4570 J-免疫生物研究所 2019-09-17 15:30:00
「抗HIV抗体及びその製造方法」に関する特許出願のお知らせ [pdf]

                                                2019 年 9 月 17 日
各     位
                       会   社   名   株 式 会 社 免 疫 生 物 研 究 所
                                                (コード番号:4570)
                       本店所在地       群馬県藤岡市中字東田 1091 番地1
                       代 表 者       代表取締役社長 清 藤                勉
                       問 合 せ 先     取締役事業グループ管理本部長 中 川 正 人
                       電 話 番 号     0274-22-2889(代表)
                       U R L       https//www.ibl-japan.co.jp



     「抗 HIV 抗体及びその製造方法」に関する特許出願のお知らせ

    この度、当社、国立大学法人熊本大学(以下「熊本大学」)、国立研究開発法人医薬基盤・
健康・栄養研究所(以下「医薬健栄研」)及び株式会社 CURED(以下「CURED」)は、
「抗 HIV 抗体及びその製造方法」に関する国内特許の共同出願手続きを完了しましたので、
お知らせ致します。


1. 概要
    当社は、CURED と共同で、抗 HIV 抗体を遺伝子組換えカイコにて生産し、HIV 感染症
の治療薬として実用化することを目指しております。本抗 HIV 抗体は、ヒトレトロウイル
ス学共同研究センター熊本大学キャンパスの松下修三教授らが、エリートコントローラー
(未治療でも体内で HIV が増殖せず血液から HIV が検出されない長期無症状感染者)から
単離したヒトモノクローナル抗体であり、広範な HIV 株に対して高い中和活性を有するこ
とが知られております。
          この抗体を遺伝子組換えカイコにより生産することを試みたところ、
高効率での生産が可能であることが明らかになりました。また、医薬健栄研霊長類医科学研
究センターの保富康宏センター長らは、遺伝子組換えカイコで生産した抗 HIV 抗体をウイ
ルス感染カニクイザルに投与する試験を実施し、本抗体によるウイルス抑制効果を確認しま
した。このように、遺伝子組換えカイコによる抗 HIV 抗体の製造に関して、その有効性が
確認できましたので、当該製造方法の知的財産権を確保するため、今回の特許出願に至りま
した。
    当社は、遺伝子組換えカイコによる医薬品原薬の生産を実現させるべく、平成 28 年 7 月
に、GMP 対応のパイロットプラントである前橋研究所を新設し、治験薬製造への準備を進
めております(平成 28 年 6 月 16 日付け公表)。遺伝子組換えカイコによる医薬品製造に
ついては、世界的にも前例がないため、原薬の品質を確保するため独自の品質管理システム
を考案し、その妥当性に関して PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)より同意
を得ております(平成 31 年 3 月 4 日付け公表)また、
                            。  共同開発のパートナーである CURED
とは、同社が実施した第三者割当増資を当社が引き受けるなど、強固なパートナーシップを
築いてきました(平成 31 年 2 月 27 日付け公表)。
    遺伝子組換えカイコにより生産した抗体は、高い ADCC 活性(抗体依存性細胞傷害活性)
を有するなど優れた特徴があり、きわめて有望な医薬品候補物質といえます。とりわけ、今
回特許出願に至った抗 HIV 抗体は、当社が最も注力するパイプラインの一つです。HIV 感
染症に苦しむ人々へ、一日でも早く有効な医薬品をお届けすることを目指し、今後も意欲的
に開発を継続して参ります。
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2.   今後の見通し
     本件による 2020 年3月期の当社連結業績に与える影響は、現時点で軽微であると見込ん
でおりますが、今後公表すべき事項が生じた場合には、速やかにお知らせ致します。


                                             以上




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