4549 栄研化 2020-04-28 15:00:00
2020年3月期説明会資料 [pdf]

2020年3月期
決算説明会
 2020年4月28日
栄研化学株式会社
 (証券コード:4549)
    ■目次



          1   2020年3月期 トピックス


          2   2020年3月期 決算概要


          3   2021年3月期 重点施策・業績見通し




2
    ■トピックス

    ■新型コロナウイルス検出用試薬早期開発・発売

     ◇検体より抽出したRNA から35 分で新型コロナウイルスを検出
       RNA抽出は当社の既存試薬を用いて10分で可能
     ◇全国の病院、検疫所、地方衛生研究所、保健所、民間検査会社等へ約8万テスト出荷 (~2020年4月末)


    開発~体外診断用医薬品発売までの経緯
     2 月14 日 新型コロナウイルス検出試薬開発についてリリース
     3 月18 日 研究用試薬『Loopamp 2019-nCoV 検出試薬キット』発売、同日保険適用
     3 月19 日 製造販売承認申請
     3 月31 日 製造販売承認取得、同日保険適用
     4 月10 日 体外診断用医薬品
             『Loopamp 新型コロナウイルス2019(SARS-CoV-2) 検出試薬キット』発売

     ※本製品の開発は、当社が参画する国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)
                                                             Loopamp 新型コロナウイルス2019(SARS-CoV-2)
      の「新型コロナウイルス感染症の診断法開発に資する研究」 により実施されたものです。                         検出試薬キット




3
    ■トピックス

    ■小型全自動遺伝子検査システムSimprova(シンプローバ)の開発完了、2020年4月発売

    ◇『全自動核酸検査装置 Simprova』医療機器製造販売届出 (2019年9月)
    ◇製造販売承認取得 Simprova 呼吸器感染症パネル (2020年2月)、Simprova 抗酸菌症パネル(2020年3月)
    ◇『全自動核酸検査装置 Simprova』、体外診断用医薬品『Simprova 呼吸器感染症パネルBP,LP,MP』
      および核酸抽出試薬『Simprova Extraction Kit/S1』発売 (2020年4月)




      全自動核酸検査装置 Simprova        Simprova 呼吸器感染症パネルBP,LP,MP   Simprova Extraction Kit/S1



4
    ■トピックス

    ■フランスの大腸がん国家スクリーニング検査に継続採用決定(2020年1月)


    ■第7回アフリカ開発会議(TICAD7) におけるLAMP法結核検査の採用に向けた取り組み(2019年8月)
     ・サイドイベントGGG+フォーラムでの当社活動方針発表
     ・ザンビア、カメルーンとのMOU締結セレモニー、TB-LAMPの普及に合意




                GGG+フォーラム                      MOU締結セレモニー




5
2020年3月期 決算概要
    ■連結業績

                                                                               (百万円)

                         2019年3月期             2020年3月期              前期比       対予算※
                        実績        構成比        実績           構成比       増減率       達成率

    売上高                  35,761     100.0%    36,585       100.0%    102.3%      99.4%

       うち海外向け売上高          6,070      17.0%        7,040     19.2%    116.0%      95.1%

    営業利益                  4,611      12.9%        4,622     12.6%    100.2%     106.3%

    経常利益                  4,681      13.1%        4,723     12.9%    100.9%     106.1%

    親会社株主に帰属する
                          3,447       9.6%        3,538      9.7%    102.6%     104.1%
    当期純利益
    ○売上高は、海外向けの尿検査用試薬・装置、便潜血検査用試薬を中心に売上が増加
    ○利益面は、販売費及び一般管理費が研究開発費を中心に増加したものの、増収に伴う利益の増加により営業利益は
     前期比微増

    ※修正後予算(2020年1月28日に業績予想を修正しております)
7
    ■セグメント別売上高
                                                                  36,585
    便潜血検査用試薬、尿検査用試薬が好調                                35,761
    医療機器は主に海外向け尿検査用装置の売上が大きく増加

                                                       10,016     10,352
                                           (百万円)
                     2019年3月期 2020年3月期     前期比
    便潜血検査用試薬             10,016   10,352    103.4%
    免疫血清検査用試薬
                          9,972    9,917     99.4%                9,917
    (便潜血検査用試薬除く)                                       9,972
    尿検査用試薬                3,097    3,340    107.8%

    微生物検査用試薬              5,153    4,623     89.7%                3,340
                                                       3,097
    生化学的検査用試薬              595      609     102.4%
                                                       5,153      4,623
    器具・食品環境関連培地           2,169    2,162     99.7%                 609
                                                        595       2,162
    遺伝子関連(装置含む)           1,315    1,331    101.3%     2,169
                                                                  1,331
                                                       1,315
    医療機器関連(遺伝子以外)・                                                4,247
                          3,440    4,247    123.4%     3,440
    その他
    合計                   35,761   36,585    102.3%   2019年3月期   2020年3月期

8
    ■セグメント別売上高 - 便潜血検査用試薬
    国内、海外ともに売上が増加

     ○国内 他社切替の推進、大腸がん検診受診率アップのための啓発活動

     ○海外 北米、アジア・オセアニアを中心に売上好調


                                       (百万円)
          通 期       うち海外                         当社の収益の主力      国内シェアは60%以上 ※
                            10,016     10,352

            9,085
                             3,940      4,265
            3,228


                                                      OC-ヘモディアオートⅢ・採便容器
                                                 大腸がん検診に用いられる検査用試薬(OC)
                                                 国内外で大腸がんの早期発見に貢献
                                                   ※資料:富士経済「2019臨床検査市場」
          2018年3月期         2019年3月期   2020年3月期
9
     ■セグメント別売上高 - 免疫血清検査用試薬
     ラテックス製品の売上が増加したものの競争激化により全体として売上微減
      ○AIA関連試薬     ヘモグロビンA1cの新規導入によりAIA関連試薬全体では売上維持
       (東ソー導入品)    生化学、免疫、ヘモグロビンA1cを中心とした総合提案の推進
      ○ラテックス製品 LZ試薬(FER、MMP3等) の売上増加
      ○EIA関連試薬     競争激化により売上減少
                                   (百万円)
             通 期
             10,027     9,972      9,917    AIA製品(東ソー㈱)およびLZ試薬等の自社製品




                                                   LZテスト‘栄研’

                                            感染症やリウマチの検査、ホルモンの測定、胃が
                                            んリスク層別化検査などに使用する各種検査用
           2018年3月期   2019年3月期   2020年3月期   試薬

10
     ■セグメント別売上高 - 尿検査用試薬
     国内、海外とも尿試験紙の売上が増加

      ○国内 医療施設への「US-3500」と尿沈査機器との組み合わせ提案により新規採用拡大

      ○海外 シスメックス㈱向け販売が堅調に推移


                                 (百万円)
            通 期
                                           海外の販売は2017年よりシスメックス㈱と協業
                                  3,340
            2,905      3,097




                                                ウロペーパーαⅢ‘栄研’

                                           尿中の潜血、たんぱく質、ブドウ糖など最大12項
                                           目の検査が行える尿試験紙「ウロペーパー」他、
          2018年3月期   2019年3月期   2020年3月期   各種検査用試薬


11
     ■セグメント別売上高 - 微生物検査用試薬
     薬剤感受性検査用試薬が伸長したものの培地売上が減少

      ○培地 血液培養検査用製品(導入販売)の販売契約終了等により売上減少

      ○迅速検査 イムノキャッチシリーズ 肺炎球菌/レジオネラの販売増加

      ○薬剤感受性検査      薬剤感受性検査用試薬の売上増加
                    MALDIバイオタイパーとの組み合わせ提案継続
                                 (百万円)
          通 期
           5,096       5,153
                                  4,623




                                              イムノキャッチ -肺炎球菌/レジオネラ‘栄研’

                                           細菌検査用培地、迅速検査用試薬及び薬剤感
                                           受性検査用試薬など、微生物感染症の診断・治
         2018年3月期    2019年3月期   2020年3月期   療に有用な各種検査用試薬


12
     ■セグメント別売上高 - 遺伝子関連(装置含む)
     国内販売堅調により売上増加

      ○国内 マイコプラズマ、百日咳菌検出試薬キットの売上が堅調に推移

      ○海外 グローバルファンド申請を目的とするカメルーン、フィリピン事例の水平展開

      ○ライセンス 特許料収入: 556百万円 (前期実績 :521百万円)

                                (百万円)
         通 期
                     1,315      1,331
          1,192



                                            Loopamp百日咳菌検出試   リアルタイム濁度測定装置
                                            薬キットD            LoopampEXIA

                                         当社独自技術LAMP法を用いた、医療、食品、環境
                                         など幅広い分野に展開する遺伝子検査関連製品
        2018年3月期   2019年3月期   2020年3月期   TB-LAMP(結核検査)は2016年にWHOの推奨を取
                                         得し、途上国向けに展開中

13
     ■海外向け売上高
                                                                         (百万円)
                                              欧州       北米   アジア・オセアニア・その他
     【欧州】
      便潜血検査用試薬がUKとスペインで増加したものの、                                          7,040
      フランス(プログラム一時中断)、イタリアは売上減少                               6,070
                                               5,405
     【北米】                                                                3,445
      米国のLabCorp、Kaiserなど大口顧客およびカナダの便潜血                       2,489
      検査用試薬の売上増加                               2,626

     【アジア・オセアニア・その他】                                          1,447      1,592
      シスメックス㈱向けの尿検査用試薬・装置の売上大幅に増加※             1,229
      オセアニア、韓国等の便潜血検査用試薬の売上増加
                                                              2,134      2,002
                                               1,550
     ※海外向け尿検査用試薬・装置の売上(シスメックス㈱向け)はアジア地域に含む
                                             2018年3月期       2019年3月期   2020年3月期

14
     ■研究開発費・設備投資の推移
                                                                          括弧内数字:期首予想
                                                                                  (百万円)


               研究開発費                        設備投資                         減価償却費



                        (3,440)
       3,238             3,332                       (3,330)
                                                      2,985
                2,904

                                                                                   (1,880)
                                                                 1,660    1,594    1,629
                                             1,685

                                    1,102




     2018年3月期 2019年3月期 2020年3月期   2018年3月期 2019年3月期 2020年3月期   2018年3月期 2019年3月期 2020年3月期


15
      ■連結貸借対照表(ハイライト)
                                                                                         (百万円)
                  前期末          当期末                              前期末          当期末
                                          増減額                                            増減額
                 2019年3月末     2020年3月末                         2019年3月末     2020年3月末

     流動資産            25,852      28,903     3,051   流動負債          10,981        11,740     758
      うち現金及び預金        7,554      10,098     2,543
     有形固定資産          11,095      12,041       946   固定負債            1,284        1,278     ▲5
     無形固定資産            744        1,019       275   純資産           35,014        37,303    2,289
     投資その他資産          9,587       8,357   ▲ 1,230
      うち投資有価証券          555       3,487     2,932
      うち長期預金          5,900       1,900   ▲ 4,000
     資産合計            47,279      50,322     3,042   負債・純資産合計      47,279        50,322    3,042


                                                    自己資本比率          73.5%        73.5%
       (主な増減理由)
       有形固定資産の増加:野木隣接地購入
       投資有価証券の増加及び長期預金の減少:効率的な資金運用を目的とした投資有価証券の取得

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     ■キャッシュ・フロー
                                                                   (単位:百万円)
                                            2019年3月期           2020年3月期
      現金及び現金同等物の期首残高                                   6,651              4,448
      営業活動CF                                           3,318              5,460
      投資活動CF                                         ▲4,435           ▲3,711
      財務活動CF                                         ▲1,083           ▲1,220
      現金及び現金同等物の増減額(△は増加)                            ▲2,202                 532
      現金及び現金同等物の期末残高                                   4,448              4,981


      主なキャッシュフローの内訳
        営業活動CF              (百万円)           投資活動CF                  (百万円)

        税金等調整前当期純利益                 4,724   有形固定資産の取得による支出             ▲2,307

        減価償却費                       1,627   投資有価証券の取得による支出             ▲3,021

        法人税等の支払額               ▲1,280       定期預金の純増減額                     1,973

                                            財務活動CF                  (百万円)

                                            配当金の支払額                    ▲1,106


17
     ■配当金

       株主還元方針
      当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要課題のひとつと位置づけたうえで、財務体質の
      強化と積極的な事業展開に必要な内部留保の充実を勘案し、安定した配当政策を実施することを基本
      方針としております。具体的には連結配当性向30%以上を目標としております。




              1株あたり配当額:30円 (中間13円・期末17円)

                連結配当総額: 11億6百万円
                連結配当性向: 31.3%




18
2021年3月期 重点施策・業績見通し
     ■2021年3月期 重点施策
       1. 経営効率を高めるための基盤整備
       ○基幹システム統合
         生産システム導入フェーズ 2022年3月期導入予定
       ○組織機能・構造改革
         ROADMAP2019目標達成のための人事制度・組織改革案の作成、健康経営の推進
       ○生産及び流通拠点の強化と整理統合
         新研究棟構想の詳細プラン作成

       2. グローバル展開の推進
       ○大腸がんスクリーニング検査の普及
        ・米国:OC-io(UL)の米国市場導入により新規顧客の獲得に注力
            ACSガイドライン変更(対象年齢引き下げ)を受けた新規受診者獲得への取り組み
        ・欧州:既存採用国の受診率向上、国家スクリーニング獲得に向けた取り組みの継続
        ・新規市場の獲得: 中東、ロシア、東欧、 南米
       ○胃がんリスク層別化検査(ABC分類)の普及拡大に向けたフィールドスタディの実施
       ○尿定性検査分野での販売拡大(シスメックス㈱との協業推進)
       ○結核及びマラリア検査等の展開加速
         TB-LAMP WHO推奨価格($6)実現とグローバルファンド申請の促進

20
     ■2021年3月期 重点施策

       3. 国内販売の維持とシェアアップ
        〇新型コロナウイルス検出試薬の供給体制整備を通じた医療への貢献
         ⇒2020年5~6月は約20万テスト/月を供給予定
        ○自社製品群のラインアップ拡大
         ・大腸がん検診普及活動による市場拡大
         ・腎臓病早期スクリーニング・学童検診市場の構築
         ・胃がんリスク層別化検査(ABC分類)の普及推進
        ○Simprova上市後の市場展開(呼吸器感染症パネル販売促進、抗酸菌パネル上市 等)

       4. 研究開発力の強化

        ○Simprova後継パネルの開発推進(呼吸器ウイルスパネル、輸入感染症パネル)
        ○オープンイノベーションによる新規バイオマーカーの開発
         ・新規バイオマーカー(がん、心血管疾患等)、新技術の探索
        ○プライマリケア領域などを対象とした新たなPOCTプラットフォームの開発


21
     ■2021年3月期 業績見通しについて




       次期の当社グループを取り巻く環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響
       により厳しい状況が見込まれます。当社グループの臨床検査薬事業も大きな影響を受け
       る可能性がありますが、同感染症が収束する時期を現時点で見通すことは難しく、業績
       への影響を合理的に算定することは困難であると判断いたしました。したがいまして、次
       期の業績予想は、現時点では未定とさせていただき、合理的な算定が可能となった時点
       で速やかに公表いたします。



        当社グループは、『ヘルスケアを通じて人々の健康を守ります。』の経営理念のもと、
        新型コロナウイルス検出試薬の安定供給のための体制整備などを通じ、引き続き医
        療への貢献を目指してまいります。




22
Saving Your Health
     世界的な臨床検査薬企業として、人々の健康を守り続ける



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せん。 また、本資料に記載されている将来の予想等については、現時点で入手可能な情報に基づき当社が判断し
たものであり、今後様々な要因によって予想と異なる場合があります。
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