4563 M-アンジェス 2020-12-18 08:30:00
COVID-19 治療薬AV-001: 米国での第1 相臨床試験での投与開始のお知らせ [pdf]

                                                 2020 年 12 月 18 日
各 位
                                    会 社 名  アンジェス株式会社
                                    代表者名   代表取締役社長 山田 英
                                        (コード番号 4563 東証マザーズ)

    COVID-19 治療薬 AV-001: 米国での第 1 相臨床試験での投与開始のお知らせ

   新たなファースト・イン・クラスの COVID-19 治療薬である、AV-001 の第 1 相臨床試験における投与を
    開始しました
   第 1 相臨床試験で AV-001 の安全性と忍容性を確認して、中等度から重度の COVID-19 患者での
    有効性評価のための第 2 相臨床試験を行う予定です

当社とバソミューン・セラピューティクス社(以下、「バソミューン社」)が共同開発を行っている、COVID-19(新
型コロナウイルス感染症)治療薬である AV-001 について、健康成人を対象とした第 1 相臨床試験を米国に
おいて開始いたしました。AV-001 は、正常な血管機能を維持するために重要な調整タンパク質である Tie2
チロシンキナーゼ受容体を標的とするファースト・イン・クラスの治療薬です。非臨床試験結果から、AV-001
は COVID-19 で入院した患者の生存率を改善し、入院期間を短縮する可能性が期待できます。

バソミューン社の社長兼 CEO であるダグラス・ハミルトンは、次のように述べています。「深刻な COVID-19
に罹患すると、肺と全身の血管機能障害が起こることが解明されてきました。高齢者や肥満、高血圧、糖尿
病の既往が有る患者はハイリスクであると言われています。これらの患者では、もともと血管機能障害があ
り、それが COVID-19 感染により増悪されるためです。私たちは、血管機能の正常化に注目した、新たな治
療戦略を提案します。これにより、患者の生存率が向上し、治療期間が短縮され、医療関係者、集中治療室
病床、人工呼吸器などの医療リソースへの負担軽減に貢献できると考えています。」

第 1 相臨床試験は、健康成人を対象とした二重盲検プラセボ対照試験です。単回投与と連続投与におけ
る安全性、忍容性、および薬物動態を評価します。第 1 相臨床試験に続く臨床試験で良好な結果が得られ
れば、中等度から重度の COVID-19 治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可(EUA)を申
請することを検討します。

AV-001 について
AV-001 は、トロントのサニーブルック病院で発見・デザインされたものであり、当社とバソミューン社の共同
開発契約に基づき臨床試験が進められる。AV-001 は、血管内皮細胞表面に最も多く発現する膜貫通型タ
ンパク質である Tie2 受容体を標的とした新規治験薬である。AV-001 は Tie2 アンジオポエチン経路を活性
化させることで、血管機能を正常化させ、血管内皮バリアを回復させる。COVID-19 および ARDS(急性呼
吸窮迫症候群)患者、特に高血圧、糖尿病および肥満などの血管合併症を既往している患者の病態にお
いて、血管機能障害が認められる。最近の知見によると、SARS-CoV-2 ウイルスが肺内皮細胞に感染して微
小血管透過性亢進を引き起こし、血管バリアを変化させ、凝固状態を促進し、血管内皮炎症を誘発し、炎症
性細胞の遊走を媒介することで、COVID-19 患者における呼吸窮迫と ARDS を引き起こし、次第に増悪さ
せることが示唆されている。致死性 RNA ウイルス感染動物モデルを用いたインフルエンザ/ARDS の前臨
床試験において、AV-001 は内皮細胞のタイトジャンクションを狭め、血管バリア機能を回復させ、血管透過
性亢進をブロックすることで、血管機能を正常化させることが示されている。重要なことに、AV-001 単剤療法
では、未治療の対照群と比較して生存期間と肺機能が有意に改善されるが、抗ウイルス療法との併用により
有効性はさらに増強されるという利点が示された。AV-001 は、中等度から重度の COVID-19 および ARDS
の治療薬として開発されている。

バソミューン・セラピューティクスについて
バソミューン・セラピューティクスは、病気から体を守る能力を高める次世代の医薬品を開発する臨床段階の
バイオ医薬品企業です。バソミューン社は 2006 年に設立され、血管の正常化戦略に焦点を当てた新しい
治療法を用いて医薬品を発見し、開発しています。血管機能障害は、COVID-19、インフルエンザ関連
ARDS、急性肺損傷、急性腎損傷、出血性ショック、敗血症、脳卒中など、いくつかの疾患状態の病態と関
連しています。バソミューン社の本社および研究所はカナダのトロントにあり、米国オフィスはカリフォルニア
州サンマテオにあります。同社およびその製品候補についての詳細は、www.vasomune.com をご覧くださ
い。

アンジェスについて
アンジェスは、大阪大学の研究者による革新的な発見をもとに 1999 年 12 月に設立された、遺伝子医薬品
開発に特化したバイオ医薬品会社です。アンジェス社の主力製品である慢性動脈閉塞症の潰瘍向け HGF
プラスミド遺伝子治療用製品「コラテジェン®」は、2019 年 3 月に条件付き期間限定承認を取得し、2019 年 9
月に日本での販売を開始しました。コラテジェン®は、プラスミド DNA を用いた世界初の遺伝子治療用製品
です。パイプラインとして、新型コロナウイルス感染症向け DNA ワクチンおよび治療薬、高血圧 DNA ワク
チンや腰痛症向け NF-kB デコイオリゴヌクレオチドがあります。また、2020 年 12 月に EmendoBio 社を子会
社として、ゲノム編集技術開発も進めていきます。詳細は www.anges.co.jp をご覧ください。

なお、今年度の通期連結業績に与える影響は精査中です。



                          お問い合わせ先
          アンジェス株式会社      社長室 広報・IR 担当          03-5730-2641

                                                              以 上