4572 J-カルナバイオ 2020-08-25 18:00:00
BTK阻害剤AS-0871 第I相臨床試験投与開始に関するお知らせ [pdf]

                                                      2020年8月25日
 各    位
                                 会 社 名   カルナバイオサイエンス株式会社
                                 代表者名    代表取締役社長     吉野 公一郎
                                               (コード番号:4572)
                                 問合せ先    取締役経営管理本部長 山本 詠美
                                              (TEL: 078-302-7075)


          BTK阻害剤AS-0871 第I相臨床試験投与開始に関するお知らせ

 当社が炎症性免疫疾患を対象として開発を進めているBTK阻害剤AS-0871に関し、健康成人を対象と
した第I相臨床試験における被験者への投与が開始されましたのでお知らせいたします。

 AS-0871は当社が創製したブルトン型チロシンキナーゼ(Bruton's tyrosine kinase, BTK)を標的と
する非共有結合型BTK阻害剤であり、その高いキナーゼ選択性から、炎症性免疫疾患を対象として開発
を進めています。

 当社は、AS-0871の第I相臨床試験について、2020年2月にオランダ当局および倫理委員会より実施
の承認をうけ、健康成人を対象とした第I相臨床試験の準備を進めてまいりました。世界中へと感染が
広がっている新型コロナウィルスの影響により、被験者の安全および医療機関の負担軽減の観点から、
当初予定していた投与開始が延期となっておりましたが、様々な新型コロナウィルス対策のもと、8
月25日(オランダ現地時間)に最初の被験者への投与が行われました。

 AS-0871の第I相臨床試験は健康成人男女を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検、用量漸増単
回経口投与試験です。本試験はオランダにて実施され、最大で延べ64名の被験者を対象に安全性、忍容
性、薬物動態および副次的に薬力学を評価します(EudraCT 2019-004348-31)。中間結果は2021年上期
の予定です。

 当社臨床開発部長兼CarnaBio USAのチーフデベロップメントオフィサーである有村昭典は次のよう
に述べています。
       「AS-0871は、非常に選択性に優れた非共有結合型BTK阻害剤であることから、炎症性
免疫疾患の新たな治療薬になりうると大変期待しています。第I相臨床試験で安全性および薬物動態を
評価したのち、BTKが関与する炎症性免疫疾患を対象として開発を進めていきたいと思います。
                                           」

 当社の代表取締役社長である吉野公一郎は次のように述べています。
                               「様々な苦難を乗り越えて、当
社の大きな目標のひとつであった臨床試験が無事に開始され、大変うれしく思います。当社はクリニ
カルステージカンパニーとして、これからも画期的な新薬の開発を続け、多くの患者様の治療に貢献
していきたいと思います。
           」

 なお、本件が2020年12月期の連結業績予想に与える影響はありません。

                                                             以上
BTK阻害剤AS-0871について
BTK (Bruton’s Tyrosine Kinase) は、B細胞、マクロファージやマスト細胞などのシグナル伝達に重
要な役割をしていることが知られています。これらの細胞が活性化されると、自己抗体や炎症性サイ
トカインなどの産生が促進され、関節リウマチなどの自己免疫疾患や様々な炎症性疾患を引き起こす
と考えられていますが、BTK阻害薬は、これらのシグナル伝達を直接阻害するため、これらの細胞が関
与する様々な炎症性免疫疾患の新規治療薬として期待されています。AS-0871はキナーゼ選択性が極め
て高い非共有結合型のBTK阻害剤であり、安全性が重視される炎症性免疫疾患を対象に研究開発を進め
ています。




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