4541 日医工 2021-03-03 15:00:00
当社に対する行政処分について [pdf]
2021 年 3 月 3 日
各 位
会 社 名 日 医 工 株 式 会 社
(証券コード 4541 東証第 1 部)
代表者名 代表取締役社長 田 村 友 一
お問合せ先 社長室 コーポレート・コミュニケーション部長
最 上 博
当社に対する行政処分について
当社は、本日、富山県より、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等
に関する法律」
(以下「法」といいます。
)に基づく行政処分を受けました。当社は、患者
様とそのご家族の健康に貢献する医薬品を提供する企業として今般の行政処分を重く受け
止めますとともに、患者様とそのご家族及び医療関係者の皆様をはじめとした当社の全て
のステークホルダーの皆様に対して心よりお詫び申し上げます。
記
1. 処分内容
(1)医薬品製造業(富山第一工場)に対する処分
i. 対 象
名 称:日医工株式会社 富山第一工場
所在地:富山県滑川市下梅沢 205 番地の 1
範 囲:医薬品製造業(許可番号:16AZ000312)
。ただし、次の業務を除く。
① 設備の改善、保守及び点検に係る業務
② 製造及び出荷に関連しない事務棟の使用
③ 製造設備を直接使用しない研究開発に係る業務
④ 苦情及び返品に係る業務
⑤ 出荷した製品の品質管理に係る業務
⑥ 製品、原料及び資材の保管管理に係る業務
⑦ 製造管理及び品質管理の改善に係る業務
ii. 処 分 日
2021 年 3 月 3 日(水)
iii. 処分内容
医薬品製造業の業務の停止(32 日間)
(2021 年 3 月 5 日(金)から 2021 年 4 月 5 日(月)まで)
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iv. 処分理由
① 当社が、当社の富山第一工場において、品質試験不適合品を製造販売承認書
と異なる製造方法で適合品となるよう処理した。
② 当社が、当社の富山第一工場において、品質試験等における不適合の結果に
ついて、適切な措置を実施しなかった。
③ 当社の富山第一工場の医薬品製造管理者が、医薬品の適切な製造管理及び品
質管理を行うよう管理監督しなかった。
これらのことが、法第 17 条第 4 項において準用する法第 8 条第 1 項及び医薬
品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則
(昭和 36 年厚生省令第 1 号)第 96 条の規定に違反するため
(2)医薬品製造販売業に対する処分
i. 対 象
名 称:日医工株式会社
所在地:富山県富山市総曲輪一丁目 6 番 21
範 囲:第 1 種医薬品製造販売業(許可番号:16A1X00009)及び
第 2 種医薬品製造販売業(許可番号:16A2X00045)
。
ただし、製品の市販後における安全管理、苦情及び返品に係る業務を除く。
ii. 処 分 日
2021 年 3 月 3 日(水)
iii. 処分内容
医薬品製造販売業の業務の停止(24 日間)
(2021 年 3 月 5 日(金)から 2021 年 3 月 28 日(日)まで)
iv. 処分理由
① 当社が、製品の適正な製造販売を行うために必要な配慮を怠り、かつ、製造販
売しようとする製品の品質管理を適正に行わなかった。
② 当社が、当社の富山第一工場において製造販売承認書の内容と異なる方法で製
造された医薬品を製造販売した。
③ 当社の医薬品等総括製造販売責任者は、必要な品質管理業務を実施しなかった。
これらのことが、法第 14 条第 13 項並びに医薬品、医療機器等の品質、有効
性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和 36 年厚生省令第 1 号)第
87 条及び第 92 条の規定に違反するため
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2. 処分に至った経緯・原因
当社は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)及び富山県による富山第
一工場への立入調査を契機として、社内調査により総点検を実施した結果、製造工程
の一部に問題があったことを認識したため、富山第一工場において問題事実に係る確
認が必要と判断し、内部監査室及び外部の法律事務所による調査を開始し、事実確
認・原因究明・再発防止策の検討を進めてまいりました。また、独立行政法人医薬品
医療機器総合機構(PMDA)及び富山県からの指摘事項等も踏まえ、市場に流通して
いる当該製品のリスク評価を実施し、製品の有効性及び安全性を明らかにすることを
最優先に考え、当該事項に関する内部監査室及び外部の法律事務所による徹底的な調
査を実施し、2020 年 4 月から 2021 年 1 月中旬にかけ、随時 75 品目に上る自主回収
を実施いたしました。
当社は、これまで、かかる調査結果等を独立行政法人医薬品医療機器総合機構
(PMDA)及び富山県に随時報告してまいりましたところ、当該調査結果等を受け、
この度、富山県より、前記 1.
(1)及び(2)記載の法令違反を理由として、同記載の
行政処分が実施されました。
3. 現在流通している当社製品の有効性・安全性
数度にわたる自主回収により、関係者の皆様には大変なご迷惑をおかけいたしてお
りますが、現在市場に流通している富山第一工場で製造した製品については、使用期
限内の全てのロットの製造記録や試験記録を確認するとともに、参考品の品質の再確
認等を実施し、有効性・安全性に何ら問題はないものと考えております。
なお、本件に関連する健康被害の報告は受けておりません。
4. 行政処分期間中における製品供給
行政処分期間中の医薬品の供給体制につきまして、当社物流センターにある在庫製
品(2021 年 3 月 4 日以前に市場出荷判定を完了しているもの)は、継続して出荷する
ことが可能です。現在は一定の在庫数を確保して安定供給維持のため可能な限り対応
しておりますが、一部製品において出荷が再開されるまで供給制限をさせていただく
場合がございます。
5. 再発防止策とその実施状況
当社は、内部監査室及び外部弁護士からの再発防止策の提言を参考にしながら、鋭
意業務改善に努めてまいりました。その実施状況につきましては、別紙をご参照くだ
さい。外部弁護士からの調査報告書の内容につきましては、添付の「調査報告書(概
略版)
」をご覧ください。なお、当該調査報告書について、守秘情報及び秘密情報保護
等の観点から部分的な非開示措置を行っております。
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6. 役員等に対する処分
当社は、2020 年 7 月 13 日付「当社製品の自主回収に対する役員等の処分につい
て」においてお知らせしましたとおり、富山第一工場で製造した多くの製品の自主回
収により、皆様方に多大なるご迷惑をおかけしたことを受け、責任の所在を明確化す
るために、役員等に対して処分を行いました。
また、今回の行政処分を受け、以下のとおり追加処分を決定いたしましたので、お
知らせいたします。
① 処分実施日 2021 年 3 月 3 日
② 処分内容
役職・氏名 処分内容
代表取締役社長
2021 年 3 月より
コンプライアンス管掌
月額報酬 100%(3 ヶ月)減俸とする
田村 友一
代表取締役副社長
2021 年 3 月より
サプライチェーン・BS マネジメント担当
月額報酬 50%(3 ヶ月)減俸とする
吉川 隆弘
取締役副社長
2021 年 3 月より
CSR・ESG・ビジネス創造担当
月額報酬 30%(3 ヶ月)減俸とする
赤根 賢治
取締役専務
2021 年 3 月より
利益・資産管理担当
月額報酬 30%(3 ヶ月)減俸とする
稲坂 登
7. 今後の見通し
本件に起因する今期の当社連結業績へ与える影響は軽微であります。
当社は、今般の行政処分を重く受け止め、Good Manufacturing Practice(GMP:医薬
品等の製造管理及び品質管理の基準)及び Good Quality Practice(GQP:医薬品等の品
質管理の基準)の遵守並びに各種薬事規制の遵守の徹底を図り、患者様とそのご家族の健
康に貢献する医薬品を提供する企業として、日医工グループ全役員及び全従業員をもって
再発防止に向けて真摯に取り組み、社会からの信頼回復に向けて全身全霊で努めてまいり
ます。
以 上
お問合せ先
患者様とそのご家族 医療関係者様 報道関係者様 その他のお問合せ
0120-039-215 0120-517-215 076-442-7026 076-432-2121
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別紙
再発防止策とその実施状況
当社では、内部監査室及び外部弁護士からの提言を受け、業務改善策として、以下の再
発防止策を策定し、現在順次実行しております。
1. 富山第一工場(製造業・GMP)
① 規格外試験結果(OOS)管理や逸脱管理に関する手順書の明確化【完了:2020 年 9
月 17 日】
-製造手順書の内容が具体性を欠いていることが原因の一つであったため、不適合製
品について誤った処理・出荷がなされることがないよう、手順書を明確化しました。
② 製造記録・試験記録管理の厳格化等
-誤った再試験や再加工処理がなされないよう、試験記録の管理方法を厳格化しまし
た。
-誤った再加工処理がなされることのないよう、データインテグリティ対応推進のた
め MES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)を導入する予定で
すが、まず SCADA(Supervisory Control And Data Acquisition:製造設備監視制御
とデータ取得システム)の導入によって全製造機器のデータ管理を実施【完了予定:
2021 年 9 月 】し、全製品の製造指図記録書と MES による自動連携の完了は 2023 年
となる予定です。
-試験不合格が生じた場合に不適切な処理がなされることがないように、新たに設置
した GMP 監査室への報告及び同室による監視体制を構築しています。
【完了予定:
2021 年 3 月 31 日】
③ GMP 組織体制の見直し【完了:2020 年 7 月 31 日】
-GMP に従った適切な処理・監督をなし得る能力・職務権限・職責を有する者を、新
たに医薬品製造管理者及び逸脱管理責任者に任命しました。
④ GMP 教育訓練の徹底【随時実施中】
-GMP 教育の在り方を根本的に見直し、その徹底を図るとともに、GMP 監査室や外
部の専門家等による研修等も導入した教育・訓練プログラムを策定し、継続的な GMP
教育の実施を徹底しております。
⑤ 品質管理部門・QA 部の権限強化【完了:2020 年 7 月 31 日】
-品質管理機能が適切に機能するよう、実態面も含め、品質管理部門の権限が強化さ
れるよう、組織変更・人員配置を実施しました。
⑥ 安定性モニタリンググループの設置及び実施状況監査
-安定性試験が計画的に実施できるよう、専門部署を設置した上で、人員・設備増強
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等の措置を講じております。【2020 年 12 月末日現在で 24 名増員等の人員・設備増強
を実施し、現在も随時実施中】
-また、安定性試験の不実施が再び生じることがないよう、安定性試験の実施状況を
GMP 監査室等が随時監視・監督する体制を構築しました。【完了:2020 年 7 月 31
日】
2. 本社製造販売業(GQP)
① 信頼性保証本部による GMP 監査の徹底・見直し【完了:2020 年 10 月 1 日】
-製造販売業者として適切な製造所の GMP 監査・監督が果たせるよう、GMP 監査の
方法を見直しました。
② 総括製造販売責任者の変更【完了:2020 年 7 月 31 日】
-不適正な救済処理に関与した当時の医薬品製造管理者が、本社製造販売業の総括製
造販売責任者であった実態に鑑み、総括製造販売責任者を適切な人材に変更しまし
た。
3. 内部監査・監督機能の強化
① GMP 監査室による内部監査体制の強化
-本件の問題に対して適切な監査・監督機能を果たせるよう、「GMP 監査室」を新設
し、不適切な製造・試験が生じないような監視体制を構築しました。
【完了:2020 年
10 月 1 日】
-また、GMP 監査室による監査と、信頼性保証本部による GMP 監査について、適切
な役割分担・相互監督機能が果たせるよう、連携体制を構築しました。【完了:2021
年 1 月 1 日】
② 内部通報制度の見直し【完了:2020 年 7 月 15 日】
-本件のような問題が適切に内部通報により報告されるよう、内部通報制度の周知徹
底・活用促進等の見直しを行いました。
4. 経営・組織全般に関する施策
① 風土改革【随時実施中】
-経営陣による取り組みとして、法令遵守、品質の維持向上、情報共有、教育と技術
の継承、安定供給の 5 つの「品質行動指針」から構成される「新品質方針」を制定
し、全部署においてこの品質方針に基づいた目標設定・活動報告を行わせる運用を開
始しました。
② 取締役の権限・責任の再構築【完了:2020 年 7 月 13 日】
-安定供給の職責と品質の職責を同一の取締役が担っていたことも間接的な要因とな
ったとの反省から、品質を担当する役員(吉川副社長)を設置するなど、取締役・執
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行役員(品質管理本部長)の権限配分、人員配置の見直しを実施しました。
③ 役員に対するコンプライアンス研修
-2020 年 7 月 13 日、8 月 17 日に実施した後、毎月の取締役会、毎週の経営会議にお
いて適宜実施しています。
④ 無理のない生産計画・体制の策定と維持【随時実施中】
-生産計画に応じて必要な試験数に対して人員・設備不足が生じていたことが本件の
問題の根本的な背景にあったことを受け、無理のない生産計画の策定・実施・管理を
随時進めております。
⑤ 製剤設計の見直し・検討体制の強化【随時実施中】
-出荷試験に不適合となりやすい製剤について品質改善計画を策定し、製法変更、承
認規格の見直し等の検討を随時進めております。
⑥ 関係者に対する処分・責任の明確化
-前述 6.
「役員等に対する処分」記載のとおりです。
以 上
-7-
2021 年 2 月 16 日
日医工株式会社 御中
六本木ヒルズ森タワー23 階(〒106-6123)
電話(代表) (03)6438-5511
Fax(代表) (03)6438-5522
TMI 総 合 法 律 事 務 所
調査報告書
(概略版)
第1.本報告書の趣旨
2020 年 2 月下旬、日医工株式会社(以下「日医工」という。)は、独立行政法人医薬品
医療機器等総合機構(以下「PMDA」という。 及び富山県による日医工富山第一工場
) (以
下「富山第一工場」という。)に対する立入調査を受け、医薬品の製造管理及び品質管
理(GMP)に関する指摘を受けた。
これを受け、日医工は、同年 3 月上旬、弊所に対し、富山第一工場において生じていた
下記①及び②の GMP 上の問題についての事実関係の調査、原因究明及び再発防止策の
検討を依頼した。
)が生じてい
① 出荷試験等において規格不適合結果(以下「OOS」ということがある。
た製造ロットについて、 手順に反する不適正な措置を講じて再試験等を実施し、
GMP
適合結果を得て出荷していた問題(以下「OOS ロットの不適正な救済措置」という。)
② 実施すべき安定性試験の多くが計画どおり実施されておらず大幅に遅れが生じて
おり、また、実施された安定性試験について生じていた規格不適合結果が処理され
ずに放置されていた問題(以下「安定性試験の不実施等」という。)
上記依頼を受け、弊所は、弊所弁護士 20 名以上からなる調査チームを組成し、事実調
査、原因究明及び再発防止策の検討を行い、2020 年 7 月、日医工に対し、これらの結
果を中間的にとりまとめた調査報告書を提出した。
日医工においては、弊所の上記調査と並行し、また、上記報告書の受領以後も、PMDA 及
び富山県の指示・指導を受け、継続して上記①及び②の問題について調査対応を継続す
るとともに、弊所による再発防止策の提言を踏まえて、再発防止・改善策を策定・実施
1
し、これらの調査結果及び実施状況等を随時 PMDA 及び富山県に対して報告してきた。
本報告書は、2020 年 7 月に弊所が提出した調査報告書においてとりまとめた事実調査・
原因究明の結果及び再発防止策の提言の内容(後記第 2 及び第 3)
、並びに現在に至る
までの日医工における継続調査等及び再発防止策の実施状況について(後記第 4)
、そ
の概略を報告するものである。
第2.調査結果の概略
1.OOS ロットの不適正な救済措置等に係る調査結果
(1) OOS ロットの不適正な救済措置の概要
富山第一工場において、概要以下に分類される、出荷試験等で規格外試験結果(OOS)と
なった製造ロット(以下「OOS ロット」という。)を不適正な救済措置によって出荷し
た事例が発見された。
類型 定義 概要 GMP 省令違反
類型 A 手順書上認 OOS の管理に関する手順書に反して、初回試験結果(OOS) 11 条 1 号・2 号、
められない を棄却し、初回試験と同一サンプルを用いた再試験又は別 15 条 1 項 1 号・
再試験等 のサンプルを用いた試験(以下「再試験等」という。)の 2号
適合結果を採用して出荷した事例
類型 B 再加工処理 OOS ロットに対して、製造指図記録書に記載のない再加工 10 条 1~3 号、11
処理を施した上で出荷試験を行い、規格適合結果を得て出 条 1 号・2 号、15
1
荷した事例 条 1 項 1 号・2 号
類型 C 社内規格不 承認規格には適合しているが、製品標準書において日医工 11 条 2 号、15 条
適合品の出 が独自に設定した社内規格に適合しなかった OOS ロット 1 項 2 号、 条 1
12
荷 につき、当該社内規格に不適合であった場合に出荷するこ 項・4 項
とを認める手順等が製品標準書に定められていないにも
かかわらず、出荷試験合格品として出荷した事例
類型 D 良品選別後 出荷試験のうち定量試験に不適合となったカプセル剤の 11 条 2 号
の出荷試験 OOS ロットにつき、ウェイトチェッカーを用いて良品選別
不実施 を行ったのち、選別後の製造ロットにつき、定量試験/溶
出試験を実施せず、選別前の定量試験の数値に重量補正に
1
また、OOS ロットの不適正な救済措置における再加工処理の調査過程において、3製剤につき、製品標
準書記載の製造方法とは異なる製造方法で製造していることが判明した(類型 B’) 。いずれも製品標準
書に記載のない工程であり、また、実際に行った製造工程の記録も行われていないため、GMP 省令 10 条 1
号、2 号及び 3 号に違反するものであるが、いずれも承認書記載の製造工程(整粒工程ないしコーティン
グ工程)の範囲外の製造方法であるとまでは言えず、承認書に違反するものとは認定できなかった。
2
よる比例補正をかけた数値/選別前の溶出試験の数値を
用いて規格適合品として出荷した事例
(2) OOS ロットの不適正な救済措置の発生経緯
ア 2011 年から 2017 年 3 月頃
富山第一工場では、遅くとも 2011 年頃より、逸脱管理責任者が手順書に従い招集する
「逸脱会議」と称される会議において、出荷試験不適合(OOS)等の各種の逸脱の処理
が検討、実施されていた。
当該不適正な救済措置は、当時の工場長/生産本部長の明示又は黙示の指示を受けて、
医薬品製造管理者兼逸脱管理責任者(当時)が、出荷試験において規格不適合となった
ロットのうち、特に廃棄(ロットアウト)による影響が大きいものについて、ロットア
ウトを回避するために、逸脱会議の場において主導的に行っていたものであった。
なお、いずれの措置も、出荷試験において承認規格不適合の製品を不適合のままに出荷
させるものではなく、承認規格に適合させて出荷させるためにGMPの手順に反する
不適正な処理を行ったものであった。
2014 年から 2016 年頃にかけて、ジェネリック医薬品の需要増に伴い、富山第一工場に
おける生産数量・生産品目数も急増したが、これに対応できる人員、設備が整っておら
ず、製造部、品質管理部のいずれもひっ迫した製造スケジュール、試験スケジュールの
中でその業務に追われ、これに伴い OOS の発生件数も増加していった。こうした背景の
下、特に 2014 年から 2016 年にかけて OOS の逸脱の発生件数、逸脱会議の開催頻度も
増加し、これに伴い不適正な救済措置の実施の件数も増加していった。
本調査で発見された 2017 年 3 月ころまでの OOS ロットの不適正な救済措置は、主に類
型 A(手順書上認められない再試験等)
、類型 B(再加工処理)である。特に 2015 年か
ら 2016 年にかけては類型 B(再加工処理)の事例が多い。また、類型 C(社内規格不適
合品の出荷)も 1 例生じている。
類型 A(手順書上認められない再試験等)については、医薬品製造管理者(当時)をは
じめとする逸脱会議出席者においては、手順書上の初回試験の不適合結果を棄却して
再試験等の適合結果を採用できる条件をあまり明確に認識しておらず、そのため、当該
措置が GMP 違反であるという明確な認識はなかった。品質管理部担当者から合理的理
由のない再試験に反対する声が上がるケースもあったが、当該反対の声が採用される
ことはなかった。
類型 B(再加工処理)については、逸脱会議でも GMP に違反する不正な処理であるとい
う認識はあり、医薬品製造管理者(当時)は、GMP 違反であることは認識しながら、原
薬や重要な添加剤の追加を行うような品質に大きく影響を与える再加工は行わないな
ど、「品質に問題が生じる再加工は行わない」という一定の許容ラインを自らの中で設
けて、こうした再加工処理を進めていた。
3
類型 C(社内規格不適合品の出荷)については、逸脱会議では、逸脱会議での検討結果
として品質に問題がないと判断される社内規格不適合品は出荷しても GMP 上問題ない
と考えられていた。
イ 2017 年 4 月~
2017 年 4 月に上述の医薬品製造管理者が異動して以降、上述の工場長/生産本部長が
医薬品製造管理者等に対して不適正な救済措置を指示することはなくなった。
もっとも、逸脱会議においては従前の運用が定着しており、2017 年 4 月以降も、OOS ロ
ットを救済するための検討を行い、再試験等によりこれを出荷する事例は継続的に発
生していた。
但し、2017 年 3 月以降は、類型 B の事例が減少している。これは、上述の医薬品製造
管理者の異動により、再加工処理(類型 B)のような明確に GMP に違反する不正な処理
を検討、実行可能な者等がいなくなったことによるものと考えられる。もっとも、類型
A(手順書上認められない再試験等)
、類型 C(社内規格不適合品の出荷)、類型 D(良品
選別後の出荷試験不実施)については、その後も継続的に実施されてきたものと考えら
れる。
2.安定性試験・安定性モニタリングの不実施等に係る調査結果
(1) 安定性試験等の不実施等の概要
ア 安定性試験等の不実施
富山第一工場では、遅くとも 2009 年頃の時点で、生産品目及び包装形態が多く試験数
に対して人的・物的設備が不足していたことにより、必要な試験が全ては実施できない
状態であったため、品質管理部においては、優先順位の高い試験をリスト化して、それ
らについてのみ試験を実施するという実務運用が定着していた。そして、この優先順位
の設定において、上記の加速試験や長期保存試験は、出荷に必要とされる試験よりも劣
後するものとして、試験実施計画から除外され、又は、計画書に記載されるものの実施
が後回しにされ、その結果として、2020 年 2 月の時点で大量の安定性試験の実施が行
われていないという状況となっていた。
こうした安定性試験等の不実施については、その一部ではあるが、2013 年 6 月から開
催されている「工場品質委員会」
(品質管理部長、工場長、副工場長、製剤の製造部長、
製剤の包装部長、顆粒剤包装部長、生産業務部長、生産企画部長、GMP 推進部長等の役
職者が出席していた。
)において情報共有されるなどの方法により品質管理部外の者に
も共有され、さらに、内部監査室が実施した 2019 年 3 月期の内部監査報告書において
も当該試験未実施の問題が指摘されていたが、改善には至らなかった。
イ 安定性試験等における不適合結果(OOS)の処理の不実施
また、富山第一工場品質管理部では、安定性試験等の試験担当者が試験結果を試験責任
4
者に報告し、試験責任者はこれを副品質管理責任者(安定性試験グループマネージャー)
に報告していた。もっとも、当該副品質管理責任者は、安定性試験の不適合結果が生じ
た場合に、その不適合の原因が試験実施計画どおりに試験を実施しても規格不適合と
なる製品自体の瑕疵によるものであるか、試験実施計画どおりに試験を実施できなか
ったという試験エラーによるものであるかの判別が困難であったため、上長への報告
を躊躇し、不適合結果を OOS 管理手順書に従った方法で品質管理責任者へ報告する手
続を適切に採っていなかった。
もっとも、副品質管理責任者は、OOS の管理に関する手順ではないものの、上述の「工
場品質委員会」において一部の試験結果について情報共有し、同委員会の議事録は欠席
者を含め委員全員へメール配信されていたことから、同委員会の委員である品質管理
部長、富山工場長、常務執行役員、開発・企画本部副本部長、製剤技術部長、生産企画
部長及び GMP 推進部長等の役職者は、一部の製品が安定性試験/安定性モニタリング
において規格不適合となっていることを認識し、又は、容易に認識することができたと
考えられる。
しかし、品質管理部では、こうした安定性試験等における規格不適合結果の処理の手順
は明確に手順書には定められていないと考えており、その結果、OOS 管理手順書や逸脱
管理手順書に従った OOS の処理は実施されず、かつ、GQP 取決書に従った製造販売業者
(品質保証責任者)への報告も実施されていなかった。
第3.原因究明再発防止策の提言
以上の調査結果を踏まえ、弊所事実調査チームは、昨年 7 月、上記事実調査結果の詳細
及び究明された原因の内容及び再発防止策の提言を内容とする調査報告書を提出した。
究明された原因及び再発防止策の提言の内容は、 「再発防止策」
別紙 のうち「TMI 提言」
欄の「原因」及び「提言の内容」にそれぞれ記載のとおりである。
第4.日医工における継続調査等及び再発防止策の実施状況
1.継続調査等及び自主回収
(1) 不適正な OOS/逸脱処理に関する調査等及び自主回収
日医工においては、上記の弊所事実調査チームの調査と並行し、また、調査報告書を受
領した後も、継続的に富山第一工場において生じた不適正な OOS/逸脱処理の事例を調
査するため、例えば市場流通製品ロットの全ての試験ログデータ(約 32 万件)から複
数回の試験が行われている製品ロットを特定し、記録精査、担当者ヒアリング、試験デ
ータの分析等を実施するなどの各種の方法により、同様の GMP 上の問題のある製品ロ
5
ットの調査を実施した。
そして、OOS 管理手順書、逸脱管理手順書等の手順に沿って OOS 処理又は逸脱処理がな
されていないことが認められた事例については、改めて手順に従って OOS 処理又は逸
脱処理を実施した。また、出荷試験に OOS が生じたものの OOS を棄却して出荷した事
例については、当該 OOS の棄却に科学的妥当性があるのか、出荷試験にエラー(ラボエ
ラーやサンプルエラー)があると認められるのか、品質に問題はないかを評価・検討し
てきた。
そして、当該調査等により、不適正な救済措置があり、品質上の懸念が払拭できない製
品ロットが認められた場合には、その都度、当該製品ロットを自主回収してきた。
(2) 安定性試験の実施等及び自主回収
また、日医工においては、同様に、安定性試験の不実施の事例等につき、実施計画を策
定して未実施であった安定性試験を実施するとともに、放置されていた安定性試験の
不適合結果にかかる OOS/逸脱処理を行ってきた。
そして、当該安定性試験により不適合結果(OOS)が発生した製品については、品質評
価を行い、その結果品質に係る懸念が払拭できない製品又は製品ロットが認められた
場合には、その都度、当該製品ロットを自主回収してきた。
2.再発防止策の策定及び実施
さらに、日医工においては、これらの継続調査対応と並行して、弊所事実調査チームの
調査報告書における再発防止策の提言(前記第 3)を受け、再発防止・改善措置を策定
し、以後、当該再発防止・改善策を実施してきた。
当該再発防止・改善措置の概要及び実施状況は別紙「再発防止策」のうち「日医工策定」
欄記載のとおりであり、現在も随時実施中である。
以上
6
別紙「再発防止策」
TMI提言 日医工が策定・実施する再発防止策
項目 究明された原因 再発防止策の提言 再発防止・改善策の内容 実施状況
(1) GMP上の再発防止・改善策(製造所・富山第一工場)
ア 手順の見直し
各手順書、とりわけOOS管理手順書、逸脱管
上記各手順書の表現を明確化し、OOSや逸脱の処理に際し、誰が読んでも正しい手順が分かるような記載・構成に変更する必 OOS管理手順書、逸脱管理手順書等の各手順書の表現を明確化し、OOSや逸脱の処理に際し、誰が読んでも正しい手順が明瞭に理解できる記載・構成 【完了済み】
(ア)手順の明確化 理手順書が不明瞭であったことが不適正な救
要がある。 に変更。 2020年4月15日~2020年9月17日
済措置等の原因の一つと考えられる。
手順書を改訂し、次の事項を明確かつ一義的に規定。 ■①~③
①初回試験結果の棄却の条件・手順 【完了済み】
品質管理基準書又は/及びOOS管理手順書において、次の事項を明確かつ一義的に定め、不合理なOOSの棄却が生じないよう PIC/S GMPガイドに準拠し、検証試験、追試験・再試験の定義を改訂し、初回試験結果を棄却して追試験、再試験が実施できる条件を、品質管理部 2020年4月15日~2020年9月17日
品質管理部門内でも、初回試験結果を棄却し
(イ)初回試験結果の棄却・再 にすることが重要である。 内で実施するOOS調査によりラボエラー(サンプリングエラー含む。)と認められた場合に限定するなどのOOS管理手順書の改訂。 ■④
再試験、再サンプリングを行い得る条件を明
試験等の条件の明確化(品 ①初回試験結果の棄却の条件・手順の明確化 ②再試験・再サンプリング実施の条件・手順の条件 【完了済み】
確かつ統一的に認識できていたとは言い難
質管理基準書・OOS管理手 ②再試験・再サンプリング実施の条件・手順の条件の明確化 追試験、再試験(再サンプリング)、検証試験の起点を明確化し、実施の条件・手順を具体的な記載とするようOOS管理手順書を改訂。 115品目:2020年12月末
く、この点が本件の不適正な救済措置等の原
順書) ③安定性試験・安定性モニタリングのOOSがOOS処理の対象となることの明確化 ③安定性試験・安定性モニタリングのOOSがOOS処理の対象となること 【完了予定(計画)】
因の一つと考えられる。
④社内規格の見直し OOS管理手順書において、適用範囲に「本SOPは、QC部が実施する全ての試験・検査(安定性試験、安定性モニタリングを含む)に適用する。」と 2020年12月末まで:115品目見直し
明記。 2021年3月末まで:115品目見直し
④社内規格不適合結果の出荷の可否・条件の明確化 2021年6月末まで:115品目見直し
逸脱会議での検討・判断が手順書に優先する 逸脱管理手順書において、次の事項を明確に定めることが重要であると考えられる。 逸脱管理手順書を改訂し次の事項の制定。
かのような認識が品質管理部門担当者を含む ①逸脱管理責任者、逸脱会議の権限の明確化 ①逸脱管理責任者、逸脱管理会議の権限の明確化
逸脱会議出席者内でも定着してしまってい 出荷試験不適合の逸脱に係る逸脱管理責任者、逸脱会議の権限範囲を明確化し、品質管理部における出荷試験の合否に係る 逸脱管理責任者、逸脱管理会議が出荷試験に係る規格不適合結果(OOS)やこれによる出荷不可の判定に対して何らかの判断、決定等を行う手順、
た。そのような認識が定着した要因として、 判断・結論が不当に覆されない手順を構築する。 権限が存在しないことを明確に規定。
(ウ)逸脱処理における逸脱会
逸脱管理手順書の内容が不明確であり、OOS ②逸脱会議における生産業務部の役割について ②逸脱管理会議における生産業務部の役割 【完了済み】
議の権限・手順の明確化
の逸脱に係る製造ロットの処理としてどのよ 逸脱会議における生産業務部からの出席者の役割は、出荷管理に係る情報(出荷スケジュール等)を伝達に限定する。 生産業務部担当者には逸脱管理会議への参加要請はしない旨を規定。 2020年4月15日~2020年9月17日
(逸脱管理手順書)
うな処理が可能であるか、あるいは、どのよ ③変更管理の手順への移行について ③変更管理の手順への移行
うな処理が許されないかが手順書上一義的に OOSの逸脱の再発防止のため、逸脱会議の協議の場で製造方法の変更が必要と判断された場合には、変更管理に移行する手 逸脱管理手順書の改訂及び「是正措置・予防措置(CAPA)に関する手順書」を制定し、逸脱管理において、OOSの発生予防のための製造方法の変更
読み取れなかったことも寄与していると考え 順を整備する。 を含めた是正措置・予防措置の必要性を検証し、その必要性を認識した場合に、これが放置されることがないよう、CAPA責任者が責任をもって是正措
られる。 ④OOSの逸脱に係るGMP監査室への報告 置・予防措置の検証が実施される手順を制定。
合理的理由のない再試験・再サンプリングを防止の主な対策として、以下に示す①人為的な対策、②試験機器のシステム(電子化を含む)化を実施。
①人的な対応:
・試験はすべて上長による指示(試験時指示、試験記録のシステム化)の下で実施し、全測定データはトレースできるように保管する 【完了予定(計画)】
・試験手順書の改訂 2022年3月末日
・上記を含めて試験手順、GMP関連事項の繰り返し教育訓練の実施 ・リムス、ラボソリューションの連携
不適正な救済措置は、試験記録のシステム・ 合理的理由のない再試験・再サンプリングの防止のためには、試験記録の管理を厳格化し、データインテグリティを確保する
②試験機器等のシステム(電子化を含む)化(自動的に記録化される対応については協議開始) ・リムスのマスター作成
手順上、初回試験の不適合結果を再試験等の ことが必要であり、具体的には、試験結果が自動的に記録化され、不適合結果となった試験記録を勘案せずに最終的な適合・
イ 試験記録管理の厳格化 ・HPLC等の実測値(ログ)が自動でリムスに入力・・・早急に実施予定 ・試験記録の発行管理のシステム化
適合結果によって上書きすることが物理的に 不適合の判断をすることができないようなシステムを導入することや、試験記録用紙の発行管理を厳格化するため、試験記録
・試験記録発行の電子化
可能であったが故に行われたものである。 発行管理者を置いてその管理に当たらせることなどの対応が考えられる。
・試験記録用紙の電子化(ラボノート) 2025年3月末日
・試験記録用紙の電子化(ラボノート)
試験記録書の発行管理を試験室管理システム(LIMS)によって行い、発行権限のない者が容易に試験記録が発行できず、また発行履歴がシステム内に (試薬マスター、試験機器のマスター構築)
ログとして記録されるシステムを構築する。
また、試験に携わる者への教育訓練を直ちに行い、同じ事象が二度と発生しないよう、継続して教育訓練を実施する。またシステム対応が完了するま
での間は、試験記録管理に関する手順書を明確化して発行ログを紙ベースで記録できるよう運用方法を改善する。
安定性試験等の結果について、試験担当者から品質管理責任者、さらには品質保証責任者、医薬品等総括製造販売責任者に至
ウ OOSの状況を適時に確 安定性試験等におけるOOSの放置につき、安 LIMSにおいてOOSが生じた場合、そのOOSの試験の種類、内容、結果等がLIMSから自動的にOOS管理者に通知され、通知されたOOS事例に該当する
るまでの過程(市場からの回収の要否の判断過程)で、処理が中断、遮断されないよう、不適合結果が生じた場合、システム 【完了予定(計画)】
認・追跡できるシステムの 定性試験の結果の監視・監督が不十分であっ 報告をOOS責任者が受領していない場合に、OOS責任者から報告を請求できるようにする仕組みの導入。当該機能の実現により、実際に発生したOOS
上、その不適合結果の試験の種類、内容、結果が自動的にGMP監査室に通知されるとともに、GMP監査室がそのOOSの処理 2021年3月31日
導入 た。 と、OOS/逸脱の手順に従ってGMP監査室へ報告されるOOS事例について齟齬が無いことを保証できる体制を構築。
状況を追跡できる(またはマイルストーンごとに自動的に共有される)仕組みを創設することも検討すべきである。
エ GMP組織の見直し
現在の医薬品製造管理者は会社組織上マネー
ジャークラスであり、品質管理責任者(品質
今後、医薬品製造管理者は、工場長と同格の者が務めることが理想的であり、現状最適な会社組織上の役職が存在しない場合 医薬品製造管理者による製造管理・品質管理の管理監督が適切に実施され、今後の再発防止が徹底されるよう、富山第一工場において工場長と同格の 【完了済み】
(ア)医薬品製造管理者の変更 管理部長)や製造管理責任者(製造管理部
は、新たな役職を設けることも検討に値する。 職位である富山工場品質管理統括部長に就任する者を医薬品製造管理者に任命する運用に変更。 2020年7月31日
長)を適切に管理監督する職責を果たせる職
位にない。
職責上、ロットアウト回避・出荷優先の論理
(イ) 逸脱管理責任者・逸脱管
で活動することが自然な立場にある生産業務 【完了済み】
理副責任者その他の逸脱管 今後、逸脱管理責任者は、生産業務部等の生産担当者から離れた役職にある者を任命する運用を徹底すべきである。 逸脱管理責任者及び副逸脱管理責任者が生産業務部員から任命される運用を廃止し、品質管理統括部から任命する運用に変更。
部の担当者が逸脱管理責任者/逸脱管理副責 2020年7月31日
理担当者の変更
任者に任命されている。
本件のGMP違反の根底には、富山第一工場に
製造及び品質管理に携わる関係者一人一人のGMPに対する理解と規範意識の向上が不可欠であり、そのために、今後は、GMP
おける製造及び品質管理関係者全体における GMP教育の在り方を根本的に見直し、その徹底を図るとともに、GMP監査室や外部の専門家等による研修等も導入した教育・訓練プログラムの策定
オ GMP教育訓練の徹底 教育の在り方を根本的に見直し、その徹底を図ることや、外部の専門家等による定期的な研修を継続的に行うことを検討すべ 随時実施
GMPに関する理解と規範意識の不十分さが存 と、継続的なGMP教育の実施の徹底。
きである。
在すると考えられる。
今後、品質管理部門の権限を強化し、適切な第2線のチェックが行われる仕組み作りを行う必要があると考えられる。
不適正な救済措置や、安定性試験等の不実施
カ 品質管理部門・GMP推 また、GMP推進部についても、工場で製造する品目に関し、GMPを遵守し適正かつ円滑な製造管理及び品質管理が実施される 富山第一工場の医薬品製造管理者を富山工場品質管理統括部長とする運用の実施。 【完了済み】
の原因の一つとして、品質管理部門の発言力
進部の権限強化 ことを確保するという本来の責務に立ち返り、定期的に工場におけるGMPの遵守状況をチェックし、製造部門に対してもかか 富山第一工場QA部による工場における定期的なGMPの遵守状況チェック体制の構築。 ~2020年7月31日
が弱かったことが挙げられる。
るチェックに協力させることを徹底すべきである。
キ 安定性モニタリンググループの設置及び実施状況監査
TMI提言 日医工が策定・実施する再発防止策
項目 究明された原因 再発防止策の提言 再発防止・改善策の内容 実施状況
①試験者の増員
試験担当者25名の増員。 随時実施
試験担当者の人員に対して品目数が多過ぎる
②外部試験機関の活用 ①2020年12月末日現在で24名の実増
( ア ) 安 定 性 モ ニ タ リ ン グ グ ため、既に市場に出た製剤に対する安定性試 安定性モニタリング試験のみを行う安定性モニタリンググループを品質管理部内に新設し、常に一定の人員を同試験のために
「安定性試験チーム」の役割を外部試験機関への試験委託業務を専門に担当する部署に変更し、計画的な外部試験期間への試験委託を実施すること ②随時実施中(2020年4月~12月の予定試験依頼検
ループの設置 験等よりも、出荷に必要な試験を行うことが 割くことが検討されるべきである。
により、外部試験期間への試験依頼検体数を増加させる。また、新規委託先も追加。 体数860に対し、同期間の実績1096)
優先されていた。
③試験設備増強 ③2020年5月~12月に導入完了
Obelisk棟4階の試験室の拡張工事を行い、分析機器(高速液体クロマトグラフィー(以下HPLC)30台及び溶出試験器21台)を導入。
品質管理部内において安定性試験及び安定性
モニタリングが計画どおりに実施されていな
必要な安定性試験等を漏れなくリスト化し、そのリストと試験進捗(結果概要を含む。)が、定期的に品質管理部とは別の部 QC部内において安定性試験及び安定性モニタリングが実施されていなかった状況を踏まえ、その全てを漏れなくリスト化し、そのリストと試験進捗
かった。一部、規格不適合結果が品質管理責
署(GMP監査室又は/及び信頼性保証本部)に必ず共有・報告される仕組みを創設し、別部署による監視体制を構築すべきで (結果概要を含む)が、随時QC部とは別の部署である安定性試験実施責任者とGMP監査室に共有・報告される仕組みを創設し、両者による監視体制を
(イ) 安定性試験・安定性モニ 任者を含む各関係者へ報告されたケースも存 【完了済み】
ある。 構築。
タリングリスト作成・報告 在したが、これについては、工場長、品質管 2020年7月31日
また、当該報告に用いられるリストは、未実施試験を実施したかのように、あるいは、不適合結果が適合結果であったかのよ なお、富山工場品質管理統括部長を安定性試験の実施管理を行う安定性試験実施責任者に任命し、同責任者において安定性試験の実施状況(OOS発生
理部長のいずれからも、OOS管理手順 書に
うに改ざんできるものではない仕様を検討すべきである。 時のOOSの処理状況を含む)の管理・監督を開始。
従った処理を指示するなどの適切な監督が行
われていなかった。
(2) GQP上の再発防止・改善策(製造販売業)
信頼性保証本部において、次のとおり適切かつ定期的なGMP遵守状況の確認を徹底すべきである。
信頼性保証本部が、GQP取り決め書に基づく ①定期監査の実施の徹底
富山第一工場に対するGMP遵守状況の定期的 GQP取決書に従い、年1回の定期監査を徹底する。 信頼性保証本部による年1回の定期監査、抜き打ち監査の実施。
ア 信頼性保証本部による 【完了済み】
な監査を一部実施しておらず、またその監査 ②監査事項・方法の見直し 抜き打ち監査時の信頼性保証本部員の作業立ち会いによるチェック等の記録化されない作業実施の監視。
GMP監査の徹底・見直し ~2020年10月1日
内容も本件の不適正な救済措置の発見には不 記録化されていない不適正な事象の監査として機能する内容の監査項目を検証し、実行する。 QA部員の製造所の製造現場に常駐開始による監査機能強化 等。
十分なものであった。 ③抜き打ち監査の実施
監査の実効性の担保及び牽制のため、抜き打ち監査も実施する。
不適正な救済措置の実施において主導的な役
イ 総括製造販売責任者の 【完了済み】
割を担っていたA氏が、製造販売業に係る総括 適任者を捜索の上、総括製造販売責任者を他の人材に変更することを検討するべきである。 本件の不適正な救済措置の実施に関与した製造管理者(当時)が総括製造販売責任者であった状況に鑑み、総括製造販売責任者を変更。
変更の検討 2020年7月13日
製造販売責任者を務めている。
(3) 内部監査・監督機能の強化
GMP監査室を新設し、GMPに関する専門的知識を有する人材による監査及び改善指導を実施。当該GMP監査においては、本件における不適切な事象の
発生に対する反省として、特に以下の事項を含む、継続的かつ実効的な監査を実施。 【完了済み】
2020年4月に新設されたGMP監査室において、特に以下の事項を含む、継続的かつ実効的なGMP監査を実施することが必要で
(ア)記録のない初回試験の棄却・繰り返し試験実施にかかる監視 GMP監査室の設置:2020年4月
ある。
単に試験成績書・試験記録を確認するだけではなく、コンピュータ上で残されている試験ログデータを確認し、同一の製造ロットで複数回の試験が ①:2020年11月1日
① 記録のない初回試験の棄却・繰り返し試験実施に係る監視
なされているデータを抽出した上で、試験成績書・試験記録と照らし合わせ、記録化されていない初回試験値の棄却がなされていないかを確認する項 ②:10回
内部監査室による業務監査では、専門的知識 記録化されないGMP違反の監査のため、試験成績書・試験記録を確認するだけではなく、複数回の試験が行われている試験
ア GMP監査室による内部 目を追加。
を有するGMP違反の内部監査には十分に対応 データログを抽出の上、試験成績書・試験記録と照らし合わせることなど。
監査体制の強化 (イ)製造指図記録のない製造工程実施に係る監査等 【完了予定(計画)】
できないと考えられる。 ② 製造指図記録のない製造工程実施に係る監査等
製造管理システム(MES)及び支援システムを導入し、作業ミスや正規の承認プロセスを経ない変更を電子的に管理し、また、製造記録の電子化や ・支援システム(SCADA)
製造指図記録に基づかない再加工処理をできる限り発見できるよう、製造機械の実際の稼働状況(日時、製造内容等)を自
製造設備の監査証跡管理を実施することにより、後日、GMP監査室やQA部等が、製造指図記録に記載のない製造工程が行われていないかを監査できる 2021年9月運用開始
動的にデータとして記録し、それを製剤ごとに製造工程と紐づけて記録管理できるシステムを導入するなどして、後日、製造
体制を構築。 ・製造管理システム( HITPHAMS (MES))
指図記録に記載のない製造工程が行われていないか、監査できる体制を構築することなど。
製造管理システム(MES)及び支援システム導入までについては、GMP監査において、装置が稼働している時間帯における無通告監査するなどの監査 2023年5月運用開始
を実施。
GMP監査室によるGMP監査と品質保証部門におけるGMP監査の関係・役割分担を明確にし、相互が協調して実効的かつ効率 GMP監査室によるGMP監査と前記2(1)の品質保証部門におけるGMP監査の関係・役割分担を明確にし、相互が協調して実効的かつ効率的なGMP監
イ GMP監査室と信頼性保
的なGMP監査・監督機能を果たせるような仕組みを構築することが重要であると考えられる。また、GMP監査の結果、状況に 査・監督機能を果たせるような仕組みを構築。 【完了済み】
証本部によるGMP監査に係
ついて定期的に相互に報告することを義務付け、適切な情報共有を図るとともに、これにより双方の監査・監督業務が適切に 相互のGMP監査の結果、状況について定期的に相互に報告することを義務付け、適切な情報共有を図るとともに、これにより双方の監査・監督業務が 2021年1月1日
る連携等
なされていることを相互に確認し合う仕組みを講じることも検討すべきである。 適切になされていることを相互に確認し合い、必要に応じて是正が図られるような仕組みを構築。
(ア)従業員に対し内部通報制度の存在や通報に関する秘密が遵守され、通報に対する報復が禁止されることの周知を徹底し、その活用を促す。
これまでの内部通報制度では、本件の各問題 従業員に対し、内部通報制度の周知を徹底し、その活用を促すとともにGMP監査室等、GMPに関する専門的知識を有する部署 【完了済み】
ウ 内部通報制度の見直し (イ)コンプライアンス推進室に、薬機法令と実務に詳しく、製造管理者・総括製造販売責任者を経験した者を新たに配置しGMP違反に関する専用の窓
事象を検出することはできなかった。 にGMP違反に関する専用の窓口を設置することなども検討すべきである。 2021年1月1日
口を運営させる。
TMI提言 日医工が策定・実施する再発防止策
項目 究明された原因 再発防止策の提言 再発防止・改善策の内容 実施状況
(4) 組織・経営全般に関する施策
本件の事象の根幹には、富山第一工場におけ これらの風土を刷新するために、経営陣によって抜本的な取り組み(例えば、経営トップによる強いメッセージの発信、役員
る以下の風土の存在がその大きな要因として 間における問題点の協議・意識共有、役員自身による従業員との意見交換の実現、経営陣自らの対話を通じた幹部職員に対す
存在したと考えられる。 る教育等が挙げられるが、これらに限られない。)を実施する必要がある。
①品質管理業務よりも出荷、安定供給・欠品 ①出荷重視・偏重の風土の撤廃
本件の不適切な事象の要因として指摘された富山第一工場における風土の改革として、①出荷重視・偏重の風土の撤廃、②経営陣等に意見ができる風
回避を優先する風土 医薬品工場としての社会的責任を果たすべく、こうした風土を撤廃し、改めて「超品質」という根本的理念を工場内の風
通しの良い企業風土の実現、③当事者意識の醸成を実現するため、経営陣による取り組みとして、法令遵守、品質の維持向上、情報共有、教育と技術
②経営陣等の上層部が打ち出した方針につい 土・文化として強く根付かせる必要がある。 【完了済み】
ア 風土改革 の継承、安定供給の5つの「品質行動指針」から構成される「新品質方針」を制定。
て、本来その改善のために必要であっても、 ②経営陣等に意見ができる風通しのよい企業風土の実現 2020年7月15日
全本部がこの新品質方針に基づいた目標をそれぞれ設定し、部、グループ、チーム、そして従業員の目標として落とし込んだ上で、全従業員が新品質
ネガティブな情報を経営陣に報告ないし進言 現状の経営方針に反するような内容であっても、富山第一工場の現場の従業員等が率直に経営陣に対して意見・改善要望が
方針への署名を実施。毎月15日を「品質の日」として、各本部の目標の達成について毎月の経営会議の場で進捗の確認を実施。
することを従業員が躊躇する風潮 行い得るような風通しのよい企業風土を実現すべきである。
③GMP違反の問題について認識/疑念を持っ ③当事者意識の醸成
ても、当事者意識を持たずにこれを問題視し 従業員の声をより積極的に取り上げる仕組みを作ることで、従業員の間に、会社の問題は自分の問題でもあるという当事者
ない風潮 意識を根付かせることが必要である。
イ 取締役・監査役の責任の再構築
同一の取締役が「超品質・安定供給担当」を
担当しているが、製造所の在庫に余裕がない 製造所における品質管理を担当する役員は安定供給を担当する役員とは独立に設置されるべきであり、役員レベルにおいて
製造所における安定供給の職責と品質管理の職責を同一の取締役が「超品質・安定供給担当」として担っていたことが本件のGMP違反事例の要因と 【完了済み】
(ア) 品質担当役員の設置 場合には、品質管理を犠牲にして安定供給が も、安定供給と品質管理のバランスが保たれるよう配慮されるべきと考えられる。また、品質管理を担当する役員は製造所に
なったと考えられる反省から、製造所における品質管理を担当する役員である超品質担当役員を、安定供給を担当する役員とは独立に設置。 2020年7月13日
優先されるインセンティブが生じることにな おける品質管理に精通している人物を起用するべきである。
る。
工場長/生産本部長時代において不適正な救
【完了済み】
(イ) B取締役の処遇の検討 済措置を主導したと評価できるB氏が「超品 社会的責任という見地からして、同氏の取締役としての任務の継続の是非について検討すべきである。 当時工場長として富山第一工場におけるOOSロットの不適正な救済措置に関与していた取締役の辞任。
2020年7月13日
質・安定供給担当」取締役を務めている。
本件各問題事象については、監査役による監 【完了済み】
(ウ) 薬事担当の監査役の設置 常勤監査役に薬事の専門的知見を有する人材を任命することも検討に値する。 品質管理本部における適切な品質管理がなされていなかった点にも問題があるとの反省から、新たな品質管理本部長を任命。
査によっても発見に至らなかった。 2020年7月13日
C取締役又は代表取締役専務執行役員(生産本
医薬品製造所たる富山第一工場の風土を改革する出発点として、従業員に対するGMP教育のみならず、役員クラスにおいて
ウ 役員に対するコンプラ 部統括等担当)であったC氏によるロットアウ 【完了済み】
も、今後、富山第一工場において安定供給重視、遵法体制の欠如が生じないよう徹底した監督を行うために、GMPを含むコン 代表取締役社長が2020年7月13日付でコンプライアンス管掌に就任し遵法体制を強化するとともに、役員を含むコンプライアンス研修の実施。
イアンス研修 ト回避の指示が本件の不適正な救済措置の根 2020年7月13日・8月17日
プライアンス研修を定期的に実施するなどして、その意識の再確認が行われるべきである。
本的な発生要因であったと考えられる。
問題の根本的な解決は、現場にとって無理なく生産及び品質管理を行うことができる生産計画を策定し、維持することである
本件各問題事象の原因として関係者のヒアリ 2021年3月まで(以下、今期)の間、安定供給に支障のない範囲で出荷ロット数を減少させる(通常生産の15%削減を目途。 QC部の増強計画に合わせ
エ 無理のない生産計画・ と考えられ、現在では人員や設備が補充されるなどして一定程度改善していると思われるものの、今後も、富山第一工場にお
ングにおいて最も多く指摘された問題点は、 た生産数量の見直しを行い、現在は3,284百万錠で計画)。
体制の策定と維持 いて扱う品目数が管理能力の限界を超えていないかを常に検証し、必要に応じて外部に委託をするなどして品目数を削減する
富山第一工場における生産体制が、予定され 原材料、中間品の保管数量の基準につき、原材料は2.5ヵ月、包装前の中間品は4.0ヵ月、市場出荷判定前の包装済み品については0.5ヵ月を場内に保管 随時実施中
ことを検討する必要がある。
る出荷量に全く追い付いていなかったことに する数量の上限と定め、QC部の試験キャパシティを超える原材料の入荷や生産が行われないように、生産業務部生産推進グループが生産計画を作成管
オ 人員の確保と教育体制 製造所、とりわけ試験担当者の十分な増員、適切な技術を有する人材の採用、内部における教育の充実を継続的に行う必要が
あった。 理するなど。
の拡張 ある。
OOSが発生しやすい(安定的に品質が確保できない)製剤につき、上市後の製品の品質改善計画を策定し、係る製造方法や承認規格についての見直し
を計画的に実施。
【品質改善計画の概要】
2020年12月 :品質にバラつきを生じさせる可能性のある製造工程と該当品目のPick up
一部の製剤につき、製造方法や承認規格が製
特にOOSが発生しやすい製剤については、適切に変更管理の手順に従った上で、その製造方法や承認規格を見直すこと、今後 2020年3~4月 :品質改善を行う独立部門の創設と上記品目の改善着手
造現場の実態に即したものではなかったが故
カ 製剤設計の見直し・検 の新規製剤の開発においても、富山第一工場の製造現場の実態(実製造スケール、製造担当者の技術レベル、製造機械の精 2021年3月まで:製造方法等によるグルーピングの実施および改善
に、実際の製造現場においてOOSを多数発生 左記品質改善計画のとおり
討体制の強化 度、原薬の品質等)に即して安定的な製剤設計が可能となるように、企画開発本部等において必要十分な体制を構築すること 富山第一工場製造品について、バリデーションプランの作成
させ、ひいては、不適正な救済措置等の間接
も長期的かつ根本的な改善対策として重要である。 2021年6月まで:OOS発生頻度の高い試験方法の確認と試験実施記録書の改訂
的な要因となった可能性が示唆された。
2021年8月まで:製造指図記録書の手順記載整備、生産時に記録するデータの見直し
また、安定的な製剤設計が可能となるよう開発・企画本部等において必要十分な体制を構築、品質改善を主たる業務とする新な部門の創設、新規製剤
の開発・企画本部から生産本部への生産技術移管、QC部への試験技術移管を行う段階を、試作の最終段階からPQ実施までの間の段階に繰り上げるなど
の措置の実施。
経営監督的な責任の見地から、役員等に対する以下の処分を実施。
■代表取締役社長 : 月額報酬50%(12ケ月)減俸
■代表取締役副社長 : 月額報酬30%(6ケ月)減俸
2011年頃において、工場長/生産本部長が不
■取締役副社長 : 月額報酬30%(6ケ月)減俸
適正な救済措置を指示するようになった背景
■取締役専務 : 月額報酬30%(6ケ月)減俸
には、その上司である取締役専務執行役員 不適切事象を主導し、あるいは関与した責任者の責任を明確にすることが必要である。また、代表取締役を始めとする現職の
■上席執行役員・品質管理本部長 : 上席執行役員・品質管理本部長の任を解き、月額報酬30%(3ヶ月)減俸 【完了済み】
キ 関係者に対する処分・ (当時)からOOSロットにつきロットアウト 役員についても、経営監督的な責任の見地から、一定期間の減給等の処分も検討すべきである。さらに、退任したC氏につい
■上席執行役員・信頼性保証本部長: 月額報酬30%(3ヶ月)減俸 2020年7月13日
責任の明確化 を回避するよう指示を受けることがあったこ ては、自身の指示が本件の不適正な救済措置の発生要因となった以上、任意の退職慰労金の一部返還を求めることも検討に値
■上席執行役員・生産本部長 : 月額報酬30%(3ヶ月)減俸 ※なお、さらなる処分を検討中
とも挙げられる(但し、当該取締役専務執行 する。
■執行役員・信頼性保証本部副本部長・総括製造販売責任者
役員が不適正な救済措置の存在を認知してい
: 執行役員・信頼性保証本部副本部長・総括製造販売責任者の任を解く
たとまでは認められない。)
■顧問 : 顧問を退任とし、報酬の一部の自主返納を要請
また、さらなる処分を検討中である。