4564 M-OTS 2021-04-12 16:35:00
第三者割当てによる行使価額修正条項付第31回新株予約権の発行に関するお知らせ [pdf]

                                                                 2021年4月12日
各   位

                                             神 奈 川 県 川 崎 市 高 津 区 坂 戸 3 - 2 - 1
                                             オンコセラピー・サイエンス株式会社
                                                         代表取締役社長     朴 在賢
                                                     (コード番号 4564 東証マザーズ)
                                                  (問い合せ先) 管理本部長 木村 謙二
                                                          電話番号 044-820-8251



                         第三者割当てによる行使価額修正条項付
                        第 31 回新株予約権の発行に関するお知らせ


  当社は、2021 年4月 12 日付の当社取締役会において、第三者割当てによる行使価額修正条項付第
31 回新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)を発行することを決議いたしましたので、お
知らせいたします。


1.募集の概要

 (1)    割    当    日         2021 年 4 月 28 日
 (2)    新 株 予 約 権 数         350,000 個
                            本新株予約権 1 個当たり 35 円
 (3)    発   行       価   額
                            (本新株予約権の払込総額 12,250,000 円)
                            潜在株式数:35,000,000 株(本新株予約権 1 個当たり 100 株)
        当該発行による
 (4)                        下限行使価額(下記(6)をご参照下さい。)においても、潜在株式
        潜 在 株 式 数
                            数は 35,000,000 株です。
        資 金 調 達 の 額
 (5)                        4,297,250,000 円(注)
        (差引手取概算額)
                            当初行使価額 123 円
                            上限行使価額はありません。
                            下限行使価額は 74 円(別紙の発行要項第 11 項による調整を受け、
                            以下「下限行使価額」といいます。)
                            行使価額は、本新株予約権の各行使請求の効力発生日(以下「修正
                            日」といいます。)に、修正日の直前取引日(同日に終値がない場
        行 使 価 額 及 び
 (6)                        合には、その直前の終値のある取引日をいい、以下「算定基準日」
        行使価額の修正条件
                            といいます。)の株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」
                            といいます。 における当社普通株式の普通取引の終値の 92%に相
                                  )
                            当する金額(円位未満小数第 2 位まで算出し、その小数第 2 位を切
                            り上げます。)に修正されます。但し、修正後の行使価額が下限行
                            使価額を下回る場合には、  下限行使価額を修正後の行使価額としま
                            す。
 (7)    募集又は割当方法            第三者割当ての方法によります。
 (8)    割 当 予 定 先           大和証券株式会社(以下「割当予定先」といいます。)
                            当社は、割当予定先との間で、金融商品取引法に基づく届出の効力
                            発生後に、本新株予約権に係る買取契約(以下「本新株予約権買取
                            契約」といいます。)及び本新株予約権の行使等について規定した
 (9)    そ       の       他
                            覚書(以下「覚書」という。)を締結する予定です。詳細について
                            は、別記「3.本新株予約権の商品性及び資金調達方法の選択理由
                            (1)本新株予約権の商品性」をご参照ください。
                                         1
                また、本新株予約権買取契約及び覚書において、割当予定先は、当
                社取締役会の事前の承認がない限り、本新株予約権を当社以外の第
                三者に譲渡することはできない旨並びに割当予定先が本新株予約
                権を譲渡する場合には、あらかじめ譲渡先となる者に対して、当社
                との間で譲渡制限の内容を約束させ、また、譲渡先となる者がさら
                に第三者に譲渡する場合にも当社に対して同様の内容を約束させ
                るものとする旨を規定する予定です。なお、割当予定先が、本新株
                予約権の行使により交付された株式を第三者に譲渡することは妨
                げられません。
(注)資金調達の額は、本新株予約権の払込金額の総額に本新株予約権の行使に際して出資される財産
   の価額の合計額を合算した金額から発行諸費用の概算額を差し引いた金額です。なお、本新株予
   約権の行使に際して出資される財産の価額の合計額は、当初行使価額で全ての本新株予約権が行
   使されたと仮定した場合の金額であります。行使価額が修正又は調整された場合には、資金調達
   の額は増加又は減少します。また、本新株予約権の行使期間内に行使が行われない場合及び当社
   が取得した本新株予約権を消却した場合には、資金調達の額は減少します。


2.募集の目的及び理由
    当社は、「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業(創薬研究からの新規開発候
   補物質の創製のための研究開発、  開発パイプラインの一層の拡充のための研究開発)           に係る費用、
   並びに、当社の子会社である株式会社Cancer Precision Medicine(神奈川県川崎市、代表取締役社
   長:嶋田順一、以下「CPM社」という。)で実施する「がんプレシジョン医療(※1)関連事業」
   (がん遺伝子の大規模解析検査等の共同研究、外部から受託する検査事業、がん免疫療法等の研
   究開発)に係る費用の資金調達を行うことといたしました。
    なお、直近の第20期第3四半期連結累計期間における業績の概要につきましては、連結事業収
   益が160百万円、連結営業損失は1,266百万円、連結経常損失は1,261百万円、親会社株主に帰属す
   る四半期純損失は1,182百万円となっており、純資産については3,455百万円となっております。
    本資金調達の充当先となる「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業及びがんプ
   レシジョン医療関連事業の内容は、以下(a)及び(b)のとおりでございます。

    (a)「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業

    <創薬研究領域>
     医薬品候補物質の同定(※2)及び最適化を行う創薬研究領域においては、医薬品の用途毎
    に、より製品に近い研究を積極的に展開しております。
     低分子医薬につきましては、複数のがん特異的タンパク質を標的とする分子標的治療薬(※
    3)の創薬研究を進めております。そのうち1種の標的であるリン酸化酵素(キナーゼ)(※
    4)については、医薬品候補化合物の臨床試験を実施中です(詳細は、別記「<医薬開発領域
    >(ⅰ)低分子医薬」をご参照ください。)。他のリン酸化酵素については、これまでに得た
    高活性化合物に基づきリード最適化(※5)を進め、in vivo(※6)で強力な腫瘍増殖抑制効
    果を示す複数の高活性化合物を同定しております。これらにつき、医薬品候補化合物として臨
    床開発するための薬効薬理(※7)       ・薬物動態(※8)・毒性試験を進めております。さらに、
    別の3種の標的酵素タンパク質に関して、これまでに得た高活性化合物のうちin vivoで有意な
    腫瘍増殖抑制効果を示す化合物の構造に基づき、薬効向上のためのさらなるリード最適化を実
    施中です。また、さらに別の2種の標的酵素タンパク質に関して、これまでに得た高活性化合
    物に基づき、リード化合物(※5)の獲得に向けた新規化合物合成と構造活性相関研究を進め
    ております。
     がんペプチドワクチンにつきましては、これまでに日本人及び欧米人に多く見られるHLA
    (※9)-A*24:02及びA*02:01を中心に、大腸がん、胃がん、肺がん、膀胱がん、腎臓がん、膵
    臓がん、乳がん及び肝臓がん等を標的とした計43遺伝子を対象としたエピトープペプチド(※


                             2
10)を既に同定しておりますが、それら以外にもA*11:01, A*33:03, A*01:01及びA*03:01等、様々
なHLAに対応したより多くのエピトープペプチドを同定しております。
  このように、独創的な分子標的治療薬の創製を目指した創薬研究を積極的に展開しておりま
す。
  これらに加えて、当社は新型コロナウイルス感染症  (COVID-19)     の感染制御及び重症化の抑
制を目指したペプチドワクチンの研究開発に着手しております。

<医薬開発領域>
 医薬開発領域においては、当社グループ独自での開発及び複数の製薬企業との提携による開
発を、以下の通りそれぞれ進めております。

(ⅰ)低分子医薬
    がん幹細胞の維持に重要なリン酸化酵素(キナーゼ)であるMELK(Maternal Embryonic
  Leucine zipper Kinase)を標的としたOTS167については、急性骨髄性白血病に対する第Ⅰ/Ⅱ相
  臨床試験を米国シカゴ大学及びコーネル大学にて実施しております。               この臨床試験は、急性
  骨髄性白血病を含む血液がんの患者さんを対象とし、OTS167の静脈内反復投与における安
  全性及び推奨投与量の確認を行い、            確認後には、  急性骨髄性白血病を含む予後不良の各種白
  血病についてのPOC(※11)を獲得することを目的とするものです。また、OTS167の乳が
  んに対する第Ⅰ相臨床試験を米国テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンター、米国ノ
  ーウォーク・ホスピタル及び米国メモリアルスローンケタリングがんセンターにて実施し
  ており、さらに、日本国内でも当該臨床試験を開始いたしました。この臨床試験は、トリプ
  ルネガティブ乳がん(※12)を含む乳がんの患者さんを対象とし、OTS167のカプセル剤に
  よる経口投与における安全性及び推奨投与量の確認を主目的とし、副次的にトリプルネガ
  ティブ乳がんに対する臨床上の有効性を確認するものです。なお、OTS167は、オーストラ
  リアで実施しておりました健常成人を対象とした経口投与による消化管吸収性(バイオア
  ベイラビリティ)          の確認を主たる目的とする臨床試験において、    ヒトでの良好な経口吸収性
  が確認されています。
    OTS167の標的であるMELKは、がん幹細胞に高発現し、その維持に重要な役割をしてい
  るリン酸化酵素(キナーゼ)です。OTS167は、そのキナーゼを阻害し、強い細胞増殖抑制
  効果が期待できる新しい作用機序(ファースト・イン・クラス)の分子標的治療薬であり、
  すでに動物試験において、肺がん、前立腺がん、乳がん、膵臓がん等に対し、強力な抗腫瘍
  効果が確認されています。
    また、細胞分裂に重要ながん特異的新規標的分子(TOPK)に対する複数の最終化合物を
  同定しております。            動物実験で、顕著な結果が得られたことから、  製剤化検討及び非臨床試
  験を進めております。

(ⅱ)がんペプチドワクチン
    がんペプチドワクチンにつきましては、                  提携先製薬企業との戦略的対話を促進し、   提携先
  が実施する臨床開発の側面支援、後方支援を強化して参りました。
    塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功)とは、当社が
  ライセンスアウトしているがん特異的ペプチドワクチンS-588410の臨床開発を支援する目
  的で、   食道がん患者さんを対象とした第Ⅲ相臨床試験実施に関する覚書を締結しており、                      塩
  野義製薬株式会社が臨床試験を実施しております。                   この臨床試験は、2018年3月に最後の患
  者登録が完了しております。なお、塩野義製薬株式会社は、S-588410の食道がん第Ⅲ相臨床
  試験のほか、膀胱がんを対象としたS-588410について日欧で第Ⅱ相臨床試験を完了しており、
  頭頸部がんを対象としたS-488210は欧州で第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を、また、固形がんを対象とし
  たS-588210は英国で第Ⅰ相臨床試験を、それぞれ実施しております。
    また、シンガポールのNUH(National University Hospital)並びに韓国のYonsei University
  Health System, Severance Hospitalにて、がんペプチドカクテルワクチンOTSGC-A24の胃がん
  に対する第Ⅰ相臨床試験を、医師主導治験として実施しております。

                              3
(ⅲ)抗体医薬
   がん治療用抗体医薬OTSA101については、日本における滑膜肉腫に対する第Ⅰ相臨床試験
  を実施しております。  本試験は、難治性又は再発性の滑膜肉腫患者を対象に、放射性同位元
  素を結合したOTSA101投与における安全性及び体内薬物動態の確認を主たる目的とするも
  のです。

   本資金調達は、  上記の各研究開発を継続的に行うことを目的としており、         今回の資金調達
  金額のうち、2021年4月から2024年3月までの<創薬研究領域>における研究開発費       (主と
  してがん特異的タンパク質を標的とする低分子医薬及びがんペプチドワクチン並びに新型
  コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染制御及び重症化の抑制を目指したペプチドワク
  チン等に係るラボの維持管理費用、外注費及び人件費をはじめとした経費等を含む研究開
  発費)の一部として約1,552百万円を充当し、2021年4月から2024年3月までの<医薬開発
  領域>における研究開発費(OTS167、S-588410及びOTSA101等の開発パイプラインの医薬
  開発に係る臨床試験実施又は臨床試験準備のための外注費や人件費をはじめとした経費等
  を含む研究開発費)の一部として約2,498百万円を充当することを予定しております。
   なお、当社は、 2022年3月までの<創薬研究領域>及び<医薬開発領域>における研究開
  発費の一部を調達するために、   2019年1月15日に第30回新株予約権を発行し、    その行使が完
  了しておりますが、第30回新株予約権により調達した2,740百万円は、既に2021年3月まで
  に充当が完了しており、<創薬研究領域>における研究開発費に843百万円、<医薬開発領
  域>における研究開発費に1,560百万円、後述のがんプレシジョン医療関連事業における経
  費及び研究開発費に337百万円を充当しております。
   そこで、以降の上記各研究開発を継続的に行うことを目的として、         2024年3月までの<創
  薬研究領域>及び<医薬開発領域>における研究開発費の一部を調達するため、本資金調
  達を実施することといたしました。
   今回の資金調達は、   新規開発候補物質の創製を加速させることにより、        開発パイプライン
  のより一層の拡充を図り、上市を目指して当社グループ独自で又は提携先と共同で臨床開
  発を推し進め、 今後の収益の改善・向上、    企業価値増大に寄与するものと考えております。

(b)がんプレシジョン医療関連事業

(ⅰ)がん遺伝子の大規模解析検査並びにがん免疫療法の研究開発を行う合弁会社設立
   当社は、      2017年に、がん遺伝子の大規模解析検査及びがん免疫療法の研究開発を行う子会
 社として、CPM社を設立いたしました。CPM社は、グローバルなゲノム・トランスクリプ
 トム・エピゲノム         (※13)等の次世代シーケンス解析          (※14) サービスを行っているTheragen
 Bio Co., Ltd.(本社:韓国、CEO: Tae Soon (Samuel) Hwang、以下「TB社」という。旧Theragen
 Etex Co., Ltd.。)と資本・業務提携したことから、当社とTB社との合弁会社となっておりま
 す。また、当社の事業部門であり、オンコアンチゲン(※15)をはじめとしたがん免疫療法
 の研究開発及びT/B細胞受容体(TCR/BCR)レパトア解析(※16)サービスを行っていた腫
 瘍免疫解析部の事業について、会社分割(簡易分割)をし、CPM社に事業を承継させまし
 た。CPM社は、日本におけるがんプレシジョン医療を加速するため、以下の検査、治療法研
 究を行っております。
   <検査>
   ・ネオアンチゲン解析(※17)
   ・がん遺伝子変異解析
   ・がん遺伝子発現解析
   ・リキッドバイオプシー(※18)(パネル解析、デジタルPCR法、cfDNA定量検査)
   ・免疫反応解析(IFN-γ ELISPOT解析、MHCテトラマー解析、TCR/BCRレパトア解析)
   ・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査 核酸増幅法(唾液を用いたRT-
      PCR法(※19))
   <受託解析サービス>
   ・全エクソームシーケンス解析(※20)
                               4
  ・RNAシーケンス解析(※21)
  ・全ゲノムシーケンス解析(※22)
  ・シングルセルRNAシーケンス解析(※23)
  ・メタゲノムシーケンス解析(※24)
  ・リキッドバイオプシー
  ・免疫反応解析(IFN-γ ELISPOT解析、MHCテトラマー解析、TCR/BCRレパトア解析)
  <治療法(研究)>
  ・ネオアンチゲン樹状細胞療法(※25)
  ・TCR遺伝子導入T細胞療法(※26)

(ⅱ)製薬企業、医療機関、研究機関等に対してのTCR/BCRレパトア解析サービスの提供
  がん免疫療法における最先端の取組みとして、シカゴ大学医学部中村祐輔研究室におい
 て開発された、次世代シーケンサーを用いてTCR/BCRレパトアを解析する方法を導入し、
 製薬企業、医療機関、研究機関等に対してTCR/BCRレパトア解析サービスを提供する事業
 を行っております。また、ワクチン投与前後の腫瘍組織及び末梢血におけるTCRレパトア解
 析を行うことにより、ワクチン投与によるペプチド特異的T細胞(※27)の増加を科学的に
 検証し、免疫チェックポイント阻害剤(※28)との併用による相乗効果に関する検討を進め
 ております。

(ⅲ)DCワクチンコンソーシアムとの樹状細胞療法(※29)による治療法の共同研究
  当社は、大阪、福岡、東京を拠点とする3医療法人(医療法人協林会 大阪がん免疫化学
 療法クリニック、医療法人慈生会 福岡がん総合クリニック及び医療法人社団ビオセラ会
 ビオセラクリニック) からなる樹状細胞免疫療法懇話会(DCワクチンコンソーシアム)と、
 当社がライセンスを保有するペプチドワクチンについて、その非独占的実施権をDCワクチ
 ンコンソーシアムに供与し、 樹状細胞療法によるがん治療法の研究・開発を共同で進めてお
 ります。この共同研究により、当社及びCPM社が支援する、がん臨床領域でのプレシジョ
 ン医療の実施において、オンコアンチゲンやネオアンチゲンを利用した免疫療法に大きな
 役割を果たすと考えております。

(ⅳ)IMSグループとの共同研究
  CPM社は、 IMSグループ傘下の医療法人社団明芳会 (東京都板橋区、 理事長:中村哲也)、
 医療法人財団明理会(東京都板橋区、理事長:中村哲也)及び株式会社アイル(東京都板橋
 区、代表取締役 山﨑徹也)との間で、リキッドバイオプシーによる、胃がん及び大腸がん
 の手術後のがん細胞の残存並びにがん再発の早期発見法を検討する共同研究契約を締結し
 ております。 本共同研究は、  胃がん及び大腸がんの患者さんに対し、  リキッドバイオプシー
 の手法を用いた遺伝子解析により、手術前後の特定遺伝子における突然変異を検出するこ
 とで、がん細胞の残存及びがん再発を早期に発見する可能性の探究を目的とするものです。
 本共同研究には、   中村祐輔教授及びIMSグループ傘下の医療法人社団明芳会 板橋中央総合
 病院、 医療法人社団明芳会 横浜旭中央総合病院、   医療法人社団明理会 新松戸中央総合病
 院及び株式会社アイルが参加して実施しております。
  本共同研究による成果を確認した後、IMSグループ各医療機関において、がん診断のため
 にリキッドバイオプシーを臨床応用する予定であり、    さらに、CPM社とIMSグループ各医療
 機関とは、がん患者さん一人ひとりの遺伝子解析のためのクリニカルシーケンス等がんプ
 レシジョン医療について幅広く提携して参ります。

(ⅴ)公益財団法人がん研究会との共同研究の実施
  CPM社は、公益財団法人がん研究会(東京都江東区、理事長 馬田一、以下「がん研」と
 いう。 と、
     )  リキッドバイオプシーによるがん遺伝子変異の検出に係る共同研究を実施して
 おります。 この共同研究は、固形がん(肺がん、大腸がん、乳がん等)の診断を目的として、
 がん遺伝子変異を検出するためのリキッドバイオプシー技術の改良、   新規技術(新規遺伝子
 パネルを含む) の研究開発を共同で実施し、それらの臨床応用可能性を探求するもので、  固
                      5
  形がん患者から採取した血液等を利用した、がん研独自技術を含むリキッドバイオプシー
  の評価、がんのスクリーニング、分子標的治療薬の選択、再発のモニタリング等におけるリ
  キッドバイオプシー技術の課題抽出とそれらの解決法の検討を共同で行っております。
   また、ネオアンチゲン予測アルゴリズム(全自動化パイプラインを含む)に関わる共同研
  究も実施しております。この共同研究は個別化がん免疫療法のために正確なネオアンチゲ
  ン予測アルゴリズムの開発と関連技術の改良を目的とするもので、シーケンスデータから
  ネオアンチゲン予測用コンピュータアルゴリズムの開発及び評価、全自動化したネオアン
  チゲン予測パイプラインの開発、並びに予測されたネオアンチゲンについて樹状細胞療法
  の治療効果に関わる科学的検証を共同で行っております。

 (ⅵ)コスモ・バイオ株式会社とのペプチド合成委受託契約の締結
    CPM社は、コスモ・バイオ株式会社(東京都江東区、代表取締役社長 櫻井治久)と、が
  ん免疫療法のためのペプチド合成に関する委受託契約を締結しました。
    CPM社のネオアンチゲン解析により得られた結果に基づき、ペプチド合成をコスモ・バ
  イオ株式会社に委託してがん免疫療法におけるペプチド合成期間の短縮を図るとともに、
  CPM社が行うがん検体を用いたネオアンチゲン解析サービスに、コスモ・バイオ株式会社
  が合成したペプチドをCPM社から医療機関及び研究機関に提供するサービスを付加したも
  のを、パッケージ化して提供いたします。

 本資金調達は、がんプレシジョン医療関連事業における上記の様々な取組みを継続的に実施す
ることを目的としており、今回の資金調達金額のうち約247百万円を、2021年4月から2023年3
月までのがんプレシジョン医療関連事業における経費及び研究開発費(がん細胞の詳細な遺伝子
解析サービス(全エクソームシーケンス解析、RNAシーケンス解析、ネオアンチゲン解析等)及
び血中のがん細胞の早期検出のためのリキッドバイオプシー等のがん遺伝子の大規模解析検査
等の共同研究及び外部から受託する検査事業に係るラボ維持費用、消耗品等の購入費用及び人件
費等、TCR/BCRレパトア解析及びT免疫反応解析等の解析サービスの共同研究及び事業化、並び
にネオアンチゲン樹状細胞療法やTCR遺伝子導入T細胞療法等の新しい個別化がん免疫療法の研
究開発等に係るラボ維持費用及び人件費等を含む研究開発費)の一部に充当することを予定して
おります。
 なお、当社は、2022年3月までのがんプレシジョン医療関連事業における経費及び研究開発費
の一部を調達するために、2019年1月15日に第30回新株予約権を発行し、その行使が完了してお
りますが、上記「(a)「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業」において記載した
とおり、第30回新株予約権による調達した2,740百万円は、既に2021年3月までに充当が完了して
おり、<創薬研究領域>における研究開発費に843百万円、<医薬開発領域>における研究開発
費に1,560百万円、がんプレシジョン医療関連事業における経費及び研究開発費に337百万円を充
当しております。
 そこで、以降のがんプレシジョン医療関連事業における各取組みを継続的に行うことを目的と
して、2023年3月までのがんプレシジョン医療関連事業における経費及び研究開発費の一部を調
達するため、本資金調達を実施することといたしました。
 これにより、日本における「がんプレシジョン医療」をより普及、加速させ、がんプレシジョ
ン医療関連事業の拡大によりCPM社の収益向上・拡大を目的としており当社グループの企業価値
の増大に寄与するものと考えております。なお、当社グループは、研究開発型企業として、医薬
品の臨床試験を実施する開発パイプラインの拡充や拡大、積極的な創薬研究、がんプレシジョン
医療への積極的な取組み等により、多額の研究開発費が必要となっております。一方で、特に、
医薬品の開発期間は基礎研究から上市まで通常10年以上の長期間に及ぶものでもあり、収益に先
行して研究開発費が発生している等により、継続的に営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・
フローが発生しております。
 このようなことから、第3四半期連結会計期間末において、今後の資金計画を含め、より保守
的に検討したところ、当社グループは、当第3四半期連結会計期間末において、継続企業の前提
に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しているものの、第3四半期連結会計期間末現在で、
現金及び預金を3,394百万円有しており、概ね1.5年分の研究開発費は確保していることから、当
                      6
面は事業活動の継続性に懸念はなく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないも
のと判断しております。しかしながら、医薬品開発は長期間にわたり継続的に行う必要があるも
のであり、収益に先行して研究開発費が発生していることから、将来の研究開発を継続的に行う
ためには、先行して資金を確保しておく必要があり、今後の資金計画を併せて鑑みると、現段階
で資金調達を行うことが合理的であると判断いたしました。

 (※1)がんプレシジョン医療
      患者一人ひとりのがん細胞を発見・解析した上で、それぞれの患者に合った最適な治
      療方法を分析・選択して施す医療をいいます。
 (※2)同定
      ある物質の正体を特定すること。例えば、細胞の中からある現象に関係する分子を選
      り分けて取り出しその種類を特定することや、          多数の化合物群を含むライブラリの中
      から望ましい活性を持つ化合物を見つけてその種類を特定すること等は、          そのような
      分子や化合物を「同定する」と呼ばれます。
 (※3)分子標的治療薬
      ある分子に作用することがわかっている低分子化合物や抗体等を選択することによ
      って作られ、     疾患に関係がある細胞だけに働きかける機能を持った新しいタイプの治
      療薬のこと。従来の治療薬に比べて効果が高くかつ副作用が少ないとされ、近年、が
      ん治療等で注目されております。
 (※4)リン酸化酵素(キナーゼ)
      化学反応を触媒するタンパク質は、「酵素」と呼ばれます。酵素のうち、反応の対象
      となる分子(「基質」)へのリン酸の付加(「リン酸化」)を触媒するものが、「リ
      ン酸化酵素(キナーゼ)」(kinase)です。特に、基質がタンパク質であるリン酸化
      酵素は、タンパク質リン酸化酵素(protein kinase)と呼ばれます。タンパク質の中に
      は、   リン酸化されることによってはじめて活性化するものが多くあります。       活性化し
      たタンパク質は、        細胞レベルでの様々な現象の生起に関与することになります。  がん
      細胞においては、        正常細胞では不活発なタンパク質リン酸化酵素が活発化し、  それに
      よってリン酸化されて活性化したタンパク質が、          異常な細胞増殖の発生に関与する場
      合があることが知られています。          当社が創薬標的としているリン酸化酵素は、そのよ
      うなタンパク質リン酸化酵素です。
 (※5)リード化合物、リード最適化
      創薬研究で多数の化合物を探索する中で、標的タンパク質に対し十分な活性を有し、
      以降の新規化合物設計の原型(プロトタイプ)となるような化合物が得られた時、そ
      れを「リード化合物」(lead compound)と称します。リード化合物の化学構造を様々に
      修飾して生体内での効果を高めていき、          開発候補化合物を獲得するまでの過程が、 リ
                                                    「
      ード最適化」(lead optimization)です。
 (※6)in vivo
      in vitroと対比的に用いられ、「体の中で」を意味する医学・化学用語です。一般に生
      体内(主に実験動物)での実験的検証を意味します。
 (※7)薬効薬理
      薬が、その効果(薬効)を発揮する際に生体に対して及ぼす作用の様相(薬理)が、
      「薬効薬理」(pharmacology)です。例えば、がん細胞を移植したマウスに薬を投与
      して抗腫瘍効果の現れ方を調べる試験は、「薬効薬理試験」の一種です。
 (※8)薬物動態
      薬物は、生体に投与された時、吸収・分配・代謝・排泄の過程を経て、体内での存在
      状態を時間的に変化させていきます。その変化の様子のことを、「薬物動態」
      (pharmacokinetics)と呼びます。薬物動態を調べるために、例えば、血中の薬物濃度
      を経時的に測定する等の試験を行ないます。          薬物動態の理解は、薬を効果的に作用さ
      せるのに必要な投与量や投与法、投与スケジュール等を検討するために役立ちます。
 (※9)HLA

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     免疫の活性化に関与する分子(ヒト白血球抗原)です。断片化されたペプチドを挟ん
      だ状態で細胞の表面に出てくることで、ペプチド(抗原)を提示します。このHLAに
      挟まった状態のペプチドを免疫細胞が認識し、免疫反応が誘導されます。
(※10)エピトープペプチド
     細胞の表面に出てくる断片化されたタンパク質(ペプチド)です。細胞表面のペプチ
      ドが目印となり、        そのペプチドを発現しているがん細胞を免疫細胞が認識し攻撃しま
      す。
(※11)POC
     Proof of Conceptの略。有効性や安全性を含めて作用機序等が臨床において妥当である
      ことの証明の意味です。
(※12)トリプルネガティブ乳がん
     HER2及びホルモン受容体(エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体)が陰性の
      乳がん。そのため、HER2に対する分子標的薬(ハーセプチン等)やホルモン療法の
      対象にならない。
(※13)ゲノム・トランスクリプトム・エピゲノム
     ゲノムは、      全ての染色体を構成するDNAの全塩基配列です。       ヒトのゲノムは約30億塩
      基対のDNAから成り立っています。ゲノムの遺伝情報は、DNAからmRNA(※30)、
      mRNAからタンパク質の順で伝達され、機能します。トランスクリプトムは、ゲノム
      DNAから合成される全ての遺伝子転写産物(mRNA)の総体を示します。また、ゲノ
      ムの遺伝情報はゲノムの塩基配列を変えずに遺伝子発現を制御するしくみにより、                調
      節されます。       この仕組みをエピジェネティクスと呼び、     ゲノム上に施される制御情報
      をエピゲノムと呼びます。
(※14)次世代シーケンス解析
     数千万、数億のDNA断片の塩基配列を高速に決定することができる基盤技術です。
(※15)オンコアンチゲン
     がん細胞において発現の上昇が認められる一方、             正常細胞ではほとんど発現が認めら
      れず、   がん細胞の生存や増殖に必須の機能を持ち、         さらに免疫反応を引き起こす抗原
      性を有するタンパクです。        このタンパクに由来するペプチドを用いると、       がん細胞を
      傷害する活性化されたT細胞を誘導することができます。
(※16)T/B細胞受容体(TCR/BCR)レパトア解析
     リンパ球の一種であるT細胞やB細胞の細胞表面に発現している受容体の塩基配列を
      網羅的に取得し解析する技術です。            これら受容体が他の細胞表面に出ている目印    (抗
      原)を認識し、攻撃(免疫反応誘導)します。
(※17)ネオアンチゲン解析
     がん細胞に生じた体細胞変異に由来し、免疫細胞の標的となる新規抗原(ネオアンチ
      ゲン)を解析する手法です。
(※18)リキッドバイオプシー
     シーケンス技術の進展により血液や尿等の液体(リキッド)を利用して、がんの存在
      を見つけることができるようになりました。がん細胞に由来するDNAが非常に少量
      ですが血液中や尿中に混入しており、            これを高感度に検出することができるようにな
      ったからです。        この液体を利用して調べる方法を、    リキッドバイオプシーと呼んでい
      ます。   CT等の画像診断よりも早く、        再発を見つけることができる可能性があります。
      また、   がん組織を採取することは患者さんに大きな負担となり、           合併症の危険を伴い
      ますが、     リキッドバイオプシーは、       負担が非常に軽いので頻回に検出を行うことがで
      きます。
(※19)RT-PCR法
     逆転写酵素(reverse transcriptase)を用いて微量なRNA(※30)からcDNA(※30)に
      合成した後、cDNAを検出可能な濃度まで増幅して解析する方法です。
(※20)全エクソームシーケンス解析
     ヒトゲノムのうちタンパク質を翻訳するエクソン領域(エクソーム)を解析する手法
      です。
                           8
(※21)RNAシーケンス解析
     細胞中に存在する全てのmRNA(遺伝子転写産物)の配列および発現量を解析する手
      法です。
(※22)全ゲノムシーケンス解析
     ゲノムの全域を対象にDNA塩基の変異を検出する解析です。以前から提供している
      全エクソームシーケンス解析は、   タンパク質を作る情報を持つ遺伝子の部分を集中的
      に解読するもので、その領域はゲノム全体の約2%に相当します。そのため全エクソ
      ームシーケンス解析は高効率、   低コストで実施できますが、 がん細胞でしばしば見ら
      れるゲノムの大規模な入れ替わりや欠如などの変異を検出するのは難しいとされて
      います。これに対し、   全ゲノムシーケンス解析はこれらの変異も検出することができ
      るため、より包括的な情報を取得することが期待できます。
(※23)シングルセルRNAシーケンス解析
     検体の細胞を一つ一つ分離し、    それぞれの細胞の遺伝子発現量を個別に測定する解析
      です。腫瘍組織において、   がん細胞は分裂を繰り返す中で個別の変異を持つ複数の細
      胞集団に分化し増殖します。   様々な細胞集団が混在した状態で腫瘍組織を解析すると、
      がんの特徴を正確に理解することが困難な場合があります。シングルセルRNAシー
      ケンス解析では、  腫瘍組織中の個別の細胞の特徴を捉えられ、  治療方法の選択や予後
      の予測などをより正確に行うことが期待できます。
(※24)メタゲノムシーケンス解析
     多種多様な微生物が混在する検体からそれぞれの微生物のゲノムを同時に解読し、      検
      体中に存在する生物種やその存在比などを明らかにする解析です。    がん研究において
      は主に腸内細菌の解析に用いられ、    大腸がんの原因となり得る腸内細菌の検出や体内
      の免疫や薬剤の代謝との関連性等についての研究が進んでいます。
(※25)ネオアンチゲン樹状細胞療法
     がん細胞に生じた体細胞変異に由来する新規抗原(ネオアンチゲン)は、正常細胞に
      は発現していません。   そのため、非自己の抗原として非常に強い免疫反応を引き起こ
      すと考えられています。ネオアンチゲン由来のペプチドを利用する樹状細胞療法は、
      ネオアンチゲン樹状細胞療法と呼ばれています。
(※26)TCR遺伝子導入T細胞療法
     T細胞は、 がん細胞がHLA分子上に提示しているペプチドをT細胞受容体  (TCR)を介
      して認識すると、活性化され、がん細胞を傷害します。がん細胞に由来するペプチド
      を認識するTCRを同定し、遺伝子導入によって同じTCRを発現するT細胞を大量に調
      製したのち体内に投与する治療法は、TCR遺伝子導入T細胞療法と呼ばれています。
(※27)ペプチド特異的T細胞
     がん細胞表面のHLA分子上に提示されたペプチドを認識し、    がん細胞を直接傷害する
      T細胞です。
(※28)免疫チェックポイント阻害剤
     がん細胞は免疫抑制分子を作り出し、免疫細胞の機能を抑制し、免疫細胞からの攻撃
      を逃れる仕組みを持っています。    免疫チェックポイント阻害剤は、免疫抑制分子に結
      合し、免疫細胞の機能抑制を解除する抗体です。これによって、免疫細胞ががん細胞
      を攻撃するようになります。
(※29)樹状細胞療法
     がん細胞由来の抗原を提示した樹状細胞(免疫細胞の一種、がん細胞のような異物を
      細胞内に取り込み、  取り込んだ細胞由来のタンパク質断片を細胞表面に出し、   他の免
      疫細胞に提示することで免疫反応を誘導します)    を大量に調製し、体内へ投与する治
      療法です。がん細胞を認識するT細胞が効率よく誘導され、抗腫瘍効果を発揮するこ
      とが期待されます。
(※30)mRNA、cDNA、RNA
     RNAはリボ核酸、mRNAはRNAのうち、メッセンジャーすなわち「伝令」の役割をす
      るものであります。  人間の体は約60兆個の細胞によって作られていますが、 体の構造
      や働きはおもにタンパク質によって決まっております。    そのタンパク質の設計図は遺
                     9
         伝子であり、そして、遺伝子の本体はDNAであります。このDNAは細胞の核の中に
         ある染色体に存在しておりますが、タンパク質は設計図であるDNAから直接作られ
         るのではなく、一旦、DNAからRNAが作られ、そのRNAが翻訳されてタンパク質と
         なります。この一旦作られるRNAを「伝令」すなわちメッセンジャーRNA(mRNA)
         といいます。 つまり、遺伝子情報の流れはDNA→mRNA→タンパク質というようにな
         っております。cDNAは、mRNAから逆転写酵素を用いた逆転写反応によって合成さ
         れたDNAで、イントロンを含まない状態の遺伝子 (塩基配列) を知ることができるこ
         とから、遺伝子のクローニングに広く利用されております。

3.本新株予約権の商品性及び資金調達方法の選択理由
(1)本新株予約権の商品性
   本新株予約権の発行による資金調達(以下「本スキーム」という。)においては、割当予定先
  に対して行使価額修正条項付新株予約権350,000個を第三者割当により発行いたします。         当社にと
  っては、割当予定先からの本新株予約権の権利行使の都度、資金調達及び資本増強が行われる仕
  組みとなっております。
   本新株予約権の行使価額は、      当初123円ですが、修正日に、算定基準日の東京証券取引所におけ
  る当社普通株式の普通取引の終値の92%に相当する金額(円位未満小数第2位まで算出し、その
  小数第2位を切り上げる。)に修正されます。ただし、かかる修正後行使価額が下限行使価額を
  下回ることとなる場合には、修正後行使価額は下限行使価額とします。
   割当予定先は、当社の取締役会の承認がない限り、本新株予約権買取契約に基づき割当てを受
  けた本新株予約権を当社以外の第三者に譲渡することはできません。
   割当予定先は、本新株予約権を譲渡する場合には、あらかじめ譲渡先となる者に対して、当社
  との間で譲渡制限の内容を約束させ、また、譲渡先となる者がさらに第三者に譲渡する場合にも
  当社に対して同様の内容を約束させるものとします。
   なお、本新株予約権には、当社の決定により本新株予約権の全部の取得を可能とする条項が設
  けられています。
   また、当社は、割当予定先との間で、金融商品取引法に基づく本新株予約権の募集に係る届出
  の効力発生後に、本新株予約権買取契約を締結するとともに、下記概要の覚書を締結する予定で
  す。
  ① 覚書に基づく行使停止について
     当社は、当社取締役会又は取締役会の包括委任決議により取締役会から委任を受けた代表取
    締役社長の決定により、割当予定先に対し、何度でも、本新株予約権を行使することができな
    い期間を指定する旨の通知(以下「行使停止要請通知」という。)を行うことができます。
     行使停止要請通知において、当社は割当予定先に本新株予約権について権利行使することが
    できない期間(以下「行使停止期間」という。)を指定します。当社が行使停止要請通知を行
    った場合には、割当予定先は、行使停止期間において本新株予約権を行使することができませ
    ん。また、当社は、割当予定先による行使停止要請通知の受領後も、当社取締役会又は取締役
    会の包括委任決議により委任を受けた代表取締役社長の決定により、当該通知を撤回し又は変
    更することができます。
     なお、いずれの行使停止期間の開始日も、2021 年4月 30 日以降の日とし、いずれの行使停
    止期間の終了日も、2023 年3月 31 日以前の日とします。
     また、当社が、行使停止要請通知を行うこと又は行使停止要請通知を撤回あるいは変更する
    ことを決定した場合には、当社は、その都度その旨開示するものとします。
  ② 覚書に基づく取得請求について
     2022 年4月 28 日(同日を含む。)以降のいずれかの取引日に、東京証券取引所における当
    社普通株式の普通取引の終値が本新株予約権の下限行使価額を下回った場合において、当該取
    引日以降の取引日、又は 2023 年3月 31 日(同日を含む。)以降 2023 年4月 10 日(同日を含
    み、かつ、同日必着とする。)までの期間内の取引日のいずれかにおいて、割当予定先は、当
    社に対し、本新株予約権の取得を請求する旨の通知(以下「取得請求通知」という。)を行う
    ことができます。

                            10
 割当予定先が取得請求通知を行った場合には、当社は、取得請求通知を受領した日から3週間以内
に本新株予約権の発行要項に従い、本新株予約権の払込金額と同額の金銭を支払うことにより残存す
る本新株予約権の全部を取得しなければなりません。

(2)資金調達方法の選択理由
 当社は、割当予定先を含む複数の証券会社からの資本性調達手法及び金融機関からの借入等の負債
性調達手法を含めた資金調達の手法について提案を受けましたが、下記「(本スキームの特徴)」、
「(本スキームのデメリット)」及び「(他の資金調達方法との比較)」に記載のとおり、当該提案
を含む他の資金調達方法について総合的に勘案した結果、割当予定先より提案を受けた本スキームに
よる資金調達方法では、当社の判断により行使停止要請通知を行うことにより、新株予約権の行使数
量及び時期を一定程度コントロールすることができるとともに、一時に大幅な株式価値の希薄化が生
じることを抑制することが可能であり、既存株主の利益に配慮しながら当社の資金ニーズに対応しう
ることから、現時点における最良の選択であると判断しました。なお、本スキームのデメリットであ
る実際の調達額が予定を下回る場合においても、自己資金等で賄うといった対応も可能であるため、
当社は現時点では当該デメリットを許容できるものと考えております。
 (本スキームの特徴)
 ① 当社の資金需要や株価動向を総合的に判断した上で、行使停止要請通知を行うことにより本新
    株予約権の行使に一定のコントロールを及ぼすことができること。
 ② 本新株予約権の目的である当社普通株式数は 35,000,000 株で一定であるため、株価動向によら
    ず、最大増加株式数は限定されていること(2021 年3月 31 日現在の発行済株式数 176,332,000
    株及び 2021 年3月 31 日現在の総議決権数 1,763,177 個に対する最大希薄化率は、それぞれ
    19.85%及び 19.85%)。
 ③ 当社の判断により、本新株予約権の払込金額と同額の金銭を支払うことで、本新株予約権の全
    部を取得することができること。
 ④ 割当予定先は、本新株予約権の行使により取得する当社普通株式を長期間保有する意思を有し
    ておらず、また、当社の経営に関与する意図を有していないこと。
 ⑤ 割当予定先は、本新株予約権の行使により取得する当社普通株式に関連して株券貸借に関する
    契約を締結する予定はないこと。
 (本スキームのデメリット)
 ① 市場環境に応じて、行使完了までには一定の期間が必要となること。
 ② 株価が下落した場合、株価に連動して行使時の払込価額が下方に修正されるため、実際の調達
    額が当初の予定額を下回る可能性があること。
 ③ 株価が下限行使価額を下回って推移した場合、行使が進まず調達ができない可能性があること。
 (他の資金調達方法との比較)
 ① 公募増資による新株の発行は、資金調達が一時に可能となりますが、同時に1株当たり利益の
    希薄化をも一時に引き起こすため、     株価に対する直接的な影響が大きいと考えられます。     一方、
    本新株予約権の行使価額は、修正日に、算定基準日の東京証券取引所における当社普通株式の
    普通取引の終値の 92%に相当する金額に修正されることから、複数回による行使及び行使価
    額の分散が期待されるほか、行使停止要請通知により行使時期を一定程度コントロールするこ
    とができるため、株価に対する一時的な影響が小さいと考えられること。
 ② 株価に連動して転換価額が修正される転換社債型新株予約権付社債(いわゆる「MSCB」)に
    ついては、その発行条件及び行使条件等は多様化しているものの、一般的には、転換により交
    付される株数が転換価額に応じて決定されるという構造上、転換の完了まで転換により交付さ
    れる株式総数が確定しないため、株価に対する直接的な影響が大きいと考えられますが、本ス
    キームでは、本新株予約権の目的である株式の総数が一定であるため、株価動向によらず、最
    大増加株式数は限定されていること。
 ③ 他の行使価額修正型の新株予約権については、様々な商品設計が考えられます。例えば、権利
    行使価額が固定の新株予約権では、株価が権利行使価額を上回らない限り、権利行使が進捗せ
    ず資金調達目的が達成できないことが懸念されます。加えて、株価上昇時には当社はその株価
    上昇メリットを享受できません。
 ④ 第三者割当てによる新株の発行は、資金調達が一時に可能となりますが、同時に1株当たり利
                           11
   益の希薄化をも一時に引き起こすため、株価に対する直接的な影響が大きいと考えられます。
   一方、本新株予約権の行使価額は、上記①に記載のとおり、修正日に算定基準日の東京証券取
   引所における当社普通株式の普通取引の終値の 92%に相当する金額に修正されることから、
   複数回による行使及び行使価額の分散が期待されるほか、行使停止要請通知により行使時期を
   一定程度コントロールすることができるため、株価に対する一時的な影響が小さいと考えられ
   ること。
   また、現時点では新株の適当な割当先が存在しないこと。
 ⑤ 株主全員に新株予約権を無償で割当てることによる増資、いわゆるライツ・イシューには当社
   が金融商品取引業者と元引受契約を締結するコミットメント型ライツ・イシューと、当社が金
   融商品取引業者との元引受契約を締結せず新株予約権の行使は株主の決定に委ねられるノン
   コミットメント型ライツ・イシューがあります。
   コミットメント型ライツ・イシューについては国内で実施された実績が乏しく、資金調達手法
   としてまだ成熟が進んでいない段階にあります。また、ノンコミットメント型ライツ・イシュ
   ーについては、当社は最近2年間において経常赤字を計上しており、東証の定める有価証券上
   場規程第 304 条第1項第3号aに規定される基準を満たさないため、実施することができませ
   ん。このため、株主割当(ライツ・イシュー)による資金調達は適切でないと判断いたしまし
   た。
 ⑥ 借入れによる資金調達は、収益の安定性、担保力、現在の収益力が重視される傾向があり実際
   の調達には困難が伴うこと、また、調達金額が負債となるため、財務健全性の低下が見込まれ
   ますが、本スキームは資本性調達であるため、財務健全性の低下は見込まれないこと。

4.調達する資金の額、使途及び支出予定時期
(1)調達する資金の額(差引手取概算額)
   払込金額の総額(円)           発行諸費用の概算額(円)                   差引手取概算額(円)
        4,317,250,000                 20,000,000               4,297,250,000
(注)1.払込金額の総額は、本新株予約権の発行価額の総額(12,250,000 円)に本新株予約権の行使
     に際して出資される財産の価額の合計額(4,305,000,000 円)を合算した金額であります。な
     お、本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額の合計額は、当初行使価額で全ての
     本新株予約権が行使されたと仮定した場合の金額です。
   2.本新株予約権の行使価額が修正又は調整された場合には、本新株予約権の行使に際して出資
     される財産の価額の合計額は増加又は減少します。また、本新株予約権の行使期間内に行使
     が行われない場合及び当社が取得した本新株予約権を消却した場合には、本新株予約権の行
     使に際して出資される財産の価額の合計額及び発行諸費用の概算額は減少します。
   3.発行諸費用の概算額には、消費税及び地方消費税は含まれておりません。
   4.発行諸費用の概算額は、弁護士費用、新株予約権評価費用及びその他事務費用(有価証券届出
     書作成費用及び変更登記費用等)の合計額であります。

(2)調達する資金の具体的な使途
 上記差引手取概算額 4,297,250,000 円について、具体的な使途及び支出予定時期は以下のとおりで
す。

                                                    金額
       具体的な使途             開発パイプライン                            支出予定時期
                                                   (百万円)
 ①創薬研究領域における研究開発費                 -                   1,552
                         低分子医薬
                         OTS167                               2021 年4月~
 ②医薬開発領域における研究開発費        がんワクチン                       2,498   2024 年3月
                         S-588410
                         抗体医薬
                             12
                        OTSA101

③がんプレシジョン医療関連事業にお                                2021 年4月~
                                  -       247
  ける経費及び研究開発費                                    2023 年3月
                  合計                     4,297      -


  ①    創薬研究領域における研究開発費
       創薬研究領域では、基礎研究領域により同定された創薬ターゲットについて、主としてがん
      特異的タンパク質を標的とする低分子医薬及びがんペプチドワクチンならびに新型コロナウ
      イルス感染症(COVID-19)の感染制御及び重症化の抑制を目指したペプチドワクチンの研究
      開発に係るラボの維持管理費用、外注費及び人件費をはじめとした経費等を含む研究開発費に
      充当し、新規開発候補物質の創製を加速させ開発パイプラインのより一層の拡充を図ってまい
      ります。なお、研究開発の対象の詳細については、上記「2.募集の目的及び理由 (資金調達
      の目的) (a)「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業 <創薬研究領域>」
      をご参照ください。

  ②    医薬開発領域における研究開発費
       医薬開発領域では、創薬研究の結果得られた医薬品候補物質のうち OTS167、S-588410 及び
      OTSA101 等の開発パイプラインの医薬開発に係る臨床試験実施又は臨床試験準備 のための外
      注費や人件費をはじめとした経費等を含む研究開発費に充当し、上市を目指して、当社グルー
      プ独自で又は提携先と共同で臨床開発を実施してまいります。なお、研究開発の対象となる医
      薬品候補物質の詳細については、上記「2.募集の目的及び理由 (資金調達の目的) (a)
      「医薬品の研究及び開発」並びにこれらに関連する事業 <医薬開発領域>」の各項目をご参
      照ください。

  ③    がんプレシジョン医療関連事業における経費及び研究開発費
       がんプレシジョン医療関連事業については、当社から当社子会社である CPM 社への投融資
      を通じて、がん細胞の詳細な遺伝子解析サービス(全エクソームシーケンス解析、RNA シーケ
      ンス解析、ネオアンチゲン解析等)、血中のがん細胞を早期検出するためのリキッドバイオプ
      シーといったがん遺伝子の大規模解析検査等の共同研究及び外部から受託する検査事業に係
      る、ラボ維持費用、消耗品等の購入費用、人件費等の経費並びに、TCR/BCR レパトア解析、T
      免疫反応解析等の解析サービスの共同研究や事業化に加えて、ネオアンチゲン樹状細胞療法及
      び TCR 導入 T 細胞療法等の新しい個別化がん免疫療法の研究開発等に係る、ラボ維持費用や
      人件費等の経費を含む研究開発費に充当し、 日本における   「がんプレシジョン医療」をより普
      及、加速させ、がんプレシジョン医療関連事業の拡大により CPM 社の収益向上・拡大を図っ
      てまいります。なお、がんプレシジョン医療関連事業の詳細については、上記「2.募集の目的
      及び理由 (資金調達の目的) (b)がんプレシジョン医療関連事業」をご参照ください。

(注)1.差引手取概算額については、上記のとおり支出する予定であり、支出時期までの資金管理に
     ついては、当社の銀行預金等での安定的な金融資産で運用保管する予定でおります。
   2.上記資金使途は、2024 年3月までの資金使途の内訳を記載したものでありますが、資金調達
     額や調達時期は本新株予約権の行使状況により影響を受けることから、上記資金使途及びそ
     の内訳については、変更される可能性があります。
   3.手取金が権利行使の未行使等により当初の想定額より下回る場合には、上記の具体的使途①
     ないし③に、支出時期の早いものから順に充当し、残りは自己資金等で賄う予定です。
   4.調達金額が上記支出予定金額を超過した場合には、2024 年4月以降の上記①~③の研究開発
     の進捗状況を総合的に判断した上で、各資金使途に充当する予定です。
   5.開発パイプラインには、本日(2021 年4月 12 日)現在、当社グループが公表している医薬
     品候補物質のうち、今回の調達資金により研究開発を行う医薬品候補物質の一部を記載して
     おり、今後の研究開発の進捗により、記載していない医薬品候補物質の研究開発に充当する
     可能性があります。
                             13
5.資金使途の合理性に関する考え方
 上記「2.募集の目的及び理由」に記載のとおり、今回調達する資金は今後の当社グループの収益の
改善・向上に寄与するもので、かかる資金使途は合理的なものであると考えております。したがって、
今回の資金調達は、中長期的な企業価値の向上により既存株主の皆様の利益にも資するものと考えて
おります。

6.発行条件等の合理性
 (1)発行価格の算定根拠及び発行条件の合理性に関する考え方
    当社は、本新株予約権の発行要項及び割当予定先との間で締結する予定の本新株予約権買取契
   約及び覚書に定められた諸条件を考慮した本新株予約権の価格の評価を第三者算定機関である
   株式会社赤坂国際会計(代表者:黒崎知岳、住所:東京都港区元赤坂一丁目1番8号)   (以下「赤
   坂国際会計」という。)に依頼しました。当該機関は、本新株予約権の発行要項及び割当予定先
   との間で締結する予定の本新株予約権買取契約及び覚書に定められた諸条件を考慮し、一般的な
   価格算定モデルであるモンテカルロ・シミュレーションを基礎として、評価基準日の市場環境、
   当社の株価(123円)、当社株式のボラティリティ(64.3%)、配当利回り(0%)、無リスク利
   子率(△0.1%)、当社株式の流動性、当社の資金調達需要、割当予定先の権利行使行動及び割当
   予定先の株式保有動向等を考慮した一定の前提(当社の資金調達需要が一様に発生すること、資
   金調達需要が発生している場合には当社による行使停止要請通知がなされないこと、当社からの
   通知による本新株予約権の取得が行われないこと、割当予定先は行使停止要請通知のない場合に
   株価が権利行使価額を上回っている限り市場出来高の一定割合の範囲内で速やかに権利行使及
   び売却を実施すること、割当予定先が本新株予約権を行使する際に、当社がその時点で公募増資
   等を実施したならば負担するであろうコストと同水準の割当予定先に対するコストが発生する
   こと等)を仮定して評価を実施しました。
    その結果、本新株予約権1個当たりの評価額は35円と算定され、当社は、これを参考として本
   新株予約権1個当たりの払込金額を、上記評価額と同額となる金35円と決定しました。
    また、本新株予約権の当初行使価額は、当該発行に係る取締役会決議日の直前取引日(2021年
   4月9日)の当社普通株式の普通取引の終値に相当する金額としており、その後の行使価額も、
   本新株予約権の各行使請求の効力発生日の直前取引日の当社普通株式の普通取引の終値の92%
   に相当する金額に修正されるものの、その価額は本新株予約権の下限行使価額である74円を下回
   ることはありません。  なお、下限行使価額は、発行決議日直前取引日の当社普通株式の終値の60%
   に相当する金額で設定されており、最近6ヶ月間及び発行決議日直前取引日の当社株価と比べて
   過度に低い水準となることはないことから、特に不合理な水準ではないと考えております。当社
   は、本新株予約権の払込金額が、かかる行使価額を踏まえて決定されていることに照らしても、
   本新株予約権の払込金額は適正な価額であると考えております。
    また、当社監査役全員より、赤坂国際会計は当社と顧問契約関係になく、当社経営陣から一定
   程度独立していると認められること、赤坂国際会計は割当予定先から独立した立場で評価を行っ
   ていること、赤坂国際会計による本新株予約権の価格の評価については、その算定過程及び前提
   条件等に関して赤坂国際会計から説明又は提出を受けたデータ・資料に照らし、当該評価は合理
   的なものであると判断できることに加え、本新株予約権の払込金額は赤坂国際会計によって算出
   された評価額と同額であることから、割当予定先に特に有利ではなく、法令に違反する重大な事
   実は認められず、適法であると判断している旨の意見を受領しています。

 (2)発行数量及び株式の希薄化の規模の合理性に関する考え方
     今回の資金調達により、2021年3月31日現在の発行済株式数176,332,000株に対して最大19.85%、
   2021年3月31日現在の総議決権数1,763,177個に対して最大19.85%の希薄化が生じます。しかしな
   がら、当該資金調達により、上記「2.募集の目的及び理由」に記載のとおり、今後収益の向上を
   図り、企業価値の増大を目指していくことを考えており、今回の資金調達はそれに伴う希薄化を
   考慮しても既存株主の株式価値向上に寄与するものと考えられ、発行数量及び株式の希薄化の規
   模は合理的であると当社は判断しました。
                            14
 なお、新株予約権の目的である当社普通株式数の合計35,000,000株に対し、当社普通株式の過去
6ヶ月間における1日当たり平均出来高は2,610,818株であるが、本新株予約権は当社の資金需要
に応じて行使をコントロール可能であり、かつ当社の判断により新株予約権を取得することも可
能であることから、本新株予約権の発行は、市場に過度の影響を与える規模ではなく、希薄化の
規模も合理的であると判断しました。




                      15
7.割当予定先の選定理由等
 (1)割当予定先の概要
                                               (2020 年 9 月 30 日現在)
 (1)  名             称    大和証券株式会社
 (2)  所      在      地    東京都千代田区丸の内一丁目 9 番 1 号
 (3)  代表者の役職・氏名          代表取締役社長 中田 誠司
 (4)  事   業    内    容    金融商品取引業
 (5)  資      本      金    1,000 億円
 (6)  設 立 年 月 日          平成 4 年 8 月 21 日
 (7)  発 行 済 株 式 数        810,200 株
 (8)  決      算      期    3 月 31 日
 (9)  従   業    員    数    9,428 名
 (10) 主 要 取 引 先          投資家及び発行体
 (11) 主 要 取 引 銀 行        株式会社三井住友銀行、三井住友信託銀行株式会社
 (12) 大株主及び持株比
                         株式会社大和証券グループ本社 100%
             率
 (13) 当 事 会 社 間 の 関 係
                         割当予定先が保有している当社の株式の数:1,261,700 株(2021 年 3
         資   本   関   係
                         月 31 日現在)
                         当社が保有している割当予定先の株式の数:0 株

         人   的   関   係   該当事項はありません。

         取   引   関   係   当社の主幹事証券会社であります。

      関連当事者への
                  該当事項はありません。
      該   当  状  況
 (14) 最近 3 年間の経営成績及び財政状態(単体) (単位:百万円。特記しているものを除く。)

 決           算       期     2018 年 3 月期        2019 年 3 月期       2020 年 3 月期

     純       資       産              801,022           772,281           744,927
     総       資       産           11,682,900         9,832,825        11,980,325

   1 株当たり純資産(円)       988,672.20 953,198.18 919,436.73
   営    業   収  益        358,835    332,374     298,652
   営    業   利  益          85,554     53,336     29,305
   経    常   利  益          86,664     53,710     29,788
   当   期  純  利 益          64,436     38,297     11,646
   1 株当たり純利益(円)        79,531.48  47,269.49  14,374.46
   1 株当たり配当額(円)           79,531     47,269     14,374
(注) 割当予定先は、東京証券取引所の取引参加者であるため、東京証券取引所に対しては反社会的勢
    力に該当しないことに関する確認書の提出はしていません。
    割当予定先の親会社である株式会社大和証券グループ本社は東京証券取引所及び株式会社名古
    屋証券取引所に上場しており、また、「反社会的勢力への対応の基本方針」を策定し、反社会的
    勢力との関係断絶に努めていることを公表しております。当社はその文面を入手し、当該文面の
    内容を確認しております。さらに、警察等関係機関、法律関係者等と連携を密にして情報収集を
    行う一方で、対外諸手続き面においても反社会的勢力との「関係遮断の徹底」の充実を図ってい
    ること等を、割当予定先との面談によるヒアリングにおいて確認しております。また、同社は、
    上場企業が発行会社となる株式の公募の引受や新株予約権等の第三者割当てによる引受の実例
    を多数有しております。これらにより、当社は、割当予定先は反社会的勢力等の特定団体等とは
                                      16
  何らの関係も有しないものと判断しております。

(2)割当予定先を選定した理由
 当社は、本資金調達にあたり、 上記「3.本新株予約権の商品性及び資金調達方法の選択理由 (2)
資金調達方法の選択理由」に記載のとおり、割当予定先である大和証券株式会社から提案のあった本
スキーム及び他の金融機関からの提案を含め、資本性調達手法のみならず、負債性調達手法を含めた
様々な手法について検討を行ってきましたが、当社の判断によって希薄化をコントロールしつつ資金
調達や自己資本増強を行い、資金調達の機動性や蓋然性を確保したいという当社のニーズを充足し得
るファイナンス手法として、同社より提案を受けた本新株予約権の発行による資金調達が最適である
と判断したため、同社を割当予定先とする第三者割当てを行うこととしました。
 また、同社が、①主幹事証券会社として当社と良好な関係を構築してきたこと、②国内外に厚い投
資家基盤を有しているため、当社株式に対する機関投資家をはじめとする投資家の多様な需要に基づ
き、今回発行を予定している新株予約権の行使により交付する株式の円滑な売却が期待されること、
③本スキームの特徴を備える商品に関する知識が豊富であること、④今回の資金調達の実施にあたり
十分な信用力を有すること等を総合的に勘案し、同社を割当予定先として選定いたしました。
 なお、本新株予約権の発行は、日本証券業協会会員である大和証券株式会社による買受けを予定す
るものであり、日本証券業協会の定める「第三者割当増資等の取扱いに関する規則」の適用を受けて
募集が行われるものです。

(3)割当予定先の保有方針及び行使制限措置
 本新株予約権について、当社と割当予定先との間で、継続保有及び預託に関する取り決めはありま
せん。また、本新株予約権買取契約において、本新株予約権の譲渡に当社取締役会の承認が必要であ
る旨が定められる予定です。
 当社は、割当予定先より本新株予約権の行使により取得する当社株式を長期間保有する意思を有し
ておらず、取得した当社株式については速やかに売却する予定である旨の報告を口頭で受けておりま
す。
 また、当社は、株式会社東京証券取引所の定める有価証券上場規程第 434 条第 1 項及び同施行規則
第 436 条第 1 項から第 5 項までの定めに基づき、割当予定先と締結する本新株予約権買取契約におい
て、原則として、単一暦月中に MSCB 等(同規則に定める意味を有する。以下同じ。)の買受人の行
使により取得される株式数が、MSCB 等の払込期日時点における当社の上場株式数の 10%を超える
場合には、当該 10%を超える部分に係る転換又は行使を制限するよう措置      (割当予定先が本新株予約
権を第三者に売却する場合及びその後本新株予約権がさらに転売された場合であっても、当社が、転
売先となる者との間で、      当該 10%を超える部分に係る転換又は行使を制限する内容を約する旨定める
ことを含みます。)を講じる予定です。

(4)割当予定先の払込みに要する財産の存在について確認した内容
 当社は、割当予定先が 2020 年 12 月 11 日付で関東財務局長宛に提出した半期報告書(第 29 期中)
に記載された 2020 年 9 月 30 日現在の中間貸借対照表により、割当予定先が本新株予約権の発行価額
の総額の払込み及び本新株予約権の行使に要する充分な現預金        (1,446,710 百万円)及びその他の流動
資産(4,984 百万円)を保有していることを確認したことから、当社としてかかる払込み及び行使に
支障はないと判断しております。また、本日現在においても、割当予定先からは、本新株予約権の発
行価額の総額の払込み及び本新株予約権の行使に要する充分な現預金及びその他の流動資産を保有
している旨の報告を口頭で受けております。

(5)株券貸借に関する契約
 本新株予約権の発行に伴い、本新株予約権の割当予定先は、本新株予約権の権利行使により取得す
ることとなる当社普通株式の数量の範囲内で行う売付け等以外の本件に関わる空売りを目的として、
当社普通株式の借株は行いません。

(6)その他
 上記「3.本新株予約権の商品性及び資金調達方法の選択理由 (1)本新株予約権の商品性」及び
                            17
 「3.本新株予約権の商品性及び資金調達方法の選択理由 (2)資金調達方法の選択理由」に記載の
 内容以外に、当社は、割当予定先との間で、本新株予約権買取契約の締結日以降、2021 年 10 月 24 日
 までの間、本新株予約権が存する限り、割当予定先の事前の書面による承諾なくして、当社普通株式
 若しくはその他の株式又は当社普通株式若しくはその他の株式に転換若しくは交換可能であるか若
 しくはこれらを受領する権利を有する一切の有価証券の発行、募集、販売、販売の委託、買取オプシ
 ョンの付与等を以下の場合を除き行わない旨を合意する予定です。
  ① 発行済普通株式の全株式について、株式分割を行う場合。
  ② ストックオプションプランに基づき、当社の普通株式を買い取る、取得する若しくは引き受け
    る権利を付与する場合又は当該権利の行使若しくは当社普通株式に転換される若しくは転換で
    きる証券の転換により普通株式を発行若しくは処分する場合。
  ③ 本新株予約権を発行する場合及び本新株予約権の行使により当社普通株式を発行又は処分する
    場合。
  ④ 本新株予約権と同時に本新株予約権以外の新株予約権を発行する場合及び当該新株予約権の行
    使により当社普通株式を発行又は処分する場合。
  ⑤ 合併、株式交換、株式移転、会社分割等の組織再編行為に基づき又は事業提携の目的で、当社の
    発行済株式総数の 5%を上限として普通株式を発行又は処分する場合。

8.大株主及び持株比率

                       募集前(2021 年 3 月 31 日現在)
                                                             持株比率
                  氏名                        持株数(株)
                                                             (%)
 中村    祐輔                                       12,511,000      7.10
 特定有価証券信託受託者
                                                 7,300,000      4.14
 株式会社 SMBC 信託銀行
 中鶴    修一                                        5,850,000      3.32

 古川    洋一                                        3,943,000      2.24

 荒川    博文                                        2,500,000      1.42

 SMBC 日興証券株式会社                                   1,950,400      1.11

 大和証券株式会社                                        1,261,700      0.72

 今村均                                              966,000       0.55

 モルガン・スタンレーMUFG 証券株式会社                            963,938       0.55
 BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG
 (バンク オブ ニューヨーク ジーシーエム クライア
                                      887,200 0.50
 ント アカウント ジエイピーアールデイ アイエスジー
 エフイーエイシー)
(注)1.2021年3月31日現在の株主名簿に基づき記載しております。
     2.割当予定先である大和証券株式会社は本新株予約権の行使により取得する当社普通株式につ
       いては長期保有を約していないため、本新株予約権の募集に係る潜在株式数を反映した「募
       集後の大株主及び持株比率」を表示していません。
     3.「持株比率」は、小数点以下第 3 位を四捨五入しております。


9.今後の見通し
  今回の資金調達による 2022 年 3 月期の当社の業績に与える影響は、軽微であります。

10.企業行動規範上の手続き
  本新株予約権の発行規模は、上記「6.発行条件等の合理性 (2)発行数量及び株式の希薄化の規
                                 18
模が合理的であると判断した根拠」に記載のとおりであり、2021 年3月 31 日現在の発行済株式数に
対して最大 19.85%、2021 年3月 31 日現在の総議決権数 1,763,177 個に対して最大 19.85%の希薄化が
生じます。このため、   ①希薄化率が 25%未満であること、    ②支配株主の異動を伴うものでないこと         (本
新株予約権全てが権利行使された場合であっても、支配株主の異動が見込まれるものではないこと)
から、株式会社東京証券取引所の定める有価証券上場規程第 432 条に定める経営者から一定程度独立
した者より当該割当ての必要性及び相当性に関する意見の入手並びに株主の意思確認手続きは要し
ません。


11.最近 3 年間の業績及びエクイティ・ファイナンスの状況
(1)最近 3 年間の業績(連結)                                                    (単位:千円)
                        2018 年 3 月期           2019 年 3 月期        2020 年 3 月期
事     業     収     益              211,251               280,586            316,215
営     業     損     失          △2,988,595            △2,953,776         △2,189,664
経     常     損     失          △2,977,177            △2,959,032         △2,197,193
親 会 社 株 主 に 帰 属 す る
                             △2,851,092            △2,934,960         △2,238,558
当   期    純    損   失
1 株当たり当期純損失(円)                   △19.39                △19.90            △13.73
1 株当たり配当金(円)                         ―                     ―                 ―
1 株当たり純資産(円)                      47.44                 30.32             25.81

(2)現時点における発行済株式数及び潜在株式数の状況(2021 年 3 月 31 日現在)
                    株 式 数            発行済株式数に対する比率
 発  行  済  株   式  数       176,332,000          100.00%
 現時点の転換価額(行使価額)
                             555,000            0.31%
 に お け る 潜 在 株 式 数
 下限値の転換価額(行使価額)
                                  ―                 ―
 に お け る 潜 在 株 式 数
 上限値の転換価額(行使価額)
                                  ―                 ―
 に お け る 潜 在 株 式 数
(注)上記潜在株式数は、当社のストック・オプションに係る潜在株式数です。

(3)最近の株価の状況
  ① 最近 3 年間の状況
                   2019 年 3 月期             2020 年 3 月期           2021 年 3 月期
    始  値             215        135                                             62
    高  値             217        136                                            229
    安  値             108         50                                             59
    終  値             135         62                                            123
(注)各株価は、東京証券取引所(マザーズ)におけるものであります。

  ② 最近 6 か月間の状況
                  2020 年           2021 年
                           12 月             2月    3月                     4月
                   11 月             1月
    始    値             131     127      116   134   131                        128
    高    値             141     145      144   138   134                        137
    安    値             121     109      113   127   114                        121
    終    値             126     115      136   130   123                        123
(注)1.各株価は、東京証券取引所(マザーズ)市場におけるものであります。
   2.2021 年 4 月の株価については、2021 年 4 月 9 日現在で表示しております。

                                   19
 ③   発行決議日前取引日における株価
               2021 年 4 月 9 日
     始  値                     121
     高  値                     124
     安  値                     121
     終  値                     123

(4)最近 3 年間のエクイティ・ファイナンスの状況
   第三者割当による行使価額修正条項付第30回新株予約権の発行
   割         当         日 2019年1月15日
   発 行 新 株 予 約 権 数 293,000個
   発     行      価      額 新株予約権1個当たり41円(総額12,013,000円)
   発 行 時 に お け る
   調 達 予 定 資 金 の 額 3,182,713,000円
   ( 差 引 手 取 概 算 額 )
   割         当         先 大和証券株式会社
   募集時における発行済株式数 147,032,000株
   当該 募集によ る潜在株式 数 潜在株式数:29,300,000株
                         上限行使価額はありません。
                         下限行使価額は66円ですが、下限行使価額においても、潜在株
                         式数は、29,300,000株です。
   現 時 点 に お け る 行 使 状 況 行使済株式数:29,300,000株
   現 時 点 に お け る
   調 達 し た 資 金 の 額 2,740,062,330円
   ( 差 引 手 取 概 算 額 )
   発 行 時 に お け る ① 創薬研究領域における研究開発費(979,000,000円)
   当 初 の 資 金 使 途 ② 医薬開発領域における研究開発費(1,812,000,000円)
                         ③ がんプレシジョン医療関連事業における経費及び研究開発
                           費(392,000,000円)
   現 時 点 に お け る ① 創薬研究領域における研究開発費(979,000,000円)
   資     金      使      途 ② 医薬開発領域における研究開発費(1,812,000,000円)
                         ③ がんプレシジョン医療関連事業における経費及び研究開発
                         費(392,000,000円)
   発行時における支出予定時期 ①2019年1月~2022年3月
                         ②2019年1月~2022年3月
                         ③2019年4月~2022年3月
   現 時 点 に お け る 充 当 状 況 ① 創薬研究領域における研究開発費(842,765,000円)
                         ② 医薬開発領域における研究開発費(1,559,847,000円)
                         ③ がんプレシジョン医療関連事業における経費及び研究開
                             発費(337,450,000円)


                                                     以   上




                               20
(別紙)
              オンコセラピー・サイエンス株式会社第 31 回新株予約権
                       発 行 要 項

1.本新株予約権の名称
       オンコセラピー・サイエンス株式会社第 31 回新株予約権(以下「本新株予約権」という。)
2.申     込   期      間
       2021 年4月 28 日
3.割     当   日
       2021 年4月 28 日
4.払     込   期      日
       2021 年4月 28 日
5.募 集 の 方 法
       第三者割当ての方法により、大和証券株式会社に全ての本新株予約権を割り当てる。
6.本新株予約権の目的である株式の種類及び数
 (1)    本新株予約権の目的である株式の種類及び総数は、当社普通株式 35,000,000 株とする
   (本新株予約権1個当たりの目的たる株式の数(以下「割当株式数」という。)は 100 株と
   する。)。但し、下記第(2)号乃至第(4)号により割当株式数が調整される場合には、本新
   株予約権の目的である株式の総数は調整後割当株式数に応じて調整されるものとする。
 (2)    当社が第 11 項の規定に従って行使価額(第9項第(2)号に定義する。)の調整を行う場
   合には、割当株式数は次の算式により調整される。但し、調整の結果生じる1株未満の端数
   は切り捨てる。なお、かかる算式における調整前行使価額及び調整後行使価額は、第 11 項
   に定める調整前行使価額及び調整後行使価額とする。

                           調整前割当株式数 ×  調整前行使価額
          調整後割当株式数     =
                                 調整後行使価額

 (3)     調整後割当株式数の適用日は、当該調整事由に係る第 11 項第(2)号、第(5)号及び第
   (6)号による行使価額の調整に関し、各号に定める調整後行使価額を適用する日と同日と
   する。
 (4)     割当株式数の調整を行うときは、当社は、あらかじめ書面により、本新株予約権者に対
   し、かかる調整を行う旨並びにその事由、調整前割当株式数、調整後割当株式数及びその適
   用開始日その他必要な事項を通知する。但し、第 11 項第(2)号⑤に定める場合その他適用
   開始日の前日までに上記通知を行うことができない場合には、適用開始日以降速やかにこ
   れを行う。
7.本新株予約権の総数
       350,000 個
8.本新株予約権の払込金額
       金 35 円(本新株予約権の目的である株式1株当たり 0.35 円)




                             21
9.本新株予約権の行使に際して出資される財産の内容及び価額
 (1)    本新株予約権の行使に際して出資される財産は金銭とし、本新株予約権1個の行使に際
       して出資される財産の価額は、下記第(2)号に定める行使価額に割当株式数を乗じた額
       とするが、計算の結果1円未満の端数を生ずる場合は、その端数を切り上げるものとする。
 (2)    本新株予約権の行使に際して出資される当社普通株式1株当たりの金銭の額(以下「行
       使価額」という。)は、当初 123 円とする。但し、行使価額は第 10 項又は第 11 項に従い、
       修正又は調整される。
10.行使価額の修正
   行使価額は、第 16 項第(3)号に定める本新株予約権の各行使請求の効力発生日(以下「修
  正日」という。)に、修正日の直前取引日(同日に終値がない場合には、その直前の終値のあ
  る取引日をいい、以下「算定基準日」という。)の株式会社東京証券取引所(以下「東京証券
  取引所」という。)における当社普通株式の普通取引の終値の 92%に相当する金額(円位未
  満小数第2位まで算出し、その小数第2位を切り上げる。以下「修正後行使価額」という。)
  に修正される。なお、修正後行使価額の算出において、算定基準日に第 11 項記載の行使価額
  の調整事由が生じた場合は、当該算定基準日の東京証券取引所における当社普通株式の普通
  取引の終値は当該事由を勘案して調整されるものとする。但し、修正後行使価額が 74 円(以
  下「下限行使価額」といい、第 11 項の規定を準用して調整される。)を下回ることとなる場
  合には修正後行使価額は下限行使価額とする。
11.行使価額の調整
 (1)    当社は、当社が本新株予約権の発行後、下記第(2)号に掲げる各事由により当社の普通
   株式数に変更を生じる場合又は変更を生じる可能性がある場合には、次に定める算式(以下
   「行使価額調整式」という。)をもって行使価額を調整する。
                                        新 発 行 ・ × 1株当たりの
                              既発行       処分株式数     払 込 金 額
                                    +
          調 整 後 =   調 整 前 ×   株式数               時   価
          行使価額      行使価額
                               既発行株式数       +   新発行・処分株式数

 (2)    行使価額調整式により行使価額の調整を行う場合及び調整後の行使価額の適用時期につ
   いては、次に定めるところによる。
   ①     下記第(4)号②に定める時価を下回る払込金額をもって当社普通株式を新たに発行し
        又は当社の保有する当社普通株式を処分する場合(無償割当てによる場合を含む。)(但
        し、新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)の行使、取得請求権付株式
        又は取得条項付株式の取得、その他当社普通株式の交付を請求できる権利の行使によっ
        て当社普通株式を交付する場合及び会社分割、株式交換又は合併により当社普通株式を
        交付する場合を除く。)
         調整後の行使価額は、払込期日(募集に際して払込期間を定めた場合はその最終日と
        し、無償割当ての場合はその効力発生日とする。)以降、又はかかる発行若しくは処分に
        つき株主に割当てを受ける権利を与えるための基準日がある場合はその日の翌日以降こ
        れを適用する。


                              22
  ②    株式の分割により普通株式を発行する場合
        調整後の行使価額は、株式の分割のための基準日の翌日以降これを適用する。
  ③    下記第(4)号②に定める時価を下回る払込金額をもって当社普通株式を交付する定め
       のある取得請求権付株式又は下記第(4)号②に定める時価を下回る払込金額をもって当
       社普通株式の交付を請求できる新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを含む。)
       を発行又は付与する場合(但し、当社又はその関係会社(財務諸表等の用語、様式及び
       作成方法に関する規則第8条第8項に定める関係会社をいう。)の取締役その他の役員
       若しくは従業員又は当社の顧問若しくは社外協力者(当社の取締役その他の役員、従業
       員、顧問及び社外協力者には非居住者を含む。 に新株予約権を割り当てる場合を除く。
                            )                  )
        調整後の行使価額は、取得請求権付株式の全部に係る取得請求権又は新株予約権の全
       部が当初の条件で行使されたものとみなして行使価額調整式を適用して算出するものと
       し、払込期日(新株予約権の場合は割当日)以降又は(無償割当ての場合は)効力発生日
       以降これを適用する。但し、株主に割当てを受ける権利を与えるための基準日がある場
       合には、その日の翌日以降これを適用する。
  ④    当社の発行した取得条項付株式又は取得条項付新株予約権(新株予約権付社債に付さ
       れたものを含む。)の取得と引換えに下記第(4)号②に定める時価を下回る価額をもって
       当社普通株式を交付する場合
        調整後の行使価額は、取得日の翌日以降これを適用する。
  ⑤    本号①乃至③の場合において、基準日が設定され、かつ効力の発生が当該基準日以降
       の株主総会、取締役会その他当社の機関の承認を条件としているときには、本号①乃至
       ③にかかわらず、調整後の行使価額は、当該承認があった日の翌日以降これを適用する。
       この場合において、当該基準日の翌日から当該承認があった日までに本新株予約権の行
       使請求をした新株予約権者に対しては、次の算出方法により、当社普通株式を交付する。

                 調 整 前       調 整 後       調整前行使価額により
                         -          ×
                 行使価額        行使価額      当該期間内に交付された株式数
       株式数   =
                                  調整後行使価額
        この場合、1株未満の端数を生じたときはこれを切り捨てるものとする。
(3)    行使価額調整式により算出された調整後の行使価額と調整前の行使価額との差額が1円
  未満にとどまる場合は、行使価額の調整は行わない。但し、その後行使価額の調整を必要と
  する事由が発生し、行使価額を調整する場合には、行使価額調整式中の調整前行使価額に代
  えて調整前行使価額からこの差額を差し引いた額を使用する。
(4)①   行使価額調整式の計算については、円位未満小数第2位まで算出し、小数第2位を四捨
       五入する。
  ②    行使価額調整式で使用する時価は、調整後の行使価額が初めて適用される日に先立つ
       45 取引日目に始まる 30 取引日の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終
       値の平均値(終値のない日数を除く。)とする。この場合、平均値の計算は、円位未満小
       数第2位まで算出し、小数第2位を四捨五入する。
  ③    行使価額調整式で使用する既発行株式数は、株主に割当てを受ける権利を与えるため
       の基準日がある場合はその日、また、かかる基準日がない場合は、調整後の行使価額を

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          初めて適用する日の1ヶ月前の日における当社の発行済普通株式の総数から、当該日に
          おいて当社の保有する当社普通株式を控除した数とする。また、上記第(2)号②の場合
          には、行使価額調整式で使用する新発行・処分株式数は、基準日において当社が有する
          当社普通株式に割り当てられる当社の普通株式数を含まないものとする。
      ④   上記第(2)号①乃至④に定める証券又は権利に類似した証券又は権利が交付された場
          合における調整後行使価額は、上記第(2)号の規定のうち、当該証券又は権利に類似す
          る証券又は権利についての規定を準用して算出するものとする。
 (5)      上記第(2)号の行使価額の調整を必要とする場合以外にも、次に掲げる場合には、当社
   は、本新株予約権者と協議の上、その承認を得て、必要な行使価額の調整を行う。
      ①   株式の併合、資本の減少、会社分割、株式交換又は合併のために行使価額の調整を必要
          とするとき。
      ②   その他当社の普通株式数の変更又は変更の可能性が生じる事由等の発生により行使価
          額の調整を必要とするとき。
      ③   行使価額を調整すべき複数の事由が相接して発生し、一方の事由に基づく調整後の行
          使価額の算出にあたり使用すべき時価につき、他方の事由による影響を考慮する必要が
          あるとき。
 (6)      上記第(2)号の規定にかかわらず、上記第(2)号に基づく調整後の行使価額を初めて適
   用する日が第 10 項に基づく行使価額の修正日と一致する場合には、当社は、必要な行使価
   額及び下限行使価額の調整を行う。
 (7)      行使価額の調整を行うときは、当社は、あらかじめ書面により、本新株予約権者に対し、
   かかる調整を行う旨並びにその事由、調整前の行使価額、調整後の行使価額及びその適用開
   始日その他必要な事項を通知する。但し、上記第(2)号⑤に定める場合その他適用開始日の
   前日までに上記通知を行うことができない場合には、適用開始日以降速やかにこれを行う。
12.本新株予約権を行使することができる期間
      2021 年4月 30 日から 2023 年5月1日まで(但し、第 14 項各号に従って当社が本新株予
  約権の全部を取得する場合には、当社による取得の効力発生日の前銀行営業日まで)とする。
  但し、行使期間の最終日が銀行営業日でない場合にはその前銀行営業日を最終日とする。
13.その他の本新株予約権の行使の条件
      各本新株予約権の一部行使はできない。
14.本新株予約権の取得
(1)    当社は、本新株予約権の取得が必要と当社取締役会が決議した場合は、本新株予約権の
   払込期日の翌日以降、会社法第 273 条及び第 274 条の規定に従って、取得日の2週間前ま
   でに通知をした上で、当社取締役会で定める取得日に、本新株予約権1個当たり 35 円の価
   額で、本新株予約権者(当社を除く。)の保有する本新株予約権の全部を取得することがで
   きる。
(2)    当社は、当社が消滅会社となる合併又は当社が完全子会社となる株式交換若しくは株式
   移転(以下「組織再編行為」という。)につき当社株主総会(株主総会の決議を要しない場
   合は、取締役会)で承認決議した場合、会社法第 273 条及び第 274 条の規定に従って、取得
   日の2週間前までに通知をした上で、当社取締役会で定める取得日(但し、当該組織再編行

                             24
      為の効力発生日より前の日でなければならない。)に、本新株予約権1個当たり 35 円の価
      額で、本新株予約権者(当社を除く。)の保有する本新株予約権の全部を取得する。
(3)    当社は、当社が発行する株式が東京証券取引所により監理銘柄、特設注意市場銘柄若し
      くは整理銘柄に指定された場合又は上場廃止となった場合には、当該銘柄に指定された日
      又は上場廃止が決定した日から2週間後の日(休業日である場合には、その翌営業日とす
      る。)に、本新株予約権1個当たり 35 円の価額で、本新株予約権者(当社を除く。)の保有
      する本新株予約権の全部を取得する。
15.本新株予約権の行使により株式を発行する場合の増加する資本金及び資本準備金
      本新株予約権の行使により株式を発行する場合の増加する資本金の額は、会社計算規則第
  17 条の定めるところに従って算定された資本金等増加限度額に 0.5 を乗じた金額とし、計算
  の結果1円未満の端数を生じる場合はその端数を切り上げた額とする。増加する資本準備金
  の額は、資本金等増加限度額より増加する資本金の額を減じた額とする。
16.本新株予約権の行使請求及び払込みの方法
(1)    本新株予約権の行使は、株式会社証券保管振替機構(以下「機構」という。)又は社債、
      株式等の振替に関する法律(以下「社債等振替法」という。)第2条第4項に定める口座管
      理機関(以下「口座管理機関」という。)に対し行使請求に要する手続きを行い、第 12 項
      に記載の本新株予約権の行使期間中に機構により第 19 項に定める本新株予約権の行使請求
      受付場所(以下「行使請求受付場所」という。)に行使請求の通知が行われることにより行
      われる。
(2)    本新株予約権を行使する場合には、前号の行使請求に要する手続きに加えて、本新株予約
      権の行使に際して出資される財産の価額の全額を機構又は口座管理機関を通じて現金にて
      第 20 項に定める払込取扱場所の当社が指定する口座に振り込むものとする。
(3)    本新株予約権の行使請求の効力は、行使請求受付場所に対する行使請求に必要な全部の
      事項の通知が行われ、かつ当該本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額の全額
      が前号に定める口座に入金された日に発生する。
(4)    本新株予約権の行使請求を行った者は、その後これを撤回することができない。
17.新株予約権証券の不発行
      当社は、本新株予約権に関して、新株予約権証券を発行しない。
18.本新株予約権の払込金額及びその行使に際して出資される財産の価額の算定理由
      本発行要項並びに割当先との間で締結する予定の新株予約権買取契約及び覚書に定められ
  た諸条件を考慮し、一般的な価格算定モデルであるモンテカルロ・シミュレーションを基礎
  として、当社の株価、当社株式の流動性、割当先の権利行使行動及び割当先の株式保有動向
  等について一定の前提を置いて評価した結果を参考に、本新株予約権1個当たりの払込金額
  を金 35 円とした。さらに、本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は第9項に記
  載のとおりとし、行使価額は当初、2021 年4月9日の東京証券取引所における当社普通株式
  の普通取引の終値に相当する金額とした。
19.行使請求受付場所
      三井住友信託銀行株式会社   証券代行部



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20.払込取扱場所
      株式会社三井住友銀行   目黒支店
21.社債、株式等の振替に関する法律の適用等
      本新株予約権は、社債等振替法に定める振替新株予約権とし、その全部について同法の規
  定の適用を受ける。また、本新株予約権の取扱いについては、機構の定める株式等の振替に
  関する業務規程、同施行規則その他の規則に従う。
22.振替機関の名称及び住所
      株式会社証券保管振替機構
      東京都中央区日本橋茅場町二丁目1番1号
23.読み替えその他の措置
      当社が、会社法その他の法律の改正等、本新株予約権の発行要項の規定中読み替えその他
  の措置が必要となる場合には、当社は必要な措置を講じる。
24.その他
(1)   上記各項については、金融商品取引法による届出の効力発生を条件とする。
(2)   その他本新株予約権発行に関し必要な事項は、当社代表取締役社長に一任する。


                                           以   上




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