4565 M-SOSEI 2019-10-01 10:00:00
開発中の配合吸入剤QVM149がコントロール不良の喘息患者を対象とした第3相IRIDIUM試験において良好な治療結果を示した [pdf]
PRESS RELEASE
2019 年 10 月 1 日
各位
本店所在地 東京都千代田区麹町二丁目1番地
会社名 そーせいグループ株式会社
(コード番号 4565 東証マザーズ)
代表者 代表執行役会長兼社長 CEO
田村眞一
問い合せ先 コーポレートコミュニケーション部
西下進一朗、黒川真以
電話番号 03-5210-3290(代表)
開発中の配合吸入剤 QVM149 がコントロール不良の喘息患者を対象とした
第Ⅲ相 IRIDIUM 試験において良好な治療結果を示した
1 日 1 回吸入の QVM149 が QMF149 を対照とした臨床試験において主要評価項目を達成 1,2
統計的に有意な呼吸機能の改善を示した
ノバルティス社が欧州呼吸器学会(ERS)国際会議 2019 で、
QVM149 の他の臨床試験において得られたさらなる成績データを発表する
当社グループは、ノバルティス社が IRIDIUM 試験(第Ⅲ相臨床試験)から得られた良好な試験結果を
発表しましたので、お知らせいたします。
長時間作用性β2 刺激薬およびコルチコステロイド(LABA/ICS)吸入剤による治療でコントロール不
良であった喘息患者において、1 日 1 回吸入の配合吸入剤 QVM149(インダカテロール酢酸塩、グリコ
ピロニウム臭化物*およびフランカルボン酸モメタゾン、以下 IND/GLY/MF)が、QMF149(インダカ
テロール酢酸塩およびフランカルボン酸モメタゾン、以下 IND/MF)に対し優れた呼吸機能改善効果を
示しました 1。
主要評価項目の達成基準として、QVM149 は QMF149 に比較して 26 週投与終了後におけるトラフ
FEV1(1 秒量:努力肺活量測定の最初の 1 秒間の努力呼気量)を有意に改善しました。 QVM149 の忍
容性は概ね高く、安全性成績は投与群間で同程度でした 1。
副次的評価項目の中でも重要である喘息コントロール質問票 7(ACQ-7)スコアが QMF149 に比較し
て QVM149 はより高い改善を示しました。ACQ-7 は 26 週投与終了時にベースラインから臨床的意義の
ある改善を示しましたが、本副次的評価項目は達成されませんでした 1。別の副次的評価項目として、
IRIDIUM 試験では喘息増悪率の低下が評価され、QVM149 は、確立された LABA/ICS 標準治療(サルメ
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テロール/フルチカゾン 50/500 μg 1 日 2 回投与)と比較して、中等度から重度、および重度の喘息増
悪率の相当程度の低下が観察されました 1。
IRIDIUM 試験の詳細な結果は、今後開催される医学学会で発表されます。
既に発表の通り、QVM149 の医薬品販売承認は、2019 年 5 月に欧州医薬品庁に申請済みです。
QVM149 は、サルメテロール/フルチカゾンおよびチオトロピウムの併用を比較検討する第Ⅲb 相
ARGON 試験も実施中です 3。ARGON 試験の結果は、データ分析後に発表予定です。
* 2005 年 4 月、当社および Vectura Group PLC は、グリコピロニウム臭化物の用途および製剤の知的
財産権に関する独占的ライセンスをノバルティス社に許諾しています。ノバルティス社は、QVM149 の
開発・販売に対する責任を負います。契約に基づき、当社は、一定の開発および販売高の目標の達成に
応じたマイルストン、および QVM149 の商業化が成功した場合の販売高に応じたロイヤルティを受領す
る権利を有しています。なお、本日の当発表によるマイルストンの支払いは発生しないため、2019 年
12 月期の当社連結業績に直接的な影響はありません。
当社会長兼社長 CEO である田村眞一は次のように述べています。「新規吸入配合剤である QVM149
が、他剤によるコントロールが困難な喘息患者さまにとって、新たな治療法の選択肢となる可能性を裏
付ける有望な臨床データが、引き続き得られていることを喜ばしく思います。本試験および ARGON 試
験を含めた他の試験からのさらなる結果を楽しみにしており、患者さまにとっての QVM149 の臨床的有
用性がさらに示されることを期待しています。」
ノバルティス社による QVM149 のより広範な開発プログラムのさらなる臨床データは、欧州呼吸器学
会(ERS)国際会議 2019(9 月 28 日から 10 月 2 日にスペインのマドリッドで開催)で発表されていま
す。要旨およびポスターは ERS 国際会議 2019 のウェブサイトでご覧いただけます。
IRIDIUM 試験について 2
IRIDIUM 試験は、喘息患者を対象に、QVM149(IND/GLY/MF)の有効性および安全性を QMF149
(IND/MF)と比較する第Ⅲ相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較試験です。この試験
は、コントロール不良の喘息患者を対象に、2 つの異なる用量の IND/GLY/MF(150/50/80 μg および
150/50/160 μg)の有効性および安全性を、それぞれに対応する 2 つの用量の IND/MF(150/160 μg お
よび 150/320 μg)と比較することを目的としており、呼吸機能検査および喘息コントロール状態によっ
て評価されます。
患者全員が、一定の中用量から高用量の LABA/ICS による治療を受けているにもかかわらず、スクリー
ニング時に症状を示している必要がありました。成人男性および女性の喘息患者約 3,092 例を、以下の
投与群に無作為に 1:1:1:1:1(1 投与群当たり約 618 例)に割り付けました 1:
• IND/GLY/MF 150/50/80 μg(1日1回)
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• IND/GLY/MF 150/50/160 μg(1日1回)
• IND/MF 150/160 μg(1日1回)
• IND/MF 150/320 μg(1日1回)
• サルメテロール/フルチカゾン(SFC)50/500 μg(アキュヘラー®を用いて1日2回)
この研究の主要評価項目は、喘息患者における 26 週間の投与後のトラフ FEV1(治験薬の最終投与から
およそ 24 時間後に測定する 1 秒量)の改善に関して、すべて 1 日 1 回投与の IND/MF 150/160 μg に対
する IND/GLY/MF 150/50/80 μg、もしくは IND/MF 150/320 μg に対する IND/GLY/MF 150/50/160
μg のいずれかの優位性を示すことでした。
主要な副次的評価項目は、喘息患者における 26 週間投与後の喘息コントロール質問票 7(ACQ-7)の改
善を評価するもので、IND/MF 150/160 μg に対する IND/GLY/MF 150/50/80 μg、もしくは IND/MF
150/320 μg に対する IND/GLY/MF 150/50/160 μg のいずれかの優位性を示すことでした。
他の副次的評価項目として、憎悪率の低下に関して評価を行っていました。IND/MF 150/160 μg に対す
る IND/GLY/MF 150/50/80 μg、および IND/MF 150/320 μg に対する IND/GLY/MF 150/50/160 μg の
比較です。SFC(50/500 μg)に対する IND/GLY/MF の両方の用量での増悪率も測定されました。
当試験で測定されたすべての評価項目に関する全情報は、ClinicalTrials.gov(識別子:NCT02571777)
でアクセスできます。
コントロール不良の喘息について
既存治療にもかかわらず症状のコントロールが不十分であるか、頻繁に増悪する喘息の患者は、コント
ロール不良とみなされます。欧州呼吸器学会/アメリカ胸部学会タスクフォースおよび Global Initiative
for Asthma(GINA)により開発された ERS/ATS ガイドラインなどの国際ガイドラインで、喘息症状の
頻度、発作治療薬の使用、活動制限、増悪の頻度に応じて厳格に定義されています 4,5。
既存治療にもかかわらず、GINA ステップ 3 で喘息患者の 40%以上、GINA ステップ 4 および 5 で 45%
以上がコントロール不良です 4,6。コントロール不良な喘息患者は、疾患の重症度を軽視または過小評価
する可能性があり、増悪、入院または死亡のリスクが高くなります 7,8,9。治療法のミスマッチ、経口コ
ルチコステロイドの安全性の問題、生物製剤の不適格性などの未解決の障害により、喘息のアンメット
メディカルニーズが生み出されています 10,11。
参考文献
1. Data on file.
2. Clinicaltrials.gov https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02571777. Accessed September 2019
3. ClinicalTrials.gov Identifier: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03158311. Accessed September 2019
4. Chung KF et al. International ERS/ATS guidelines on definition, evaluation and treatment of severe asthma. Eur Respir J.
2014;43(2):343-73
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5. Global Initiative for Asthma. Difficult-to-treat and severe asthma in adult and adolescent patients. A GINA pocket guide. 2019.
Available from www.ginasthma.org/
6. Fang J et al. Demographic, clinical characteristics and control status of pediatric, adolescent, and adult asthma patients by GINA
Step in a US longitudinal cohort. Am J Resp Crit Care Med 2018: 197:A1903
7. Peters SP et al. Uncontrolled asthma: a review of the prevalence, disease burden and options for treatment. Respir Med 2006:
100(7): 1139-1151
8. Katsaounou P et al. Still Fighting for Breath: a patient survey of the challenges and impact of severe asthma. ERJ Open Res
2018: 4(4)
9. Price D et al. Asthma control and management in 8,000 European patients: the REcognise Asthma and LInk to Symptoms and
Experience (REALISE) survey. NPJ Prim Care Respir Med 2014: 24: 14009.
10. Price D, et al. Adverse outcomes from initiation of systemic corticosteroids for asthma: long-term observational study. J Asthma
Allergy. 2018: 11: 193-204
11. Albers FC et al. Biologic treatment eligibility for real-world patients with severe asthma: The IDEAL study. J Asthma 2018: 55(2):
152-160.
ブリーズヘラー®はノバルティス社の登録商標です。
以 上
Sosei Heptares について
当社グループは、G タンパク質共役受容体(GPCR)をターゲットとした独自の StaR®技術並びに構
造ベース創薬(SBDD)技術から生み出される新薬のデザイン・研究開発にフォーカスした、国際的な
バイオ医薬品企業グループです。当社グループは中枢神経系疾患、がん、消化器系疾患、炎症性疾患、
その他希少疾患など複数の疾患領域において、幅広いパイプラインの構築に取り組んでいます。現在進
行中の開発プログラムには、Allergan 社との提携によるアルツハイマー病の対症療法を目的とした候補
薬や、AstraZeneca 社との提携によるがん治療を目的としたがん免疫療法の開発も含まれています。そ
の他に、これまで武田薬品工業株式会社、ジェネンテック社、ノバルティス社、Pfizer 社、第一三共株
式会社、ペプチドリーム社、Kymab 社、MorphoSys 社等と提携しています。東京に本社を置き、英国の
ケンブリッジに研究開発施設を有しています。
「Sosei Heptares」は、東京証券取引所に上場しているそーせいグループ株式会社(証券コード 4565)
のコーポレートブランドです。
詳しくは、ホームページ https://www.soseiheptares.com/をご覧ください。
LinkedIn: @soseiheptaresco
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