4570 J-免疫生物研究所 2019-03-04 12:00:00
遺伝子組換えカイコによる医薬品製造に関するPMDA戦略相談の結果について [pdf]

                                               平成 31 年 3 月 4 日
各     位
                      会   社   名   株 式 会 社 免 疫 生 物 研 究 所
                                                  (コード番号:4570)
                      本店所在地       群馬県藤岡市中字東田 1091 番地1
                      代 表 者       代 表 取 締 役 社 長 清 藤          勉
                      問 合 せ 先     取締役事業グループ管理本部長 中 川 正 人
                      電 話 番 号     0274-22-2889(代表)
                      U R L       http://www.ibl-japan.co.jp



           遺伝子組換えカイコによる医薬品製造に関する
              PMDA 戦略相談の結果について

    当社は、遺伝子組換えカイコを用いた抗 HIV 抗体等の医薬品開発を推進しておりますが、
この度、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に戦略相談を申し込み、医薬品製
造において最も懸念される遺伝子組換えカイコの系統 バンク管理等に関する当社の計画に
                        ・
ついて、PMDA より同意を得ることができましたので、お知らせいたします。


1.概要
    当社は、平成 30 年 3 月 16 日付けで公表しましたとおり、株式会社 CURED(以下、
「CURED」)と共同で遺伝子組換えカイコにて抗 HIV 抗体を生産し、HIV 感染症を治療
する抗 HIV 抗体医薬品の開発を進めております。
    遺伝子組換えカイコを用いた医薬品原薬の生産については、前例がないため、製造および
品質管理のガイドラインが存在しません。従って、原薬の品質を確保するために独自の製
造・品質管理システムを構築し、その妥当性を評価する必要があります。特に、原薬品質の
恒常性を保証する遺伝子組換えカイコの系統管理や、出発基材となるトランスジェニックバ
ンク*の管理システムを構築することは、カイコを用いた医薬品原薬生産の根幹に関わる極
めて重要な開発課題です。
    この度の PMDA 戦略相談では、当社、CURED および抗 HIV 抗体の発明者である熊本
大学エイズ学研究センター 松下修三教授が相談者となり、以下の 2 項目について相談をお
こないました。


    ①遺伝子組換えカイコの作出工程および系統管理方法の適切性について
    ②遺伝子組換えカイコの大量飼育工程における品質・工程管理および GMP 管理の開始点
     に関する考え方の適切性について


    相談の結果、PMDA より幾つかの指摘事項はあったもの、当社が計画している基本的な
品質管理の考え方について、「異論なし」との回答をいただき、その適切性が認められまし
た。
    このように、当社が最も懸念していたカイコの系統・バンク管理の課題への対応方針が明
確になり、遺伝子組換えカイコを用いた医薬品製造の実現性は大きく高まりました。



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    今後は、管理システムの妥当性を裏付けるデータを取得することで、より具体的な管理体
制を構築し、また、カイコ飼育工程以外の製造工程の開発を進め、世界初の遺伝子組換えカ
イコによる医薬品生産の実現へ向け邁進してまいります。
    なお、当社は、CUREDの実施する第三者割当増資を引受けることを平成 31 年 2 月 27
日開催の取締役会にて決議(同日公表の「株式会社CUREDの第三者割当増資の引受(持
分法適用関連会社化)に関するお知らせ」を参照。)しております。これにより、両社は、
今後さらに強固なパートナーシップを発揮してまいります。

2.今後の見通し
    本件による平成 31 年3月期の当社連結業績に与える影響は、現時点で軽微であると見込
んでおりますが、今後公表すべき事項が生じた場合には、速やかにお知らせ致します。


【ご参考】
*
    トランスジェニックバンク:
    バイオ医薬品の出発物質の恒常性確保のため、培養細胞を用いる場合は、通常、マスター・
セル・バンクおよびワーキング・セル・バンクから構成されるセルバンクシステムが用いら
れます。遺伝子組換えカイコ生産系の出発物質管理においても類似した方法論を用いる計画
をしており、これをトランスジェニックバンクと呼んでいます。


                                               以上




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