4564 M-OTS 2019-02-08 17:00:00
平成31年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) [pdf]

                     平成31年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
                                                                                                   平成31年2月8日

上場会社名 オンコセラピー・サイエンス株式会社                                                                  上場取引所                      東
コード番号 4564    URL https://www.oncotherapy.co.jp
代表者      (役職名) 代表取締役社長                                   (氏名) 藤谷 京子
問合せ先責任者 (役職名) 管理本部長                                      (氏名) 中村 聡                          TEL 044-820-8251
四半期報告書提出予定日      平成31年2月12日
配当支払開始予定日        ―
四半期決算補足説明資料作成の有無 :           無
四半期決算説明会開催の有無            :   無

                                                                                                    (百万円未満切捨て)

1. 平成31年3月期第3四半期の連結業績(平成30年4月1日∼平成30年12月31日)
(1) 連結経営成績(累計)                                                                          (%表示は、対前年同四半期増減率)
                                                                                             親会社株主に帰属する
                            売上高                  営業利益                   経常利益
                                                                                               四半期純利益
                            百万円       %          百万円           %        百万円             %          百万円               %
31年3月期第3四半期                  247    22.0        △2,146     ―           △2,152       ―            △1,894        ―
30年3月期第3四半期                  203   △13.5        △2,217     ―           △2,215       ―            △2,146        ―
(注)包括利益 31年3月期第3四半期  △2,129百万円 (―%) 30年3月期第3四半期  △2,169百万円 (―%)
                                                     潜在株式調整後1株当たり四半期
                         1株当たり四半期純利益
                                                           純利益
                                                円銭                              円銭
31年3月期第3四半期                                △12.89                  ―
30年3月期第3四半期                                △14.60                  ―

(2) 連結財政状態
                               総資産                             純資産                           自己資本比率
                                               百万円                          百万円                                      %
31年3月期第3四半期                     5,771                                       5,424                                  88.1
30年3月期                          8,021                                       7,579                                  87.0
(参考)自己資本    31年3月期第3四半期 5,081百万円                     30年3月期 6,975百万円


2. 配当の状況
                                                         年間配当金
                    第1四半期末          第2四半期末               第3四半期末                 期末                    合計
                              円銭                 円銭                円銭                    円銭                    円銭
30年3月期                  ―                  ―                   ―                         0.00                      0.00
31年3月期                  ―                  ―                   ―
31年3月期(予想)                                                                               0.00                      0.00

(注)直近に公表されている配当予想からの修正の有無 : 無



3. 平成31年 3月期の連結業績予想(平成30年 4月 1日∼平成31年 3月31日)
 今期の連結業績予想については、売上高及び営業利益の予想値の公表が、当社グループ研究開発事業の導出活動における最大価値創出の阻害要因
として作用する可能性が想定されます。また当社グループの研究開発費用の中には、提携契約の内容によって当社グループ負担または相手方負担のい
ずれとなるかが決定される費用も含まれております。
 これらの点を考慮して、現時点で当社グループは今回の業績予想について記載をしておりませんが、判明次第お知らせいたします。
※ 注記事項
(1) 当四半期連結累計期間における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動) : 無
     新規 ― 社 (社名)              、   除外  ― 社 (社名)

(2) 四半期連結財務諸表の作成に特有の会計処理の適用 : 無
(3) 会計方針の変更・会計上の見積りの変更・修正再表示
     ① 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更  : 無
     ② ①以外の会計方針の変更         : 無
     ③ 会計上の見積りの変更          : 無
     ④ 修正再表示               : 無

(4) 発行済株式数(普通株式)
     ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)    31年3月期3Q   147,032,000 株 30年3月期     147,032,000 株
     ② 期末自己株式数              31年3月期3Q            ― 株 30年3月期               ―株
     ③ 期中平均株式数(四半期累計)       31年3月期3Q   147,032,000 株 30年3月期3Q   147,031,018 株

※ 四半期決算短信は公認会計士又は監査法人の四半期レビューの対象外です

※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
  平成31年3月期の業績予想が判明次第、お知らせいたします。
                       オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 平成31年3月期 第3四半期決算短信

○添付資料の目次
 
    1.当四半期決算に関する定性的情報 ……………………………………………………………………………………       2
     (1)経営成績に関する説明 ……………………………………………………………………………………………       2
     (2)財政状態に関する説明 ……………………………………………………………………………………………       7
     (3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明 ………………………………………………………………       7
    2.四半期連結財務諸表及び主な注記 ……………………………………………………………………………………       8
     (1)四半期連結貸借対照表 ……………………………………………………………………………………………       8
     (2)四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書 ………………………………………………………      10
        四半期連結損益計算書                                            
         第3四半期連結累計期間 ………………………………………………………………………………………      10
        四半期連結包括利益計算書                                          
         第3四半期連結累計期間 ………………………………………………………………………………………      11
     (3)四半期連結財務諸表に関する注記事項 …………………………………………………………………………      12
       (継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………………………      12
       (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記) …………………………………………………………      12
       (セグメント情報等) ………………………………………………………………………………………………      12
    3.その他 ……………………………………………………………………………………………………………………      13
       継続企業の前提に関する重要事象等 ………………………………………………………………………………      13
 




                              - 1 -
                            オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 平成31年3月期 第3四半期決算短信

1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)経営成績に関する説明
   当社グループは、元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(現 公益財団法人がん研究会 がんプレシ
  ジョン医療研究センター所長、東京大学名誉教授、シカゴ大学名誉教授)中村祐輔教授と共同で、ほぼ全てのがん
  を対象とした網羅的な遺伝子発現解析等を実施し、既にがん治療薬開発に適した多くの標的分子を同定(※1)し
  ております。また、それらの標的に対し、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等の、各領域における創
  薬研究を積極的に展開し、これら創薬研究の成果を基にした複数の臨床試験を実施しており、臨床試験準備中の医
  薬品候補物質も複数有しております。
   このような、「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業に加えて、がんプレシジョン医療関連事業
  を実施しております。
   がんは遺伝子の異常により引き起こされる病気です。がん細胞での遺伝子の網羅的な解析は、がんの診断及びが
  ん治療薬・治療法を選択するために非常に重要です。この解析を利用して、がんの早期診断や、がん患者さん一人
  ひとりの遺伝子情報に基づいた治療薬・治療法の選択をすることや新規の免疫療法につなげていくことをがんプレ
  シジョン医療といい、近年、より効果的ながん治療をがん患者さんに提供できる手段として注目されています。
   当社は、グローバルなゲノム・トランスクリプトム・エピゲノム等の次世代シーケンス解析サービスを行ってい
  るTheragen Etex Co., Ltd.(本社:韓国、CEO:Tae Soon (Samuel) Hwang、以下「TE社」という)との資本・業
  務提携により、がん遺伝子の大規模解析検査及びがん免疫療法の研究開発を行う子会社として、株式会社Cancer
  Precision Medicine(以下「CPM社」という)を設立しがんプレシジョン医療関連事業を開始致しました。
   具体的な「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業及びがんプレシジョン医療関連事業の内容につ
  いては、以下(a)及び(b)のとおりでございます。
   なお、平成30年12月31日現在、当社は全世界で529件の特許を取得しております。
    
   (a)「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業
       <基礎研究領域>
            創薬ターゲットの特定等を行う基礎研究領域においては、ヒト全遺伝子の遺伝子発現パターンを網羅的
           に検索できるcDNAマイクロアレイ(※2)のシステムによる大腸がん、胃がん、肝臓がん、非小細胞肺が
           ん、小細胞肺がん、食道がん、前立腺がん、膵臓がん、乳がん、腎臓がん、膀胱がん及び軟部肉腫等につ
           いて発現解析が終了しております。これらの発現解析情報からがんで発現が高く正常臓器では発現がほと
           んどない遺伝子を選択し、さらに機能解析により、がん細胞の生存に必須な多数の遺伝子を分子標的治療
           薬(※3)の標的として同定しております。
        
       <創薬研究領域>
            医薬品候補物質の同定及び最適化を行う創薬研究領域においては、医薬品の用途毎に、より製品に近い
           研究を積極的に展開しております。
            低分子医薬につきましては、7種のがん特異的タンパク質を標的とする創薬研究を進めております。その
           うち1種の標的であるリン酸化酵素(キナーゼ)(※4)については、医薬品候補化合物の臨床試験を実施
           中です(詳細は、別記「<医薬開発領域>(ⅰ)低分子医薬」をご参照ください。)。他の1種のリン酸化
           酵素については、これまでに得た高活性化合物に基づきリード最適化作業(※5)を進め、in vivo(※6)
           で強力な腫瘍増殖抑制効果を示す複数の高活性化合物を同定しております。これらについては、医薬品候
           補化合物として臨床開発する為の薬効薬理(※7)・薬物動態(※8)・毒性試験を進めております。さら
           に、別の3種の標的酵素タンパク質に関して、構造活性相関研究により得た高活性化合物群につきin vivo
           での薬効試験を進め、有意な薬効を示す化合物の構造に基づき薬効向上のためのさらなるリード最適化作
           業を実施中です。また、さらに別の2種の標的タンパク質に関して、これまでに得た高活性化合物に基づ
           き、リード化合物獲得に向けた新規化合物合成と構造活性相関研究を進めております。
            がんペプチドワクチンにつきましては、これまでに日本人及び欧米人に多く見られるHLA(※9)-
           A*24:02及びA*02:01を中心に、大腸がん、胃がん、肺がん、膀胱がん、腎臓がん、膵臓がん、乳がん及び
           肝臓がんなどを標的とした計43遺伝子を対象としたエピトープペプチドを既に同定しておりますが、それ
           ら以外にもA*11:01, A*33:03, A*01:01及びA*03:01など、様々なHLAに対応したより多くのエピトープペプ
           チド(※10)を同定しております。
            このように、独創的な分子標的治療薬の創製を目指した創薬研究を中心に積極的に展開しております。




                                     - 2 -
                            オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 平成31年3月期 第3四半期決算短信

    <医薬開発領域>
      医薬開発領域においては、当社グループ独自での開発及び複数の製薬企業との提携による開発を、以下
     の通りそれぞれ進めております。
      (ⅰ)低分子医薬
            がん幹細胞の維持に重要な分子であるMELK(Maternal Embryonic Leucine zipper Kinase)を標的
          としたOTS167については、急性骨髄性白血病に対する第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を米国シカゴ大学及びコーネ
          ル大学にて実施しております。この臨床試験は、急性骨髄性白血病を含む血液がんの患者さんを対象
          とし、OTS167の静脈内反復投与における安全性及び推奨投与量の確認を行い、確認後には、急性骨髄
          性白血病を含む予後不良の各種白血病についてのPOC(※11)を獲得することを目的とするものです。
          また、OTS167の乳がんに対する第Ⅰ相臨床試験を米国コーネル大学、テキサス州立大学MDアンダーソ
          ンがんセンター及び米国ノーウォーク・ホスピタルにて実施しております。この臨床試験は、トリプ
          ルネガティブ乳がん(※12)を含む乳がんの患者さんを対象とし、OTS167のカプセル剤による経口投
          与における安全性及び推奨投与量の確認を主目的とし、副次的にトリプルネガティブ乳がんに対する
          臨床上の有効性を確認するものです。なお、OTS167は、オーストラリアで実施しておりました健常成
          人を対象とした経口投与による消化管吸収性(バイオアベイラビリティ)の確認を主たる目的とする
          臨床試験において、ヒトでの良好な経口吸収性が確認されています。
            OTS167の標的は、MELKであり、がん幹細胞に高発現し、その維持に重要な役割をしているタンパク
          (キナーゼ)です。そのキナーゼを阻害し、強い細胞増殖抑制効果が期待できる新しい作用機序(フ
          ァースト・イン・クラス)の分子標的治療薬です。OTS167は、すでに動物試験において、肺がん、前
          立腺がん、乳がん、膵臓がんなどに対し、強力な抗腫瘍効果が確認されています。
            また、細胞分裂に重要ながん特異的新規標的分子(TOPK)に対する複数の最終化合物を同定してお
          ります。動物実験で、顕著な結果が得られたことから、製剤化検討及び非臨床試験を進めておりま
          す。
       
      (ⅱ)がんペプチドワクチン
            がんペプチドワクチンにつきましては、提携先製薬企業との戦略的対話を促進し、提携先が実施す
          る臨床開発の側面支援、後方支援を強化して参りました。
            塩野義製薬株式会社とは、当社がライセンスアウトしているがん特異的ペプチドワクチンS-588410
          の臨床開発を支援する目的で、食道がん患者さんを対象とした第Ⅲ相臨床試験実施に関する覚書を締
          結しており、塩野義製薬株式会社が臨床試験を実施しております。この臨床試験におきましては、平
          成30年3月に最後の患者登録が完了しております。なお、塩野義製薬株式会社は、S-588410の食道がん
          第Ⅲ相臨床試験のほか、膀胱がんを対象としたS-588410について日欧で第Ⅱ相臨床試験(目標症例数
          登録完了)を、頭頸部がんを対象としたS-488210は欧州で第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を、それぞれ実施してお
          ります。また、本書提出日現在、固形がんを対象としたS-588210 第Ⅰ相臨床試験を英国において塩野
          義製薬株式会社が開始しております。
       
      (ⅲ)抗体医薬
            がん治療用抗体医薬OTSA101については、肉腫治療の世界的権威であり、欧州がん研究・治療機構
          (European Organization for Research and Treatment of Cancer:EORTC)元会長のJean-Yves Blay
          教授主導のもと、軟部肉腫の1種である滑膜肉腫に対する第Ⅰ相臨床試験を実施しておりましたが、臨
          床試験の主目的であった、安全性と体内集積につきまして良好な結果が確認でき終了致しました。今
          回の臨床試験の結果を踏まえ、企業主導の次の臨床試験を計画し、日米欧の承認申請を目指して参り
          ます。
            また、当社連結子会社であるイムナス・ファーマ株式会社が協和発酵キリン株式会社にライセンス
          アウトしております抗アミロイドβ(Aβ)ペプチド抗体KHK6640については、協和発酵キリン株式会
          社が、アルツハイマー型認知症に対する第Ⅰ相臨床試験を欧州及び日本にて実施しております。
             
 




                                          - 3 -
                   オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 平成31年3月期 第3四半期決算短信

(b)がんプレシジョン医療関連事業
 <がんプレシジョン医療への取組み>
   (ⅰ)がん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発を行う合弁会社設立
        当社は、平成29年7月24日、がん遺伝子の大規模解析検査及びがん免疫療法の研究開発を行う子会社
       として、CPM社を設立致しました。CPM社に対しては、グローバルなゲノム・トランスクリプトム・エ
       ピゲノム(※13)等の次世代シーケンス解析(※14)サービスを行っているTE社が資本・業務提携し
       たことから、当社とTE社との合弁会社となっております。また、当社の事業部門であり、オンコアン
       チゲン(※15)をはじめとしたがん免疫療法の研究開発及びT/B細胞受容体(TCR/BCR)レパトア解析
       (※16)サービスを行っている腫瘍免疫解析部の事業について、会社分割(簡易分割)をし、CPM社に
       事業を承継させました。CPM社は、日本におけるがんプレシジョン医療を加速するため、全エクソーム
       解析(※17)、RNAシーケンス解析(※18)、ネオアンチゲン解析(※19)、リキッドバイオプシー
       (※20)といったがん遺伝子の大規模解析検査及びTCR/BCRレパトア解析及び免疫モニタリングを提供
       しております。さらに、CPM社は、ネオアンチゲン樹状細胞療法(※21)及びTCR遺伝子導入T細胞療法
       (※22)などの新しい個別化がん免疫療法の研究も行っております。
    
   (ⅱ)製薬企業、医療機関、研究機関等に対してのTCR/BCRレパトア解析サービスの提供
        がん免疫療法における最先端の取組みとして、シカゴ大学医学部中村祐輔研究室において開発され
       た、次世代シーケンサーを用いてTCR/BCRレパトアを解析する方法を導入し、製薬企業、医療機関、研
       究機関等に対してTCR/BCRレパトア解析サービスを提供する事業を行っております。また、ワクチン投
       与前後の腫瘍組織及び末梢血におけるTCRレパトア解析をおこなうことにより、ワクチン投与によるペ
       プチド特異的T細胞(※23)の増加を科学的に検証し、免疫チェックポイント阻害剤(※24)との併用
       による相乗効果に関する検討を進めております。
    
   (ⅲ)DCワクチンコンソーシアムとの樹状細胞療法(※25)による治療法の共同研究
        当社は、大阪、福岡、東京を拠点とする3医療法人(医療法人協林会        大阪がん免疫化学療法クリ
       ニック、医療法人慈生会   福岡がん総合クリニック及び医療法人社団ビオセラ会      ビオセラクリニッ
       ク)からなる樹状細胞免疫療法懇話会(DCワクチンコンソーシアム)と、当社がライセンスを保有す
       るペプチドワクチンについて、その非独占的実施権をDCワクチンコンソーシアムに供与し、樹状細胞
       療法によるがん治療法の研究・開発を共同で進めております。この共同研究により、当社及びCPM社が
       支援する、がん臨床領域でのプレシジョン医療の実施において、オンコアンチゲンやネオアンチゲン
       を利用した免疫療法に大きな役割を果たすと考えております。
    
   (ⅳ)IMSグループとの共同研究
        CPM社は、IMSグループ傘下の医療法人社団明芳会、医療法人財団明理会及び株式会社アイルと、リ
       キッドバイオプシーによる胃がん及び大腸がんの手術後のがん細胞の残存、再発の早期発見法の検討
       にかかる共同研究契約を締結しております。本共同研究は胃がん及び大腸がんの患者さんに対し、リ
       キッドバイオプシーの手法を用いた遺伝子解析により、手術前後の特定遺伝子における突然変異の検
       出によるがん細胞の残存、がん再発の早期発見可能性の探究を目的とするもので、本共同研究には、
       中村祐輔教授及びIMSグループ傘下の医療法人社団明芳会      板橋中央総合病院、医療法人社団明芳会
       横浜旭中央総合病院、医療法人社団明理会        新松戸中央総合病院及び株式会社アイルが参加して実施
       しております。
        本共同研究による成果を確認した後、IMSグループ各医療機関において、がん診断のためにリキッド
       バイオプシーを臨床応用する予定であり、さらに、CPM社とIMSグループ各医療機関とは、がん患者さ
       ん一人ひとりの遺伝子解析のためのクリニカルシーケンスなどがんプレシジョン医療について幅広く
       提携して参ります。
    
    




                          - 4 -
                           オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 平成31年3月期 第3四半期決算短信

        (ⅴ)Thermo Fisher Scientificとの新規リキッドバイオプシープラットフォーム評価のための提携
             CPM社は、Thermo Fisher Scientificと提携し、同社が発売を開始したリキッドバイオプシープラッ
            トフォームの評価を実施しております。この契約により両社は、がん患者さんから採取した血液サン
            プルの解析にあたり、Ion Torrent™ Oncomine™ Pan-Cancer Cell-Free Assayによるリキッドバイオプ
            シープラットフォームの評価をするために相互に協力を行っております。本提携期間において、両社
            はデータ評価のために協働してがんの早期発見におけるリキッドバイオプシーの応用研究に取組んで
            おります。本提携の長期的なゴールは、技術的なプラットフォームの改良から迅速な臨床応用に至る
            エリアにおいて、両社が継続的な協力関係を構築することです。
         
        (ⅵ)公益財団法人がん研究会とのリキッドバイオプシーによるがん遺伝子変異の検出に係る共同研究
                 の実施
             CPM社は、公益財団法人がん研究会(以下「がん研」という)と、リキッドバイオプシーによるがん
            遺伝子変異の検出に係る共同研究を実施しております。この共同研究は、固形がん(肺がん、大腸が
            ん、乳がんなど)の診断を目的として、特定遺伝子における突然変異のリキッドバイオプシー技術・
            改良、新規技術(新規遺伝子パネルを含む)の研究開発を共同で実施し、それらの臨床応用可能性を
            探求するもので、固形がん患者から採取した血液・尿などを利用した、がん研独自技術を含むリキッ
            ドバイオプシーの評価、がんのスクリーニング、分子標的治療薬の選択、再発のモニタリングなどに
            おけるリキッドバイオプシー技術の課題抽出とそれらの解決法の検討を共同で行っております。
         
        (ⅶ)セコム医療システム株式会社及び医療法人社団あんしん会四谷メディカルキューブとのがんプレ
                 シジョン医療を提携して推進するためのリキッドバイオプシーによるがんの早期発見法の検討に
                 かかる共同研究契約の締結
             CPM社は、セコム医療システム株式会社及び医療法人社団あんしん会四谷メディカルキューブとがん
            プレシジョン医療を提携して推進するためのリキッドバイオプシーによるがんの早期発見法の検討に
            かかる共同研究契約を締結しました。この共同研究は、がん検診を受診する健常人における、リキッ
            ドバイオプシーの手法を用いた遺伝子解析により、特定遺伝子における突然変異の検出によるがんの
            早期発見可能性及び臨床現場での応用可能性を検討することを目的としたものです。本共同研究終了
            後は、四谷メディカルキューブにおいてのがん検診へのリキッドバイオプシーの採用をはじめ、がん
            プレシジョン医療において、セコム医療システムと幅広い提携を進めて参ります。
              
         (ⅷ)コスモバイオ株式会社とのペプチド合成委受託契約の締結
             CPM社は、コスモ・バイオ株式会社と、がん免疫療法のためのペプチド合成に関する委受託契約を締
            結しました。
             CPM社のネオアンチゲン解析により得られた結果に基づき、ペプチド合成をコスモ・バイオ株式会社
            に委託してがん免疫療法におけるペプチド合成期間の短縮を図るとともに、CPM社が行うがん検体を用
            いたネオアンチゲン解析サービスに、コスモ・バイオ株式会社が合成したペプチドをCPM社から医療機
            関ならびに研究機関に提供するサービスを付加したものを、パッケージ化して提供します。
 
     これらの結果、当第3四半期連結累計期間における連結事業収益につきましては、提携先製薬企業からのマイル
    ストーンの受領や受託検査サービスによる収入等の受領により、247百万円(前期比44百万円の増加)となりまし
    た。また、医薬品候補物質の基礎研究、創薬研究の継続的な実施による研究開発費用の計上に加え、低分子医薬、
    がんペプチドワクチン、抗体医薬の3つの領域についての臨床開発進展による費用計上、がんプレシジョン医療関
    連事業に関する研究開発費用の計上を主な要因として、連結営業損失は2,146百万円(前期は2,217百万円の損
    失)、連結経常損失は2,152百万円(前期は2,215百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,894百
    万円(前期は2,146百万円の損失)となりました。
     セグメント別経営成績は、次のとおりであります。
     なお、前連結会計年度より報告セグメントの区分を変更し、「a. 「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関
    連する事業」「b. がんプレシジョン医療関連事業」の2つのセグメントを記載しております。
     a. 「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業
       提携先製薬企業からのマイルストーン等の受領により、事業収益は203百万円となりました。また、医薬品
     候補物質の基礎研究、創薬研究の継続的な実施による研究開発費用の計上に加え、低分子医薬、がんペプチド
     ワクチン、抗体医薬の3つの領域についての臨床開発進展による研究開発費用の計上を主な要因として、営業
     損失は1,328百万円となりました。


                                      - 5 -
                           オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 平成31年3月期 第3四半期決算短信

       b. がんプレシジョン医療関連事業
        受託検査サービスによる収入等の受領により、事業収益は44百万円となりました。また、遺伝子解析サービス
       (全エクソーム、RNAシーケンス、ネオアンチゲン解析)、リキッドバイオプシー解析サービス、TCR/BCRレパト
       ア解析サービス、免疫反応解析サービス等に関する研究開発費用の計上を主な要因として、営業損失は645百万円
       となりました。
 
    [用語解説]
    (※1)同定
       ある物質の正体を特定すること。例えば、細胞の中からある現象に関係する分子を選り分けて取り出しその種類を特定することや、多
       数の化合物群を含むライブラリの中から望ましい活性を持つ化合物を見つけてその種類を特定することなどは、そのような分子や化合
       物を「同定する」と呼ばれます。
    (※2)マイクロアレイ
       小さな基盤上に非常に高密度にDNAを配置し、それらを手がかりに大量の遺伝子情報を獲得することを目的として開発されたシステム。
       現在、遺伝子発現情報の解析において有用なものであると考えられております。
    (※3)分子標的治療薬
       ある分子に作用することがわかっている低分子化合物や抗体などを選択することによって作られ、疾患に関係がある細胞だけに働きか
       ける機能を持った新しいタイプの治療薬のこと。従来の治療薬に比べて効果が高くかつ副作用が少ないとされ、近年、がん治療などで
       注目されております。
    (※4)リン酸化酵素(キナーゼ)
       化学反応を触媒するタンパク質は、「酵素」と呼ばれます。酵素のうち、反応の対象となる分子(「基質」)へのリン酸の付加(「リ
       ン酸化」)を触媒するものが、「リン酸化酵素(キナーゼ)」(kinase)です。特に、基質がタンパク質であるリン酸化酵素は、タン
       パク質リン酸化酵素(protein kinase)と呼ばれます。タンパク質の中には、リン酸化されることによってはじめて活性化するものが
       多くあります。活性化したタンパク質は、細胞レベルでの様々な現象の生起に関与することになります。がん細胞においては、正常細
       胞では不活発なタンパク質リン酸化酵素が活発化し、それによってリン酸化されて活性化したタンパク質が、異常な細胞増殖の発生に
       関与する場合があることが知られています。弊社が創薬標的としているリン酸化酵素は、そのようなタンパク質リン酸化酵素です。
    (※5)リード最適化作業
       創薬研究で多数の化合物を探索する中で、標的タンパク質に対し十分な活性を有し、以降の新規化合物設計の原型(プロトタイプ)と
       なるような化合物が得られた時、それを「リード化合物」(lead compound)と称します。リード化合物の化学構造を様々に修飾して生体
       内での効果を高めていき、開発候補化合物を獲得するまでの過程が、「リード最適化」(lead optimization)です。
    (※6)in vivo
       in vitroと対比的に用いられ、「体の中で」を意味する医学・化学用語です。一般に生体内(主に実験動物)での実験的検証を意味し
       ます。
    (※7)薬効薬理
       薬が、その効果(薬効)を発揮する際に生体に対して及ぼす作用の様相(薬理)が、「薬効薬理」(pharmacology)です。例えば、が
       ん細胞を移植したマウスに薬を投与して抗腫瘍効果の現れ方を調べる試験は、「薬効薬理試験」の一種です。
    (※8)薬物動態
       薬物は、生体に投与された時、吸収・分配・代謝・排泄の過程を経て、体内での存在状態を時間的に変化させていきます。その変化の
       様子のことを、「薬物動態」(pharmacokinetics)と呼びます。薬物動態を調べるために、例えば、血中の薬物濃度を経時的に測定す
       るなどの試験を行ないます。薬物動態の理解は、薬を効果的に作用させるのに必要な投与量や投与法、投与スケジュール等を検討する
       ために役立ちます。
    (※9)HLA(ヒト白血球抗原)
       免疫の活性化に関与する分子です。断片化されたペプチドを挟んだ状態で細胞の表面に出てくることで、ペプチド(抗原)を提示しま
       す。このHLAに挟まった状態のペプチドを免疫細胞が認識し、免疫反応が誘導されます。
    (※10)エピトープペプチド
       細胞の表面に出てくる断片化されたタンパク質(ペプチド)です。細胞表面のペプチドが目印となり、そのペプチドを発現しているが
       ん細胞を免疫細胞が認識し攻撃します。
    (※11)POC
       Proof of Conceptの略。有効性や安全性を含めて作用機序などが臨床において妥当であることの証明の意味です。
    (※12)トリプルネガティブ乳がん
       HER2及びホルモン受容体(エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体)が陰性の乳がん。そのため、HER2に対する分子標的薬(ハー
       セプチンなど)やホルモン療法の対象にならない。
    (※13)ゲノム・トランスクリプトム・エピゲノム
       ゲノムは、全ての染色体を構成するDNAの全塩基配列です。ヒトのゲノムは約30億塩基対のDNAから成り立っています。ゲノムの遺伝情
       報は、DNAからmRNA、mRNAからタンパク質の順で伝達され、機能します。トランスクリプトムは、ゲノムDNAから合成される全ての遺伝
       子転写産物(mRNA)の総体を示します。また、ゲノムの遺伝情報はゲノムの塩基配列を変えずに遺伝子発現を制御するしくみにより、
       調節されます。この仕組みをエピジェネティクスと呼び、ゲノム上に施される制御情報をエピゲノムと呼びます。
    (※14)次世代シーケンス解析
       数千万、数億のDNA断片の塩基配列を高速に決定することができる基盤技術です。
    (※15)オンコアンチゲン
       がん細胞において発現の上昇が認められる一方、正常細胞ではほとんど発現が認められず、がん細胞の生存や増殖に必須の機能を持
       ち、さらに免疫反応を引き起こす抗原性を有するタンパクです。このタンパクに由来するペプチドを用いると、がん細胞を傷害する活
       性化されたT細胞を誘導することができます。
    (※16)T/B細胞受容体(TCR/BCR)レパトア解析
       リンパ球の一種であるT細胞やB細胞の細胞表面に発現している受容体の塩基配列を網羅的に取得し解析する技術です。これら受容体が
       他の細胞表面に出ている目印(抗原)を認識し、攻撃(免疫反応誘導)します。
    (※17)全エクソーム解析
       ヒトゲノムのうちタンパク質を翻訳するエクソン領域(エクソーム)を解析する手法です。




                                     - 6 -
                                オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 平成31年3月期 第3四半期決算短信

    (※18)RNAシーケンス解析
       細胞中に存在する全てのmRNA(遺伝子転写産物)の配列および発現量を解析する手法です。
    (※19)ネオアンチゲン解析
       がん細胞に生じた体細胞変異に由来し、免疫細胞の標的となる新規抗原(ネオアンチゲン)を解析する手法です。
    (※20)リキッドバイオプシー
       がんは、遺伝子の異常によって引き起こされる病気です。シーケンス技術の進展により血液や尿などの液体(リキッド)を利用して、
       がんの存在を見つけることができるようになりました。がん細胞に由来するDNAが非常少量ですが血液中や尿中に混入しており、これを
       高感度に検出することができるようになったからです。この液体を利用して調べる方法を、リキッドバイオプシーと呼んでいます。CT
       などの画像診断よりも早く、再発を見つけることができる可能性があります。また、がん組織を採取することは患者さんに大きな負担
       となり、合併症の危険を伴いますが、リキッドバイオプシーは、負担が非常に軽いので頻回に検出を行うことができます。
    (※21)ネオアンチゲン樹状細胞療法
       がん細胞に生じた体細胞変異に由来する新規抗原(ネオアンチゲン)は、正常細胞には発現していません。そのため、非自己の抗原と
       して非常に強い免疫反応を引き起こすと考えられています。ネオアンチゲン由来のペプチドを利用する樹状細胞療法は、ネオアンチゲ
       ン樹状細胞療法と呼ばれています。
    (※22)TCR遺伝子導入T細胞療法
       T細胞は、がん細胞がHLA分子上に提示しているペプチドをT細胞受容体(TCR)を介して認識すると、活性化され、がん細胞を傷害しま
       す。がん細胞に由来するペプチドを認識するTCRを同定し、遺伝子導入によって同じTCRを発現するT細胞を大量に調製したのち体内に投
       与する治療法は、TCR遺伝子導入T細胞療法と呼ばれています。
    (※23)ペプチド特異的T細胞
       がん細胞表面のHLA分子上に提示されたペプチドを認識し、がん細胞を直接傷害するT細胞です。
    (※24)免疫チェックポイント阻害剤
       がん細胞は免疫抑制分子を作り出し、免疫細胞の機能を抑制し、免疫細胞からの攻撃を逃れる仕組みを持っています。免疫チェックポ
       イント阻害剤は、免疫抑制分子に結合し、免疫細胞の機能抑制を解除する抗体です。これによって、免疫細胞ががん細胞を攻撃するよ
       うになります。
    (※25)樹状細胞療法
       がん細胞由来の抗原を提示した樹状細胞(免疫細胞の一種、がん細胞のような異物を細胞内に取り込み、取り込んだ細胞由来のタンパ
       ク質断片を細胞表面に出し、他の免疫細胞に提示することで免疫反応を誘導します)を大量に調製し、体内へ投与する治療法です。が
       ん細胞を認識するT細胞が効率よく誘導され、抗腫瘍効果を発揮することが期待されます。
         
    (2)財政状態に関する説明
     ①資産、負債、純資産の状況
             当第3四半期連結会計期間末の総資産は、5,771百万円(前連結会計年度末比2,250百万円減少)となりました。
            内訳としては、流動資産は5,097百万円(同 1,937百万円減少)、これは現金及び預金が1,862百万円減少したこ
            とが主な要因となっております。固定資産は674百万円(同 313百万円減少)となりました。これは建物が26百万
            円、工具器具及び備品が50百万円、ソフトウエアが221百万円、それぞれ減少したことが主な要因となっておりま
            す。
             負債の合計は346百万円(前連結会計年度末比95百万円減少)となりました。流動負債は210百万円(同    95百万
            円減少)となりました。これは、未払金が92百万円減少したことが主な要因となっております。固定負債は135百
            万円(同 0百万円増加)となりました。純資産は、5,424百万円(前連結会計年度末比2,155百万円減少)となり
            ました。これは、利益剰余金が1,894百万円減少したことが主な要因となっております。
     
    (3)連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
        当社グループは、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等の創薬研究を進展させるとともに、後期臨
                床開発を目指したがん幹細胞維持に重要な分子であるMELKを標的としたOTS167の米国での臨床試験、がん治療用
                抗体医薬OTSA101の企業主導の臨床試験準備等、当社グループ独自で実施している臨床開発の推進に加え、提携先
                製薬企業との戦略的対話をより促進し、提携先が実施する臨床開発の側面支援、後方支援を強力に推し進めて参
                ります。さらにはがんプレシジョン医療関連事業として、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全エクソー
                ム、RNAシーケンス、ネオアンチゲン解析)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシー解析サ
                ービス、TCR/BCRレパトア解析サービス、免疫反応解析サービス等の解析サービスの共同研究及び事業化を進めて
                おります。
                 なお、当期の連結業績予想については、売上高及び営業利益の予想値の公表が、当社グループ研究開発事業の
                導出活動における最大価値創出の阻害要因として作用する可能性が想定されます。また、当社グループの研究開
                発費用の中には、提携契約の内容によって当社グループ負担または相手方負担のいずれとなるのかが決定される
                費用も含まれております。
                 これらの点を考慮して、現時点で当社グループは今回の業績予想について記載をしておりませんが、判明次第
                お知らせいたします。
             
             
 




                                        - 7 -
                     オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 平成31年3月期 第3四半期決算短信

2.四半期連結財務諸表及び主な注記
    (1)四半期連結貸借対照表
                                                          (単位:千円)

                                前連結会計年度             当第3四半期連結会計期間
                              (平成30年3月31日)           (平成30年12月31日)
    資産の部                                                              
     流動資産                                                             
       現金及び預金                           6,740,238            4,877,421
       売掛金                                    442               10,091
       原材料及び貯蔵品                            14,558               39,721
       前渡金                                 83,423               25,837
       その他                                195,403              143,946
       流動資産合計                           7,034,066            5,097,019
     固定資産                                                             
       有形固定資産                                                         
         建物                               580,715              580,715
          減価償却累計額                       △267,478             △293,861
          建物(純額)                          313,237              286,854
         機械及び装置                           106,326              106,326
          減価償却累計額                       △103,125             △104,502
          機械及び装置(純額)                        3,201                1,824
         工具、器具及び備品                        866,608              907,694
          減価償却累計額                       △601,077             △692,534
          工具、器具及び備品(純額)                   265,531              215,160
         有形固定資産合計                         581,970              503,838
       無形固定資産                                                         
         特許権                                6,549                5,219
         ソフトウエア                           278,316               56,625
         その他                                   72                   72
         無形固定資産合計                         284,938               61,918
       投資その他の資産                                                       
         長期前払費用                            29,750               17,484
         差入保証金                             90,798               90,797
         投資その他の資産合計                       120,548              108,281
       固定資産合計                             987,458              674,038
     資産合計                               8,021,524            5,771,057
 




                            - 8 -
                       オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 平成31年3月期 第3四半期決算短信

 
                                                              (単位:千円)

                                  前連結会計年度               当第3四半期連結会計期間
                                (平成30年3月31日)             (平成30年12月31日)
    負債の部                                                                  
     流動負債                                                                 
       未払金                                    279,065              186,333
       未払法人税等                                   5,170                4,120
       その他                                     21,900               20,319
       流動負債合計                                 306,135              210,773
     固定負債                                                                 
       繰延税金負債                                  12,937               11,709
       資産除去債務                                 122,611              124,040
       固定負債合計                                 135,549              135,749
     負債合計                                     441,685              346,523
    純資産の部                                                                 
     株主資本                                                                 
       資本金                                     50,455               50,455
       資本剰余金                               21,313,985           21,313,985
       利益剰余金                              △14,379,482          △16,274,010
       株主資本合計                               6,984,958            5,090,430
     その他の包括利益累計額                                                          
       為替換算調整勘定                               △9,250               △8,962
       その他の包括利益累計額合計                          △9,250               △8,962
     新株予約権                                    347,277              321,120
     非支配株主持分                                  256,853               21,945
     純資産合計                                  7,579,839            5,424,534
    負債純資産合計                                 8,021,524            5,771,057
 




                              - 9 -
                     オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 平成31年3月期 第3四半期決算短信

    (2)四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書
     四半期連結損益計算書
      第3四半期連結累計期間
                                                            (単位:千円)

                             前第3四半期連結累計期間            当第3四半期連結累計期間
                              (自 平成29年4月1日           (自 平成30年4月1日
                               至 平成29年12月31日)         至 平成30年12月31日)
    事業収益                                 203,184                247,868
    事業費用                                                               
     研究開発費                             2,215,215              2,171,752
     販売費及び一般管理費                          205,271                222,144
     事業費用合計                            2,420,486              2,393,896
    営業損失(△)                           △2,217,301             △2,146,027
    営業外収益                                                              
     受取利息                                    910                    520
     為替差益                                    910                      -
     還付加算金                                    28                    322
     営業外収益合計                               1,849                    843
    営業外費用                                                              
     為替差損                                      -                  7,521
     消費税差額金                                   24                      -
     営業外費用合計                                  24                  7,521
    経常損失(△)                           △2,215,476             △2,152,706
    特別利益                                                               
     新株予約権戻入益                             57,914                 26,156
     特別利益合計                               57,914                 26,156
    税金等調整前四半期純損失(△)                   △2,157,561             △2,126,549
    法人税、住民税及び事業税                           3,523                  4,115
    法人税等調整額                                7,107                △1,227
    法人税等合計                                10,631                  2,887
    四半期純損失(△)                         △2,168,192             △2,129,436
    非支配株主に帰属する四半期純損失(△)                 △21,442               △234,908
    親会社株主に帰属する四半期純損失(△)               △2,146,749             △1,894,527
 




                            - 10 -
                       オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 平成31年3月期 第3四半期決算短信

     四半期連結包括利益計算書
      第3四半期連結累計期間
                                                              (単位:千円)

                               前第3四半期連結累計期間            当第3四半期連結累計期間
                                (自 平成29年4月1日           (自 平成30年4月1日
                                 至 平成29年12月31日)         至 平成30年12月31日)
    四半期純損失(△)                           △2,168,192             △2,129,436
    その他の包括利益                                                             
     為替換算調整勘定                              △1,183                     288
     その他の包括利益合計                            △1,183                     288
    四半期包括利益                             △2,169,376             △2,129,148
    (内訳)                                                                 
     親会社株主に係る四半期包括利益                    △2,147,933             △1,894,239
     非支配株主に係る四半期包括利益                      △21,442               △234,908
 




                              - 11 -
                           オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 平成31年3月期 第3四半期決算短信

    (3)四半期連結財務諸表に関する注記事項
     (継続企業の前提に関する注記)
       該当事項はありません。
      
 
     (株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記)
        該当事項はありません。
 
 
     (セグメント情報等)
       【セグメント情報】
          前第3四半期連結累計期間(自 平成29年4月1日 至 平成29年12月31日)
           当社及び連結子会社は「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業内容となっており、事業区分
          が単一セグメントのため、記載を省略しております。
 
          当第3四半期連結累計期間(自 平成30年4月1日 至 平成30年12月31日)
          1.報告セグメントごとの売上高及び利益又は損失の金額に関する情報
                                                                            (単位:千円)

                                    報告セグメント                                 四半期連結
                                                                 調整額        損益計算書
                     「医薬品の研究及び                                   (注)1        計上額
                                    がんプレシジョ
                     開発」並びにこれら                        合計                    (注)2
                                    ン医療関連事業
                      に関連する事業

    売上高                                                                               

     外部顧客への売上高            203,176        44,692        247,868          -      247,868

             計            203,176        44,692        247,868          -      247,868

     セグメント損失(△)        △1,328,590     △645,439      △1,974,029   △171,997   △2,146,027
         (注)1.セグメント損失(△)の調整額△171,997千円は、セグメント間取引消去11,437千円、各報告セグメン
             トに配分していない全社費用△183,435千円であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない
             一般管理費であります。
            2.セグメント損失(△)は、四半期連結損益計算書の営業損失と調整を行っております。
 
          2.報告セグメントの変更等に関する事項
            当社グループの報告セグメントは、「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業の単一セグメ
           ントとしておりましたが、前連結会計年度において、がんプレシジョン医療関連事業を行う株式会社Cancer
           Precision Medicineを設立したことに伴い、報告セグメントの区分を「医薬品の研究及び開発」並びにこれ
           らに関連する事業とがんプレシジョン医療関連事業に変更しております。
            




                                       - 12 -
                   オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 平成31年3月期 第3四半期決算短信

3.その他
継続企業の前提に関する重要事象等
  当社グループは、研究開発型企業として、医薬品の臨床試験を実施する開発パイプラインの拡充や拡大、積極的な
 創薬研究、がんプレシジョン医療への積極的な取組み等により、多額の研究開発費が必要となっております。一方
 で、特に、医薬品の開発期間は基礎研究から上市まで通常10年以上の長期間に及ぶものでもあり、収益に先行して研
 究開発費が発生している等により、継続的に営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローが発生しております。
  このようなことから、当第3四半期連結会計期間末において、今後の資金計画を含め、より保守的に検討したとこ
 ろ、当社グループは、当第3四半期連結会計期間末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況
 が存在しているものの、当第3四半期連結会計期間末現在で、現金及び預金を4,877百万円有しており、概ね1.5年分
 の研究開発費は確保していることから、当面は事業活動の継続性に懸念はなく、継続企業の前提に関する重要な不確
 実性は認められないものと判断しております。
  当社グループの重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対策案
 は、次のとおりであります。
 ① 基礎研究の継続的な実施
   当社グループは2001年から2013年にかけて元東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(現 公益財団法
  人がん研究会 がんプレシジョン医療研究センター所長、東京大学名誉教授、シカゴ大学名誉教授)中村祐輔教授
  との共同研究により、ほぼ全てのがんを対象とした網羅的な遺伝子発現解析等を実施し、多くのがん治療薬開発に
  適した標的分子を同定いたしました。現在、それらの標的に対する創薬研究を積極的に展開し、これら創薬研究の
  成果を基にした複数の臨床試験を実施中または準備中の医薬品候補物質を多数有しております。
   基礎研究の継続的な実施は当社グループ事業の将来にかかる重要課題の一つとして認識しており、今後も当社独
  自及び共同研究等による研究体制の充実と円滑な推進のための対応を図ってゆく方針であります。
 ② 創薬研究の確実な推進
   当社グループは基礎研究の成果をもとに、臨床応用を目指して低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等
  の創薬研究を実施し、ファースト・イン・クラスの創薬を目指します。
 ③   臨床開発の確実かつ迅速な推進
     当社グループは、「有効性が高く、より副作用の少ないがん治療薬・治療法を一日も早くがんに苦しむ患者さん
  に届けること、がんとの闘いに勝つこと」を企業使命とし、国内外において、当社グループ独自で複数の臨床試験
  を行っており、各提携先製薬企業とも共同で臨床試験を行っております。当社グループは、非臨床試験データに基
  づいた適応症の選択を行い、臨床開発を確実かつ迅速に推進させてゆく方針です。
 ④ 新規提携先の開拓および既存提携先との提携事業の確実な推進
   当社グループは、一日も早くがん治療薬を上市することを企業使命とし、今後とも新規提携先を積極的に開拓す
  るとともに、提携先製薬企業との戦略的対話を促進し、提携先が実施する臨床開発の側面支援、後方支援を強化す
  ることにより提携事業を確実かつ迅速に進め、一日も早く当社グループの医薬品候補化合物の上市を目指します。
 ⑤ がんプレシジョン医療関連事業への取組み
   がんプレシジョン医療関連事業につきましては、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全エクソーム、RNAシ
  ーケンス、ネオアンチゲン解析)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプシー解析サービス、
  TCR/BCRレパトア解析サービス、免疫反応解析サービス等の解析サービスの共同研究や事業化に加えて、ネオアン
  チゲンワクチン療法やTCR遺伝子導入細胞療法等の個別化免疫療法の研究開発を進めて参ります。
 ⑥ 経営環境及び経営者の問題意識と今後の方針について
   当社グループの事業に深い関連を有する抗がん剤市場を取り巻く状況は、①高齢化の進行、②がん診断による早
  期発見の増加、③分子標的治療薬の登場、及び④がんプレシジョン医療の進展等により、市場は拡大しており、当
  社グループは今後においても同様に市場は拡大するものと想定しております。
   この様な市場の拡大は、参入企業の増加、潜在的な競合企業の増加の要因とも考えられ、また、異業種間の連携
  により技術革新等が飛躍的に進展する可能性もあり、当社グループを取り巻く事業環境は、急激な変化を生じる要
  素を数多く内包しているものと考えられます。このような経営環境のもと、当社グループの事業展開における重要
  な要素としては、「事業推進のスピード」「事業領域の拡大」「リスクとリターンのバランス」といった3点が挙
  げられます。
   事業推進のスピードにつきましては、医薬品業界、特にバイオテクノロジー業界においては、世界的な新薬開発
  競争とその新薬開発のための様々な研究開発や技術開発が世界的規模で行われており、当社グループの研究活動も
  このスピード競争を勝ち抜き、質の高い研究成果を一日も早く臨床開発へ進展させることが当社の優位性を確保す
  る上で非常に重要であると認識しております。また、今後市場が拡大すると予想するがんプレシジョン医療につき
  ましても、質の高いがん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発をより早く進展させることが非
  常に重要であると認識しております。




                          - 13 -
               オンコセラピー・サイエンス株式会社(4564) 平成31年3月期 第3四半期決算短信

 事業領域の拡大につきましては、現在当社グループは、低分子医薬、がんペプチドワクチン、抗体医薬等で創薬
研究を展開しており、さらにがんプレシジョン医療への積極的な取組み等により、今後とも、より積極的に事業を
拡大していく方針であります。このような事業領域の拡大により、当社グループの研究成果を、より多くの医薬品
開発用途へ応用することにより、事業価値を高めたいと考えています。
 最後にリスクとリターンのバランスですが、当社グループの最大の強みは、数多くのゲノム創薬にもとづく創薬
ターゲットを所有していることであります。ただ、それら多数の創薬ターゲットの全てについて、多岐の用途にわ
たる創薬研究と臨床開発を、当社グループのみの資源と費用で、かつ世界的な競争に打ち勝つスピードで遂行する
ことは、膨大な設備投資と研究開発費を必要とし、資金的なリスクを生じせしめます。当社グループとしては、製
薬企業等との積極的な提携契約の締結や研究開発に提携等により、製品化の可能性を極大化しつつ、リスクは経営
上合理的なレベルにとどめる方針を現時点では採用しています。本方針により、事業展開からの成果や利益といっ
たリターンをパートナーと共有することにはなりますが、可能性のある製品を商業化できないリスクやスピード競
争に負けるリスクを低減することができます。今後ともリスクとリターンのバランスに十分配慮し、最善と考えら
れる経営判断を行っていきたいと考えております。




                      - 14 -