4563 M-アンジェス 2020-11-13 08:30:00
Vasomune社と共同開発を進めているCOVID-19治療薬「AV-001」の米国臨床開発開始 [pdf]

                                              2020 年 11 月 13 日
各 位
                                 会 社 名  アンジェス株式会社
                                 代表者名   代表取締役社長 山田 英
                                     (コード番号 4563 東証マザーズ)

   Vasomune 社と共同開発を進めている COVID-19 治療薬「AV-001」の米国臨床開発開始
               ―米国 FDA からの IND(新薬臨床試験開始)承認―

AV-001 は、カナダのバイオ医薬品企業であるバソミューン・セラピューティクス(以下、バソミューン社)と
共同開発を進めている Tie2 チロシンキナーゼ受容体アゴニストです。中等度から重度の COVID-
19(新型コロナウイルス感染症)肺炎患者の治療を目的とした本品の臨床開発について、米国 FDA に
IND(新薬臨床試験開始申請)を行い、臨床試験開始許可を得ました。

本品は、トロントのサニーブルック病院で発見・デザインされ、当社とバソミューン社との共同開発契約
に基づき臨床試験を進めます。

バソミューン社の社長兼 CEO であるダグラス・ハミルトンは、次のように述べています。「FDA による
IND 承認は、バソミューン社にとって重要なマイルストーンです。私たちは、重症化した SARS-CoV-2
感染患者でみられる過剰な血管透過性亢進の治療を目的とした新規治験薬を開発してきましたが、そ
の開発ステージを臨床ステージへと移行させます。私たちは、このファースト・イン・クラスの治療法が、
COVID-19 患者さんに大きな恩恵をもたらすと期待しています。」

当社の代表取締役社長である山田英は、このように述べています。「中等度から重度の COVID-19 肺
炎で酸素吸入が行われている入院患者さんに対する治療法開発は緊急の課題です。前臨床試験成
績からみて、本品はその有効な治療法となる可能性があり、大変期待しています。」

AV-001 について
AV-001 は、血管内皮細胞表面に最も多く発現する膜貫通型タンパク質である Tie2 受容体を標的とし
た新規治験薬である。AV-001 は Tie2 アンジオポエチン経路を活性化させることで、血管機能を正常
化させ、血管内皮バリアを回復させる。COVID-19 および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者、特に高
血圧、糖尿病および肥満などの血管合併症を既往している患者の病態において、血管機能障害が認
められる。最近の知見によると、SARS-CoV-2 ウイルスが肺内皮細胞に感染して微小血管透過性亢進
を引き起こし、血管バリアを変化させ、凝固状態を促進し、血管内皮炎症を誘発し、炎症性細胞の遊走
を媒介することで、COVID-19 患者における呼吸窮迫と急性呼吸困難症候群(ARDS)を引き起こし、
次第に増悪させることが示唆されている。致死性 RNA ウイルス感染動物モデルを用いたインフルエン
ザ/ARDS の前臨床試験において、AV-001 は内皮細胞のタイトジャンクションを狭め、血管バリア機能
を回復させ、血管透過性亢進をブロックすることで、血管機能を正常化させることが示されている。重要
なことに、AV-001 単剤療法では、未治療の対照群と比較して生存期間と肺機能が有意に改善される
が、抗ウイルス療法との併用により有効性はさらに増強されるという利点が示された。AV-001 は、中等
度から重度の COVID-19 および ARDS の治療薬として開発されている。
バソミューン・セラピューティクスについて
バソミューン・セラピューティクスは、病気から体を守る能力を高める次世代の医薬品を開発する臨床
段階のバイオ医薬品企業です。バソミューン社は 2006 年に設立され、血管の正常化戦略に焦点を当
てた新しい治療法を用いて医薬品を発見し、開発しています。血管機能障害は、COVID-19、インフル
エンザ関連 ARDS、急性肺損傷、急性腎損傷、出血性ショック、敗血症、脳卒中など、いくつかの疾患
状態の病態と関連しています。バソミューン社の本社および研究所はカナダのトロントにあり、米国オ
フィスはカリフォルニア州サンマテオにあります。同社およびその製品候補についての詳細は、
www.vasomune.com をご覧ください。

アンジェスについて
アンジェスは、大阪大学の研究者による革新的な発見をもとに 1999 年 12 月に設立された、遺伝子医
薬品開発に特化したバイオ医薬品会社です。アンジェス社の主力製品である慢性動脈閉塞症の潰瘍
向け HGF プラスミド遺伝子治療用製品「コラテジェン®」は、2019 年 3 月に条件付き期間限定承認を取
得し、2019 年 9 月に日本での販売を開始しました。コラテジェン®は、プラスミド DNA を用いた世界初
の遺伝子治療用製品です。また、腰痛症を対象とした NF-κB デコイオリゴヌクレオチドや、高血圧を
対象とした DNA ワクチンの開発も進めています。さらに、アンジェスは、2020 年 3 月から大阪大学と
COVID-19 の DNA ワクチンの国内共同開発を進めています。COVID-19 の DNA ワクチンは、独自
のプラスミド DNA 技術を用いています。詳細は https://www.anges.co.jp をご覧ください。

なお、今年度の通期連結業績に与える影響は精査中です。


                        お問い合わせ先
         アンジェス株式会社     社長室 広報・IR 担当       03-5730-2641

                                                         以 上