4572 J-カルナバイオ 2021-07-14 15:30:00
事業計画及び成長可能性に関する事項 [pdf]

       カルナバイオサイエンス株式会社
             事業計画及び成長可能性に関する事項




2021年7月14日
                                 証券コード:4572
事業内容
    カルナバイオサイエンスの目標


    21世紀に残されたアンメットメディカルニーズに対応する
    画期的な新薬を生み出す

     創薬標的から新薬を研究開発し、継続的に創薬パイプライン
     を創製可能な技術力




     革新的な医薬品を次々に世に送り出すことにより、
     飛躍的な成長を目指す

2
    独自のビジネスモデル
     創薬支援事業で製薬会社等にキナーゼ阻害薬研究のための製品・サービスを提供し、安定した収入を獲得。財務基
      盤の安定化に寄与するとともに、自社創薬のツールも提供。⇒ 他の創薬ベンチャーにはない当社の強み。
     創薬事業では、キナーゼ創薬基盤技術を活用し、がん、免疫・炎症疾患などの治療薬を研究開発。飛躍的な成長を
      目指した先行投資を行っています。



                            創薬
                           支援事業


                      創薬
                      事業
                             革新的
                            新薬の開発


3
    創薬事業のビジネスモデル
    <研究開発領域>                              <収益モデル>

     創薬事業では、革新的なキナーゼ阻害薬等の低分子医薬品           当社が創製した医薬品候補化合物の知的財産権に基づく開発・
      の研究開発を行っています。                         商業化の権利を製薬会社等に導出(ライセンスアウト)し、そ
     がん、免疫・炎症疾患を重点領域として研究開発に注力し            の対価として契約一時金、一定の開発段階を達成した際のマイ
      ています。                                 ルストーン、新薬の上市後の売上高に応じたロイヤリティ収入
     比較的早期に有効性が確認できる「がん領域」は最大フェ            を獲得するビジネスモデルです。
      ーズ2試験まで実施してパイプライン価値の向上を目指し           当社は、臨床試験のフェーズ2までを自社で行い、それ以前の
      ます。                                   いずれかの段階で製薬企業等へ導出する方針です。
     それ以外の疾患はフェーズ1試験もしくは前臨床試験まで
      実施し、早期ライセンスアウトすることを基本方針として
      います。

          研究      前臨床試験   フェーズ1   フェーズ2

     重
     点   がん領域
     領
     域
         免疫・炎症領域


         その他の領域


                              ライセンスアウト




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    創薬支援事業のビジネスモデル
     創薬支援事業では、当社のキナーゼ創薬基盤技術を基に、キナーゼ阻害薬研究のための製品・サービスを開発し、製薬企業に販売す
      ることで安定した収入を獲得しています。同時に、当社の創薬事業で使用するツールを社内向けに提供しており、当社の強みとなっ
      ています。

          <キナーゼ阻害薬研究プロセスと創薬支援事業の事業領域>

                                キナーゼ阻害薬研究




             創薬
            ターゲット              リード化合物の         リード化合物の
             の同定                 創出              最適化
                                                                  キナーゼタンパク質


                        当
                            キナーゼタンパク質        キナーゼタンパク質
                        社
                    製 が
                            アッセイ開発・アッセイキット   プロファイリング・サービス
                    品 提
                    お 供
                            プロファイリング・サービス    セルベースアッセイ・サービス
                    よ す                                            アッセイキット
                    び る     スクリーニング・サービス     X線結晶構造解析サービス
                    サ
                    ー
                            セルベースアッセイ・サービス
                    ビ
                    ス


                                                              プロファイリング・スクリーニングサービス
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創薬事業
    創薬パイプライン
       <がん領域>
         化合物        標的         対象疾患      探索・前臨床   臨床    開発パートナー

        AS-0141   CDC7/ASK      がん                        自社

         低分子       キナーゼ        がん免疫

        AS-1763     BTK      血液がん・がん免疫                 自社/(中華圏のみ)

         低分子        ALK5     血液がん・がん免疫                    自社

         低分子       CDK1         がん                        自社


       <がん以外の疾患領域>
         化合物        標的         対象疾患      探索・前臨床   臨床    開発パートナー

         低分子       キナーゼ       精神神経疾患

        AS-0871     BTK      免疫・炎症疾患                      自社

         低分子        N/A        マラリア                       自社

         低分子       STING     免疫・炎症疾患                      自社


       *上記以外にも次世代パイプラインの構築を目的として探索研究を複数実施しています。



7
    BTK阻害薬
    ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)
       B細胞やマクロファージにおいて、重要な役割をしているキナーゼ
       最初のBTK阻害薬イブルチニブの成功で高い注目度
       イブルチニブのピークセールス見込みは100億ドル以上

                                                                     B細胞     マクロファージ   肥満細胞
       上市済みのBTK阻害薬の売上                                                                 好塩基球


                                                          2026年                        BTK
         発売          製品名      会社       主疾患    2020年                                    阻害薬
                                                           予想
                              AbbVie
        2013年      イブルチニブ              血液がん   84億ドル*1    107億ドル*2     血液がん
                               J&J
                                                                      リンパ性白血病など
                               Astra
        2017年    アカラブルチニブ              血液がん   5.2億ドル*1
                              Zeneca
                                                                      アレルギー・自己免疫疾患

                                                                      リウマチ、慢性蕁麻疹、全
      2019年1月に、非共有結合型BTK阻害剤LOXO-305を含むキナーゼ阻害剤を有する米Loxo Oncology社が、    身性エリテマトーデスなど
      米Eli Lilly社に約80億ドル(当時約8,700億円)で買収され、2019年12月にも、非共有結合型BTK阻害剤
      ARQ531を開発中の米ArQule社が、米Merck社に27億ドル(当時約2,900億円)で買収されたことから、非
      共有結合型BTK阻害剤の市場価値は非常に高いと考えられます。


      出所:*1 会社資料
         *2 Evaluate Pharma


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    AS-0871:非共有結合型BTK阻害剤
                                           AS-0871:免疫・炎症疾患を対象に開発

           低分子BTK阻害剤
                                                  関節炎モデルで高い治療効果
           非共有結合型
                                                  全身性エリテマトーデスモデルで効果
           高いキナーゼ選択性
                                                  フェーズ1終了後、ライセンスアウトもしくは共同開発を目指す
           経口投与可能


             2020年下期にオランダでフェーズ1試験を開始(単回投与用量漸増(SAD)試験)
             2021年下期から新製剤を用いた反復投与用量漸増(MAD)試験を開始予定
             アンメット・メディカル・ニーズの高い慢性特発性蕁麻疹(CSU)を想定した抗原誘発試験をMAD試験に組み込む予定
             MAD試験終了後、パートナリング活動を開始(ライセンスアウトもしくは共同開発)
             CSU以外の自己免疫疾患等にも適応拡大の可能性

                   2020年      2021年        2022年                        2025年


                                   フェーズ1                    フェーズ2
                           SAD試験      MAD試験                                       短期間での
                                                            慢性特発性蕁麻疹
                       • 健康成人対象       • 健康成人対象                                    POC取得を目指す
                       • 簡易製剤         • 新製剤                • 小規模試験
                                                           • 短期の試験期間
                            (完了)       (準備中)

                                                                                自己免疫疾患等への適応拡大
                                                     ライセンスアウトもしくは共同開発

    ヒトPOC:新薬候補化合物のコンセプト(作用部位や作用機序)が有効性や安全性を含めて臨床で妥当であることが確認されること。
9
     AS-0871:優れたキナーゼ選択性と薬効
         非常に高いキナーゼ選択性

                                          コラーゲン誘発関節炎マウスモデ
                        イブルチニブ
                                           ルにおける高い治療効果




                         AS-0871




        310 キナーゼ



         アレルギー反応の抑制




                   溶媒          AS-0871


10
     AS-0871:フェーズ1試験
       SADパート(完了)
       Step 1
                                  Step 2
       単回投与用量漸増試験 (SAD)
       •   6用量(8例/群)
       •   各用量:実薬6例、プラセボ2例
       •   安全性,忍容性の評価
                                  •   食事の影響
       •   薬物動態および薬力学的評価




                              全ての用量で安全性および忍容性を確認
                              薬物動態も良好
                              薬力学的評価として実施したB細胞および好塩基球の活性化も100mg以上
                              の用量で強力に阻害
                              MAD試験は新製剤に切り替えて実施




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     AS-0871の薬力学的作用
      副次的に評価した薬力学の試験で、AS-0871の投与量依存的に好塩基球およびB細胞の活性化が抑制され、100 mg以上の用量
       で強い阻害活性が持続的に観察されました。
      好塩基球は、アレルギー疾患の発症に重要なヒスタミンやロイコトリエンのような化学伝達物質の放出に関与しています。また
       B細胞は、リウマチや全身性エリトマトーデスのような自己免疫疾患において、異常なBCRシグナルによる自己抗体の産生に関
       わっていると考えられています。
      今回の臨床試験において、AS-0871は、B細胞および好塩基球の作用を抑制するのに十分な効果を示したことから、免疫・炎症
       疾患の治療に効果が期待できることが示されました。




12
     AS-0871:競合状況

            <競合状況>

             自己免疫疾患をターゲットとして開発中の非共有結合型BTK阻害剤は1社のみ
             慢性特発性蕁麻疹を標的疾患とした開発中の非共有結合型BTK阻害剤はなし



                    化合物             開発会社             開発段階


                 Fenebrutinib                         P3
                                Roche / Genentech
                 (GDC-0853)                         多発性硬化症




13
     慢性特発性蕁麻疹          (Chronic Spontaneous Urticaria )


      慢性特発性蕁麻疹(CSU)は根本治療法がないアンメット・メディカル・ニーズです。
      CSUは、痒みを伴う発疹症状が6週間以上継続する皮膚疾患で、眠れないなど生活に支障をきたします。
      多くの場合は原因が特定できず、また感染症やストレスなどで増悪することもあります。
      抗ヒスタミン薬が一般的治療方法として古くから用いられていますが、特に重症な場合には効果がなく、治療薬に選択肢がありません。
      近年、オマリズマブ(ヒト化抗IgEモノクロナール抗体)が新しくCSUの治療薬として承認されましたが、薬剤費が非常に高価なこと( 平均
       1,874ドル/4週間)が課題です。
                                                                     CSU市場規模予測
      2020年の市場規模*1は約1,200億円(主要7か国*2の合計)で、AS-       (億円)


       1763の対象と考えられる抗ヒスタミン薬を除く市場規模は1,170億円で         2000

                                                    1900
       す。                                           1800

      2030年までには、オマリズマブに続くヒト化抗IgEモノクロナール抗体          1700

                                                    1600
       の上市で、市場規模*1は約1,900億円と予想されています。               1500

                                                    1400
      CSUを適応症とするBTK阻害剤は上市されていません。
                                                    1300

                                                    1200

                                                    1100

                                                    1000
                                                           2020   2022   2024   2026   2028   2030 (年)



                                                                                  出所:DeleveInsight社


                                                    *1市場規模はDeleveInsight社による市場調査を引用
                                                    *2主要7か国:米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、イギリス、日本
14
     AS-1763:次世代BTK阻害剤
                                             AS-1763:血液がんを対象に開発

              低分子化合物
                                                      BTK野生型およびC481S変異型細胞株を使ったリンパ腫モデルで強力な抗腫瘍効果
              非共有結合型
                                                      がん免疫モデルにおいても効果を発揮
              高いキナーゼ選択性
                                                      自己免疫疾患にも適用拡大可能
              イブルチニブ耐性BTK(C481S変異体)にも強い
                                                      中華圏の権利をライセンスしたバイオノバ社が今後中国で実施する治験のデータを
               阻害活性を示す
                                                       活用し、臨床試験を加速予定
              経口投与可能


               2021年上期に健康成人を対象としたフェーズ1試験(単回投与用量漸増(SAD)試験)をオランダで開始
               SAD試験終了後、速やかに米国にて慢性リンパ性白血病/B細胞リンパ腫の患者を対象としたフェーズ1b試験を開始予定
               臨床試験は導出先のバイオノバ社と相互に情報共有しながら効率よく進めていく予定



                   2021年                    2022年             2023年                2025年


                           フェーズ1                          フェーズ1b           フェーズ2
                           SADパート   BAパート                 慢性リンパ性白血病/     慢性リンパ性白血病/
                                               米国IND

                        • 健康成人対象    • 新製剤                 B細胞リンパ腫        B細胞リンパ腫
                        • 簡易製剤                           • 用量漸増パート(単剤)   • イブルチニブナイーブ患者(単剤)
                                                         • 用量拡大パート(単剤)   • イブルチニブ耐性変異患者(単剤)
                           (実施中)    (準備中)
                                                         • 併用療法          • 併用療法


                                                                                           BA:バイオアベイラビリティ
                                                                                           IND:米国における新薬臨床試験開始届
15
     AS-1763:優れたキナーゼ選択性と薬効
          非常に高いキナーゼ選択性




                                   血液がんモデルにおける高い抗腫瘍効果

                                               薬物非投与群




                                  腫瘍サイズ(mm3)
          イブルチニブ耐性BTK変異導入がん細胞株
           に対しても強い増殖阻害活性
                                                        投与日数
                                                               *** P<0.0001




16
     BTK阻害剤 血液がんを対象とした既存薬
      第1世代の共有結合型BTK阻害剤
      イブルチニブを代表とする第1世代の共有結合型BTK阻害剤は、慢性リンパ性白血病(CLL)を含む成熟B細胞腫瘍の有効な治療薬と
      して幅広く使われています。
      第1世代の共有結合型BTK阻害剤であるイブルチニブ、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブの2020年の売上高は合計で90億ドル以
      上となっています。また、イブルチニブの2026年の売上高は100億ドル以上と予想されています。(出所:Evaluate Pharma)
      第1世代のBTK阻害剤の処方数が増える一方で、これらの薬剤に対する耐性化が深刻な問題となってきています。


                   <第1世代のBTK阻害剤の売上高>

                   (百万ドル)          開発/販売          2019       2020        2026予想


                   イブルチニブ          Abbvie+J&J      7,291      8,433       10,722


                   アカラブルチニブ        AstraZeneca       164        522         n.a.


                   ザヌブルチニブ         BeiGene               1          41      n.a.

                   出所:実績は各社資料、予想はEvaluatePharma




17
     AS-1763:競合状況

       共有結合型BTK阻害剤が効かない患者に効果のある非共有結合型BTK阻害剤が求められています。
         イブルチニブ耐性の主な原因として、BTKの481番目のシステインが変異したことにより、イブルチニブがBTKに共有
          結合できなくなっていることが報告されています(BTK C481S耐性変異)。
         当社が創製した非共有結合型AS-1763は野生型BTKだけでなく、C481S耐性変異型BTKにも高い阻害効果を示すこと
          から、共有結合型BTK阻害剤耐性患者にも効果が期待できる次世代型BTK阻害剤として開発を進めています。
         C481S変異に対するBTK阻害剤は上市されておらず、高いアンメット・メディカル・ニーズがあります。
         イブルチニブ耐性患者を対象として開発中の非共有結合型BTK阻害剤は2剤ともバイオベンチャーが開発し、その後メ
          ガファーマに買収されています。




                     化合物               開発会社          開発段階


                     ARQ531         Merck (ArQule)    P2


                    LOXO-305         Lilly (Loxo)     P3




18
     AS-0141:CDC7阻害剤
                                                   AS-0141:がんを対象に開発

              低分子CDC7阻害剤                             様々ながん種のがん細胞の増殖を強く阻害
              高いキナーゼ選択性                              各種ヒト腫瘍移植動物モデルにおいて優れた抗腫瘍効果
              ファーストインクラスの可能性                         日本で固形がんを対象としたフェーズ1試験を実施
              経口投与可能


               2021年上期に切除不能進行・再発又は遠隔転移を伴う固形がん患者を対象としたフェーズ1試験を開始
               フェーズ1試験は、用量漸増パートおよび拡大パートの2段階
               安全性や最大耐用量等を評価するとともに、フェーズ2試験の推奨用量を決定することが主要目的




                     2021年                 2022年               2024年         2026年


                        フェーズ1                                           フェーズ2

                             固形がん                       固形がん           固形がん
                             • 用量漸増パート                  • 拡大パート        • 多施設
                             • 単施設                      • 多施設
                                   (実施中)




19
     AS-0141: CDC7阻害剤について
      CDC7キナーゼ阻害剤
     CDC7 (cell division cycle 7) は、セリン/スレオニンキナーゼの1種であり、細胞周期において染色体複製開始の制御に重要な役割をしていま
     す。がん細胞では、細胞周期の制御に異常をきたしているため、CDC7を阻害すると、不完全なDNA複製が引き金となって、染色体の不安定化
     を引き起こし、がん細胞に細胞死を誘導します。一方で、正常細胞は、細胞周期の制御が正常であるため、CDC7活性が阻害されても細胞は死ぬ
     ことはなく、この点からCDC7阻害剤は非常に副作用の少ない新しい治療薬になると期待されています。近年、様々ながんでCDC7が過剰発現し
     ていることが報告されており、CDC7阻害剤は、がんの新しい治療薬として期待が寄せられています。


                       <正常細胞>


                                G1                                  G1                AS-0141
                       M             CDC7                  M
                                                                         CDC7
                                            AS-0141                                     細胞周期の停止
                                                                           細胞周期
                                                                           チェックポイント                生存


                                 S                                   S
                           G2                                  G2


                       <がん細胞>

                                                      異常なM 期
                                G1                    に進行           G1                AS-0141
                       M             CDC7                  M
                                                                         CDC7
                                            AS-0141                                       アポトーシス
                                                                           細胞周期
                                                                           チェックポイント                細胞死

                                                                         異常なS期
                                 S                                   S   に進行
                           G2                                  G2



20
     創薬事業の収入見込み
      当社は今後、下記の導出先による研究開発の進展、上市などのタイミングでマイルストーン収入を得るほか、上市後の売上高
       に応じたロイヤリティ収入を受け取ります。


         <契約中のライセンス契約および共同研究契約>

           導出先/共同研究                化合物        契約        マイルストーン    ロイヤリ    契約
                                                                                  契約時期
              先                  (疾患領域)      一時金           総額       ティ     地域


           大日本住友製薬             キナーゼ阻害薬       8千万円
                                             (契約一時金+     約106億円    非公表     全世界   2018年3月
           (共同研究)               (精神神経疾患)   研究マイルストーン)



           Gilead Sciences     キナーゼ阻害薬       20M$         450M $
                                                                   非公表     全世界   2019年6月
           (導出)                  (がん免疫)    (約21億円)      (約472億円)

           BioNova
                                                          205M $
           Pharmaceuticals       AS-1763     非公表                   最大2桁%   中華圏   2020年3月
                                                        (約215億円)
           (導出)


                             注:マイルストーン収入の受領タイミング、金額、ロイヤリティ比率は、契約相手先との取り決めにより、非開示とさせていただきます。




21
創薬支援事業
     創薬支援事業
      創薬支援事業では、当社のキナーゼ創薬基盤技術を基に開発した、キナーゼ阻害薬研究に使用されるキナーゼタンパク質、
       キナーゼ阻害薬候補となる化合物のキナーゼに対する阻害率などを測定するプロフィリング・スクリーニングサービスなど
       を提供。
      国内外の大手製薬企業・バイオベンチャー等が顧客。世界のキナーゼ創薬研究の一翼を担っています。
      高品質(酵素活性が高い、不純物が少ない、ロット間のばらつきが少ない等)を保つことにより、顧客のリピート率の向上につながっています。
       品質へのこだわりは、製薬企業に対する当社のイメージ向上にも貢献しています。


        高品質なキナーゼタンパク質
          創薬研究に重要な約460製品のラインナップ
          約130種類の充実した製品数でビオチン化キナーゼタンパク質を販売しているのは当社
           のみ

        正確なプロファイリングサービス
          薬理学的、毒性学的に意義のある生体内のキナーゼを十分にカバーできる約340種類の
           キナーゼに対する選択性プロファイリングサービスを提供

        顧客ニーズに合わせたアッセイキットの販売、アッセイ開発

        顧客の創薬研究をさらにサポートできるセルベースアッセイサービス
          Promega社のNanoBRET™ 技術を用いたセルベースアッセイサービス
          セルベースチロシンキナーゼアッセイパネル(ACD社提供)
          OncolinesTM ヒト腫瘍細胞株パネル(NTRC社提供)




23
     創薬支援事業 市場環境

       キナーゼ阻害剤創薬支援事業のマーケットは、国内では成熟していますが、米国、中国においては高い成長ポテ
        ンシャルを維持しています。

       主な競合他社は海外企業4社(Thermo Fisher Scientific (米)、Eurofins(欧)、SignalChem (カ
        ナダ)、Reaction Biology (米)で、国内には競合他社はありません。

       キナーゼ阻害薬に特化した試薬・サービスメーカーは当社のみ。

       ビオチン化キナーゼタンパク質は上記競合他社は発売していません。

       創薬経験者による的確な新製品開発と、正確な試験実施に加え、きめ細かいテクニカルサポートも当社の特長。

       キナーゼを細胞で強制発現させたアッセイにも力を入れており、3つの異なる方法で評価が可能。特にPromega
        社からライセンスを得たNanoBRET assayに注力しており、新サービス(full panel)の受託を開始。




24
     創薬支援事業の売上高・営業利益推移

        売上高                                                                                 営業利益
       (百万円)                                                                               (百万円)

        1,200                                                                                   500
                      その他
                      欧州                                                                        450

        1,000         米国
                                                                                                400
                      日本
                      営業利益(右軸)                                                                  350
         800
                                                                                                300


         600                                                                                    250


                                                                                                200

         400
                                                                                                150


                                                                                                100
         200
                                                                                                50


                                                                                                0
                2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年

25
事業計画
     成長戦略
       <基本戦略>
        創薬パイプラインの臨床開発を進め、クリニカル・ステージ・カンパニーとして企業価値を大きく向上させる

       自社創薬研究開始        創薬力の具現化                  パイプライン価値の最大化                          持続的な利益の創出

        2010~2015       2016~2020                2021~2025(計画)                        2026~2030(計画)
     • 社内研究体制の構築     • 複数パイプラインの導出     • 開発パイプライン(AS-0871,AS-1763, AS-0141)の   • 導出済みの複数パイプラインからのマイルストーン、
     • 創薬パイプラインの構築   • 自社臨床試験の開始         臨床試験                                    ロイヤリティ収入による収益拡大
                                       • 導出品からのマイルストーン収入獲得による黒字化               • 新たな導出による収入
                                       • 新たなパイプラインの前臨床・臨床試験の開始                 • 新たなパイプラインの前臨床・臨床試験の開始




                        <創薬事業>
                           AS-0871、AS-1763、AS-0141の臨床試験
                           上記パイプラインに続く、次期開発パイプラインの創出
                           導出品からのマイルストーン・ロイヤリティ収入の獲得


                        <創薬支援事業>
                           北米・アジア地域を中心とした自社開発製品・サービスの拡大
                           新規顧客開拓、新製品・サービスの継続的な投入による創薬支援事業の売上維持拡大
                           自社創薬開発への資金供給


27
     事業計画
        (百万円)        2020年実績         2021年計画                    2022年~2025年見通し

      売上高                  1,133           923

              創薬支援         1,080           923     安定的な売上の維持

                創薬             53              -   マイルストーン収入、一時金収入による売上

      営業損益               △1,057         △1,811

              創薬支援             458         207     新製品・サービスの開発費用は一定程度あるものの、安定的な利益を確保する


                創薬       △1,515         △2,019     先行投資期が続くが、マイルストーン収入、一時金の金額によっては利益を計上

      経常損益               △1,077         △1,816

      当期損益               △1,111         △1,825


        (百万円)        2020年実績         2021年計画                     2022年~2025年見通し

      研究開発費               1,474          1,981     将来の成長のために継続的に研究開発費を投ずる。(10~25億円)


      設備投資                     68          21      研究開発用機器、情報システム機器の新設・更新等(2千万~1億円)


      *マイルストーン収入、契約一時金収入は、収入獲得の時期、金額を予想することが困難なため、2021年の事業計画に数値を織り込んでいません。同様の理由によ
      り、2022年以降の事業計画の具体的な数値目標は開示しておりません。

28
     達成目標と進捗状況

                                                            達成目標
          事業
                                 2020年                          2021年                   2022年以降


           AS-0871    Ph1開始 (2020年8月達成)             Ph1 MADパート試験開始 (2021年下期)    パートナリング活動開始(2022年)



           AS-1763    IND申請 (2021年1月CTA達成)          Ph1開始 (2021年4月達成)           Ph1b開始 (2022年)
      創
      薬
           AS-0141                                   Ph1開始 (2021年6月達成)           Ph1拡大パート開始(2022年)



                      1テーマ以上の前臨床試験段階へのステージ          1テーマ以上の前臨床試験段階へのステージ
           創薬研究        アップ                            アップ


                                                       9.2億円の売上
                                                                                  タンパク質製品の品揃えの継続的な
                      10.3億円の売上 (10.8億円売上達成)          新製品の発売
                                                                                   拡充
          創薬支援        新製品の発売 (計27種の新製品発売達成)           NanoBRETサービスの拡大
                                                                                  ターゲットとなるキナーゼ数の追加
                      NanoBRETサービスの拡大 (売上2.3倍達成)      創薬基盤技術を駆使したコラボレーション型の
                                                                                   による受託試験サービスの拡充
                                                        提案営業の推進


                                                                                                達成
                                                                 IND:米国における新薬臨床試験開始届
                                                                 CTA:欧州における臨床試験許認可申請            未達もしくは予定
29
     バランスシート
      当社の財務戦略は、長期にわたる研究開発を行うための強固な財務基盤を保つために、手元資金については高い流動性と厚めの資
       金量を確保および維持することを基本方針としています。
      臨床試験の推進には短期的、中期的な資金確保が重要であり、創薬事業および創薬支援事業からの収益確保に取り組むとともに、
       計画的な資金調達により必要な資金を確保し、成長戦略の実現を目指します。
                                                              (単位:百万円)
                                        2019年      2020年
                                                                増減額
                                        12月期       12月期

                    流   動       資   産      5,274      4,708       △566

                        現金及び預金             4,915      4,299       △615

                    固   定       資   産       101        127         +25

                    資   産       合   計      5,376      4,835       △541

                    流   動       負   債      1,055       727        △327

                    固   定       負   債       467        284        △183

                    負   債       合   計      1,523      1,011       △511

                    純   資   産   合   計      3,853      3,824       △29

                    負債・純資産合計               5,376      4,835       △541

                    自 己 資 本 比 率           71.5%      79.0%

                    一株当たり純資産             329.8円     308.0円



30
     事業のリスク
      当社が成長の実現や事業計画の遂行に重要な影響を与える可能性があると認識する主要なリスクは以下のとおりです。

      主要なリスク                                 リスクが顕在化する可能性と対応策
      <創薬事業>
       新薬の研究開発には長い期間と多額の研究開発投資が必要であり、        当社または導出先企業において開発を中止せざるを得ないリスクは常
        有効性や安全性などの観点から開発中止や延期となるリスクがあり         にあり、その場合、期待した成長を達成できない可能性があります。
        ます。                                   臨床開発段階のパイプラインを複数持つことで、開発中止による事業
       導出した創薬パイプラインにも上記と同様のリスクがあります。          計画への影響を最小限に抑えます。
       導出先企業の経営戦略の変更により、開発スケジュールが変更に         当社は創薬標的から新薬を研究開発しており、継続的に創薬パイプラ
        なったり、開発が中断されるリスクがあります。                 インを創製することで、持続的な成長を目指します。


      <創薬支援事業>
       顧客である製薬企業がキナーゼ阻害薬の研究開発を中止または縮小し、  市場全体が縮小するリスクは小さいと考えられますが、個々の製薬企
        当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。              業がキナーゼ阻害薬研究以外に重点を置く可能性は常にあります。
                                          既存顧客に加え、新たに誕生するバイオベンチャーを顧客とすること
                                           で、安定的な売上確保を目指します。

      <資金調達>
       多額の研究開発資金を中長期的に先行投資するビジネスモデルとなっ       リスクが顕在化しないよう、創薬支援事業における売上確保、創薬事業
        ており、当面、損失の計上が継続する可能性があります。             における契約一時金やマイルストーン収入獲得を目指し、同時に計画的
       必要な資金調達を実施できない場合、事業が計画通りに進捗しない、        な資金調達を行い、必要な資金の確保を目指します。
        あるいは事業継続が困難となる可能性があります。




      *その他のリスクは、有価証券報告書の「事業等のリスク」をご参照ください。


31
補足資料
     コーポレートストーリー
      キナーゼ阻害薬等の低分子医薬品にフォーカスし、病に苦しむ全世界の患者様に貢献できる革新的医薬品の研究開発
      新たなキナーゼ阻害薬創製に必要な製品・サービスを製薬企業に提供


                                     大日本
                                     住友製
                                     薬との共          ギリアド社   バイオノバ社へ
                     J&J社へ   シエラ社へ
                                     同創薬            へ導出      導出
                      導出      導出
                                                                                                             画期的な薬を
      2003   2010    2015     2016   2018   2019    2019    2020     2020   2021    2021                     持続的に生み出す
                                                                                                             リーディング「創薬」企業へ
      設立     創薬研究部                          米国臨床                   AS-0871 AS-1763 AS-0141
             の創設                            開発拠点                     FIH     FIH     FIH



                    2003年~2020年                                    2021年計画                                中長期計画
       キナーゼ創薬基盤技術に強みを持つ創業メンバーが                     BTK阻害剤AS-0871、AS-1763、CDC7阻害剤AS-         AS-0871、AS-1763、AS-0141の臨床試験、その
        日本オルガノンからスピンアウトして当社設立                        0141のフェーズ1実施                              後の導出による収入獲得
       キナーゼ創薬研究に必要なキナーゼタンパク質、ス                     臨床開発体制のさらなる強化                            導出先からのマイルストーン収入、販売ロイヤリ
        クリーニング・プロファイリングサービスを製薬会                                                                ティの獲得による経営の安定化
                                                    探索段階の創薬プログラムの前臨床試験段階へのス
        社に提供
                                                     テージアップ                                   次世代のパイプラインの構築
       2010年に創薬研究部を創設し、がん、免疫・炎症
        疾患を対象としたキナーゼ創薬研究を本格的に開始
       4件の導出契約、1件の共同研究契約を製薬企業と
        締結
       BTK阻害剤AS-0871の臨床試験開始
                                                                                                                   FIH:ヒト初回投与



33
     マネジメントチーム
     取締役                                          社外取締役
           代表取締役社長 吉野 公一郎                                 社外取締役(監査等委員) 有田 篤雄
           鐘紡株式会社にて低分子医薬品の研究開発に従事後、日本オルガ                  鐘紡株式会社 財務部、クリスチャンディオール部門、合繊事業本部
           ノン株式会社大阪医薬研究所長に就任。Organon Research             等を経て、事業統括室長として同社事業部門および関係会社管理を
           Committeeメンバーとして、NV Organonの研究開発に貢献。           担当。
           2003年にオルガノンからスピンアウトして、当社設立。                    2004年当社社外監査役、2020年当社社外取締役就任。
           東京工業大学大学院工学研究科修士課程修了。                          慶應義塾大学商学部卒業。
           薬学博士(京都大学)。


           取締役 相川 法男 創薬支援事業本部長兼                           社外取締役(監査等委員) 小笠原 嗣朗
           知的財産・法務部長                                      東レ株式会社にて管理・財務関係および国際関係業務に従事した後、
           鐘紡株式会社の薬品事業本部の特許部長、日本オルガノン株式会                  1996年中外製薬株式会社に入社し、取締役国際本部長として海外事
           社の特許室長を経て、当社設立に参画。                             業運営、輸出入業務、海外企業との折衝など国際ビジネスを担当す
           弘前大学理学部卒業。                                     る。2005年当社社外監査役、2020年当社社外取締役就任。
                                                          慶應義塾大学経済学部卒業。



           取締役 澤 匡明 研究開発本部長                               社外取締役(監査等委員) 髙柳 輝夫
           鐘紡株式会社、日本オルガノン株式会社(現、MSD株式会社)、                 第一製薬株式会社(現、第一三共株式会社)において研究開発企画
           大日本製薬株式会社(現、大日本住友製薬株式会社)にて、低分                  業務、市販後調査管理に従事し、2001年取締役就任。2007年に第
           子医薬品の研究開発に従事。米国スクリプス研究所で客員研究員                  一三共株式会社の常勤監査役に就任。現在、学校法人昭和薬科大学
           として糖鎖プローブの研究などで功績を残す。帰国後、当社に入                  理事、東海国立大学機構名古屋大学非常勤講師、日本医薬品情報学
           社、社内創薬の立ち上げおよび研究体制の構築に貢献。2015年当                会監事。2015年当社社外取締役就任。
           社取締役就任。                                        東京大学大学院博士課程修了。薬学博士。
           京都大学大学院農学研究科博士課程修了。
           農学博士。
           取締役 山本 詠美 経営管理本部長兼                             社外取締役(監査等委員) 松井 隆雄
           CarnaBio USA, Inc. President                   あずさ監査法人にて、公認会計士として会計監査およびそれに付随
           CSKベンチャーキャピタル株式会社を経て当社入社。2016年当社               するアドバイザリー業務に従事。現在、関西大学および関西大学会
           取締役就任。                                         計専門職大学院非常勤講師。2020年よりエア・ウォーター株式会社
           青山学院大学経営学部卒業。                                  社外取締役。2019年当社社外監査役、2020年当社社外取締役就任。
           公認会計士。                                         関西学院大学商学部卒業。公認会計士。


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*本資料は通期決算発表後(2月)および事業計画を見直した際に最新の内容を開示いたします。


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               カルナ《CARNA》は、ローマ神話に登場
               する人間の健康を守る女神で、cardiac
               (心臓)の語源とも言われています。バイ
               オサイエンス《BIOSCIENCES》は、生物
               科学と言われ、生物学(Biology)と生命      カルナバイオサイエンス株式会社
               科学(Life Science)から、つくられた言
               葉です。「生命科学の世紀」とも言われる
                                           経営管理本部 経営企画部
               21世紀の初めに、カルナバイオサイエン         〒650-0047
               ス社とともに新しい女神“カルナ”が誕生し        兵庫県神戸市中央区港島南町1-5-5 BMA3F
               ました。
                                           https://www.carnabio.com/
                                           ir-team@carnabio.com