4552 JCRファーマ 2021-10-05 16:00:00
血液脳関門通過型ムコ多糖症I型治療酵素製剤(開発番号:JR-171)米国食品医薬品局よりファストトラック指定のお知らせ [pdf]

                                          2021 年 10 月 5 日
各   位




                    会 社 名 J C R フ ァ ー マ 株 式 会 社
                    代表者名 代 表 取 締 役 会 長 兼 社 長 芦 田     信
                               (東証第 1 部 コード番号 4552)
                    問合せ先 執 行 役 員 管 理 本 部 長 本 多       裕
                                     (TEL 0797-32-1995)


     血液脳関門通過型ムコ多糖症I型治療酵素製剤(開発番号:JR-171)
        米国食品医薬品局よりファストトラック指定のお知らせ


 当社は、独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo®」を適用した、ムコ多糖症I型(ハ
ーラー、ハーラー・シャイエ、シャイエ症候群)治療酵素製剤(開発番号:JR-171(血液
脳関門通過型遺伝子組換えα-L-イズロニダーゼ))について、この度、米国食品医薬品
局(FDA)よりファストトラック制度の指定を受けましたのでお知らせいたします。

  ムコ多糖症I型はライソゾーム病の一種で、中枢神経症状など幅広い症状を呈します。
  JR-171は、ムコ多糖症I型の欠損酵素であるα-L-イズロニダーゼに血液脳関門通過技術
J-Brain CargoⓇを適用させた分子であり、マンノース-6-リン酸受容体を介した作用に加
え、トランスフェリン受容体を介して血液脳関門を通過することで中枢神経症状に対する
効果が期待できます。

 JR-171は、現在、日本・米国・ブラジルにて実施するグローバル臨床第I/II相パート2試
験を行っております。当該試験の概要につきましては、clinicaltrials.gov(Identifier:
NCT04453085)をご覧ください。
 今回のファストトラック指定により、米国におけるJR-171の臨床開発の迅速化,優先審
査や早期承認が期待されます。
 なお、JR-171は、本年2月にFDAより、本年3月には欧州委員会(EC)よりオーファン
ドラッグの指定を受けております。

 当社は、JR-171に続いて、J-Brain CargoⓇを適用した他のライソゾーム病治療酵素製剤
の開発を順次行っております。希少疾病領域のスペシャリティファーマとして、より多く
の患者の皆さんの治療に貢献できるよう引き続き取り組んでまいります。


 なお、本件に関する今期(2022年3月期)の当社連結業績への影響はございません。
【語句の説明】
FDAファストトラック制度
重篤な疾患を治療するために、アンメットメディカルニーズを満たす治療薬の開発を促進
し、審査を迅速化することを目的とした制度。ファストトラック制度に指定された医薬品
は、開発計画についてFDAと頻繁にミーティングを行うほか、関連する基準を満たす場合
に優先審査および早期承認の対象となる。

ムコ多糖症I型(ハーラー、ハーラー・シャイエ、シャイエ症候群)について
ライソゾーム病の一種で、ムコ多糖を体内で分解する酵素(α-L-イズロニダーゼ)の欠損
により発症する常染色体劣性遺伝性疾患。全世界における患者数は約3,600人と推定され
(当社調べ)、中枢神経症状、関節病変、低身長、角膜混濁、心臓弁膜症、肝脾腫など幅
広い症状がある。既存の治療酵素製剤は血液脳関門を通過できないため、脳内で薬効を発
揮できず、中枢神経症状に対し効果が期待できないことが重大な課題となっている。



                                       以   上