4536 参天薬 2020-05-08 15:00:00
参天製薬とjCyte社、網膜色素変性症における細胞治療プログラムjCellの日本・アジア・欧州での独占ライセンス契約を締結 [pdf]
2020 年 5 月 8 日
各 位
会 社 名 参 天 製 薬 株 式 会 社
代表者名 代表取締役社長兼 CEO 谷内 樹生
(コード番号 4536 東証第1部)
問合せ先 コーポレート・コミュニケーショングループ
吉 川 明 子
( T e l : 0 6 - 4 8 0 2 - 9 3 6 0 )
参天製薬と jCyte 社、網膜色素変性症における細胞治療プログラム jCell の
日本・アジア・欧州での独占ライセンス契約を締結
2020 年 5 月 8 日、参天製薬株式会社(本社:大阪市、以下参天製薬)と jCyte, Inc.(本社:
米国カリフォルニア州、以下 jCyte 社)は、網膜色素変性症におけるファースト・イン・ク
ラスの治療として開発が進んでいる jCell の開発・販売権について、日本、アジア、欧州に
おける独占的ライセンス契約を締結したことを発表しました。
jCyte 社は、遺伝性疾患である網膜色素変性症の治療法を開発しています。jCell は、網膜前
駆細胞を主要成分とする細胞治療製剤です。投与経路は硝子体内注射で、他の遺伝子・細胞
治療で多く使われている網膜下投与に比べ低侵襲です。眼内に投与された細胞が、細胞成
長・保護因子を分泌し、それらが網膜細胞を活性化、保護することを主要メカニズムとして
います。その作用メカニズムから、原因遺伝子の型にかかわらず、あらゆる網膜色素変性症
に適応できる可能性が考えられ、将来は、網膜色素変性症以外の網膜細胞変性疾患への応用
も検討していく予定です。
米国では、網膜色素変性症を対象に、後期第Ⅱ相臨床試験の評価が完了し、クロスオーバー
試験を継続中です。細胞治療プログラムである jCell は、これまで 100 人を超える患者さん
に投与されています。初期の臨床データに基づいて、米国食品医薬品局(FDA)から再生医
療先端治療(RMAT)に指定されたことにより、jCell は生物学的製剤承認申請(BLA)の
優先審査の対象となる可能性があります。RMAT に加え、FDA と欧州医薬品庁(EMA)の
オーファンドラッグ指定も受けています。
本契約の締結により、jCyte は 5,000 万ドルの契約一時金を受け取り、また参天製薬は同社
から 1,200 万ドルの転換社債の引き受けを行います。また、jCyte は、日本及びアジア・欧
州の特定国における開発の進捗および売上高に応じ最大 1 億 9,000 万ドルのマイルストー
ン支払いを受け取ります。これらを合わせた契約規模は最大で 2 億 5,200 万ドルとなりま
す。また、jCyte は、これとは別に jCell の売上高に対するロイヤリティを受け取る権利を
有しています。
網膜色素変性症は、遺伝子変異が原因で網膜の視細胞及び色素上皮細胞が広範に変性する
疾患です。特徴的な症状は、夜盲、視野狭窄、視力低下で、総じて 10 代で発症し、中高年
になると失明に至るケースも多いとされています。世界では約 190 万人*1、日本では人口 10
万人に対し 18.7 人の患者さんがいると推定されています*2。移動や学習など、視覚を要す
る動作が困難となるなど、日常生活に支障を来す疾患である一方で、根本療法や、その進行
を抑制できる治療薬がなく、アンメットメディカルニーズが高い疾患です。
参天製薬は、患者さんへの一層の貢献を目指し、治療においてさまざまな選択肢をご提供で
きるよう、革新的な取り組みに注力していきます。
*1 Hamel C. Retinitis pigmentosa. Orphanet J Rare Dis. 2006;1:40.
*2 日本眼科学会 http://www.nichigan.or.jp/public/disease/momaku_shikiso.jsp
以上
参天製薬(参天製薬株式会社、本社:大阪市)について
参天製薬は、眼科に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、医療用・一般用の医薬品や、医療機器の研究、開
発、販売・マーケティング活動を行っています。世界約 60 を超える国・地域で製品を販売しており、国内の医療用
眼科薬市場においては No.1 のシェアを有しています。130 年近くの歴史の中で培われた科学的知見や企業力を
活かし、今後も、価値ある製品・サービスの提供を通じ、患者さんや患者さんを愛する人たちを中心として、社会へ
の貢献を果たしてまいります。詳細については、当社ホームページ www.santen.co.jp をご参照ください。
jCyte 社について
jCyte は、網膜色素変性症および、その他の網膜変性症に対する細胞治療プログラム jCell の臨床開発に取
り組むバイオテクノロジー企業です。jCell は、遺伝性網膜疾患である網膜色素変性症に対するファースト・
イン・クラスの治療法となる可能性を秘めています。治療は低侵襲手術で、硝子体内注射によって行われ
ます。現在、網膜色素変性症に対する承認されている治療法はありません。jCyte 社は、再生医療の新時代
を拓き、アンメットメディカルニーズを抱える患者さんの治療に取り組みます。詳細については、
www.jcyte.com をご覧ください。
参天製薬の将来見通しに関する注意事項 (Forward-Looking Statements)
このプレスリリースにおいて提供される情報は、いわゆる「見通し情報」(“Forward-Looking Statements”)が含まれて
います。これらの見通しの実現できるかどうかはさまざまなリスクや不確実性に左右されます。従って、実際の業績
はこれらの見通しと大きく異なる結果となり得ることをご承知置きください。また、日本ならびにその他各国政府によ
る医療制度や薬価等の医療行政に関する規制が変更された場合や、金利、為替の変動により、業績や財政状態
に影響を受ける可能性があります。
当内容は 2020 年 5 月 8 日に発表した英文リリースの翻訳版です。 正式言語が英語であるため、
表現や内容につきましては英文プレスリリースが優先されます。
英文プレスリリースは、右記 URL よりご参照ください。 www.santen.com