4564 M-OTS 2020-02-07 17:00:00
2020年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) [pdf]

                      2020年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
                                                                                                   2020年2月7日

上場会社名 オンコセラピー・サイエンス株式会社                                                                上場取引所                      東
コード番号 4564    URL https://www.oncotherapy.co.jp
代表者      (役職名) 代表取締役社長                                   (氏名) 朴 在賢
問合せ先責任者 (役職名) 管理本部長                                      (氏名) 子玉 弘二                       TEL 044-820-8251
四半期報告書提出予定日      2020年2月10日
配当支払開始予定日        ―
四半期決算補足説明資料作成の有無 :           無
四半期決算説明会開催の有無            :   無

                                                                                                  (百万円未満切捨て)

1. 2020年3月期第3四半期の連結業績(2019年4月1日∼2019年12月31日)
(1) 連結経営成績(累計)                                                                        (%表示は、対前年同四半期増減率)
                                                                                           親会社株主に帰属する
                            売上高                  営業利益                   経常利益
                                                                                             四半期純利益
                            百万円       %          百万円           %        百万円           %          百万円               %
2020年3月期第3四半期                161   △34.8        △1,735     ―           △1,738     ―            △1,775        ―
2019年3月期第3四半期                247    22.0        △2,146     ―           △2,152     ―            △1,894        ―
(注)包括利益 2020年3月期第3四半期  △1,765百万円 (―%) 2019年3月期第3四半期  △2,129百万円 (―%)
                                                     潜在株式調整後1株当たり四半期
                         1株当たり四半期純利益
                                                           純利益
                                                円銭                              円銭
2020年3月期第3四半期                              △11.16                  ―
2019年3月期第3四半期                              △12.89                  ―

(2) 連結財政状態
                               総資産                             純資産                         自己資本比率
                                               百万円                          百万円                                    %
2020年3月期第3四半期                     4,866                               4,468                                      88.1
2019年3月期                          5,367                               4,870                                      85.6
(参考)自己資本     2020年3月期第3四半期 4,287百万円                   2019年3月期 4,595百万円


2. 配当の状況
                                                          年間配当金
                    第1四半期末          第2四半期末                第3四半期末                期末                  合計
                              円銭                 円銭                円銭                  円銭                    円銭
2019年3月期                ―                  ―                   ―                       0.00                      0.00
2020年3月期                ―                  ―                   ―
2020年3月期(予想)                                                                           0.00                      0.00

(注)直近に公表されている配当予想からの修正の有無 : 無



3. 2020年 3月期の連結業績予想(2019年 4月 1日∼2020年 3月31日)
 今期の連結業績予想については、売上高及び営業利益の予想値の公表が、当社グループ研究開発事業の導出活動における最大価値創出の阻害要因
として作用する可能性が想定されます。また当社グループの研究開発費用の中には、提携契約の内容によって当社グループ負担または相手方負担のい
ずれとなるかが決定される費用も含まれております。
 これらの点を考慮して、現時点で当社グループは今回の業績予想について記載をしておりませんが、判明次第お知らせいたします。
※ 注記事項
(1) 当四半期連結累計期間における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動) : 有
                                               Laboratoires OncoTherapy
     新規 ― 社 (社名)              、   除外 1  社 (社名)
                                               Science France S.A.R.L.

(2) 四半期連結財務諸表の作成に特有の会計処理の適用 : 無
(3) 会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
     ① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更  : 無
     ② ①以外の会計方針の変更         : 無
     ③ 会計上の見積りの変更          : 無
     ④ 修正再表示               : 無

(4) 発行済株式数(普通株式)
     ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)     2020年3月期3Q   166,892,200 株 2019年3月期     151,557,400 株
     ② 期末自己株式数               2020年3月期3Q            ― 株 2019年3月期               ―株
     ③ 期中平均株式数(四半期累計)        2020年3月期3Q   159,182,282 株 2019年3月期3Q   147,032,000 株

※ 四半期決算短信は公認会計士又は監査法人の四半期レビューの対象外です

※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
 2020年3月期の業績予想が判明次第、お知らせいたします。
                       オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 2020年3月期 第3四半期決算短信

○添付資料の目次
 
    1.当四半期決算に関する定性的情報 ……………………………………………………………………………………      2
     (1)経営成績に関する説明 ……………………………………………………………………………………………      2
     (2)財政状態に関する説明 ……………………………………………………………………………………………      6
     (3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明 ………………………………………………………………      6
    2.四半期連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………      7
     (1)四半期連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………………………      7
     (2)四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書 ………………………………………………………      9
        四半期連結損益計算書                                           
         第3四半期連結累計期間 ………………………………………………………………………………………      9
        四半期連結包括利益計算書                                         
         第3四半期連結累計期間 ………………………………………………………………………………………     10
     (3)四半期連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………     11
       (継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………………………     11
       (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) …………………………………………………………     11
       (追加情報) …………………………………………………………………………………………………………     11
       (セグメント情報等) ………………………………………………………………………………………………     12
    3.その他 ……………………………………………………………………………………………………………………     13
       継続企業の前提に関する重要事象等 ………………………………………………………………………………     13
 




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                           オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 2020年3月期 第3四半期決算短信

1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)経営成績に関する説明
   当社グループは、元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(現 公益財団法人がん研究会 がんプレシ
  ジョン医療研究センター所長、東京大学名誉教授、シカゴ大学名誉教授)中村祐輔教授と共同で、ほぼ全てのがん
  を対象とした網羅的な遺伝子発現解析等を実施し、既にがん治療薬開発に適した多くの標的分子を同定しておりま
  す。また、それらの標的に対し、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等の、各領域における創薬研究を
  積極的に展開し、これら創薬研究の成果を基にした複数の臨床試験を実施しており、臨床試験準備中の医薬品候補
  物質も複数有しております。
   このような、「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業に加えて、がんプレシジョン医療関連事業
  を実施しております。
   がんは遺伝子の異常により引き起こされる病気です。がん細胞での遺伝子の網羅的な解析は、がんの診断及びが
  ん治療薬・治療法を選択するために非常に重要です。この解析を利用して、がんの早期診断や、がん患者さん一人
  ひとりの遺伝子情報に基づいた治療薬・治療法の選択をすることや新規の免疫療法につなげていくことをがんプレ
  シジョン医療といい、近年、より効果的ながん治療をがん患者さんに提供できる手段として注目されています。
   当社は、グローバルなゲノム・トランスクリプトム・エピゲノム等の次世代シーケンス解析サービスを行ってい
  るTheragen Etex Co., Ltd.(本社:韓国、CEO:Tae Soon (Samuel) Hwang、以下「TE社」という)との資本・業
  務提携により、がん遺伝子の大規模解析検査及びがん免疫療法の研究開発を行う子会社として、株式会社Cancer
  Precision Medicine(以下「CPM社」という)を設立し、がんプレシジョン医療関連事業を実施しております。
   具体的な「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業及びがんプレシジョン医療関連事業の内容につ
  いては、以下(a)及び(b)のとおりでございます。
   なお、2019年12月31日現在、当社は全世界で512件の特許を取得しております。
    
 (a)「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業
  <基礎研究領域>
       創薬ターゲットの特定等を行う基礎研究領域においては、ヒト全遺伝子の遺伝子発現パターンを網羅的に検
    索できるcDNAマイクロアレイのシステムによる大腸がん、胃がん、肝臓がん、非小細胞肺がん、小細胞肺が
    ん、食道がん、前立腺がん、膵臓がん、乳がん、腎臓がん、膀胱がん及び軟部肉腫等について発現解析が終了
    しております。これらの発現解析情報からがんで発現が高く正常臓器では発現がほとんどない遺伝子を選択
    し、さらに機能解析により、がん細胞の生存に必須な多数の遺伝子を分子標的治療薬の標的として同定してお
    ります。
        
  <創薬研究領域>
       医薬品候補物質の同定及び最適化を行う創薬研究領域においては、医薬品の用途毎に、より製品に近い研究
    を積極的に展開しております。
       低分子医薬につきましては、7種のがん特異的タンパク質を標的とする創薬研究を進めております。そのう
    ち1種の標的であるリン酸化酵素(キナーゼ)については、医薬品候補化合物の臨床試験を実施中です(詳細
    は、別記「<医薬開発領域>(ⅰ)低分子医薬」をご参照ください。)。他の1種のリン酸化酵素について
    は、これまでに得た高活性化合物に基づきリード最適化作業を進め、in vivoで強力な腫瘍増殖抑制効果を示す
    複数の高活性化合物を同定しております。これらにつき、医薬品候補化合物として臨床開発するための薬効薬
    理・薬物動態・毒性試験を進めております。さらに、別の3種の標的酵素タンパク質に関して、リード最適化
    の過程で得た高活性化合物群に対してin vivoでの薬効試験を進め、有意な薬効を示す化合物の構造に基づき、
    薬効向上のためのさらなるリード最適化作業を実施中です。また、さらに別の2種の標的酵素タンパク質に関
    して、これまでに得た高活性化合物に基づき、リード化合物獲得に向けた新規化合物合成と構造活性相関研究
    を進めております。
       がんペプチドワクチンにつきましては、これまでに日本人及び欧米人に多く見られるHLA-A*24:02及び
    A*02:01を中心に、大腸がん、胃がん、肺がん、膀胱がん、腎臓がん、膵臓がん、乳がん及び肝臓がん等を標的
    とした計43遺伝子を対象としたエピトープペプチドを既に同定しておりますが、それら以外にもA*11:01,
    A*33:03, A*01:01及びA*03:01等、様々なHLAに対応したより多くのエピトープペプチドを同定しております。
       このように、独創的な分子標的治療薬の創製を目指した創薬研究を中心に積極的に展開しております。




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                       オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 2020年3月期 第3四半期決算短信

<医薬開発領域>
    医薬開発領域においては、当社グループ独自での開発及び複数の製薬企業との提携による開発を、以下のと
 おりそれぞれ進めております。
    (ⅰ)低分子医薬
      がん幹細胞の維持に重要な分子であるMELK(Maternal Embryonic Leucine zipper Kinase)を標的とし
     たOTS167については、急性骨髄性白血病に対する第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を米国シカゴ大学及びコーネル大学に
     て実施しております。この臨床試験は、急性骨髄性白血病を含む血液がんの患者さんを対象とし、OTS167
     の静脈内反復投与における安全性及び推奨投与量の確認を行い、確認後には、急性骨髄性白血病を含む予
     後不良の各種白血病についてのPOCを獲得することを目的とするものです。また、OTS167の乳がんに対する
     第Ⅰ相臨床試験を米国コーネル大学、テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター、米国ノーウォー
     ク・ホスピタル及び米国メモリアルスローンケタリングがんセンターにて実施しております。この臨床試
     験は、トリプルネガティブ乳がんを含む乳がんの患者さんを対象とし、OTS167のカプセル剤による経口投
     与における安全性及び推奨投与量の確認を主目的とし、副次的にトリプルネガティブ乳がんに対する臨床
     上の有効性を確認するものです。なお、OTS167は、オーストラリアで実施しておりました健常成人を対象
     とした経口投与による消化管吸収性(バイオアベイラビリティ)の確認を主たる目的とする臨床試験にお
     いて、ヒトでの良好な経口吸収性が確認されています。
      OTS167の標的は、MELKであり、がん幹細胞に高発現し、その維持に重要な役割をしているタンパク(キ
     ナーゼ)です。そのキナーゼを阻害し、強い細胞増殖抑制効果が期待できる新しい作用機序(ファース
     ト・イン・クラス)の分子標的治療薬です。OTS167は、すでに動物試験において、肺がん、前立腺がん、
     乳がん、膵臓がん等に対し、強力な抗腫瘍効果が確認されています。
      また、細胞分裂に重要ながん特異的新規標的分子(TOPK)に対する複数の最終化合物を同定しておりま
     す。動物実験で、顕著な結果が得られたことから、製剤化検討及び非臨床試験を進めております。
       
    (ⅱ)がんペプチドワクチン
      がんペプチドワクチンにつきましては、提携先製薬企業との戦略的対話を促進し、提携先が実施する臨
     床開発の側面支援、後方支援を強化して参りました。
      塩野義製薬株式会社とは、当社がライセンスアウトしているがん特異的ペプチドワクチンS-588410の臨
     床開発を支援する目的で、食道がん患者さんを対象とした第Ⅲ相臨床試験実施に関する覚書を締結してお
     り、塩野義製薬株式会社が臨床試験を実施しております。この臨床試験におきましては、2018年3月に最
     後の患者登録が完了しております。なお、塩野義製薬株式会社は、S-588410の食道がん第Ⅲ相臨床試験の
     ほか、膀胱がんを対象としたS-588410について日欧で第Ⅱ相臨床試験を完了しており、頭頸部がんを対象
     としたS-488210は欧州で第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を、また、固形がんを対象としたS-588210は英国で第Ⅰ相臨床
     試験を、それぞれ実施しております。
      サイアス株式会社には、特定のがん治療用ペプチドワクチンを利用して製造した再生T細胞をがん治療に
     用いることに関する開発・製造・販売権を供与しており、サイアス株式会社はがん患者さんの治療を目指
     して、非臨床試験開始に向けた準備を行っております。
      ノーベルファーマ株式会社には、当社の有するがん治療用ペプチドワクチンに関して、特定のがん種を
     適応症としたオプション権付きの開発・製造・販売権を供与しております。
      また、シンガポールのNUH(National University Hospital)にて、がんペプチドカクテルワクチン
     OTSGC-A24の胃がんに対する第Ⅰ相臨床試験を、医師主導治験として実施しております。
       
    (ⅲ)抗体医薬
      がん治療用抗体医薬OTSA101については、日本における滑膜肉腫に対する第Ⅰ相臨床試験を実施しており
     ます。本試験は、難治性又は再発性の滑膜肉腫患者を対象に、放射性同位元素を結合したOTSA101投与にお
     ける安全性及び体内薬物動態の確認を主たる目的とするものです。なお、フランスでのOTSA101第Ⅰ相臨床
     試験は一連の手続きが完了し、本試験を実施しておりました連結子会社Laboratoires OncoTherapy
     Science France S.A.R.L.は2019年4月に解散を決議、同年9月末日までに清算結了しております。
      また、当社連結子会社であるイムナス・ファーマ株式会社が協和キリン株式会社にライセンスアウトし
     ております抗アミロイドβ(Aβ)ペプチド抗体KHK6640については、協和キリン株式会社が、アルツハイ
     マー型認知症に対する第Ⅰ相臨床試験を欧州及び日本にて実施しております。
 




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                     オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 2020年3月期 第3四半期決算短信

(b)がんプレシジョン医療関連事業
 <がんプレシジョン医療への取組み>
  (ⅰ)がん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発を行う合弁会社設立
       当社は、2017年7月24日、がん遺伝子の大規模解析検査及びがん免疫療法の研究開発を行う子会社とし
   て、CPM社を設立致しました。CPM社に対しては、グローバルなゲノム・トランスクリプトム・エピゲノム等
   の次世代シーケンス解析サービスを行っているTE社が資本・業務提携したことから、当社とTE社との合弁会
   社となっております。また、当社の事業部門であり、オンコアンチゲンをはじめとしたがん免疫療法の研究
   開発及びT/B細胞受容体(TCR/BCR)レパトア解析サービスを行っていた腫瘍免疫解析部の事業について、会
   社分割(簡易分割)をし、CPM社に事業を承継させました。CPM社は、日本におけるがんプレシジョン医療を
   加速するため、全エクソーム解析、RNAシーケンス解析、ネオアンチゲン解析、リキッドバイオプシーといっ
   たがん遺伝子の大規模解析検査及びTCR/BCRレパトア解析及び免疫反応解析を提供しております。なお、2019
   年11月より、全ゲノムシーケンス解析、シングルセルRNAシーケンス解析、メタゲノムシーケンス解析の解析
   業務を新たに開始しております。さらに、CPM社は、ネオアンチゲン樹状細胞療法及びTCR遺伝子導入T細胞療
   法等の新しい個別化がん免疫療法の研究も行っております。
            
  (ⅱ)製薬企業、医療機関、研究機関等に対してのTCR/BCRレパトア解析サービスの提供
       がん免疫療法における最先端の取組みとして、シカゴ大学医学部中村祐輔研究室において開発された、次
   世代シーケンサーを用いてTCR/BCRレパトアを解析する方法を導入し、製薬企業、医療機関、研究機関等に対
   してTCR/BCRレパトア解析サービスを提供する事業を行っております。また、ワクチン投与前後の腫瘍組織及
   び末梢血におけるTCRレパトア解析を行うことにより、ワクチン投与によるペプチド特異的T細胞の増加を科
   学的に検証し、免疫チェックポイント阻害剤との併用による相乗効果に関する検討を進めております。
            
  (ⅲ)DCワクチンコンソーシアムとの樹状細胞療法による治療法の共同研究
       当社は、大阪、福岡、東京を拠点とする3医療法人(医療法人協林会     大阪がん免疫化学療法クリニッ
   ク、医療法人慈生会    福岡がん総合クリニック及び医療法人社団ビオセラ会     ビオセラクリニック)からな
   る樹状細胞免疫療法懇話会(DCワクチンコンソーシアム)と、当社がライセンスを保有するペプチドワクチ
   ンについて、その非独占的実施権をDCワクチンコンソーシアムに供与し、樹状細胞療法によるがん治療法の
   研究・開発を共同で進めております。この共同研究により、当社及びCPM社が支援する、がん臨床領域でのプ
   レシジョン医療の実施において、オンコアンチゲンやネオアンチゲンを利用した免疫療法に大きな役割を果
   たすと考えております。
            
  (ⅳ)IMSグループとの共同研究
       CPM社は、IMSグループ傘下の医療法人社団明芳会、医療法人財団明理会及び株式会社アイルと、リキッド
   バイオプシーによる胃がん及び大腸がんの手術後のがん細胞の残存、再発の早期発見法の検討にかかる共同
   研究契約を締結しております。本共同研究は胃がん及び大腸がんの患者さんに対し、リキッドバイオプシー
   の手法を用いた遺伝子解析により、手術前後の特定遺伝子における突然変異の検出によるがん細胞の残存、
   がん再発の早期発見可能性の探究を目的とするもので、本共同研究には、中村祐輔教授及びIMSグループ傘下
   の医療法人社団明芳会    板橋中央総合病院、医療法人社団明芳会    横浜旭中央総合病院、医療法人社団明理
   会   新松戸中央総合病院及び株式会社アイルが参加して実施しております。
       本共同研究による成果を確認した後、IMSグループ各医療機関において、がん診断のためにリキッドバイオ
   プシーを臨床応用する予定であり、さらに、CPM社とIMSグループ各医療機関とは、がん患者さん一人ひとり
   の遺伝子解析のためのクリニカルシーケンスなどがんプレシジョン医療について幅広く提携して参ります。
        
        




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                        オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 2020年3月期 第3四半期決算短信

        (ⅴ)公益財団法人がん研究会とのリキッドバイオプシーによるがん遺伝子変異の検出に係る共同研究の実施
          CPM社は、公益財団法人がん研究会(以下「がん研」という)と、リキッドバイオプシーによるがん遺伝子
         変異の検出に係る共同研究を実施しております。この共同研究は、固形がん(肺がん、大腸がん、乳がん
         等)の診断を目的として、がん遺伝子変異を検出するためのリキッドバイオプシー技術の改良、新規技術
         (新規遺伝子パネルを含む)の研究開発を共同で実施し、それらの臨床応用可能性を探求するもので、固形
         がん患者から採取した血液等を利用した、がん研独自技術を含むリキッドバイオプシーの評価、がんのスク
         リーニング、分子標的治療薬の選択、再発のモニタリング等におけるリキッドバイオプシー技術の課題抽出
         とそれらの解決法の検討を共同で行っております。
          また、ネオアンチゲン予測アルゴリズム(全自動化パイプラインを含む)に関わる共同研究も実施してお
         ります。この共同研究は個別化がん免疫療法のために正確なネオアンチゲン予測アルゴリズムの開発と関連
         技術の改良を目的とするもので、シーケンスデータからネオアンチゲン予測用コンピュータアルゴリズムの
         開発及び評価、全自動化したネオアンチゲン予測パイプラインの開発、ならびに予測されたネオアンチゲン
         について樹状細胞療法の治療効果に関わる科学的検証を共同で行っております。
            
        (ⅵ)セコム医療システム株式会社及び医療法人社団あんしん会四谷メディカルキューブとのがんプレシジョ
           ン医療を提携して推進するためのリキッドバイオプシーによるがんの早期発見法の検討にかかる共同研
           究契約の締結
          CPM社は、セコム医療システム株式会社及び医療法人社団あんしん会四谷メディカルキューブとがんプレシ
         ジョン医療を提携して推進するためのリキッドバイオプシーによるがんの早期発見法の検討にかかる共同研
         究契約を締結しました。この共同研究は、がん検診を受診する健常人における、リキッドバイオプシーの手
         法を用いた遺伝子解析により、特定遺伝子における突然変異の検出によるがんの早期発見可能性及び臨床現
         場での応用可能性を検討することを目的としたものです。本共同研究終了後は、四谷メディカルキューブに
         おいてのがん検診へのリキッドバイオプシーの採用をはじめ、がんプレシジョン医療において、セコム医療
         システムと幅広い提携を進めて参ります。
                
        (ⅶ)コスモ・バイオ株式会社とのペプチド合成委受託契約の締結
          CPM社は、コスモ・バイオ株式会社と、がん免疫療法のためのペプチド合成に関する委受託契約を締結しま
         した。
          CPM社のネオアンチゲン解析により得られた結果に基づき、ペプチド合成をコスモ・バイオ株式会社に委託
         してがん免疫療法におけるペプチド合成期間の短縮を図るとともに、CPM社が行うがん検体を用いたネオアン
         チゲン解析サービスに、コスモ・バイオ株式会社が合成したペプチドをCPM社から医療機関ならびに研究機関
         に提供するサービスを付加したものを、パッケージ化して提供します。
 
        これらの結果、当第3四半期連結累計期間における連結事業収益につきましては、受託検査サービスによる収入
    や複数の契約一時金等の受領により、161百万円(前期比86百万円減少)となりました。また、医薬品候補物質の
    基礎研究、創薬研究の継続的な実施による研究開発費用の計上に加え、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体
    医薬の3つの領域についての臨床開発進展による費用計上、がんプレシジョン医療関連事業に関する研究開発費用
    の計上を主な要因として、連結営業損失は1,735百万円(前期は2,146百万円の損失)、連結経常損失は1,738百万
    円(前期は2,152百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,775百万円(前期は1,894百万円の損
    失)となりました。
     なお、本書提出日現在、臨床試験進捗に伴うマイルストーンの発生をリリースしておりますが、本件は2020年3
    月期第4四半期に事業収益として計上することとなります。
     セグメント別経営成績は、次のとおりであります。
    a. 「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業
         複数の契約一時金等の受領により、事業収益は12百万円(前期比190百万円減少)となりました。また、医薬
        品候補物質の基礎研究、創薬研究の継続的な実施による研究開発費用の計上に加え、低分子医薬、がんペプチ
        ドワクチン、抗体医薬の3つの領域についての臨床開発進展による研究開発費用の計上を主な要因として、営
        業損失は1,152百万円(前期は1,328百万円の損失)となりました。
    b. がんプレシジョン医療関連事業
       受託検査サービスによる収入等の受領により、事業収益は148百万円(前期比104百万円増加)となりまし
        た。また、遺伝子解析サービス(全エクソーム、RNAシーケンス、ネオアンチゲン解析)、リキッドバイオプシ
        ー解析サービス、TCR/BCRレパトア解析サービス、免疫反応解析サービス等に関する研究開発費用の計上を主な
        要因として、営業損失は312百万円(前期は645百万円の損失)となりました。
     

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                          オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 2020年3月期 第3四半期決算短信

     
    (2)財政状態に関する説明
     ①資産、負債、純資産の状況
         当第3四半期連結会計期間末の総資産は、4,866百万円(前連結会計年度末比501百万円減少)となりました。内
        訳としては、流動資産は4,637百万円(同 417百万円減少)、これは現金及び預金が387百万円減少したことが主
        な要因となっております。固定資産は228百万円(同 83百万円減少)となりました。これは建物が16百万円、工
        具器具及び備品が52百万円、それぞれ減少したことが主な要因となっております。
         負債の合計は397百万円(前連結会計年度末比99百万円減少)となりました。流動負債は267百万円(同 99百万
        円減少)となりました。これは、未払法人税等が66百万円減少したことが主な要因となっております。固定負債は
        129百万円(同 0百万円増加)となりました。
          純資産は、4,468百万円(前連結会計年度末比401百万円減少)となりました。これは、資本金が728百万円、資
        本準備金が728百万円、それぞれ増加した一方、利益剰余金が1,775百万円、新株予約権が93百万円、それぞれ減少
        したことが主な要因となっております。
     
    (3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
         当社グループは、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等の創薬研究を進展させるとともに、後期臨床
        開発を目指したがん幹細胞維持に重要な分子であるMELKを標的としたOTS167の米国での臨床試験、がん治療用抗体
        医薬OTSA101の企業主導の臨床試験を開始する等、当社グループ独自で実施している臨床開発の推進に加え、提携
        先製薬企業との戦略的対話をより促進し、提携先が実施する臨床開発の側面支援、後方支援を強力に推し進めて参
        ります。さらにはがんプレシジョン医療関連事業として、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全エクソーム解
        析、RNAシーケンス解析、ネオアンチゲン解析)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシーと
        いったがん遺伝子の大規模解析検査及びTCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等の解析サービスの共同研究及び事
        業化を進めております。また、2019年11月より、全ゲノムシーケンス解析、シングルセルRNAシーケンス解析、メ
        タゲノムシーケンス解析の解析業務を新たに開始しております。
         なお、当期の連結業績予想については、売上高及び営業利益の予想値の公表が、当社グループ研究開発事業の導
        出活動における最大価値創出の阻害要因として作用する可能性が想定されます。また、当社グループの研究開発費
        用の中には、提携契約の内容によって当社グループ負担または相手方負担のいずれとなるのかが決定される費用も
        含まれております。
         これらの点を考慮して、現時点で当社グループは今回の業績予想について記載をしておりませんが、判明次第お
        知らせいたします。
         
 




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                      オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 2020年3月期 第3四半期決算短信

2.四半期連結財務諸表及び主な注記
    (1)四半期連結貸借対照表
                                                            (単位:千円)

                                 前連結会計年度             当第3四半期連結会計期間
                                (2019年3月31日)           (2019年12月31日)
    資産の部                                                                
     流動資産                                                               
       現金及び預金                            4,857,670             4,470,278
       売掛金                                  17,245                29,931
       仕掛品                                      -                  3,664
       原材料及び貯蔵品                             25,332                20,120
       前渡金                                  10,908                 2,747
       その他                                 144,248               111,186
       流動資産合計                            5,055,405             4,637,928
     固定資産                                                               
       有形固定資産                                                           
         建物                                580,715               580,829
          減価償却累計額及び減損損失累計額               △454,588              △470,963
          建物(純額)                           126,127               109,866
         機械及び装置                            105,938               105,938
          減価償却累計額及び減損損失累計額               △104,589              △105,605
          機械及び装置(純額)                         1,348                   333
         工具、器具及び備品                         908,212               930,109
          減価償却累計額及び減損損失累計額               △834,911              △909,126
          工具、器具及び備品(純額)                     73,301                20,983
         有形固定資産合計                          200,777               131,183
       無形固定資産                                                           
         特許権                                 6,232                 3,468
         ソフトウエア                              3,071                 2,285
         その他                                    72                    72
         無形固定資産合計                            9,377                 5,826
       投資その他の資産                                                         
         長期前払費用                             10,819                   346
         差入保証金                              90,797                90,772
         投資その他の資産合計                        101,616                91,118
       固定資産合計                              311,771               228,129
     資産合計                                5,367,176             4,866,057
 




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                       オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 2020年3月期 第3四半期決算短信

 
                                                               (単位:千円)

                                  前連結会計年度               当第3四半期連結会計期間
                                 (2019年3月31日)             (2019年12月31日)
    負債の部                                                                   
     流動負債                                                                  
       未払金                                    235,416               203,631
       未払法人税等                                 108,460                42,234
       その他                                     23,867                22,098
       流動負債合計                                 367,744               267,964
     固定負債                                                                  
       繰延税金負債                                   4,609                 3,726
       資産除去債務                                 124,516               125,972
       固定負債合計                                 129,126               129,698
     負債合計                                     496,870               397,663
    純資産の部                                                                  
     株主資本                                                                  
       資本金                                    328,362             1,057,147
       資本剰余金                               21,591,892            22,320,677
       利益剰余金                              △17,314,443           △19,090,280
       株主資本合計                               4,605,811             4,287,544
     その他の包括利益累計額                                                           
       為替換算調整勘定                              △10,056                     -
       その他の包括利益累計額合計                         △10,056                     -
     新株予約権                                    274,550               180,849
     純資産合計                                  4,870,306             4,468,394
    負債純資産合計                                 5,367,176             4,866,057
 




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                      オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 2020年3月期 第3四半期決算短信

    (2)四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書
     四半期連結損益計算書
      第3四半期連結累計期間
                                                            (単位:千円)

                             前第3四半期連結累計期間            当第3四半期連結累計期間
                              (自 2018年4月1日            (自 2019年4月1日
                               至 2018年12月31日)          至 2019年12月31日)
    事業収益                                 247,868                 161,584
    事業費用                                                                
     売上原価                                     -                  277,293
     研究開発費                             2,171,752               1,312,097
     販売費及び一般管理費                          222,144                 307,418
     事業費用合計                            2,393,896               1,896,809
    営業損失(△)                           △2,146,027              △1,735,225
    営業外収益                                                               
     受取利息                                    520                     271
     為替差益                                     -                    1,569
     還付加算金                                   322                     390
     その他                                      -                       70
     営業外収益合計                                 843                   2,300
    営業外費用                                                               
     株式交付費                                    -                    5,575
     為替差損                                  7,521                      -
     営業外費用合計                               7,521                   5,575
    経常損失(△)                           △2,152,706              △1,738,499
    特別利益                                                                
     固定資産売却益                                  -                   50,265
     新株予約権戻入益                             26,156                  87,414
     特別利益合計                               26,156                 137,679
    特別損失                                                                
     減損損失                                     -                  162,168
     関係会社清算損                                  -                   11,559
     特別損失合計                                   -                  173,727
    税金等調整前四半期純損失(△)                   △2,126,549              △1,774,548
    法人税、住民税及び事業税                           4,115                   2,172
    法人税等調整額                              △1,227                    △883
    法人税等合計                                 2,887                   1,289
    四半期純損失(△)                         △2,129,436              △1,775,837
    非支配株主に帰属する四半期純損失(△)                △234,908                       -
    親会社株主に帰属する四半期純損失(△)               △1,894,527              △1,775,837
 




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                       オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 2020年3月期 第3四半期決算短信

     四半期連結包括利益計算書
      第3四半期連結累計期間
                                                             (単位:千円)

                              前第3四半期連結累計期間            当第3四半期連結累計期間
                               (自 2018年4月1日            (自 2019年4月1日
                                至 2018年12月31日)          至 2019年12月31日)
    四半期純損失(△)                          △2,129,436              △1,775,837
    その他の包括利益                                                             
     為替換算調整勘定                                 288                  10,056
     その他の包括利益合計                               288                  10,056
    四半期包括利益                            △2,129,148              △1,765,781
    (内訳)                                                                 
     親会社株主に係る四半期包括利益                   △1,894,239              △1,765,781
     非支配株主に係る四半期包括利益                    △234,908                       -
 




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    (3)四半期連結財務諸表に関する注記事項
    (継続企業の前提に関する注記)
      該当事項はありません。
     
 
    (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
       当社は、2019年4月1日から2019年12月31日の間に、大和証券株式会社から新株予約権の行使による払込みを
            受けました。この結果、当第3四半期連結累計期間において資本金が728,785千円、資本準備金が728,785千円増
            加し、当第3四半期連結会計期間末において資本金が1,057,147千円、資本剰余金が22,320,677千円となってお
            ります。
 
 
    (追加情報)
             当社グループのがんプレシジョン医療関連事業において、第1四半期連結会計期間より実際原価による個別原
            価計算を適用しております。同事業の立ち上げ時より解析業務体制の構築に取り組んでまいりましたが、第1四
            半期において、原価管理の強化等を目的とした原価計算システムをはじめとする体制が整ったことによるもので
            あります。
             なお、この適用により解析業務収益に対応する原価を売上原価に、また、翌四半期以降に納入が完了する解析
            業務に係る原価を仕掛品として計上しております。
         
         




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                                  オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 2020年3月期 第3四半期決算短信

     (セグメント情報等)
          【セグメント情報】
           前第3四半期連結累計期間(自         2018年4月1日     至    2018年12月31日)
          報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報
                                                                                 (単位:千円)

                                         報告セグメント                                 四半期連結
                                                                      調整額        損益計算書
                          「医薬品の研究及び                                   (注)1        計上額
                                         がんプレシジョ
                          開発」並びにこれら                        合計                    (注)2
                                         ン医療関連事業
                           に関連する事業

    売上高                                                                                    

     外部顧客への売上高                 203,176        44,692        247,868          -      247,868
     セグメント間の内部売上高
                                    -                -           -           -           -
     又は振替高
                計              203,176        44,692        247,868          -      247,868

     セグメント損失(△)             △1,328,590     △645,439      △1,974,029   △171,997   △2,146,027
      (注)1.セグメント損失(△)の調整額△171,997千円は、セグメント間取引消去11,437千円、各報告セグメン
          トに配分していない全社費用△183,435千円であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない
             一般管理費であります。
            2.セグメント損失(△)は、四半期連結損益計算書の営業損失と調整を行っております。
 
          当第3四半期連結累計期間(自          2019年4月1日     至    2019年12月31日)
          1.報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報
                                                                                 (単位:千円)

                                         報告セグメント                                 四半期連結
                                                                      調整額        損益計算書
                          「医薬品の研究及び                                   (注)1        計上額
                                         がんプレシジョ
                          開発」並びにこれら                        合計                    (注)2
                                         ン医療関連事業
                           に関連する事業

    売上高                                                                                    

     外部顧客への売上高                  12,842       148,742        161,584          -      161,584
     セグメント間の内部売上高
                                    16               -           16       △16            -
     又は振替高
                計               12,858       148,742        161,600       △16       161,584

     セグメント損失(△)             △1,152,605     △312,520      △1,465,125   △270,099   △1,735,225
      (注)1.セグメント損失(△)の調整額△270,099千円は、セグメント間取引消去18,652千円、各報告セグメン
          トに配分していない全社費用△288,752千円であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない
             一般管理費であります。
            2.セグメント損失(△)は、四半期連結損益計算書の営業損失と調整を行っております。
 
          2.報告セグメントごとの固定資産の減損損失又はのれん等に関する情報
                (固定資産に係る重要な減損損失)
                 当第3四半期連結累計期間において、がんプレシジョン医療関連事業に係る減損損失162,168千円を計上
                しております。
             




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                    オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 2020年3月期 第3四半期決算短信

3.その他
継続企業の前提に関する重要事象等
  当社グループは、研究開発型企業として、医薬品の臨床試験を実施する開発パイプラインの拡充や拡大、積極的な
 創薬研究、がんプレシジョン医療への積極的な取組み等により、多額の研究開発費が必要となっております。一方
 で、特に、医薬品の開発期間は基礎研究から上市まで通常10年以上の長期間に及ぶものでもあり、収益に先行して研
 究開発費が発生している等により、継続的に営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローが発生しております。
  このようなことから、当第3四半期連結会計期間末において、今後の資金計画を含め、より保守的に検討したとこ
 ろ、当社グループは、当第3四半期連結会計期間末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況
 が存在しているものの、当第3四半期連結会計期間末現在で、現金及び預金を4,470百万円有しており、概ね1.5年分
 の研究開発費は確保していることから、当面は事業活動の継続性に懸念はなく、継続企業の前提に関する重要な不確
 実性は認められないものと判断しております。
  当社グループの重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対策案
 は、次のとおりであります。
 ① 基礎研究の継続的な実施
   当社グループは2001年から2013年にかけて元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(現 公益財団法
  人がん研究会 がんプレシジョン医療研究センター所長、東京大学名誉教授、シカゴ大学名誉教授)中村祐輔教授
  との共同研究により、ほぼ全てのがんを対象とした網羅的な遺伝子発現解析等を実施し、多くのがん治療薬開発に
  適した標的分子を同定いたしました。現在、それらの標的に対する創薬研究を積極的に展開し、これら創薬研究の
  成果を基にした複数の臨床試験を実施中または準備中の医薬品候補物質を多数有しております。
   基礎研究の継続的な実施は当社グループ事業の将来にかかる重要課題の一つとして認識しており、今後も当社独
  自及び共同研究等による研究体制の充実と円滑な推進のための対応を図ってゆく方針であります。
 ② 創薬研究の確実な推進
   当社グループは基礎研究の成果を基に、臨床応用を目指して低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等の
  創薬研究を実施し、ファースト・イン・クラスの創薬を目指します。
 ③   臨床開発の確実かつ迅速な推進
     当社グループは、「有効性が高く、より副作用の少ないがん治療薬・治療法を一日も早くがんに苦しむ患者さん
  に届けること、がんとの闘いに勝つこと」を企業使命とし、国内外において、当社グループ独自で複数の臨床試験
  を行っており、各提携先製薬企業とも共同で臨床試験を行っております。当社グループは、非臨床試験データに基
  づいた適応症の選択を行い、臨床開発を確実かつ迅速に推進させてゆく方針です。
 ④ 新規提携先の開拓および既存提携先との提携事業の確実な推進
   当社グループは、一日も早くがん治療薬を上市することを企業使命とし、今後とも新規提携先を積極的に開拓す
  るとともに、提携先製薬企業との戦略的対話を促進し、提携先が実施する臨床開発の側面支援、後方支援を強化す
  ることにより提携事業を確実かつ迅速に進め、一日も早く当社グループの医薬品候補化合物の上市を目指します。
 ⑤ がんプレシジョン医療関連事業への取組み
    がんプレシジョン医療関連事業につきましては、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全エクソーム解析、
  RNAシーケンス解析、ネオアンチゲン解析)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシー、
  TCR/BCRレパトア解析、免疫反応解析等の解析サービスの共同研究や事業化に加えて、ネオアンチゲン樹状細胞療
  法やTCR遺伝子導入T細胞療法等の新しい個別化がん免疫療法の研究開発を進めて参ります。
 ⑥ 経営環境及び経営者の問題意識と今後の方針について
   当社グループの事業に深い関連を有する抗がん剤市場を取り巻く状況は、高齢化の進行、がん診断による早期発
  見の増加、分子標的治療薬の登場、及びがんプレシジョン医療の進展等により、市場は拡大しており、当社グルー
  プは今後においても同様に市場は拡大するものと想定しております。
   このような市場の拡大は、参入企業の増加、潜在的な競合企業の増加の要因とも考えられ、また、異業種間の連
  携により技術革新等が飛躍的に進展する可能性もあり、当社グループを取り巻く事業環境は、急激な変化を生じる
  要素を数多く内包しているものと考えられます。このような経営環境のもと、当社グループの事業展開における重
  要な要素としては、「事業推進のスピード」「事業領域の拡大」「リスクとリターンのバランス」といった3点が
  挙げられます。
   事業推進のスピードにつきましては、医薬品業界、特にバイオテクノロジー業界においては、世界的な新薬開発
  競争とその新薬開発のための様々な研究開発や技術開発が世界的規模で行われており、当社グループの研究活動も
  このスピード競争を勝ち抜き、質の高い研究成果を一日も早く臨床開発へ進展させることが当社の優位性を確保す
  る上で非常に重要であると認識しております。また、今後市場が拡大すると予想するがんプレシジョン医療につき
  ましても、質の高いがん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発をより早く進展させることが非
  常に重要であると認識しております。
   事業領域の拡大につきましては、現在当社グループは、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等で創薬
  研究を展開しており、さらにがんプレシジョン医療への積極的な取組み等により、今後とも、より積極的に事業を

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                オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 2020年3月期 第3四半期決算短信

拡大していく方針であります。このような事業領域の拡大により、当社グループの研究成果を、より多くの医薬品
開発用途へ応用することにより、事業価値を高めたいと考えています。
 最後にリスクとリターンのバランスですが、当社グループの最大の強みは、数多くのゲノム創薬にもとづく創薬
ターゲットを所有していることであります。ただ、それら多数の創薬ターゲットの全てについて、多岐の用途にわ
たる創薬研究と臨床開発を、当社グループのみの資源と費用で、かつ世界的な競争に打ち勝つスピードで遂行する
ことは、膨大な設備投資と研究開発費を必要とし、資金的なリスクを生じせしめます。当社グループとしては、製
薬企業等との積極的な提携契約の締結や研究開発の提携等により、製品化の可能性を極大化しつつ、リスクは経営
上合理的なレベルにとどめる方針を現時点では採用しています。本方針により、事業展開からの成果や利益といっ
たリターンをパートナーと共有することにはなりますが、可能性のある製品を商業化できないリスクやスピード競
争に負けるリスクを低減することができます。今後ともリスクとリターンのバランスに十分配慮し、最善と考えら
れる経営判断を行っていきたいと考えております。




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