4563 M-アンジェス 2021-03-25 08:30:00
アンジェスが共同開発するCOVID-19治療薬AV-001:第1相臨床試験で安全性と忍容性を確認し良好な結果を発表 [pdf]

 



                                                              2021 年 3 月 25 日
各 位
                                          会 社 名   アンジェス株式会社
                                          代表者名    代表取締役社長 山田 英
                                              (コード番号 4563 東証マザーズ)


    アンジェスが共同開発する COVID-19 治療薬 AV-001:第 1 相臨床試験で安全性と忍容性を確認し
                           良好な結果を発表
              ~FDA と協議の上、前期第 2 相臨床試験を開始予定~

当社と Vasomune Therapeutics(以下、Vasomune 社)は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に対す
る画期的な治療薬(ファースト・イン・クラス)である AV-001 の第 1 相臨床試験において、良好な結果が
得られたことを発表しました。本試験では、AV-001 の安全性と忍容性が確認され、1 日 1 回の投与で開
発できる薬物動態プロファイルが示されました。

今回実施した第 1 相試験では、20 歳から 63 歳までの健康成人 48 名を対象に、AV-001 の単回投与お
よび連続回投与それぞれの安全性、忍容性、薬物動態を評価しました。

本試験の治験責任医師である Leela Vrishabhendra 博士は、「AV-001 の単回投与および連続投与で、
安全かつ良好な忍容性を示した。さらに AV-001 は 1 日 1 回の投与で開発を進め得ることが薬物動態
解析結果から示された」とコメントしています。

本試験では、AV-001 の単回および連続投与において、56μg(マイクログラム)/kg/日までを 7 日間連続
で投与した結果、安全性と忍容性が確認されました。重篤な有害事象や臨床的に重要な臨床検査値
の異常、臨床的に重要な心電図の異常は認められませんでした。薬物動態解析結果からも、AV-001
の安全域は広いことが確認されました。当社と Vasomune 社は、これらのデータを米国食品医薬品局
(Food and Drug Administration)に提出して、次のステップである、重度の COVID-19 患者での有効性
を評価する前期第 2 相臨床試験について協議する予定です。尚、前期第 2 相臨床試験は、米国に加
えてカナダの施設も含めて実施することを検討しております。

AV-001 については、2021 年 3 月 17 日付で、Vasomune 社が National Research Council(NRC)を通じ
てカナダ政府より助成金を受けました。また、2020 年 8 月にも、米国防総省から 280 万ドルの医療研究
プログラム(PRMRP)助成金を獲得しています。COVID-19 治療薬として米国、カナダ政府の力強い支
援で、この後に続く臨床試験を加速させます。


AV-001 について
AV-001 は、トロントのサニーブルック病院で発見・デザインされたものであり、当社とバソミューン社の共
同開発契約に基づき臨床試験が進められる。AV-001 は、血管内皮細胞表面に最も多く発現する膜貫
通型タンパク質である Tie2 受容体を標的とした新規治験薬です。AV-001 は Tie2 アンジオポエチン経
路を活性化させることで、血管機能を正常化させ、血管内皮バリアを回復させます。COVID-19 および
ARDS(急性呼吸窮迫症候群)患者、特に高血圧、糖尿病および肥満などの血管合併症を既往してい
る患者の病態において、血管機能障害が認められています。最近の知見によると、SARS-CoV-2 ウイル
 



スが肺内皮細胞に感染して微小血管透過性亢進を引き起こし、血管バリアを変化させ、凝固状態を促
進し、血管内皮炎症を誘発し、炎症性細胞の遊走を媒介することで、COVID-19 患者における呼吸窮
迫と ARDS を引き起こし、次第に増悪させることが示唆されています。致死性 RNA ウイルス感染動物モ
デルを用いたインフルエンザ/ARDS の前臨床試験において、AV-001 は内皮細胞のタイトジャンクショ
ンを狭め、血管バリア機能を回復させ、血管透過性亢進をブロックすることで、血管機能を正常化させる
ことが示されています。重要なことに、AV-001 単剤療法では、未治療の対照群と比較して生存期間と肺
機能が有意に改善されるが、抗ウイルス療法との併用により有効性はさらに増強されるという利点が示さ
れました。AV-001 は、中等度から重度の COVID-19 および ARDS の治療薬として開発されています。

Vasomune Therapeutics バソミューン・セラピューティクスについて
バソミューン・セラピューティクスは、病気から体を守る能力を高める次世代の医薬品を開発する臨床段
階のバイオ医薬品企業です。バソミューン社は 2006 年に設立され、血管の正常化戦略に焦点を当てた
新しい治療法を用いて医薬品を発見し、開発しています。血管機能障害は、COVID-19、インフルエン
ザ関連 ARDS、急性肺損傷、急性腎損傷、出血性ショック、敗血症、脳卒中など、いくつかの疾患状態
の病態と関連しています。バソミューン社の本社および研究所はカナダのトロントにあり、米国オフィスは
カリフォルニア州サンマテオにあります。同社およびその製品候補についての詳細は、
www.vasomune.com をご覧ください。


アンジェスについて
アンジェスは、大阪大学の研究者による革新的な発見をもとに 1999 年 12 月に設立された、遺伝子医薬
品開発に特化したバイオ医薬品会社です。アンジェス社の主力製品である慢性動脈閉塞症の潰瘍向
け HGF プラスミド遺伝子治療用製品「コラテジェン®」は、2019 年 3 月に条件付き期間限定承認を取得
し、2019 年 9 月に日本での販売を開始しました。「コラテジェン®」は、プラスミド DNA を用いた世界初の
遺伝子治療用製品です。パイプラインとして、新型コロナウイルス感染症向け DNA ワクチンおよび治療
薬、高血圧 DNA ワクチンや腰痛症向け NF-kB デコイオリゴヌクレオチドがあります。また、2020 年 12 月
に EmendoBio 社を子会社として、ゲノム編集技術開発も進めていきます。詳細は www.anges.co.jp をご
覧ください。

なお、今年度の通期連結業績に与える影響は精査中です。


                       アンジェス株式会社お問い合わせ先
                  一般のお問い合わせ https://www.anges.co.jp/contact/
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