4572 J-カルナバイオ 2021-04-28 08:45:00
BTK阻害剤AS-1763 第I相臨床試験投与開始に関するお知らせ [pdf]

                                                      2021年4月28日
 各    位
                                 会 社 名   カルナバイオサイエンス株式会社
                                 代表者名    代表取締役社長     吉野 公一郎
                                               (コード番号:4572)
                                 問合せ先    取締役経営管理本部長 山本 詠美
                                              (TEL: 078-302-7075)


          BTK阻害剤AS-1763 第I相臨床試験投与開始に関するお知らせ

 当社が開発中の次世代型BTK阻害剤AS-1763に関し、健康成人を対象とした第I相臨床試験における被
験者への投与が開始されましたのでお知らせいたします。
 AS-1763は当社が創製したブルトン型チロシンキナーゼ(Bruton's tyrosine kinase, BTK)を標的と
する阻害剤であり、高選択的かつ強力にBTKの活性を阻害します。非共有結合型の阻害様式であること
から、イブルチニブ耐性の血液がん患者にも有効な治療薬として開発を進めています。
 AS-1763の第I相臨床試験は、オランダにて健康成人男女を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲
検、用量漸増単回経口投与(SAD)試験として計画されており、様々な新型コロナウィルス対策のもと、
4月27日(オランダ現地時間)に最初の被験者への投与が行われました。本試験は最大で延べ56名の被
験者を対象に安全性および忍容性、副次的に薬物動態および薬力学を評価することを主要目的として
います(EudraCT 2020-005599-37)。本SAD試験の終了後、当該結果を基に、米国にて患者を対象とした
第Ib相臨床試験を実施する予定です。
 当社代表取締役社長である吉野公一郎は次のように述べています。
                              「第1世代のBTK阻害薬に対する
薬剤耐性は深刻な問題となっており、次世代型のBTK阻害剤であるAS-1763は、より多くの血液がんの
患者様に新たな治療選択肢を提供できると考えています。今後も画期的な新薬の開発を続け、多くの
患者様の治療に貢献していきたいと思います。
                    」
 当社の臨床開発部長兼CarnaBio USAのチーフデベロップメントオフィサーである有村昭典は次のよ
うに述べています。
        「AS-1763は当社で先行開発しているもう一つのBTK阻害剤AS-0871と同等の安全性
を有しながら、変異型BTKに対して非常に高い阻害活性を示すことから、本SAD試験で安全性および薬
物動態を迅速に評価し、速やかにAS-1763の臨床開発を進めていきたいと考えています。
                                          」
 なお、本件が2021年12月期の連結業績予想に与える影響はありません。
                                                             以上
BTK阻害剤AS-1763について
AS-1763は、慢性リンパ性白血病(CLL)を含む成熟B細胞腫瘍の治療を目的として開発中の、野生型お
よびC481S変異型Bruton's Tyrosine Kinase(BTK)の両方を阻害する高選択性で非共有結合型の経口
投与可能な化合物です。イブルチニブを代表とする第1世代の共有結合型BTK阻害薬は、CLLや他の成
熟B細胞腫瘍の標準選択薬として使用されています。しかしながら、多くの患者で、BTKの481番目のシ
ステイン残基(C481)がセリンに置き換わる変異が生じて、第1世代の共有結合型BTK阻害剤の結合が
弱まり、薬剤耐性になることが報告されています。AS-1763は、野生型およびC481変異BTKのリンパ腫細
胞の両方の増殖を強く阻害することから、野生型のみならずC481変異BTKをもつ患者の治療にも有効と
考えられます。




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