4564 Ｍ－ＯＴＳ 2019-10-01 08:30:00
食道がん患者を対象としたがん特異的ペプチドワクチンS-588410に関する探索的研究成果発表のお知らせ [pdf]
2019 年 10 月 1 日
各 位
神 奈 川 県 川 崎 市 高 津 区 坂 戸 3 - 2 - 1
オンコセラピー・サイエンス株式会社
代表取締役社長 藤谷 京子
（コード番号 4564 東証マザーズ）
（問い合せ先） 管理本部長 子玉 弘二
電話番号 044‐820‐8251
食道がん患者を対象としたがん特異的ペプチドワクチン S-588410 に関する
探索的研究成果発表のお知らせ（2019 年欧州臨床腫瘍学会年次総会）
2019 年 9 月 30 日（現地時間）、欧州臨床腫瘍学会年次総会（ESMO2019、開催地：スペイン
バルセロナ）にて、当社が塩野義製薬株式会社（本社：大阪市中央区、代表取締役社長：手代
木 功）にライセンスアウトしているがん特異的ペプチドワクチン S-588410 に関する探索的研
究成果のポスター発表（タイトル：Induction of tumor-infiltrating functional CD8 positive cells and
PD-L1 expression in esophageal cancer by S-588410）が行われましたので、その概要をお知らせい
たします。
S-588410 は、食道がんにおいて発現の亢進が認められるがん精巣抗原（DEPDC1, MPHOSPH1,
URLC10, CDCA1 および KOC1）に由来する 5 種類の HLA-A*24:02 拘束性ペプチドからなるが
ん特異的ペプチドワクチンです。現在、日本において食道がん患者を対象とした第 III 相試験が
進められており、昨年 3 月には患者登録が終了しております。
さらに、塩野義製薬株式会社は術前の S-588410 の短期投与が腫瘍浸潤 CD8 陽性 T リンパ球の
数や腫瘍組織における PD-L1 の発現に与える影響を評価する目的で、食道がん患者 15 名を対象
とした第 I 相試験を実施いたしました。この度、ESMO2019 において当該第 I 相試験の結果が発
表されました。試験結果の一部（TCR レパトア解析）は、当社と塩野義製薬株式会社との共同研
究によるものです。
【概要】
試験に登録された 15 名の方すべてにおいて、S-588410 投与後にペプチド特異的な細胞傷害性
CD8 陽性 T リンパ球（CTL）の誘導が認められました。S-588410 投与後の血中におけるペプチ
ド特異的な反応（サイトカイン産生）を示す CD8 陽性 T リンパ球の存在率は、投与前と同等あ
るいはそれ以上でした。
また、腫瘍組織における CD8 陽性細胞、グランザイム B 産生 CD8 陽性細胞、PD-1 発現 CD8
陽性細胞および PD-L1 発現細胞の密度は、S-588410 投与後に増加しました。
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さらに S-588410 投与後の血液および腫瘍組織に存在する T リンパ球の T 細胞受容体（TCR）
を調べた結果、投与ペプチドを認識する TCR が検出されました。
以上の結果は、S-588410 投与によって食道がんにおける CD8 細胞や PD-L1 発現細胞の増加
が誘導されたことを示唆します。腫瘍浸潤 T リンパ球の数や腫瘍組織における PD-L1 の発現
は、がん治療に用いられる免疫チェックポイント阻害薬（抗 PD-1 / PD-L1 抗体）の作用機序に
関係する重要な因子と考えられています。今回の報告は、S-588410 と抗 PD-1 / PD-L1 抗体の併
用による相乗効果の可能性を示すものです。
以上
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