4564 M-OTS 2020-10-01 08:30:00
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するペプチドワクチン研究開発着手のお知らせ [pdf]

                                             2020 年 10 月 1 日
各   位
                        神 奈 川 県 川 崎 市 高 津 区 坂 戸 3 - 2 - 1
                        オンコセラピー・サイエンス株式会社
                                     代表取締役社長      朴 在賢
                               (コード番号 4564 東証マザーズ)
                             (問い合せ先)    管理本部長     木村 謙二
                                       電話番号 044‐820‐8251




新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するペプチドワクチン研究開発着手のお知らせ


 この度、当社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染制御及び重症化の抑制を目
指したペプチドワクチンの研究開発に着手し特許出願を完了しましたのでお知らせいたします。


 現在開発が進められている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの多く
は、中和抗体の誘導(液性免疫応答の惹起)を狙ったものですが、これらのワクチンの課題とし
て、(1)表面タンパクを認識するため標的が限られること(2)ウイルスの突然変異による標的
タンパクの変化への対応が難しいこと(3)抗体依存性感染増強(ADE)の懸念等が挙げられて
います。一方、過去の事例として SARS コロナウイルス (SARS-CoV) 感染経験者の体内では、
ウイルス特異的な細胞傷害性 T 細胞(CTL)を中心とした細胞性免疫応答が成立していることが
報告されており、ウイルス特異的 CTL の存在が、SARS コロナウイルス感染症の発症制御に欠
かせないことが示唆されています。したがって、新型コロナウイルス感染症でもペプチドワクチ
ンが CTL を誘導し、その CTL の一部がウイルス感染細胞を傷害する機能を維持したままメモリ
ーT 細胞として長期間体内に存在することで、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した
場合、迅速で効果的な感染制御や重症化の抑制が期待されます。また、CTL の誘導を中心とした
細胞性免疫応答の機序では中和抗体による ADE が生じる可能性は低いと考えられるため、高い
安全性も同時に期待されます。


 当社はこれまでに、がんワクチンの研究開発に取り組んできており、新規がん抗原特異的な免
疫応答の解析及び抗原認識を担う T 細胞受容体(TCR)の多様性(レパトア)解析などの研究に
も積極的に取り組んでおります。今回、そのがんワクチン研究開発で培われた解析技術を、新型
コロナウイルスのペプチドワクチン探索研究に応用し研究を進めてまいりました。具体的手法
としては、既存の遺伝子変異情報やコンピュータシミュレーションに基づき、将来起こりうる変
異の影響を受ける可能性の低いペプチドの探索を行い、ヒトタンパク質に含まれるアミノ酸配
列に類似したペプチドを対象から外すことで、ウイルス突然変異にも対応し自己免疫応答を誘


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発しない安全性の高い開発候補品を見出すことに成功しています。CTL 誘導能力が確認された
新型コロナウイルスペプチドワクチン候補に関しては、既に特許出願が完了しており、今後さら
に検討を進めてまいります。


 出願番号:特願 2020-164630
 特許名称:SARS-CoV-2 蛋白由来ペプチドおよびそれを含むワクチン
 出願特許概要 新型コロナウイルス感染制御及び重症化の抑制効果が期待されるペプチドワ
       :
 クチンに関する特許
 出願国:日本


 なお、本件による 2021 年 3 月期当社業績への影響ならびに研究開発の進捗については、判明
次第お知らせいたします。




                                             以上




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