4565 M-SOSEI 2021-02-12 15:30:00
2020年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結) [pdf]

 


                                   2020年12月期  決算短信〔IFRS〕(連結)
                                                                                                                                    2021年2月12日
上場会社名           そーせいグループ株式会社                                                                                                   上場取引所  東
コード番号           4565         URL  https://www.soseiheptares.com/
代表者             (役職名)        代表執行役会長兼社長CEO                          (氏名)田村          眞一
問合せ先責任者         (役職名)        執行役副社長CFO                              (氏名)クリス・カーギル                                               TEL 03-5210-3290
定時株主総会開催予定日                  2021年3月24日                             配当支払開始予定日                            -
有価証券報告書提出予定日                 2021年3月24日                                                                  
決算補足説明資料作成の有無:有  
決算説明会開催の有無      :有 (機関投資家・アナリスト向け)
 
                                                                                                                         (百万円未満四捨五入)
1.2020年12月期の連結業績(2020年1月1日~2020年12月31日)
  (1)連結経営成績                                                                                                          (%表示は対前期増減率)
 
                                                                                                            親会社の所有者に                 当期包括利益
             売上収益      営業利益      税引前利益                                              当期利益
                                                                                                            帰属する当期利益                  合計額
                    百万円       %          百万円         %        百万円          %        百万円             %         百万円   %                百万円    %
    2020年12月期       8,842   △9.1          928     141.7        1,622     203.7       1,479      3.3              1,479        3.3       661 △72.1
    2019年12月期       9,726     -           384        -             534     -         1,432          -            1,432         -      2,367      -
 
                   基本的                      希薄化後                   親会社所有者帰属持分                    資産合計                               売上収益
                1株当たり当期利益                1株当たり当期利益                   当期利益率                      税引前利益率                              営業利益率
                                 円 銭                      円 銭                          %                                 %                        %
    2020年12月期                    18.77                    18.59                       3.0                            2.4                        10.5
    2019年12月期                    18.70                    18.50                       3.3                            0.9                         3.9
 
(参考)持分法による投資損益     2020年12月期 △356百万円   2019年12月期 △181百万円
(注) 当社及び当社グループは、2018年12月期より決算日を3月31日から12月31日に変更いたしました。その結果、2018
   年12月期は9ヶ月決算となり、12ヶ月決算である2019年12月期と比較できないため、2019年12月期の対前期増減率に
   ついては記載しておりません。
 
  (2)連結財政状態
                                                                     親会社の所有者に                   親会社所有者                         1株当たり親会社
                     資産合計                    資本合計
                                                                      帰属する持分                    帰属持分比率                          所有者帰属持分
                              百万円                         百万円              百万円                                           %            円 銭
    2020年12月期                 76,465                      52,381                   52,381                           68.5                      649.92
    2019年12月期                 56,680                      45,078                   45,075                           79.5                      584.83
 
    (3)連結キャッシュ・フローの状況
                     営業活動による                       投資活動による                          財務活動による                                  現金及び現金同等物
                    キャッシュ・フロー                     キャッシュ・フロー                        キャッシュ・フロー                                    期末残高
                             百万円                           百万円                              百万円                                      百万円
    2020年12月期                 4,672                        △150                             20,278                                   40,008
    2019年12月期                 3,441                        △246                            △6,964                                    15,375
 
2.配当の状況
                                                   年間配当金                                                                              親会社所有者
                                                                                                    配当金総額                配当性向
                                                                                                     (合計)                (連結)
                                                                                                                                      帰属持分配当
                    第1四半期末         第2四半期末         第3四半期末                 期末           合計                                              率(連結)
                            円 銭           円 銭              円 銭             円 銭              円 銭              百万円                    %       %
    2019年12月期                 -            0.00              -              0.00             0.00              -                    -       -
    2020年12月期                 -            0.00              -              0.00             0.00              -                    -       -
    2021年12月期(予想)             -            0.00              -              0.00             0.00                                   -     
(注) 直近に公表されている配当予想からの修正の有無:無
 
3.2021年12月期の連結業績予想(2021年1月1日~2021年12月31日)
      当社グループは創薬ビジネスの拡大に引き続き注力し、成長機会を十分に活用していくことが可能な状況にあり
    ます。当社グループは、SBDDプラットフォームと極めて生産性の高い創薬エンジンにより、複数の有望な新薬候補
    物質を創出しており、全てのプログラムを資本効率良く早期に進展させるため、提携及び共同投資による活動の拡
    大を図ります。同時に、競争力を維持し、高いアンメットメディカルニーズの存在する分野における、次世代のプ
    ログラムからなる有望なパイプラインを進捗させるため、新たなテクノロジー、ツール及び能力強化のための投資
    を行います。
       
      2021年12月期は、当社グループの発展につながる中期計画を後押しするための、収益を創出する企業の買収を含
    む成長戦略への投資が増加すると見込んでいます。2020年12月期同様、基礎となる創薬ビジネスにおいては、企業
    価値向上の追求のために、引き続き経営資源と資本のバランスを持続可能なものとしてまいります。
      ・ 基礎となる創薬ビジネスにおける研究開発費に係る現金支出は4,000百万円から5,000百万円を見込みます。
      ・ 基礎となる創薬ビジネスにおける一般管理費に係る現金支出は1,800百万円から2,300百万円を見込みます。
      ・ 新規提携に伴う一時金を見込みます。
      ・ 創薬及び研究開発に関する既存の提携先からのマイルストンに関する収益を見込みます。
      ・ コストベースの管理を徹底しつつ、引き続き創薬プラットフォームを補完し将来性を確保するテクノロジ
          ー、ツール及び能力への投資とともに、次世代候補品の進展を図ります。
      ・ 長期的な収益成長を確保するための転機となる可能性を持った企業買収を目指します。
      ・ 当社グループの創薬及び初期開発の新規ターゲットへの拡大を図ります。
      ・ 日本国内市場向けの後期臨床開発段階にあるアセットの導入を目指します。
       
      当社グループは、2023年までの創薬及び初期開発活動のための十分な資金を確保しています。
       
   (注)   予想為替レートはUSD:JPY=106としています。
     
    ※  注記事項
 (1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動):無
  
 (2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更
     ①  IFRSにより要求される会計方針の変更         :無
     ②  ①以外の会計方針の変更                :無
     ③  会計上の見積りの変更                  :無
      
 (3)発行済株式数(普通株式)
   ①  期末発行済株式数(自己株式を含む)      2020年12月期   80,596,128株   2019年12月期   77,073,136株
   ②  期末自己株式数                2020年12月期         213株    2019年12月期         213株
    ③  期中平均株式数             2020年12月期 78,737,535株 2019年12月期 76,622,536株
     
※  決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です。
 
※  業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
1.本資料に掲載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断
   する一定の前提に基づいており、業績を確約するものではありません。実際の業績等は、内外主要市場の経済状況や
   為替相場の変動等様々な要因により大きく異なる可能性があります。なお、上記業績予想に関する事項につきまして
   は、13ページ「1.経営成績等の概況(4)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明」をご参照ください。
2.当社は、2021年2月15日(月)にアナリスト向けにネット・カンファレンス(電話会議形式)を開催する予定です。
   その説明内容につきましては、当日使用する決算説明資料とともに、開催後速やかに当社ホームページに掲載する予
   定です。
                                     そーせいグループ(株) (4565) 2020年12月期 決算短信

○添付資料の目次
 
    1.経営成績等の概況 ……………………………………………………………………………………………………            2
     (1) 当期の経営成績の概況 ……………………………………………………………………………………………          2
     (2) 当期の財政状態の概況 ……………………………………………………………………………………………         12
     (3) 当期のキャッシュ・フローの概況 …………………………………………………………………………………        12
     (4) 連結業績予想などの将来予測情報に関する説明…………………………………………………………………         13
                                                                  
    2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………………………           13
 
    3.連結財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………………………           14
     (1) 連結財政状態計算書 ………………………………………………………………………………………………         14
     (2) 連結包括利益計算書 ………………………………………………………………………………………………         15
     (3) 連結持分変動計算書 ………………………………………………………………………………………………         16
     (4) 連結キャッシュ・フロー計算書 …………………………………………………………………………………         17
     (5) 連結財務諸表注記 …………………………………………………………………………………………………         18
       (継続企業の前提に関する注記)………………………………………………………………………………            18
       (会計方針の変更)………………………………………………………………………………………………            18
       (セグメント情報等)……………………………………………………………………………………………            18
       (1株当たり利益)………………………………………………………………………………………………            20
       (重要な後発事象)………………………………………………………………………………………………            20
                                                                  
 




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                                             そーせいグループ(株) (4565) 2020年12月期 決算短信

1.経営成績等の概況
(1)   当期の経営成績の概況
       当社グループは、サイエンス及びテクノロジーに立脚した企業であり、創薬及び初期開発を専門としています。
      世界中の人々の生活の質と健康の向上に大きく貢献することをミッションとし、バイオ医薬品及び創薬に関する日
      本屈指の国際的なリーディング企業になることをビジョンに掲げています。
        
       当連結会計年度において、当社グループは創薬及び初期開発パイプラインを引き続き拡充し、独自のStaR®
      (Stabilized Receptor)及び関連技術、構造ベース創薬(以下「SBDD」)プラットフォームを強化しました。
        
       当社グループのビジネスモデルは、(1)大手グローバル製薬企業との既存の提携の推進、(2)革新的なテクノ
      ロジーを有する企業及びベンチャーファンドとの研究開発活動の推進、(3)実績がある当社グループ独自の創薬
      とその候補品の初期開発成績に基づく価値の高い新規提携の締結、という価値創造のための3つの重点分野に注力
      するものです。
        
       2020年3月25日、当社は第30回定時株主総会を開催しました。当日は当社代表執行役会長兼社長CEOである田村
      眞一から、世界有数のプラットフォーム、創薬及び初期開発における能力を活用し、提携プログラムを推進・強化
      するという次世代の成長戦略の実行にさらに力を入れていくことを説明しました。グループの戦略の概要は以下の
      通りです。
        
       1.最先端のサイエンス及びテクノロジーに立脚した創薬ビジネスの構築
         ・世界をリードするサイエンスとテクノロジー、特にStaR® Gタンパク質共役受容体「以下(GPCR)」技術
          及びSBDDプラットフォームを有するHeptares Therapeutics Ltd.を、2015年に買収したことがこの目標の
          基礎となっています。
         ・このテクノロジー及びプラットフォームは、グループの創薬への取り組みの中核をなし、これらを融合さ
          せることで、GPCRを標的とした医薬品設計における世界有数のアプローチの1つを確立することが可能と
          なりました。
         ・当社グループは、GPCR及びその他の膜タンパク質を標的とする創薬における、未開拓の重要な機会を引き
          続き追求し、創薬困難な標的を含む価値の高いプログラムに注力していきます。
       2.価値の高い提携及び長期的展望を持ったベンチャーとの協業のための複数の新薬候補化合物の創製
         ・サイエンス及びテクノロジーに立脚したアプローチにより、当社グループは、過去10年間で24品目以上の
          前臨床候補物質を創出し、そのうち8品目は臨床試験入りしています。この高い創薬能力は、非常に効率
          的なアプローチによるもので、製薬業界の標準よりも1年から2年早く前臨床候補物質を創製することが
          できます。
         ・これらの前臨床候補物質の多くは、Pfizer Inc.(以下「ファイザー社」)、AstraZeneca UK Limited
          (以下「アストラゼネカ社」)、武田薬品工業株式会社(以下「武田薬品」)、Genentech Inc.(以下
          「ジェネンテック社」)、AbbVie, Inc.(以下「アッヴィ社」)、さらに最近のGlaxoSmithKline plc.
          (以下「GSK社」)及びBiohaven Pharmaceutical Holding Company Ltd.(以下、「バイオヘイブン
          社」)との提携を含む、当社グループの価値の高い提携の基礎となっています。
         ・当社グループは、引き続きこの創薬及び初期開発の戦略を継続し、毎年少なくとも2件の新規の価値の高
          い提携あるいは長期的展望を持ったベンチャーとの協業を実現することを目指します。
       3.価値の高い提携及び長期的展望を持ったベンチャーとの協業からの利益を創薬及びSBDDのリーダーシップ
         を強化させるために必要なテクノロジーに投資
         ・テクノロジーが現状にとどまることはなく、当社グループの目標は、イノベーションと生産性を高める非
          常に魅力的なソリューションを提供し、製薬企業にとっての創薬パートナーとして選ばれる存在になるこ
          とです。
         ・当社グループは、提携及びベンチャーとの協業から得られた利益を、中核テクノロジーの継続的な刷新・
          強化のために投資しており、これまでに以下の取り組みを行っています。
          -スイスのG7 Therapeutics AGの買収
          -ドイツを拠点とする革新的なDNAコード化化合物ライブラリ技術を保有する企業、及びAI(人工知能)
           に関するアプローチについてのケンブリッジ大学との協業
          -ノーベル賞を受賞しているクライオ電子顕微鏡に関するテクノロジー等への積極的な投資
          -標的GPCR分解を対象としたCaptor社との提携
         ・当社グループは、最先端のサイエンスとテクノロジーを維持し、革新的な創薬におけるリーダーシップを
          強化するために、より新しいテクノロジー、ツール及びプラットフォームを利用可能にするための導入ま
          たは提携を行っています。

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                                        そーせいグループ(株) (4565) 2020年12月期 決算短信

  
 当連結会計年度末現在、当社グループのプログラムの合計20品目以上が創薬段階、13品目が前臨床試験中、複数
の自社開発及び提携プログラム(注)1、2が臨床試験中です。
  
 (注)1    複数の固形がんを対象としたAZD4635、神経疾患を対象としたHTL0016878、神経疾患を対象とした
         HTL0018318(自主的に中断中)、神経疾患を対象としたHTL009936、2型糖尿病(T2DM)/肥満を対象と
         したPF-07081532、炎症性腸疾患を対象としたPF-07054894、神経疾患を対象としたTMP301及び内分泌障
         害を対象としたHTL0030310。
 (注)2    日本でのDLB患者様を対象としたHTL0018318の第Ⅱ相臨床試験は中止を決定しました。当社グループ
         は、実施中の毒性所見の分析・調査活動の結果を待って、医薬品医療機器 総合機構(PMDA)へ
         HTL0018318(あるいは別の新規M1作動薬候補)の新たな治験届を将来再提出する可能性があります。
  
 2020年6月30日、当社グループは、今後の企業買収や当社の既存事業を補完・拡充する投資に備えるとともに、
調達コストの抑制及び調達手段の多様化を図るための事業戦略の一環として、取締役会において、海外募集による
新株式(以下「本新株式」)の発行及び2025年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行(以下、本新株
式の発行と併せて「本海外募集」)を決議したことを発表しました。
  
 2020年7月16日、当社グループは、本海外募集に関し、同日払込み(手取り金総額209億円)が完了したことを
発表しました。当社グループは、本海外募集による手取り金を以下の使途に充当する予定です。
  
 1.手取り金の大半を以下の戦略的成長投資に充当
     ・長期的な収益成長を確保するための転機となる可能性を持った企業買収
     ・当社グループが有する創薬プラットフォームを補完・拡充する新規技術への投資
     ・当社グループの創薬及び初期開発の新規ターゲットへの拡大
     ・国内市場向けの後期臨床開発段階にあるアセットの導入
 2.残りの資金を既存の研究開発活動及び運転資金などの内部成長投資に充当
  
当社グループのCOVID-19への対応
  
 2020年3月11日、世界保健機構(WHO)が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック宣言を発表し
ました。当社グループは、COVID-19の流行とその当社グループの事業活動に与える影響を注視しています。グロー
バルなライフサイエンス業界で事業を展開する当社グループは、全てのステークホルダー及び社会の健康と安全を
確保するための重要な役割を担っています。当社グループが優先すべきことは従業員、地域社会の皆様及び臨床試
験中の患者様、被験者様、治験実施者の皆様の健康です。当社グループは、COVID-19の流行への対応として、以下
のようないくつかの措置を講じています。
  
 ・      COVID-19の蔓延を押さえるため、従業員及び当社グループが事業活動を行う地域社会にとって安全な職場
        環境を確保する方針及び活動の実施。これには、多くの従業員の在宅勤務の実施が含まれるが、当社グル
        ープにとって不可欠な従業員、とりわけ研究施設に従事する研究者は、最適な輪番制により、またCOVID-
        19の流行に対する英国政府の安全衛生規制措置に従い業務を実施。また、英国の研究開発施設において、
        不可欠な従業員に対する週次でのSARS-CoV-2コロナウイルス(COVID-19の原因ウイルス)の検査を導入。
 ・      英国の地元のホスピスへの個人用保護具の寄付。
 ・      SARS-CoV-2コロナウイルスを標的とする治療薬創出に関する世界的な研究活動に、独自のSBDDプラットフ
        ォームとその技術の応用とCOVID-19に関する新たな社内の研究開発プログラムの開始。全ての研究成果は
        COVID-19及び将来の変異株による感染症の治療法開発に携わる世界の研究コミュニティが自由に利用可
        能。
  
 2020年4月14日、当社グループは、グローバルでのCOVID-19に対する取り組みに貢献するために、COVID-19に関
する新たな研究開発プログラムに構造ベース創薬の専門知識を応用することを発表しました。この新たな研究開発
プログラムは、治療薬開発の重要な標的とされているSARS-CoV-2 MProプロテアーゼ(Nsp5)の活性を阻害する新
規化合物を特定するためのものです。Mproプロテアーゼは、ウイルスゲノムから翻訳されるポリタンパク質を12の
非構造タンパク質(Nsp4-Nsp16)に切断し、そのうちのいくつかはウイルスの複製に重要な役割を果たすことが分
かっています。当社グループは、構造的及び生物物理学的分析、計算化学、医薬品化学といった多くの専門分野に
わたるチームを結成しました。当チームは、SARS-CoV-2コロナウイルスだけでなく、予見される将来の変異ウイル
スに対する新規阻害剤となる化合物の精密な設計に、SBDD及び最先端の技術に関する豊富な経験を応用します。プ

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ログラムによって得られる全ての研究成果は、COVID-19危機に対する解決策の調査を行う世界の研究コミュニティ
が自由に利用可能となります。さらに、当社グループは、当プログラムをサポートいただける業界パートナーとの
協業体制構築とともに、医薬品及びバイオ医薬品業界による世界的な取り組みの一環として、COVID-19の新規治療
法の取り組みの他の分野においても独自の専門知識を提供することを目指しています。
  
 2020年11月20日、当社グループは、COVID-19に対する研究開発プログラムの進捗を発表しました。当社グループ
は、抗ウイルス薬作用様式を有するものとして興味深い3つの異なる化合物シリーズの設計に成功し、そのうち最
も有望な分子の研究を進捗させました。これらの化合物は、MProプロテアーゼ阻害活性が高いだけでなく、動物実
験において、経口投与時のバイオアベイラビリティ及び血漿中濃度が優れていることが示されました。本化合物シ
リーズの数化合物については、非臨床試験に向けさらなる検討を行っています。このプログラムは当社グループを
中心に、シンジーン・インターナショナル、Domainex、Fidelta、o2h Discovery、Piramal、ウーシー・アップテ
ック、MRC分子生物学研究所などの複数の企業と共同して進められています。なお、この大切な非営利研究活動へ
の投資による、当社グループの財務諸表への重大な影響はありません。
  
大手グローバル製薬企業との新規及び既存の提携の推進
  
 大手グローバル製薬企業との提携については、順調に進捗し、COVID-19の状況の影響により置かれた状況下で、
研究開発の継続性を確保するための施策を講じました。特に武田薬品及びジェネンテック社との提携において、当
社グループの業務上、これらの研究開発に関する提携が優先されており、効率良く進められています。
  
 他の導出プログラムは、アストラゼネカ社、ファイザー社、アッヴィ社等の提携先により進められており、進捗
はしていますが、世界的なCOVID-19の状況の影響で、多少の遅延が生じています。
  
 2020年5月1日、当社グループは、Novartis International AG(以下「ノバルティス社」)が、欧州医薬品庁
(EMA)の欧州医薬品委員会(以下「CHMP」)によりコントロール不良な喘息の成人患者の維持療法としてエナジ
ア® ブリーズヘラー®(QVM149;インダカテロール酢酸塩、グリコピロニウム臭化物及びフランカルボン酸モメタ
ゾン(以下「IND/GLY/MF」)が欧州連合における承認を勧告されたことについて公表したことを開示しました。
  
  2020年6月5日、当社グループは、ノバルティス社が、第Ⅲb相臨床試験(ARGON試験)の全ての結果が
Respiratory Medicineにオンライン掲載されたと公表したことを開示しました。第Ⅲb相非盲検臨床試験(ARGON試
験)において、単一吸入器により定用量投与可能な1日1回投与の高用量及び中用量のエナジア® ブリーズヘラー
®が、2つの異なる吸入器による1日2回投与の高用量サルメテロールキシナホ酸塩/フルチカゾンプロピオン酸エ

ステル(以下「Sal/Flu」)と1日1回投与のチオトロピウム(以下「Tio」)の併用療法によるコントロール不良
な喘息患者に対して生活の質の向上に対する非劣性が示されました。副次的解析の中で、高用量1日1回投与の
IND/GLY/MFは高用量Sal/Flu+Tioと比較して、呼吸機能、喘息コントロール、健康状態の改善、及び中程度の増悪
の低下(予備解析)が認められました。
  
 2020年6月25日、当社グループは、研究開発型のバイオ医薬品企業であるアッヴィ社と独占的創薬提携及びライ
センス契約のオプションに関する契約を締結したことを発表しました。この契約により、アッヴィ社が選定した
GPCRターゲットに作用する新規医薬品の研究開発と商品化を目指します。この提携により当初は炎症性疾患及び自
己免疫疾患を標的とする新規低分子の創薬に注力します。当社グループは独自のStaR®技術及びGPCRに重点を置い
たSBDD技術を応用し候補品を見出して、その治験許可申請のための前臨床試験までの研究開発費を負担します。ア
ッヴィ社は、プログラムの導入及びグローバルな開発・販売を行うことができる独占的オプションを有していま
す。本契約の条件に基づき、当社グループは、契約一時金と初期マイルストン合計で最大32百万米ドルを受領する
権利を有しており、さらに、オプション、開発・販売の達成に応じた、最大377百万米ドルのマイルストンに加え
て、グローバルでの販売高に応じた段階的ロイヤリティを受領する権利を有しています。また、アッヴィ社は合計
で最大4種までターゲットを拡大できるオプションを有しており、総額1,000百万米ドルを超える取引額となる可能
性があります。
  
 2020年6月29日、当社グループは、戦略的提携先であるノバルティス社の日本法人であるノバルティス ファー
マ株式会社が、世界に先駆けて喘息治療剤「エナジア™吸入用カプセル中用量、高用量」(以下「エナジア」)
(注)4   の製造販売承認を取得したと公表したことを開示しました。2005年の開発及びライセンス契約の条件に基
づき、この成果により、当社グループは2020年第3四半期に1.25百万米ドルのキャッシュマイルストンを受領しま
した。エナジアは、長時間作用性β2刺激剤(以下「LABA」)のインダカテロール酢酸塩、長時間作用性抗コリン
剤(以下「LAMA」)のグリコピロニウム臭化物、吸入ステロイド剤(以下「ICS」)のモメタゾンフランカルボン
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酸エステル(IND/GLY/MF)のLABA/LAMA/ICS配合剤で、専用の吸入器「ブリーズヘラー®」による1日1回投与で気
管支拡張作用及び抗炎症作用を発揮します。中用量及び高用量の2用量品があり、その規格はともにインダカテロ
ールは150μg、グリコピロニウムは50μgを含有し、モメタゾンフランカルボン酸エステルはそれぞれ80μg及び
160μgを含有します。また、ブリーズヘラー®吸入器にプロペラ®センサーを組み合わせた新たなデジタルデバイス
が日本で初めて医師を通じて提供されます。本センサーはスマートフォンとの連動による、日々の服薬の記録や服
薬リマインダー機能を備えています。また、患者様と医師のコミュニケーションを支援し、コントロール不十分な
喘息の長期管理に貢献します。
  
 (注)4   効能または効果:気管支喘息(吸入ステロイド剤、長時間作用性吸入β2刺激剤及び長時間作用性吸
        入抗コリン剤の併用が必要な場合)。
  
 2020年7月7日、当社グループは、ノバルティス社が、過去1年以内に1回以上喘息症状の増悪を経験してお
り、LABA/高用量のICSの併用維持療法で喘息症状が適切にコントロールされなかった成人患者の維持療法としてエ
ナジア® ブリーズヘラー®が欧州委員会(以下「EC」)により承認されたと公表したことを開示しました。1日1
回吸入のエナジア® ブリーズヘラー®は、欧州連合(以下「EU」)で初めてのLABA/LAMA/ICSの三剤固定用量配合剤
になります。吸入確認、服薬リマインダー、治療上の決定をより良くサポートする客観的データへのアクセスを提
供するセンサー及びアプリを備えたオプションのデジタルデバイスも承認に含まれます。ECによる承認は、3,000
人を超える喘息の被験者を対象とした第Ⅲ相IRIDIUM試験において、1日1回吸入のエナジア® ブリーズヘラー®が
1日1回吸入のアテキュラ® ブリーズヘラー®(IND/MF)と比較して、LABA/ICS標準治療でコントロール不十分な
喘息患者に対し、呼吸機能について統計的有意な改善を示した有効性及び安全性データに基づいています。このEC
の決定は、EU加盟国全27ヵ国及び英国、アイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインに適用されます。2005年
の開発及びライセンス契約の条件に基づき、この成果により、当社グループは5百万米ドルのマイルストンを受領
しました。当社グループは、EU及び承認されたその他の市場におけるエナジア® ブリーズヘラー®の将来の販売高
に応じたロイヤリティを受領する権利を有しています。
  
 2020年7月10日、当社グループは、ノバルティス社が、第Ⅲ相臨床試験(IRIDIUM試験)結果が査読のある学術
誌、The Lancet Respiratory Medicine誌に掲載されたと公表したことを開示しました。ノバルティス社は2019年
10月にトップライン結果を公表しています。LABA/ICSによる治療でコントロール不良な喘息患者を対象とした
IRIDIUM試験において、1日1回投与の高用量及び中用量のエナジア® ブリーズヘラー®(IND/GLY/MF)が、1日1
回投与のQMF149(以下「IND/MF」)と比較して、呼吸機能が統計的に有意な改善を示し、主要評価項目を達成しま
した。重要な副次的評価項目は、IND/GLY/MFのIND/MFに対する喘息管理質問票7(ACQ-7)のスコアの改善でし
た。いずれの群も臨床的に意味のある改善を示しましたが、本副次的評価項目は達成されませんでした。二次解析
では、高用量IND/GLY/MFは高用量Sal/Fluと比較して呼吸機能の改善、ならびに中等度から重度及び重度の喘息増
悪率の臨床的意義のある低下を示しました。IRIDIUM試験におけるIND/GLY/MF及びIND/MFにおける有害事象(以下
「AE」)と重篤な有害事象(以下「SAE」)の発生率は投与群間で同程度でした。最も多く報告されたAEとSAEは喘
息症状の増悪でした。
  
 2020年9月7日、当社グループは、ノバルティス社が、LABA/ICSの中用量または高用量による治療でコントロー
ル不十分な喘息患者を対象とした、1日1回投与のエナジア® ブリーズヘラー®高用量投与群と中用量群の比較に
おいて、高用量投与群が中等度から重度及び重度の喘息増悪率をいずれも有意に低減したと公表したことを開示し
ました。欧州呼吸器学会(ERS)バーチャル国際会議2020において発表された事後分析結果によると、エナジア®
ブリーズヘラー®高用量投与群(150/50/160μg)は、中用量投与群(150/50/80μg)と比較して、投与開始52週に
おいて既存吸入療法でコントロール不十分な喘息患者に対し、中等度から重度の年換算喘息増悪率を21%
(p=0.026)、重度の喘息増悪率を31%(p=0.003)と有意に低減させたことが示されました。また、エナジア® ブ
リーズヘラー®高用量投与群は、中用量投与群と比較して、すべての年換算喘息増悪率(軽度、中等度、重度)で
14%(p=0.132)低減しましたが、統計的に有意な結果ではありませんでした。両投与群において、良好な安全性
及び忍容性プロファイルが示されました。本事後分析は、The Lancet Respiratory Medicine 誌に近頃掲載された
ノバルティス社の重要な第Ⅲ相臨床試験(IRIDIUM試験)結果を補足するものです。また、本データは、エナジア®
ブリーズヘラー®高用量投与群の安全性プロファイルが、第Ⅲ/Ⅲb相臨床試験(PLATINUM試験)で行われた過去の
試験と一致していることも示しています。エナジア® ブリーズヘラー®が承認されている主な地域・国は、欧州連
合、日本、カナダ、スイス及びオーストラリアです。その他の国でもQVM149の承認審査が進められています。
  
 2020年9月28日、当社グループは、ファイザー社との複数のGPCRをターゲットとした創薬に関する戦略的提携に
より選定された新薬開発候補品(以下「本候補品」)を、初めてヒトへ投与する臨床試験が開始されたことが通知
                              - 5 -
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されたと発表しました。この成果により、当社グループは5百万米ドルのマイルストンを受領しました。ファイザ
ー社と当社グループとの提携により創出された開発候補品である、炎症性腸疾患を対象としたCCR6拮抗薬PF-
07054894は、2019年6月にファイザー社により選定され、その時点で3百万米ドルのマイルストンを受領しまし
た。ファイザー社は、当社グループとの提携により2019年に三品目の異なる新薬開発候補品を選定しましたが、そ
のうち二品目が臨床試験を開始したことになります。本提携では、当社グループ独自のStaR®技術とSBDD技術を活
用して、ファイザー社が選定した複数の疾患領域にわたる異なるGPCRターゲットを調節できる経口低分子を設計し
ました。本候補品は、当社グループが独自のStaR®技術とSBDDプラットフォームにより創出したGPCRをターゲット
とする新薬開発候補品としては八番目に臨床試験に進んだものです。
  
 2020年12月1日、当社グループは、バイオヘイブン社と、グローバルな研究開発提携及びライセンス契約を締結
したことを発表しました。本契約に基づき、バイオヘイブン社は、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を介
して発症する疾患の治療薬として当社グループが見出した新規低分子CGRP受容体拮抗薬ポートフォリオの開発・製
造及び販売に関するグローバルな独占的権利を有することとなります。このポートフォリオには、すでに非臨床試
験段階に入っており、臨床試験へ進めるに値する有望かつ他の同種同効薬に優る特性を示している最も開発が進ん
でいる候補薬であるHTL0022562が含まれます。一方、当社グループは、本契約により現金及びバイオヘイブン社の
普通株式の形で契約一時金10百万米ドルを受領しており、研究開発資金を受領することとなります。また、総額で
最大370百万米ドルの開発、販売承認及び販売開始に伴うマイルストンを受領する権利を有しています。さらに、
本提携から生み出された製品が上市されれば販売高に応じた段階的ロイヤリティを受領する権利を有しています。
  
 2020年12月21日、当社グループは、GSK社と、グローバルな研究開発提携及びライセンス契約を締結したことを
発表しました。本契約は、世界中の何百万人もの患者の深刻なアンメットニーズが存在する炎症性腸疾患(IBD)
及びその他の消化器免疫疾患において、遺伝学的に関連するオーファンGPCRであるGPR35受容体に対する選択的経
口低分子作動薬の創薬及び開発を対象としています。本契約に基づき、GSK社は、当社グループが独自のStaR®技術
及びSBDDプラットフォームを駆使して設計したGPR35受容体作動薬ポートフォリオのグローバルな権利を保有する
こととなります。このポートフォリオには、前臨床試験段階に入っているリード化合物や複数の差別化されたバッ
クアップ化合物が含まれます。当社グループとGSK社は研究及び初期開発で協業し、GSK社は臨床開発、製造及び商
業化を担います。一方、当社グループは、最大34百万ポンドの契約一時金を受領しており、潜在的な初期開発マイ
ルストン及び研究開発資金を受領します。また、開発、申請・承認、商業化に伴い、総額で最大336百万ポンドの
マイルストンを受領する権利を有しています。さらに、本提携から生み出された製品が上市されれば製品売上高に
応じた段階的ロイヤリティを受領する権利を有しています。
  
革新的なテクノロジーを有する企業及びベンチャーファンドとの共同投資による研究開発の進展
  
 革新的なテクノロジーを有する企業及びベンチャーファンドとの共同投資でも引き続き大きな進展がありまし
た。
  
 2020年1月14日、当社グループは、スピンオフ企業であるOrexia Limited(以下、「Orexia社」)及びInexia
Limited(以下、「Inexia 社」) による科学的な著しい進展により、40 百万ユーロのコミットメントの下で、ベ
ンチャーキャピタルであるMedicxi社から次なる資金提供が実行されたことを発表しました。当社グループ及び重
要なアセットに特化した企業への資金提供を専門とするMedicxi社は、GPCRであるオレキシン受容体OX1及びOX2の
ポジティブモジュレーターを基礎とする、ナルコレプシーを含む神経系疾患に対する新規治療法の開発を目指し、
2019 年にOrexia社とInexia社を設立しました。
   
 2020年5月7日、当社グループは、当社のスピンオフ企業であるOrexia社及びInexia社と連携して開発中のオレ
キシン受容体作動薬プログラムでさらなる進展があったことを発表しました。当社グループは、独自のStaR®技術
と構造ベース創薬アプローチにより、アゴニストと結合したオレキシン受容体OX2の構造解析、さらに低分子化合
物の結合部位特定に成功しました。受容体の構造に関するこれまでにないより優れた知見は、神経疾患を標的とす
る新規分子の創薬と開発の最適化に極めて有益となります。Orexia社とInexia社は、Medicxi社による40百万ユー
ロのコミットメントの下で資金提供を受けています。
  
 2020年11月2日、当社グループは、Tempero Bio, Inc.(以下「Tempero Bio社」)と、当社グループの保有する
物質使用障害(Substance Use Disorder:SUD)及び不安障害を標的としたmGlu5ネガティブアロステリックモジュ
レーター(NAM)の全世界における独占的な開発・販売権に関するライセンス契約を締結したことを発表しまし
た。Tempero Bio社は、第Ⅰ相臨床試験中の開発候補品であるHTL0014242(TMP-301)を含むmGlu5 NAMプログラム
の開発を行うために、Aditum Bio Fund 1, L.P.(以下「Aditum Bio社」)が当社グループと共同で設立した新会

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                                     そーせいグループ(株) (4565) 2020年12月期 決算短信

社です。Aditum Bio社がTempero Bio社に対して資金提供を行います。Aditum Bio社は、多くの患者が必要として
いる医療ニーズを対象とするバイオ医薬品アセットの取得と開発に重点を置く投資会社です。同社は、個別のスピ
ンアウト企業を設立し、これらの開発候補品の市場投入を加速するために第Ⅰ相及び第Ⅱ相臨床試験を実施する戦
略をたてています。Aditum Bio社はまた、デジタルデバイス(モバイルアプリなど)と医薬品を組み合わせ行動変
容を促すことにより、患者の治療のサポートや服薬遵守の改善を行い、最終的にはより良い治療成績を実現するこ
とを目指しています。Aditum Bio社は、医薬品業界で事業経験が豊富なジョー・ヒメネス(ノバルティス社の元
CEO)、マーク・フィッシュマン(ノバルティス バイオメディカル研究所の元所長)によって共同設立されまし
た。同社は、従来の臨床開発を行う企業よりも迅速かつ低コストで革新的な臨床試験の実施を可能にする、バイオ
医薬品対応のプラットフォームであるTrialSpark, Inc.と協業しています。本契約の条件に基づき、Tempero Bio
社は、GPCR構造ベース創薬(SBDD)プラットフォームを活用して、当社グループにより精密に設計された開発候補
品HTL0014242を含む、強力で経口投与が可能な代謝型グルタミン酸受容体5(mGlu5)NAMのポートフォリオに関す
るグローバルでの独占的権利を取得します。開発候補品HTL0014242の開発コード名は今後TMP301に変更されます。
またTempero Bio社は、当社グループが保有する、本プログラムに関する豊富な臨床及び前臨床データパッケー
ジ、特許及びノウハウにアクセスすることができるようになります。その対価として、当社グループは契約一時金
及び戦略的株式持分としてTempero Bio社の株式を受領しており、将来の成果に応じて開発及び商業化マイルスト
ンを受領し、さらに将来の製品販売からの段階的なロイヤルティを受領する権利を有しています。
  
 2020年12月22日、当社グループは、標的タンパク質分解誘導薬の欧州のリーダーであるCaptor Therapeutics SA
(以下、「Captor社」)と、GPCRの分解を誘導するメカニズムを持つ新規低分子治療薬を共同で創薬・開発するた
めの戦略的技術提携を締結したことを発表しました。機能性低分子化合物による標的タンパク質分解誘導薬
(Targeted Protein Degradation。以下、「TPD」)は、タンパク質を分解する人体に本来備わっている自然なプ
ロセスを利用し、病気の原因となるタンパク質を取り除くというアプローチです。このようなタンパク質の選択的
分解は、幅広い疾患に対する新しい治療法の開発において、阻害剤や抗体などの従来の薬剤に比べてさまざまな利
点があると期待されています。当社グループとCaptor社は当面、消化器疾患に関係する明確に検証がなされたシグ
ナル伝達経路において重要な役割を持つGPCRをターゲットとする低分子の同定を対象とします。本提携はさらに将
来、GPCR-E3リガーゼ複合体周囲の高解像度の構造情報を把握して、創薬に対する取り組みを強化し、他のGPCRや
他のターゲットクラスを対象とした標的分解創薬アプローチの概念実証(POC)を提供することを目的としていま
す。本提携は、本提携で研究を行うターゲットにまつわる構造的知見を含む当社グループのSBDDプラットフォー
ム、及びGPCR薬理学についての深い理解と、タンパク質分解に関する幅広いノウハウと専門知識であるCaptor社独
自のTPD Optigrade™を組み合わせたものです。両社は、相互補完的な創薬技術、リソース及び開発力を駆使し、今
後の開発・商業化に向けて有望なリード化合物の開発を進めます。本契約に基づき、両社は共同で創薬及び開発を
行い、その結果得られる全ての製品を共同所有し、また、当初の研究開発費は当社グループが負担します。
  
提携につながる新規候補物質創出のために当社グループ独自で行う創薬及び初期開発
  
 当社グループは、パイプラインへの重要な投資を継続し、複数の創薬候補品の初期開発段階のプログラムで進捗
がありました。当社グループが実施している第Ⅰ相臨床試験(HTL0030310)は順調に進んでおり、現在、初期段階
の提携交渉の対象となっています。しかしながら、世界的なCOVID-19の状況の影響で、この臨床試験の完了に多少
の遅延が生じています。
  
 2020年3月20日、当社グループは、GPCRを標的とする新規ペプチド医薬品の創製における構造ベースアプローチ
の可能性を明らかにする、影響力のある新たな論文を発表しました。「Gタンパク質共役受容体を標的とする治療
用ペプチドの進歩」(Davenport、その他)というタイトルの論文が、科学的権威ある学術誌、Nature Reviews
Drug Discovery誌に掲載されました。この論文は、当社グループ独自のStaR®プラットフォームやクライオ電子顕
微鏡を含む、最先端の構造ベース技術を活用した新しい創薬に関する戦略に焦点を当てており、これらの手法は、
正確に計画設計された目標活性と、より優れた薬物仕様(薬物動態及び薬力学的)の特性を備えた、選択的な新規
ペプチドを創製するために利用されています。このようなペプチドには、作動薬、拮抗薬、特定のダウンストリー
ムシグナル伝達経路を活性化するように設計されたペプチド(バイアスドリガンド)、及び2つの異なるGPCRを活
性化するデュアル作動薬が含まれます。疾患に関与するGPCRを標的とした、適確に計画設計された新規ペプチド医
薬品の創製は、当社グループに多様な提携の機会を提供することになります。
   
2020年12月31日以降の当社グループのビジネスハイライト
  
 2021年1月5日、当社グループは、ムスカリン作動薬プログラムのグローバルな研究開発権・販売権が当社グル
ープに返還されることとなったことを発表しました。本プログラムに関する権利は、2016年4月にアラガン社が取

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                                      そーせいグループ(株) (4565) 2020年12月期 決算短信

得していましたが、2020年5月、アラガン社はアッヴィ社によって買収されています。このグローバルでの権利を
返還するという決定は、アッヴィ社のパイプラインに関するビジネス上の判断に基づくものであり、本提携プログ
ラムに関連したいかなる有効性、安全性、またはその他のデータに基づき行われたものではありません。このよう
な背景から、アッヴィ社は、本提携プログラムの下で開発中のすべての候補薬、当社グループからアラガン社に許
諾した関連するすべての知的財産、及び提携において収集したすべての臨床・前臨床データの権利を、当社グルー
プに返還すると通知しました。当社グループは、本プログラムのさらなる開発と再提携に向けた戦略決定のため、
徹底的な検討を行っています。提携に向けたムスカリンプログラムの進捗に関する戦略の詳細は、本年2月から3
月頃にご報告する計画です。なお、本件による2021年12月期の当社連結業績に与える直接的な影響は軽微ですが、
今後開示すべき事項が発生した場合には、速やかにお知らせいたします。
  
 2021年1月12日、当社グループは、英国の創薬企業であるPharmEnable Limited(以下、「PharmEnable社」)
と、両社のテクノロジーを応用し、神経疾患でこれまで創薬困難だったGPCRに対する、新薬創出を目的とした技術
提携契約を締結したことを発表しました。本提携により、GPCRの完全な構造解析を可能にし、詳細な構造的知見を
見いだせる能力及び技術的な扱いやすさで定評のある当社グループのGPCR構造ベース創薬プラットフォームと、人
工知能(AI)・医薬品化学に基づくPharmEnable社独自の先進テクノロジー(ChemUniverse及びChemSeek)を融合
することができます。これにより、非常に特異性の高い新規リード化合物を特定し、さらなる開発を進めることが
可能となります。PharmEnable社のアプローチとの融合により、従来のスクリーニング方法と比較してより特異性
が高い三次元(3D)構造の医薬品候補化合物を見出すことができ、これまでのアプローチでは創薬困難だったペプ
チド作動性GPCRなどをターゲットとすることが可能になります。ペプチド作動性GPCRの天然アゴニストリガンドは
大きく複雑なペプチドであり、特に神経疾患の治療薬開発に適した特性を持つ低分子で阻害することは、多くの場
合これまで非常に困難でした。本契約に基づき、両社は創薬および開発プログラムの実施と費用負担を共同で行
い、その結果得られる全ての製品を共同所有します。
  
  2021年2月1日、当社グループは、イオンチャネルを専門とするCROおよび創薬企業である英国のMetrion
Biosciences Limited(以下、「Metrion社」)と、当社グループの世界有数のSBDD技術とプラットフォームを、イ
オンチャネルに初めて応用するための新規技術提携契約を締結したことを発表しました。本提携は、Gタンパク質
共役型受容体(GPCR)に対する創薬と同じく、イオンチャネルに対する創薬にも当社グループのSBDD技術が応用で
きる可能性を示し、この分野でのリーダーとしての地位を確立することを目的としています。最初のステップとし
て、当社グループとMetrion社はそれぞれの専門的知見を組み合わせ、神経疾患に関連する一つのイオンチャネル
に対し、新規かつ特異性の高いリード化合物の特定を目指します。Metrion社は、選定されたイオンチャネルの知
的財産、ノウハウ、およびスクリーニングモデルを提供します。当社グループは、選定されたイオンチャネルに対
して特定されたすべての分子に対して、独占的なグローバルでの権利を有します。金銭上の詳細に関しては非開示
です。
  
当社グループの当連結会計年度の経営成績
  
 2020年12月31日現在、当社グループの従業員数は190人(2019年12月31日時点比27名増)です。
  




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                                                         そーせいグループ(株) (4565) 2020年12月期 決算短信

     
          以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益8,842百万円(前連結会計年度比884百万円減少)、営業利益
        928百万円(前連結会計年度比544百万円増加)、税引前当期利益1,622百万円(前連結会計年度比1,088百万円増
        加)、当期利益1,479百万円(前連結会計年度比47百万円増加)となりました。
          
                                                                                 (単位:百万円)
                                 当連結会計年度                     前連結会計年度
                              (自 2020年1月1日                (自 2019年1月1日           増減
                               至 2020年12月31日)              至 2019年12月31日)

売上収益                                      8,842                       9,726           △884

    売上原価に係る現金支出                           △607                        △807              200

    研究開発費に係る現金支出                        △3,411                      △3,937              526

    販売費及び一般管理費に係る現金支出                   △1,995                      △2,164              169

    その他の収益及びその他の費用 (※2)                         75                          28          47

現金利益(※3)                                  2,904                       2,846             58

    非現金支出費用                             △1,976                      △2,462              486

営業利益                                        928                         384             544

    金融収益及び金融費用 (※2)                       1,050                         331             719

    持分法投資損益                               △356                        △181            △175

税引前当期利益                                   1,622                         534           1,088

当期利益                                      1,479                       1,432             47
        ※1.費用及び損失は△で表示しております。
        ※2.「その他の収益及びその他の費用」並びに「金融収益及び金融費用」は純額で表示しております。
        ※3.「現金利益」は営業利益に有形固定資産の減価償却費、無形資産の償却費、株式報酬費用及び減損損失を加
         算した金額を表示しております。
          
         当社グループは、医薬事業の単一セグメントであるため、報告セグメント別の記載は省略しています。
          




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                                                  そーせいグループ(株) (4565) 2020年12月期 決算短信

      当連結会計年度の経営成績及び分析は以下のとおりです。
     
    (売上収益)
                                                                      (単位:百万円)

                              当連結会計年度               前連結会計年度
                           (自 2020年1月1日           (自 2019年1月1日        増減
                            至 2020年12月31日)         至 2019年12月31日)

マイルストン収入及び契約一時金                       5,353                  6,013         △660
ロイヤリティ収入                              2,544                  2,406           138
医薬品販売                                    -                     276         △276
その他                                     945                  1,031          △86
合計                                    8,842                  9,726         △884
       
      当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度に比べ884百万円減少し、8,842百万円となりました。
       
      当連結会計年度のマイルストン収入及び契約一時金は、前連結会計年度比660百万円減少し、5,353百万円となり
     ました。マイルストン収入及び契約一時金は、あらかじめ定められた成果を達成できるかどうか、あるいは新規提
     携契約が締結できるかどうかによって、四半期毎に変動する可能性があります。この減少は、新規導出契約は前連
     結会計年度の3件に対し、当連結会計年度は4件に増加したものの、マイルストン収入が前連結会計年度比減少し
     たことによるものです。前連結会計年度にはアストラゼネカ社からの15百万米ドル等のいくつかの重要なマイルス
     トン収入を計上しています。なお、当社グループは一度に受領する金額が約5百万米ドル以上のものを「重要なマ
     イルストンに関する収益」に分類しています。
       
      当連結会計年度のロイヤリティに関する収益は、前連結会計年度比138百万円増加し、2,544百万円となりまし
     た。その大半は導出先であるノバルティス社(注)によるウルティブロ及びシーブリの売上に関連するものです。
     エナジア® ブリーズヘラー®が日本及びEUで承認され、ノバルティス社による同製品の売上に関連するロイヤリテ
     ィ収入が、当連結会計年度の第3四半期から計上されています。
       
      (注)    グリコピロニウム臭化物とその製剤の独占的開発・販売権は、2005年4月に、当社グループ及び共同
             開発パートナーであるVectura社からノバルティス社に導出しています。シーブリ®、ウルティブロ®、
             エナジア®及びブリーズヘラー®はノバルティス社の登録商標です。
       




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                                                          そーせいグループ(株) (4565) 2020年12月期 決算短信

    (営業費用)
                                                                                  (単位:百万円)
                                   当連結会計年度                   前連結会計年度
                                (自 2020年1月1日               (自 2019年1月1日           増減
                                 至 2020年12月31日)             至 2019年12月31日)

売上原価に係る現金支出                                   607                        807           △200

研究開発費に係る現金支出                                3,411                      3,937           △526

販売費及び一般管理費に係る現金支出                           1,995                      2,164           △169

非現金支出費用                                     1,976                      2,462           △486

    売上原価                                      154                            44         110

    研究開発費                                     382                        355             27

    販売費及び一般管理費                              1,440                      1,450           △10

    その他の費用                                        -                      613           △613
         
            売上原価に係る現金支出
             当連結会計年度の売上原価に係る現金支出は、前連結会計年度比200百万円減少し、607百万円となりました。
            これは主に、株式会社そーせいのオラビ®錠販売に係る直接経費が減少したことによるものです。なお、売上原
            価に係る現金支出は、契約に基づき顧客に提供される研究開発受託サービスに関する人件費並びに研究施設の消
            耗品費等で構成されています。
         
            研究開発費に係る現金支出
             当連結会計年度の研究開発費に係る現金支出は、前連結会計年度比526百万円減少し、3,411百万円となりまし
            た。これは主に、COVID-19の影響によるプロジェクト活動の減少及び外部委託企業との開発費用の負担を見直し
            たことによるものです。研究開発費全体の96%は英国における活動によるものです。
             
            販売費及び一般管理費に係る現金支出
             当連結会計年度の販売費及び一般管理費に係る現金支出は、前連結会計年度比169百万円減少し、1,995百万円
            となりました。これは主に、株価の減少に伴い株式報酬費用に係る英国での社会保険料が減少したことによるも
            のです。
             
            非現金支出費用
             非現金支出費用は、有形固定資産の減価償却費、無形資産の償却費、株式報酬費用及び減損損失で構成されて
            います。当連結会計年度の非現金支出費用は、前連結会計年度比486百万円減少し、1,976百万円となりました。
            有形固定資産の減価償却費は507百万円(前連結会計年度比51百万円増加)、無形資産の償却費は843百万円(前連
            結会計年度比166百万円減少)、株式報酬費用は626百万円(前連結会計年度比242百万円増加)となりました。2020
            年4月において事後交付型株式報酬(RSU)を追加発行したことにより株式報酬費用が増加しました。また、前連
            結会計年度において株式会社そーせいのオラビ®錠の収益性の低下等により無形資産613百万円を減損しておりま
            す。
             
    (営業損益)
      当連結会計年度の営業損益は、前連結会計年度比544百万円改善し、928百万円の営業利益となりました。これは
        主に、売上収益が減少した一方、営業費用がより大きく減少したことによるものです。
     
    (金融収益及び金融費用)
      当連結会計年度の金融収益及び金融費用の純額は、前連結会計年度比719百万円改善し、1,050百万円の収益超過
        となりました。これは主に、条件付対価評価益が増加したことによるものです。
          




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                                             そーせいグループ(株) (4565) 2020年12月期 決算短信

    (当期損益)
         当連結会計年度の当期損益は、前連結会計年度比47百万円改善し、1,479百万円の利益となりました。これは主
        に、上述の営業利益及び金融収益が増加したことによるものです。
          
(2)      当期の財政状態の概況
         当連結会計年度末における財政状態は以下のとおりです。
          
         (資産)
           当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ19,785百万円増加し、76,465百万円となりま
         した。これは主に、Heptares Therapeutics Ltd.において法人所得税の還付により未収法人所得税の減少、及び
         2020年6月にそーせいCVC株式会社株式の売却に伴うSosei RMF1投資事業有限責任組合の連結除外の結果その他の
         金融資産が減少した一方、2020年7月の海外募集による新株の発行及び転換社債型新株予約権付社債の発行、及
         び新規ライセンス契約に係る契約一時金の受領により、現金及び現金同等物が24,633百万円増加したことによる
         ものです。
          
         (負債)
           当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ12,482百万円増加し、24,084百万円となりま
         した。これは主に、2020年7月に転換社債型新株予約権付社債の発行により社債が増加したことによるもので
         す。
          
         (資本)
          当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ7,303百万円増加し、52,381百万円となりまし
         た。これは主に、2020年7月の海外募集による新株の発行等による増加、転換社債型新株予約権付社債の発行に
         伴い資本剰余金が増加したこと及び当期利益の計上によるものです。
          なお、現金及び現金同等物並びに有利子負債の総資産に占める比率及び親会社所有者帰属持分比率は、それぞ
         れ52.3%、21.7%、68.5%となります。
 
(3)      当期のキャッシュ・フローの概況
         当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ24,633百万円増加し、当連結会計年度
        末は40,008百万円となりました。
         当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
     
         (営業活動によるキャッシュ・フロー)
          当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、4,672百万円の収入となりました。これは主に、マイ
         ルストン収入、新規提携による契約一時金及びロイヤリティ収入が営業に関する支出を上回ったこと及び法人所
         得税の還付1,338百万円によりキャッシュ・フローが増加したことによるものです。
          
         (投資活動によるキャッシュ・フロー)
           当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは150百万円の支出となりました。これは主に、Sosei
         RMF1投資事業有限責任組合が保有していた投資有価証券の売却による収入238百万円及び投資事業組合からの分配
         金の配当による収入295百万円があった一方、そーせいCVC株式会社及びSosei RMF1投資事業有限責任組合の支配
         喪失に伴う現金及び現金同等物の減少577百万円があったことによるものです。
          
         (財務活動によるキャッシュ・フロー)
           当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは20,278百万円の収入となりました。これは主に、2020
         年7月の海外募集による新株の発行等による収入5,145百万円及び転換社債型新株予約権付社債の発行による収入
         15,902百万円によるものです
          




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    (4)    連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
           当社グループは創薬ビジネスの拡大に引き続き注力し、成長機会を十分に活用していくことが可能な状況にあり
          ます。当社グループは、SBDDプラットフォームと極めて生産性の高い創薬エンジンにより、複数の有望な新薬候補
          物質を創出しており、全てのプログラムを資本効率良く早期に進展させるため、提携及び共同投資による活動の拡
          大を図ります。同時に、競争力を維持し、高いアンメットメディカルニーズの存在する分野における、次世代のプ
          ログラムからなる有望なパイプラインを進捗させるため、新たなテクノロジー、ツール及び能力強化のための投資
          を行います。
             
            2021年12月期は、当社グループの発展につながる中期計画を後押しするための、収益を創出する企業の買収を含
          む成長戦略への投資が増加すると見込んでいます。2020年12月期同様、基礎となる創薬ビジネスにおいては、企業
          価値向上の追求のために、引き続き経営資源と資本のバランスを持続可能なものとしてまいります。
            ・   基礎となる創薬ビジネスにおける研究開発費に係る現金支出は4,000百万円から5,000百万円を見込みます。
            ・   基礎となる創薬ビジネスにおける一般管理費に係る現金支出は1,800百万円から2,300百万円を見込みます。
            ・   新規提携に伴う一時金を見込みます。
            ・   創薬及び研究開発に関する既存の提携先からのマイルストンに関する収益を見込みます。
            ・   コストベースの管理を徹底しつつ、引き続き創薬プラットフォームを補完し将来性を確保するテクノロジ
                ー、ツール及び能力への投資とともに、次世代候補品の進展を図ります。
            ・   長期的な収益成長を確保するための転機となる可能性を持った企業買収を目指します。
            ・   当社グループの創薬及び初期開発の新規ターゲットへの拡大を図ります。
            ・   日本国内市場向けの後期臨床開発段階にあるアセットの導入を目指します。
             
            当社グループは、2023年までの創薬及び初期開発活動のための十分な資金を確保しています。
            
          (注)   予想為替レートはUSD:JPY=106としています。
 
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
     当社グループは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上を目的に、2014年(平成26年)3月期より、
    国際会計基準を適用しております。
 




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                                      そーせいグループ(株) (4565) 2020年12月期 決算短信

3.連結財務諸表及び主な注記
    (1) 連結財政状態計算書
                                                                  (単位:百万円)
                                     当連結会計年度                 前連結会計年度
                                                         
                                    (2020年12月31日)           (2019年12月31日)
    資産                                                                        
        非流動資産                                                                
         有形固定資産                                 3,824                   4,120
         のれん                                   14,134                  14,365
         無形資産                                  11,802                  12,999
         持分法で会計処理されている投資                        3,087                   3,539
         その他の金融資産                               1,593                   2,053
         その他の非流動資産                                    7                      41
         非流動資産合計                               34,447                  37,117
        流動資産                                                                   
         営業債権                                       939                 1,924
         未収法人所得税                                    420                 1,765
         その他の流動資産                                 651                     499
         現金及び現金同等物                             40,008                  15,375
         流動資産合計                                42,018                  19,563
        資産合計                                   76,465                  56,680
                                                                               
    負債及び資本                                                                    
    負債                                                                        
        非流動負債                                                                
         繰延税金負債                                 2,457                   2,008
         企業結合による条件付対価                           1,107                   3,203
         社債                                    14,789                        -
         リース負債                                  1,664                   1,704
         その他の金融負債                                   -                   1,489
         その他の非流動負債                              1,082                       895
         非流動負債合計                               21,099                   9,299
        流動負債                                                                   
         営業債務及びその他の債務                           1,508                   1,211
         未払法人所得税                                   29                     162
         リース負債                                    170                       175
         その他の流動負債                               1,278                       755
         流動負債合計                                 2,985                   2,303
        負債合計                                   24,084                  11,602
    資本                                                                       
         資本金                                   40,220                  37,479
         資本剰余金                                 30,452                  26,548
         自己株式                                     △0                      △0
         利益剰余金                                △10,785                 △12,264
         その他の資本の構成要素                          △7,506                  △6,688
         親会社の所有者に帰属する持分                        52,381                  45,075
         非支配持分                                      -                        3
        資本合計                                   52,381                  45,078
        負債及び資本合計                               76,465                  56,680
 




                           - 14 -
                                               そーせいグループ(株) (4565) 2020年12月期 決算短信

    (2) 連結包括利益計算書
                                                                         (単位:百万円)
                                           当連結会計年度                  前連結会計年度
                                         (自 2020年1月1日             (自 2019年1月1日
                                          至 2020年12月31日)           至 2019年12月31日)
                                                                                   
    売上収益                                              8,842                   9,726
    売上原価                                                761                     851
    売上総利益                                             8,081                   8,875
    研究開発費                                             3,793                   4,292
    販売費及び一般管理費                                        3,435                   3,614
    その他の収益                                                 79                    37
    その他の費用                                                  4                   622
    営業利益                                                928                     384
    金融収益                                              1,628                     824
    金融費用                                                578                     493
    持分法による投資損失                                          356                     181
    税引前当期利益                                           1,622                     534
    法人所得税費用                                             143                   △898
    当期利益                                              1,479                   1,432
                                                                                   
    その他の包括利益                                                                       
        純損益に振り替えられることのない項目                                                         
         その他の包括利益を通じて公正価値で測定するも
         のとして指定した資本性金融商品の公正価値の純                        △25                       84
         変動額
         純損益に振り替えられることのない項目合計                          △25                       84
        純損益に振り替えられる可能性のある項目                                                        
         在外営業活動体の為替換算差額                               △793                      851
         純損益に振り替えられる可能性のある
                                                      △793                      851
         項目合計
        その他の包括利益合計                                    △818                      935
    当期包括利益合計                                            661                   2,367
                                                                                   
    当期利益の帰属:                                                                       
     親会社の所有者                                          1,479                   1,432
        非支配持分                                           △0                      △0
    当期利益                                              1,479                   1,432
                                                                                   
    当期包括利益の帰属:                                                                     
        親会社の所有者                                         661                   2,367
        非支配持分                                           △0                      △0
    当期包括利益                                              661                   2,367
                                                                                   
    1株当たり当期利益(円)                                                                   
    基本的1株当たり当期利益                                      18.77                   18.70
    希薄化後1株当たり当期利益                                     18.59                   18.50
 




                                      - 15 -
                                                              そーせいグループ(株) (4565) 2020年12月期 決算短信

    (3) 連結持分変動計算書
                                                                                                     (単位:百万円)
                                                                         親会社の所
                                                                 その他の
                                                                         有者に帰属
                        資本金        資本剰余金          自己株式   利益剰余金   資本の構成  
                                                                         する持分合
                                                                                                 非支配持分   資本合計
                                                                   要素
                                                                           計
2019年1月1日時点の残高          36,854       26,042          △0     △13,696      △7,623       41,577         3    41,580
    当期利益                    -            -            -       1,432          -        1,432         △0    1,432
    その他の包括利益                -            -            -          -          935         935         -       935
当期包括利益合計                    -            -            -       1,432         935       2,367         △0    2,367
    新株の発行                  625          122           -          -           -          747         -       747
    自己株式の取得                 -            -           △0          -           -          △0          -       △0
    株式報酬費用                  -           384           -          -           -          384         -       384
所有者との取引額合計                 625          506          △0          -           -        1,131         -     1,131
2019年12月31日時点の残高        37,479       26,548          △0     △12,264      △6,688       45,075         3    45,078
    当期利益                    -            -            -       1,479          -        1,479         △0    1,479
    その他の包括利益                -            -            -          -        △818        △818          -     △818
当期包括利益合計                    -            -            -       1,479       △818          661         △0      661
    新株の発行                2,741        2,404           -          -           -        5,145         -     5,145
    転換社債型新株予約権付社債
                            -           841           -          -           -          841         -       841
    の発行
    株式報酬費用                  -           659           -        -             -          659         -       659
    子会社の支配喪失に伴う変動           -            -            -        -             -            -         △3      △3
所有者との取引額合計               2,741        3,904           -        -             -         6,645        △3    6,642
2020年12月31日時点の残高        40,220       30,452          △0   △10,785        △7,506       52,381        -     52,381

 




                                                    - 16 -
                                        そーせいグループ(株) (4565) 2020年12月期 決算短信

    (4) 連結キャッシュ・フロー計算書
                                                                   (単位:百万円)
                                      当連結会計年度                 前連結会計年度
                                   (自 2020年1月1日             (自 2019年1月1日
                                    至 2020年12月31日)           至 2019年12月31日)
    営業活動によるキャッシュ・フロー                                                          
     税引前当期利益                                   1,622                       534
     顧客から受け取った非現金対価                            △750                      △252
     減価償却費及び償却費                                1,350                     1,489
     株式報酬費用                                      626                       384
     減損損失                                         -                        613
     投資有価証券評価損益(△は益)                           △259                        126
     投資有価証券売却損益(△は益)                              73                        -
     出資金運用損益(△は益)                                 75                     △185
     条件付対価に係る公正価値変動額(△は益)                     △1,334                     △576
     為替差損益(△は益)                                   63                      △93
     受取利息                                       △35                       △62
     支払利息                                        213                       219
     持分法による投資損益(△は益)                             356                       181
     営業債権の増減額(△は増加)                              909                     △880
     未収入金の増減額(△は増加)                            △157                       △43
     長期前払費用の増減額(△は増加)                             -                        241
     営業債務の増減額(△は減少)                               61                     △258
     長期前受収益の増減額(△は減少)                            551                     1,198
     その他                                         161                         8
     小計                                        3,525                     2,644
     補助金の受取額                                       2                        45
     利息及び配当金の受取額                                  35                        62
     利息の支払額                                     △60                      △103
     法人所得税の支払額                                 △168                       △93
     法人所得税の還付額                                 1,338                       886
     営業活動によるキャッシュ・フロー                          4,672                     3,441
    投資活動によるキャッシュ・フロー                                                          
     有形固定資産の取得による支出                             △92                      △271
     無形資産の取得による支出                               △13                        △9
     投資有価証券の取得による支出                               -                      △250
     投資有価証券の売却による収入                              238                        -
     投資事業組合からの分配による収入                            295                        -
     条件付対価の決済による収入                                -                        264
     子会社の支配喪失に伴う現金及び現金同等物の変動
                                                △577                          -
     額
     その他                                          △1                        20
     投資活動によるキャッシュ・フロー                           △150                     △246
    財務活動によるキャッシュ・フロー                                                          
     リース負債の返済による支出                              △172                      △61
     長期借入金の返済による支出                                 -                   △7,000
     財務活動としての資金調達による支出                             -                      △95
     社債の発行による収入                                15,902                       -
     条件付対価の決済による支出                              △597                   △1,050
     株式の発行による収入                                 5,145                      747
     有限責任組合員からの払込による収入                             -                       495
     その他                                           -                       △0
     財務活動によるキャッシュ・フロー                          20,278                  △6,964
    現金及び現金同等物の為替変動による影響                         △167                       384
    現金及び現金同等物の増減額(△は減少)                        24,633                  △3,385
    現金及び現金同等物の期首残高                             15,375                   18,760
    現金及び現金同等物の期末残高                             40,008                   15,375
 


                               - 17 -
                                           そーせいグループ(株) (4565) 2020年12月期 決算短信

    (5) 連結財務諸表注記
     (継続企業の前提に関する注記)
       該当事項はありません。
        
     (会計方針の変更)
         該当事項はありません。
          
     (セグメント情報等)
      (1) 報告セグメントの概要
           当社グループは、医薬品の開発事業を行っております。なお、医薬事業の単一セグメントであるため、報告セ
          グメント別の記載は省略しております。
 
         (2) 当社グループが管理する収益区分
           外部顧客への売上収益
                                                                  (単位:百万円)

                                  当連結会計年度                  前連結会計年度
                               (自 2020年1月1日              (自 2019年1月1日
                                至 2020年12月31日)            至 2019年12月31日)

    マイルストン収入及び契約一時金                              5,353                     6,013
    ロイヤリティ収入                                     2,544                     2,406
    医薬品販売                                           -                        276
    その他                                            945                     1,031
     合計                                          8,842                     9,726
               
         (3) 地域別情報
           外部顧客からの売上収益
                                                                  (単位:百万円)

                                  当連結会計年度                  前連結会計年度
                               (自 2020年1月1日              (自 2019年1月1日
                                至 2020年12月31日)            至 2019年12月31日)

    日本                                             256                       982
    スイス                                          3,215                     2,644
    米国                                           3,094                     3,584
    英国                                           1,706                     2,285
    バミューダ                                          477                        -
    アイルランド                                          94                       231
     合計                                          8,842                     9,726
           売上収益は、顧客の所在地を基礎として分類しております。
            




                                  - 18 -
                                                        そーせいグループ(株) (4565) 2020年12月期 決算短信

            非流動資産
                                                                                 (単位:百万円)
                                              当連結会計年度                    前連結会計年度
 
                                             (2020年12月31日)              (2019年12月31日)

    日本                                                          407                        324
    英国                                                        29,360                     30,874
    その他                                                          -                         327
      合計                                                      29,767                     31,525
            非流動資産には、持分法で会計処理されている投資、その他の金融資産を含めておりません。
          
         (4) 主要な顧客に関する情報
            売上収益
 
                                                                                 (単位:百万円)


                                               当連結会計年度                   前連結会計年度
             顧客の名称又は氏名                      (自 2020年1月1日               (自 2019年1月1日
                                             至 2020年12月31日)             至 2019年12月31日)


    Novartis International AG                                 3,215                      2,644

    GlaxoSmithKline plc.                                      1,341                          -

    Biohaven Pharmaceutical Holding
                                                              1,089                          -
    Company Ltd.

    Pfizer Inc.                                                 524                      1,511


    武田薬品工業株式会社                                                  365                      1,155


    Genentech, Inc.                                             345                      1,001

    AstraZeneca UK Limited                                       -                       1,616

            上記には、顧客のグループ会社の金額も含めて記載しております。
             
 




                                               - 19 -
                                              そーせいグループ(株) (4565) 2020年12月期 決算短信

 (1株当たり利益)
  (1) 基本的1株当たり当期利益
      基本的1株当たり当期利益及びその算定上の基礎は以下のとおりです。
                                         当連結会計年度                     前連結会計年度
                                      (自 2020年1月1日                 (自 2019年1月1日
                                       至 2020年12月31日)               至 2019年12月31日)

親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)                                 1,479                      1,432

発行済普通株式の加重平均株式数(株)                               78,737,535                  76,622,536
基本的1株当たり当期利益(円)                                       18.77                      18.70
       
  (2) 希薄化後1株当たり利益
       希薄化後1株当たり当期利益及びその算定上の基礎は以下のとおりです。
                                         当連結会計年度                     前連結会計年度
                                      (自 2020年1月1日                 (自 2019年1月1日
                                       至 2020年12月31日)               至 2019年12月31日)

親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円)                                 1,479                      1,432
希薄化後1株当たり当期利益の算定に使用する当
                                                         -                            -
期利益調整額(百万円)
希薄化後1株当たり当期利益の算定に使用する当
                                                      1,479                      1,432
期利益(百万円)
発行済普通株式の加重平均株式数(株)                               78,737,535                  76,622,536
希薄化後1株当たり当期利益の算定に使用する普
                                                                                           
通株式増加数(株)
ストック・オプション等による増加(株)                                 755,846                    860,324
転換社債型新株予約権付社債(株)                                         -                            -
希薄化後1株当たり当期利益の算定に使用する普
                                                 79,493,381                  77,482,860
通株式の加重平均株式数(株)
希薄化後1株当たり当期利益(円)                                      18.59                      18.50

                                                                    第32回新株予約権
                                   2025年満期ユーロ円建転換社債                 第33回新株予約権
希薄化効果を有しないため希薄化後1株当たり当
                                       型新株予約権付社債                    第34回新株予約権
期利益の算定に含めなかった潜在株式の概要
                                    (普通株式 8,723,200株)               第35回新株予約権
                                                                  (計 普通株式 102,000株)

  
 (重要な後発事象)
   当社グループは、2021年1月5日にAbbVie Inc.との提携終了の決定を受け、ムスカリン作動薬プログラムのグロ
  ーバルな研究開発権及び販売権が当社グループに返還されることを発表いたしました。本プログラムに関する権利
  は、2016年4月にAllergan Pharmaceuticals International Limitedが取得していましたが、2020年5月、
  Allergan Pharmaceuticals International LimitedはAbbVie Inc.によって買収されております。このグローバルで
  の権利を返還するという決定は、AbbVie Inc.のパイプラインに関するビジネス上の判断に基づくものであり、本提
  携プログラムに関連したいかなる有効性、安全性、またはその他のデータに基づき行われたものではありません。
  このような背景から、AbbVie Inc.は、本提携プログラムの下で開発中のすべての候補薬、当社グループから
  Allergan Pharmaceuticals International Limitedに許諾した関連するすべての知的財産、及び提携において収集
  したすべての臨床・前臨床データの権利を当社グループに返還すると通知しました。
   当社グループは、本プログラムの返還の影響を考慮して企業結合による条件付対価の計算に反映し、減損テスト
  を実施しております。当該減損テストの結果、減損損失は認識しておりません。
   当社グループでは本プログラムのさらなる開発と再提携に向けた戦略決定のため、徹底的な検討を行っていきま
  す。




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