4565 M-SOSEI 2021-11-22 22:00:00
ニューロクライン社との統合失調症およびその他の精神神経疾患を対象とした新規ムスカリン受容体作動薬に関するライセンス契約締結のお知らせ [pdf]

     PRESS RELEASE

                                                 2021 年 11 月 22 日
各位
                         本店所在地    東京都千代田区麹町二丁目1番地
                         会社名      そーせいグループ株式会社
                                  (コード番号 4565 東証マザーズ)
                         代表者      代表執行役社長 CEO
                                  田村眞一
                         問い合せ先    IR & コーポレートストラテジー部
                                  西下進一朗
                         電話番号     03-5210-3290(代表)



  ニューロクライン社との統合失調症およびその他の精神神経疾患を対象とした
      新規ムスカリン受容体作動薬に関するライセンス契約締結のお知らせ


     ニューロクライン社は統合失調症を対象にした選択的 M4 受容体作動薬である
      HTL-0016878 の第Ⅱ相臨床試験を 2022 年に、また M1/M4 デュアルおよび
       選択的 M1 受容体作動薬の第Ⅰ相臨床試験を 2023 年に開始する見込み

     当社グループは 100 百万米ドル(約 114 億円)の契約一時金を受領し、
 加えて研究開発資金と、最大 26 億米ドル(約 2,973 億円)の開発・販売マイルストン、
          さらに段階的ロイヤリティを受領する権利を有する

 Neurocrine Biosciences, Inc.(以下、「ニューロクライン社」)と当社グループは、ニューロクライ
ン社が統合失調症、認知症およびその他の精神神経疾患治療薬の開発を行うことを目的とした、新規ム
スカリン受容体作動薬に関する戦略的研究開発提携およびライセンス契約を締結しましたので、お知ら
せいたします。


 本契約に基づき、ニューロクライン社は、当社グループが見出し、主要な神経疾患の治療のために開
発中であり、臨床および前臨床段階にある新規サブタイプ選択的ムスカリン M4、M1 および M1/M4 デ
ュアル受容体作動薬の広範なポートフォリオの研究開発および商業化の権利を取得します。最も進捗し
ているプログラムである HTL-0016878 は、選択的 M4 受容体作動薬であり、ニューロクライン社は 2022
年に統合失調症を対象にした HTL-0016878 の新薬臨床試験開始申請(IND)を行い、プラセボ対照第Ⅱ
相臨床試験を開始する予定です。


 当社グループは、日本でのすべての適応症を対象にしたムスカリン M1 受容体作動薬の開発販売権を
保持し、ニューロクライン社は、日本でのムスカリン M1 受容体作動薬に対する共同開発および共同販
売のオプション権を保有します。
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    ムスカリン受容体は、脳機能の中心的な役割を担っており、精神病や認知障害の創薬ターゲットとし
て評価されています。当社グループは、治療効果を発揮する一方、非選択的作動薬による有害な副作用
や、減少するアセチルコリンの協同作用を必要とするポジティブ・アロステリック・モジュレーター
(PAM)による一部の高齢の患者さまにおける有効性の問題を回避できる可能性のある選択的な M4、
M1 および M1/M4 デュアル受容体作動薬を創製しました。当社グループは、世界をリードする G タンパ
ク質共役受容体(GPCR)を安定化する StaR®技術とトランスレーショナル研究を応用することにより
この成果を上げました。


    ニューロクライン社の最高経営責任者である Kevin Gorman 博士は次のように述べています。「選択
的ムスカリン作動薬の開発を進めるための Sosei Heptares との提携により、より良い治療法を必要とし
ている患者さまに大切な医薬品をお届けするという一つの目標に向けて、両社の強みを活かすことが可
能になります。ニューロクライン社は、拡大中のパイプラインにベスト・イン・クラスの化合物を追加
することで、神経科学に特化した有数のバイオ医薬品企業としての地位をさらに向上させていく所存で
す。」


    当社代表執行役社長 CEO である田村眞一は次のように述べています。「当社グループの選択的ムスカ
リン受容体作動薬ポートフォリオの開発を進めるために、ニューロクライン社と提携できたことを喜ば
しく思います。今回の提携は、このポートフォリオの潜在的な価値の高さを示すものであり、神経疾患
および精神疾患の患者さま向けの新規医薬品の開発および商業化において世界的に高い経験を有するニ
ューロクライン社の豊富な専門知識が活かされています。また、日本における権利を当社グループが保
持することになり、我々の専門知識を活用して、この大きなアンメットニーズを満たす新規医薬品候補
の開発を進めることができると確信しています。今回の契約は、当社グループの創薬および初期開発力
と、パートナーの後期開発および商業化における能力を組み合わせるという戦略の好事例であると同時
に、我々のパイプラインを拡大・発展させるための重要な資金を提供するものでもあります。」


研究開発提携の詳細
    本契約に基づき、ニューロクライン社は、日本で開発中の M1 受容体作動薬を除き、本プログラムに
関連するグローバルでの開発費を負担する。本契約は以下の条件に従うものとする:
     •   ライセンス契約一時金:当社グループは一時金として現金で 100 百万米ドル(約 114 億円1)を
         受領する。
     •   開発、申請・承認マイルストン:当社グループは、ライセンス許諾された候補品の規制当局に
         よる承認までの進捗に応じ、最大約 15 億米ドル(約 1,715 億円 1)を受領する権利を有する。
     •   販売マイルストン:当社グループは、本提携の下で開発されたあらゆる製品のグローバル販売
         に関する特定のマイルストンの達成に応じ、最大で 11 億米ドル(約 1,258 億円 1)を受領する権
         利を有する。
     •   販売ロイヤリティ:当社グループは、本提携の下で開発されたいかなる製品の将来の純売上高
         に対して、一桁後半から 10%台半ばの範囲で段階的ロイヤリティを受領する権利を有する。


1   1 米ドル=114.36 円
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  •   共同研究開発:ニューロクライン社と当社グループは、前臨床開発候補品を第Ⅰ相臨床試験に
      進めるため共同で研究開発を実施する。本共同研究開発にかかる資金はニューロクライン社が
      提供することとする。
  •   当社グループの日本での M1 作動薬に関する権利:当社グループは、日本でのあらゆる適応症を
      対象にした M1 受容体作動薬の権利を保持し、ニューロクライン社は共同開発および共同販売の
      オプション権を保有する。
  •   契約期間:契約締結日から対象製品および対象国ごとに、①対象特許権等の特許期間満了日、
      ②法令上の独占期間の終了日または③市販開始から 10 年経過後のいずれか遅い日まで


 本契約は、ハート・スコット・ロディノ反トラスト改正法に基づく慣習的なクリアランスを条件とし
ています。予定の 2021 年 12 月 31 日までに本契約の効力が発生した場合、100 百万米ドルの契約一時金
は当社グループの収益に重要なプラス要因となり、2021 年 12 月期第 4 四半期に収益認識される見込み
です。


 BofA 証券が当社グループの財務アドバイザーを務め、Gowling WLG と Orrick Herrington & Sutcliffe
LLP が当社グループの法律顧問を務めています。


ニューロクライン・バイオサイエンシズの概要
(1)    名       称            Neurocrine Biosciences, Inc.
(2)    所   在   地            カリフォルニア州サンディエゴ
(3)    代表者の役職・氏名            Kevin C. Gorman, Ph.D., Chief Executive Officer
                            ニューロクライン・バイオサイエンシズは、神経科学を専門とするバ
                            イオ医薬品企業であり、重篤で困難、かつ十分な治療がなされていな
                            い神経疾患、内分泌疾患、精神疾患を抱える人々のために、重要な治
(4)    事    業       内   容   療法の研究、開発、販売に注力している。遅発性ジスキネジア、パー
                            キンソン病、子宮内膜症、子宮筋腫などの治療薬が FDA(米国食品医
                            薬品局)に承認されているほか、複数の治療領域で臨床プログラムを
                            実施している。
                            1,849.8 百万米ドル
(5)    資        本       金
                            (2020 年 12 月 31 日現在の普通株式および追加払込資本合計)
(6)    設   立    年   月   日   1992 年 1 月
                            The Vanguard Group, Inc.(9.49%)
                            Janus Henderson Investors(9.46%)
(7)    大株主及び持株比率            BlackRock Institutional Trust Company, N.A.(8.54%)
                            T. Rowe Price Associates, Inc.(5.31%)
                            (2021 年 6 月 30 日現在)
                            資本関係             なし
                            人的関係             なし
       上場会社と当該会社
(8)                         取引関係             なし
       と の 間 の 関 係
                            関連当事者へ
                                             なし
                            の該当状況
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(9)  当該会社の最近 3 年間の連結経営成績及び連結財政状態
             決算期   2018 年 12 月期      2019 年 12 月期        2020 年 12 月期
  連  結   純  資   産              480.8             636.9             1,126.2
  連  結   総  資   産              993.2           1,306.0             1,734.7
  1株当たり連結純資産             5.30 米ドル          6.90 米ドル           12.04 米ドル
  連  結   売  上   高              451.2             788.1             1,045.9
  連 結 営 業 利 益                   36.8              72.3               163.0
  連 結 経 常 利 益                   36.8              72.3               163.0
  親会社株主に帰属する
                                21.1              37.0              407.3
  当  期   純  利   益
  1株当たり連結当期純利益           0.23 米ドル          0.40 米ドル            4.38 米ドル
  1 株 当 た り 配 当 金                 -                 -                 -
(注)1.単位は百万米ドル。ただし、特記しているものを除く。
    2.営業利益はすべて経常活動に関連するもの。


今後の見通し
契約一時金は 2021 年 12 月期第 4 四半期に収益認識される見込み。
                                                                    以上


電話会議およびウェブ配信に関する情報
 また、当社グループは、2021 年 11 月 24 日(水)、日本時間午前 8:00 より日本の投資家向けに電話
会議およびウェビナーを開催します。電話会議にはこちらから事前登録の上アクセスしてください。


 電話会議のライブ音声のウェブ配信は、当社グループのウェブサイトの投資家向け(Investors)ペー
ジ(www.soseiheptares.com)よりオンライン視聴可能となります。ウェブ配信は会議終了後、当社グ
ループウェブサイトで視聴可能となり、約 1 ヵ月にわたりアーカイブとして残ります。


ムスカリン受容体について
 ムスカリン受容体は、脳、心血管系、消化管などのさまざまな組織に分布する G タンパク質共役受容
体(GPCR)です。脳内の M4 および M1 受容体への選択的作用は、統合失調症、アルツハイマー型認知
症、パーキンソン病などの神経疾患の認知および神経心理学的症状を治療するための臨床的に評価され
ているアプローチです。これまで、M4 および M1 受容体を選択的に標的とする医薬品の開発は、M2 お
よび M3 受容体への作用による有害事象の発現のため、成功には至っていません。そのため、M2 または
M3 受容体に影響を与えない極めて選択性の高い M4 または M1 作動薬が長く待ち望まれており、大型製
品化とともに、重要なアンメット・メディカル・ニーズに対応する可能性を秘めているものと期待され
ています。
      PRESS RELEASE

提携契約に含まれるプログラムについて


HTL-0016878
 HTL-0016878 は、経口治験薬である選択的 M4 作動薬であり、複数の第Ⅰ相臨床試験を完了しており、
ニューロクライン社は 2022 年に統合失調症を対象とした第Ⅱ相臨床試験を開始する準備を進めていま
す。選択的 M4 オルソステリック作動薬である HTL-0016878 は、開発中の非選択的ムスカリン作動薬や
ポジティブ・アロステリック・モジュレーターと比較して、副作用を最小限に抑えるための併用療法が
不要であることから、安全性の向上が期待でき、アセチルコリン(ACh)との協同作用を必要としませ
ん。これまでに完了した試験では、HTL-0016878 の概ね良好な忍容性が確認されています。


前臨床プログラム
 本提携には、M1、M4 および M1/M4 デュアル受容体を標的とする選択的ムスカリン化合物を含む、複
数の前臨床プログラムに対する権利が含まれています。これらのプログラムは、HTL-0016878 と組み合
わせることで、M1 および M4 の選択性を活用し、精神病や認知障害に苦しむ患者さまのアンメットニー
ズにお応えすることができます。


 2016 年の研究開発・販売に係る提携契約の締結後、アラガン社は 2021 年第 1 四半期に HTL-0016878
および前臨床プログラムのすべての権利を当社グループに返還しました。


ニューロクライン・バイオサイエンシズについて
 ニューロクライン・バイオサイエンシズは、神経科学を専門とするバイオ医薬品企業であり、重篤で
困難、かつ十分な治療がなされていない神経疾患、内分泌疾患、精神疾患を抱える人々のために、重要
な治療法の研究、開発、販売に注力しています。遅発性ジスキネジア、パーキンソン病、子宮内膜症*、
子宮筋腫*などの治療薬が FDA(米国食品医薬品局)に承認されているほか、複数の治療領域で臨床プロ
グラムを実施しています。30 年近くにわたり、神経系と内分泌系が相互に関連する疾患のメカニズムを
標的とし、それを阻害することに特化しています。(*アッヴィ社との提携による)


Sosei Heptares について
 当社グループは、G タンパク質共役受容体(GPCR)をターゲットとした独自の StaR®技術並びに構
造ベース創薬(SBDD)技術から生み出される新薬候補物質の探索および初期開発にフォーカスした、
国際的なバイオ医薬品企業グループです。当社グループは神経疾患、免疫疾患、消化器疾患、炎症性疾
患など複数の疾患領域において、幅広いパイプラインの構築に取り組んでいます。


 これまでアッヴィ社、アストラゼネカ社、バイオヘイブン社、ジェネンテック社(ロシュ・グルー
プ)、GSK 社、ノバルティス社、ファイザー社、武田薬品工業株式会社などの大手グローバル製薬企業
および新興バイオ医薬品企業と提携しています。当社グループは、東京に本社を置き、英国のケンブリ
ッジに研究開発施設を有しています。
      PRESS RELEASE

 「Sosei Heptares」は、東京証券取引所に上場しているそーせいグループ株式会社(証券コード 4565)
のコーポレートブランドです。「そーせい」、「Heptares」、当社グループのロゴおよび StaR®は、当
社グループの商標または登録商標です。


 詳しくは、ホームページ https://soseiheptares.com/をご覧ください。
 LinkedIn: @soseiheptaresco
 Twitter: @soseiheptaresco
 YouTube: @soseiheptaresco