKの481番目のシ
ステイン残基(C481)がセリンに置き換わる変異が生じて、第1世代の共有結合型BTK阻害剤の結合が
弱まり、薬剤耐性になることが報告されています。AS-1763は、野生型およびC481変異BTKのリンパ腫細
胞の両方の増殖を強く阻害することから、野生型のみならずC481変異BTKをもつ患者の治療にも有効と
考えられます。