4572 J-カルナバイオ 2020-06-25 15:30:00
CDC7キナーゼ阻害剤AS-0141の開発・販売・製造に関する全権利の再取得について [pdf]

                                                  2020年6月25日
各   位
                         会  社  名   カルナバイオサイエンス株式会社
                         代 表 者 名   代表取締役社長     吉野 公一郎
                                           (コード番号:4572)
                         問 合 せ 先   取締役経営管理本部長 山本 詠美
                                          (TEL:078-302-7075)



CDC7キナーゼ阻害剤AS-0141の開発・販売・製造に関する全権利の再取得について

  当社は、当社が創製したCDC7阻害剤AS-0141(シエラ社の開発コード:SRA141)について、ラ
イセンス先であるシエラ・オンコロジー社(カナダ、以下「シエラ社」            )から、同剤の開発・販
売・製造に関する全権利を再取得することに合意しましたのでお知らせいたします。これを受
けて、2016年5月26日付けで締結したシエラ社とのライセンス契約を終了し、当社において引
き続き開発を進めるための新たな提携契約をシエラ社と締結いたしました。
  AS-0141は、がんを治療標的として当社が創製したCell division cycle 7 (CDC7)キナーゼの
強力かつ選択的な阻害剤です。本件は、シエラ社が経営方針を変更し、臨床試験のフェーズ3
段階にあるmomelotinibの開発に経営資源を集中的に投資すると決定したことを受けたもので
す。 AS-0141はシエラ社によって米国におけるIND申請  (新薬臨床試験開始届)       が完了しており、
当社はシエラ社が実施したすべての前臨床試験データおよび原薬、治験薬等を譲り受けます。
当社はすでに新たな開発戦略計画の立案に着手しており、2021年以降の第1相臨床試験の開始
を予定しています。
  カルナバイオサイエンスの代表取締役社長である吉野公一郎は、          「ライセンスした当時は難し
かった自社臨床試験が実施可能になり、     AS-0141の権利を再取得して我々の手で開発を進めるこ
とができることを非常に嬉しく思います。当社およびシエラ社が取得したデータによると、AS-
0141は様々な腫瘍に効果を示しており、これまでにない画期的な抗がん剤になる可能性がある
と信じています。    」と述べています。
  カルナバイオサイエンスの取締役研究開発本部長である澤匡明は次のように述べています。
「当社からのライセンス後、AS-0141のIND申請のために費やしたシエラ社の多大な努力に感謝
します。これからはAS-0141を自社パイプラインとして臨床開発を進め、がん患者の治療のため
に貢献していきたいと思います。     」
  2016年5月26日付けライセンス契約の終了により、    AS-0141に関する権利はすべて当社に返還
され、当社とシエラ社が新たに締結した提携契約のもとで、シエラ社はAS-0141に関する研究開
発の成果を当社に提供し、当社はその対価として一定の金額を同社に支払います。契約内容の
詳細は非開示といたしますが、本件が当社の本連結会計年度の業績に与える影響は軽微です。



<ご参考>
CDC7 阻害剤 AS-0141 について(旧開発コード:AS-141)
AS-0141 は当社が創製した CDC7 キナーゼを選択的に強く阻害する新薬候補化合物です。CDC7
(cell division cycle 7) キナーゼは、細胞周期において染色体複製開始の制御に重要な役割
をしていますが、細胞周期制御が異常であるがん細胞において CDC7 活性を阻害すると、がん細
胞が死ぬことが知られています。一方で、正常細胞は、細胞周期が正常であるため、CDC7 活性
が阻害されても死ぬことはなく、              この点から CDC7 阻害剤は非常に副作用の少ない新しい治療薬
になると期待されています。            CDC7 は、幾つかのがんで過剰発現していることが報告されており、


                              1
CDC7 阻害薬は、これらのがんの新しい治療薬として期待が寄せられています。カルナバイオサ
イエンスでは、特異的な CDC7 阻害剤 AS-0141 の創出に成功しており、様々ながんを標的とした
画期的な治療薬の開発を目指しています。




                         2