4536 参天薬 2020-05-08 15:00:00
2020年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結) [pdf]
2020年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
2020年5月8日
上場会社名 参天製薬株式会社 上場取引所 東
コード番号 4536 URL https://www.santen.co.jp
代表者 (役職名) 代表取締役社長兼CEO (氏名) 谷内 樹生
問合せ先責任者 (役職名) IR室 室長 (氏名) 板垣 香里 TEL 06-6321-7000
定時株主総会開催予定日 2020年6月24日 配当支払開始予定日 2020年6月25日
有価証券報告書提出予定日 2020年6月24日
決算補足説明資料作成の有無 :有
決算説明会開催の有無 :有 (証券アナリスト・機関投資家向け)
(百万円未満四捨五入)
1.2020年3月期の連結業績(2019年4月1日~2020年3月31日)
(1)連結経営成績
コアベース (%表示は対前期増減率)
親会社の所有者に
基本的1株当たり 希薄化後1株当たり
売上収益 コア営業利益 コア当期利益 帰属する
コア当期利益 コア当期利益
コア当期利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭 円 銭
2020年3月期 241,555 3.2 50,023 3.7 35,894 △0.5 35,928 △0.5 90.00 89.76
2019年3月期 234,026 4.0 48,230 6.3 36,092 7.9 36,103 7.9 88.89 88.62
IFRS(フル)ベース
親会社の所有者に 当期包括利益
売上収益 営業利益 税引前当期利益 当期利益
帰属する当期利益 合計額
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2020年3月期 241,555 3.2 33,535 △25.6 32,091 △25.6 21,714 △32.0 23,618 △26.1 20,185 △31.5
2019年3月期 234,026 4.0 45,098 16.6 43,117 9.8 31,943 △9.4 31,954 △9.3 29,456 △27.7
基本的1株当たり 希薄化後 親会社所有者帰属持分 資産合計 売上収益
当期利益 1株当たり当期利益 当期利益率 税引前利益率 営業利益率
円 銭 円 銭 % % %
2020年3月期 59.16 59.01 8.0 8.0 13.9
2019年3月期 78.67 78.43 11.1 11.1 19.3
(2)連結財政状態
親会社の所有者に 親会社所有者 1株当たり親会社
資産合計 資本合計
帰属する持分 帰属持分比率 所有者帰属持分
百万円 百万円 百万円 % 円 銭
2020年3月期 408,768 302,560 302,865 74.1 758.50
2019年3月期 391,186 292,572 290,900 74.4 728.97
(3)連結キャッシュ・フローの状況
営業活動による 投資活動による 財務活動による 現金及び現金同等物
キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー キャッシュ・フロー 期末残高
百万円 百万円 百万円 百万円
2020年3月期 39,947 △5,175 △12,729 91,430
2019年3月期 32,894 △2,935 △28,107 70,796
2.配当の状況
年間配当金 親会社所有者帰
配当金総額 配当性向
属持分配当率
第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末 期末 合計 (合計) (連結)
(連結)
円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 円 銭 百万円 % %
2019年3月期 - 13.00 - 13.00 26.00 10,481 33.0 3.6
2020年3月期 - 13.00 - 14.00 27.00 10,782 45.6 3.6
2021年3月期(予想) - 14.00 - 14.00 28.00 48.0
3.2021年3月期の連結業績予想(2020年4月1日~2021年3月31日)
コアベース (%表示は対前期増減率)
基本的1株当たり
売上収益 コア営業利益 コア当期利益
コア当期利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭
通期 235,000 △2.7 52,000 4.0 38,700 7.8 97.67
IFRS(フル)ベース
基本的1株当たり
売上収益 営業利益 税引前当期利益 当期利益
当期利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 % 円 銭
通期 235,000 △2.7 35,000 4.4 34,000 5.9 23,000 5.9 58.35
上記の業績予想は、当社において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束時期を地域別に仮定を置いて見積もったものであり、実際の業
績等は状況により変動する可能性があります。今後、変動額が通期業績予想の修正をすべき水準となった場合には、速やかに開示します。
IFRS(フル)ベースの数値からコアベースの数値への調整内容は、添付資料P2「1.経営成績等の概況(1)当期の経営成績の概況」をご覧く
ださい。
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動):無
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更
① IFRSにより要求される会計方針の変更 :有
② ①以外の会計方針の変更 :無
③ 会計上の見積りの変更 :無
(注)詳細は、添付資料P17「3.連結財務諸表及び主な注記(5)連結財務諸表に関する注記事項(会計方針
の変更)」をご覧ください。
(3)発行済株式数(普通株式)
① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2020年3月期 400,028,254株 2019年3月期 399,782,354株
② 期末自己株式数 2020年3月期 608,065株 2019年3月期 663,412株
③ 期中平均株式数 2020年3月期 399,157,463株 2019年3月期 406,166,730株
(注)期末自己株式数には、株式報酬制度に係る信託が保有する当社株式(2019年3月期 5,642株、2020年3
月期 16,430株)が含まれています。また、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めてい
ます。
(参考)個別業績の概要
1.2020年3月期の個別業績(2019年4月1日~2020年3月31日)
(1)個別経営成績 (%表示は対前期増減率)
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
百万円 % 百万円 % 百万円 % 百万円 %
2020年3月期 182,610 3.6 34,434 4.8 34,862 5.0 27,402 △2.2
2019年3月期 176,208 2.5 32,849 5.0 33,191 4.7 28,014 10.1
1株当たり 潜在株式調整後
当期純利益 1株当たり当期純利益
円 銭 円 銭
2020年3月期 68.63 68.46
2019年3月期 68.96 68.76
(2)個別財政状態
総資産 純資産 自己資本比率 1株当たり純資産
百万円 百万円 % 円 銭
2020年3月期 340,007 283,522 83.2 708.12
2019年3月期 321,924 265,400 82.2 662.95
(参考)自己資本 2020年3月期 282,836百万円 2019年3月期 264,598百万円
※ 決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
(将来に関する記述等についてのご注意)
本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報および合理的である
と判断する一定の前提に基づいています。実際の業績等は、様々な要因により異なる結果となる可能性がありま
す。
(決算補足説明資料及び決算説明会内容の入手方法)
当社は、2020年5月11日(月)に証券アナリスト、機関投資家向けの決算説明会を開催する予定です。この説明
会で使用する資料は、当社ホームページに掲載する予定です。
参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
○添付資料の目次
1.経営成績等の概況 ……………………………………………………………………………………… 2
(1)当期の経営成績の概況 …………………………………………………………………………… 2
(2)当期の財政状態の概況 …………………………………………………………………………… 7
(3)当期のキャッシュ・フローの概況 ……………………………………………………………… 8
(4)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 …………………………………………… 9
(5)次期の見通し ……………………………………………………………………………………… 10
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………… 10
3.連結財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………… 11
(1)連結純損益及びその他の包括利益計算書 ……………………………………………………… 11
(2)連結財政状態計算書 ……………………………………………………………………………… 12
(3)連結持分変動計算書 ……………………………………………………………………………… 14
(4)連結キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………… 16
(5)連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………… 17
(継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………… 17
(連結財務諸表作成の基本となる重要な事項) …………………………………………………… 17
(会計方針の変更) …………………………………………………………………………………… 18
(セグメント情報等) ………………………………………………………………………………… 19
(その他の収益) ……………………………………………………………………………………… 20
(その他の費用) ……………………………………………………………………………………… 20
(1株当たり利益) …………………………………………………………………………………… 21
(重要な後発事象) …………………………………………………………………………………… 21
4.連結参考資料 …………………………………………………………………………………………… 22
(1)主要製品売上収益 ………………………………………………………………………………… 22
(2)開発状況 …………………………………………………………………………………………… 23
(3)設備投資、減価償却費及び償却費、製品に係る無形資産償却費ならびに研究開発費 …… 25
(4)主要通貨為替レート ……………………………………………………………………………… 25
1
参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
①業績の状況
(ア)コアベース※1(P4参照)
(単位:百万円)
前期 当期 対前期増減率
売 上 収 益 234,026 241,555 3.2%
コ ア 営 業 利 益 48,230 50,023 3.7%
コ ア 当 期 利 益 36,092 35,894 △0.5%
親 会 社 の 所 有 者 に 帰 属 す る
36,103 35,928 △0.5%
コ ア 当 期 利 益
[売上収益]
前期と比べ3.2%増加し、2,416億円となりました。
主力の医療用医薬品事業においては、日本では前期と比べ4.1%増加しました。中国、アジア地域
およびEMEA(ヨーロッパ、中東およびアフリカ)では、一部地域において、当第4四半期に、新型コ
ロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による売上の減速はあったものの、当社製品は順調に市場浸
透し、成長を維持しています。
売上収益の内訳は次のとおりです。
上段:金額
下段:対前期増減率 (単位:百万円)
日本 中国 アジア EMEA 米州 合計
医療用医薬品 148,842 22,251 16,112 36,643 735 224,584
4.1% 4.4% 6.2% 1.6% 39.4% 4.0%
一般用医薬品 11,722 - 312 - - 12,034
△15.8% - 6.5% - - △15.4%
医 療 機 器 3,179 - - 336 1 3,515
22.3% - - 225.6% △90.2% 29.8%
そ の 他 1,281 70 71 - - 1,422
31.1% 66.6% 53.5% - - 33.5%
合 計 165,024 22,321 16,496 36,979 735 241,555
2.8% 4.5% 6.3% 2.3% 38.0% 3.2%
(注)外部顧客に対する売上収益を表しています。
顧客の所在地をもとに国または地域に分類しています。なお、アジアには中国を含んでいません。
2
参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
<医療用医薬品>
◇日本
薬価改定の影響による約2%の減収要因があったものの、「アイリーア硝子体内注射液※2
(P4参照) 」の継続的な伸長、2019年11月の抗アレルギー点眼剤「アレジオンLX点眼液」発売な
どにより、前期と比べ4.1%増加し、1,488億円となりました。主力製品の売上推移は次のとお
りです。
・緑内障・高眼圧症治療剤領域
「タプロス点眼液」 91億円 (対前期増減率 △ 4.5%)
「タプコム配合点眼液」 25億円 (対前期増減率 △ 1.1%)
「コソプト配合点眼液」 77億円 (対前期増減率 △ 13.4%)
「エイベリス点眼液」 16億円 (対前期増減率 +278.1%)
・角結膜疾患治療剤領域
「ヒアレイン点眼液」 78億円 (対前期増減率 △ 10.4%)
「ジクアス点眼液」 143億円 (対前期増減率 + 2.3%)
・抗アレルギー点眼剤領域
「アレジオン点眼液」 249億円 (対前期増減率 + 28.1%)
・網膜疾患治療剤領域
「アイリーア硝子体内注射液」 601億円 (対前期増減率 + 7.1%)
◇中国
為替の影響に加え、当第4四半期において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に
よる売上の減速はあったものの、円換算ベースで前期と比べ4.4%増加し(為替影響を除いた
成長率は+10.2%)、223億円となりました。主力製品の売上推移は次のとおりです。
・角結膜疾患治療剤領域
「ヒアレイン点眼液」 79億円 (対前期増減率 + 3.8%)
・眼感染症治療剤領域
「クラビット点眼液」 95億円 (対前期増減率 + 7.3%)
◇アジア(中国除く)
円換算ベースで前期と比べ6.2%増加し(為替影響を除いた成長率は+11.6%)、161億円と
なりました。主力製品の売上推移は次のとおりです。
・緑内障・高眼圧症治療剤領域
「コソプト配合点眼液」 41億円 (対前期増減率 + 10.3%)
・角結膜疾患治療剤領域
「ジクアス点眼液」 15億円 (対前期増減率 + 9.7%)
◇EMEA
円換算ベースで前期と比べ1.6%増加し(為替影響を除いた成長率は+8.0%)、366億円と
なりました。主力製品の売上推移は次のとおりです。
・緑内障・高眼圧症治療剤領域
「タプロス点眼液」 65億円 (対前期増減率 + 1.8%)
「タプコム配合点眼液」 25億円 (対前期増減率 + 29.6%)
「コソプト配合点眼液」 93億円 (対前期増減率 △ 1.3%)
「トルソプト点眼液」 27億円 (対前期増減率 △ 1.3%)
・角結膜疾患治療剤領域
「Ikervis(アイケルビス)」 31億円 (対前期増減率 + 6.2%)
3
参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
<一般用医薬品>
前期と比べ15.4%減少し、120億円となりました。
「サンテボーティエシリーズ」、新「サンテメディカルシリーズ」、「ソフトサンティアシリ
ーズ」などの高価格帯品に引き続き注力しています。
<医療機器>
前期と比べ29.8%増加し、35億円となりました。
これまでの主力品の「エタニティ」シリーズに加え、2019年4月に発売した眼内レンズ「レン
ティス コンフォート」(Oculentis IP B.V.(オランダ)から導入)の普及促進活動に注力し
ています。
<その他>
その他の売上収益は14億円となりました。サプリメント製品の販売、株式会社クレール(連結
子会社)での無塵・無菌服のクリーニング業によるものです。
[コア営業利益]
売上総利益は、前期と比べ2.4%増加し、1,467億円となりました。
販売費及び一般管理費は、海外事業の拡大に伴い、前期と比べ2.9%増加し、734億円となりまし
た。
研究開発費は、前期と比べ1.8%減少し、233億円となりました。
以上により、コアベースでの営業利益は、前期と比べ3.7%増加し、500億円となりました。
※1 参天製薬グループではIFRS適用を機に、IFRSによる業績(「IFRS(フル)ベース」)から一部
の収益および費用を控除した「コアベース」での財務情報を経常的な業績を示す指標として開
示しています。IFRS(フル)ベースによる業績からコアベースでの業績への調整において控除
する以下の収益および費用とそれらに係る法人所得税費用を調整し、コアベースを算出してい
ます。
・製品に係る無形資産償却費
・その他の収益
・その他の費用
・金融収益
・金融費用
・販売費及び一般管理費のうち企業買収に係る一過性費用
※2 製造販売元であるバイエル薬品株式会社とのコ・プロモーション製品です。
4
参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
(イ)IFRS(フル)ベース
(単位:百万円)
前期 当期 対前期増減率
売 上 収 益 234,026 241,555 3.2%
営 業 利 益 45,098 33,535 △25.6%
当 期 利 益 31,943 21,714 △32.0%
親 会 社 の 所 有 者 に 帰 属 す る
31,954 23,618 △26.1%
当 期 利 益
[売上収益]
コアベースからの調整はありません。
[営業利益]
売上総利益、販売費及び一般管理費、研究開発費について、コアベースからの調整はありません。
製品に係る無形資産償却費は、前期と比べ41.6%増加し、99億円となりました。これは主に、
Merck & Co., Inc.(アメリカ)から2014年に譲受けた眼科製品に関する無形資産、2015年より欧州
で販売を開始した「Ikervis(アイケルビス)」に関する無形資産、ならびに2016年のInnFocus,Inc.
(アメリカ)買収に伴い取得した「DE-128(PRESERFLO MicroShunt)」に関する無形資産(2019年4
月より償却開始)の償却によるものです。
その他の収益は、4億円となりました。
その他の費用は、70億円となりました。主に、中国の合弁事業(重慶参天科瑞製薬有限公司)にお
ける有形固定資産の減損およびTRACON Pharmaceuticals, Inc.(アメリカ)と開発を進めていた滲出
型加齢黄斑変性治療薬DE-122の開発中止に伴う無形資産の減損損失によるものです。
これらに加え、前期に実施した旧本社・大阪工場跡地の売却に伴う売却益の反動減により、IFRS
(フル)ベースの営業利益は、前期と比べ25.6%減少し、335億円となりました。
[当期利益]
金融収益は、10億円となりました。
金融費用は、24億円となりました。主に、InnFocus,Inc.(アメリカ)買収に伴う条件付対価の公
正価値の変動によるものです。
法人所得税費用は、104億円となりました。研究開発に関する税額控除による法人税等の減少の一
方、中国の合弁事業(重慶参天科瑞製薬有限公司)における有形固定資産の減損および
InnFocus,Inc.(アメリカ)買収に伴う条件付対価の公正価値の変動に対する税効果の未認識によ
り、税負担率が前期より上昇しました。
これらにより、当期利益は、前期と比べ32.0%減少し、217億円となりました。
[親会社の所有者に帰属する当期利益]
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期と比べ26.1%減少し、236億円となりました。
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参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
②研究開発活動
<緑内障・高眼圧症領域>
プロスタグランジンF₂α誘導体およびβ遮断剤の配合剤DE-111(一般名:タフルプロスト/チ
モロールマレイン酸塩)は、中国で2019年1月に第Ⅲ相試験を開始しました。
EP2受容体作動薬DE-117(一般名:オミデネパグ イソプロピル)は、米国で2018年9月に第Ⅲ
相試験を開始しました。日本では2018年11月に発売しました。アジアでは、順次販売承認を申請
しており、韓国で2019年12月に販売承認を取得しました。
FP/EP3受容体デュアル作動薬DE-126(一般名:sepetaprost)は、米国および日本で、後期第
Ⅱ相試験を完了しています。
緑内障用デバイスDE-128は、米国でFDA承認取得に向け第Ⅱ/Ⅲ相試験を実施しています。欧
州では、2019年1月に発売しました。アジアでは、韓国において2020年3月に販売承認を申請し
ました。
プロスタグランジンF₂α誘導体の乳化点眼剤DE-130A(一般名:ラタノプロスト)は、欧州お
よびアジアで2019年4月に第Ⅲ相試験を開始しました。
<角結膜疾患領域>
春季カタルを対象とするDE-076C(一般名:シクロスポリン)は、2018年7月に欧州委員会よ
り医薬品販売承認を取得し、イギリスで2018年10月に発売以降、欧州で順次発売しています。台
湾で2019年8月にIkervis(アイケルビス)の適応拡大として承認を取得以降、アジアで順次承
認を取得しています。カナダでは、2018年12月に販売承認を取得し、2019年11月に発売しまし
た。
アレルギー性結膜炎を対象とするDE-114A(一般名:エピナスチン塩酸塩)は、日本で2019年
9月に製造販売承認を取得し、2019年11月に発売しました。
<網膜・ぶどう膜疾患領域>
DE-109(一般名:シロリムス)は、米国で2018年12月にぶどう膜炎を対象とする追加の第Ⅲ相
試験を開始しました。
DE-122(一般名:carotuximab)は、滲出型加齢黄斑変性を対象とした前期第Ⅱ相試験で主要
評価項目において期待した効果を示さなかったため、2020年3月に開発を中止しました。
<その他疾患領域>
DE-127(一般名:アトロピン硫酸塩)は、アジアで2020年4月に近視を対象とする第Ⅱ相試験
を終了しました。日本では、2019年8月に第Ⅱ/Ⅲ相試験を開始しました。
白内障手術後無水晶体眼に挿入する乱視用(トーリック)眼内レンズMD-16は、日本で2019年
11月に製造販売承認を取得しました。
③設備投資
当期の設備投資額は、90億円となりました。製造設備および研究開発用機器の更新に加え、
Merck & Co., Inc.(アメリカ)より譲受けた眼科製品の内製化のための投資、グローバルな製
品供給基盤の強化を目的とした生産体制・拠点再編に伴う設備投資および事業のグローバル展開
を支えるためのIT基盤への投資等を行いました。
資金調達については、事業開発活動における投資機会の最大化のための効率的な資金調達を目
的として、2020年3月に新たに株式会社三菱UFJ銀行とコミットメント期間を4年、貸付期間を
最大10年とする総額300億円の実行可能期間付タームローン契約を締結しました。
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参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
(2)当期の財政状態の概況
資産は、4,088億円となりました。中国の合弁事業(重慶参天科瑞製薬有限公司)における有形
固定資産の減損およびTRACON Pharmaceuticals, Inc.(アメリカ)と開発を進めていた滲出型加齢
黄斑変性治療薬DE-122の開発中止に伴う無形資産の減損に伴う有形固定資産および無形資産の減少
の一方、現金及び現金同等物の増加、およびIFRS第16号「リース」適用による有形固定資産の増加
などにより前期末と比べ176億円増加しました。
資本は、3,026億円となりました。その他の資本の構成要素の減少などがあった一方、利益剰余
金の増加などにより前期末と比べ100億円増加しました。
負債は、1,062億円となりました。繰延税金負債の減少などがあった一方、IFRS第16号「リー
ス」適用による金融負債およびその他の金融負債の増加などにより前期末と比べ76億円増加しまし
た。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前期末と比べ0.3ポイント減少し、74.1%となりま
した。
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参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
営業活動によるキャッシュ・フローは、399億円の収入(前期は、329億円の収入)となりまし
た。これは法人所得税の支払いが141億円などあった一方、当期利益217億円に加えて、減価償却費
及び償却費が166億円および法人所得税費用が104億円あったことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、52億円の支出(前期は、29億円の支出)となりました。
これは有形固定資産および無形資産の取得による支出が92億円あったことなどの一方、投資有価証
券の売却による収入が35億円あったことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、127億円の支出(前期は、281億円の支出)となりまし
た。これは配当金の支払いが104億円およびリース負債の返済による支出が29億円あったことなど
によるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、前期末と比べ206億円増加し、914億円となり
ました。
(参考)キャッシュ・フロー指標のトレンド
2019年3月期 2020年3月期
親 会 社 所 有 者 帰 属 持 分 比 率 74.4% 74.1%
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率 168.2% 181.6%
キ ャ ッ シ ュ ・ フ ロ ー 対 有 利 子 負 債 比 率 12.5% 30.9%
イ ン タ レ ス ト ・ カ バ レ ッ ジ ・ レ シ オ 4,330.0倍 210.1倍
(注)親会社所有者帰属持分比率 :親会社所有者帰属持分/資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。なお、控除
する自己株式には、株式報酬制度に係る信託が保有する当社株式は含んでいません。
※キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用していま
す。有利子負債は連結財政状態計算書上に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象
としています。また、利払いは連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
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参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
(4)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
①利益配分に関する基本方針
当社は、株主の皆様への利益還元を経営の最重要事項と位置付け、中長期的な事業環境や資金需
要と内部留保の水準、ならびに資本構成等を総合的に勘案し、配当を中心に、自己株式取得を補完
的な手段として還元することを基本としております。
内部留保につきましては、将来成長のために研究開発投資、事業開発、設備投資などに資源を投
下していきます。
なお、当社は、定款において中間配当を行う旨を定めており、2006年5月1日の会社法施行後の
配当につきましても、従来どおりの中間期末日、期末日を基準とした年2回の配当を継続する予定
です。中間配当につきましては取締役会、期末配当につきましては株主総会が、配当の決定機関と
なります。
②当期の配当
2020年6月に開催予定の第108期定時株主総会での承認を条件に、期末配当金を1株当たり14円
とさせて頂く予定です(中間配当金1株当たり13円から1円の増加)。すでに実施済みの中間配当
金と合わせて、年間配当金は1株当たり27円、配当性向は45.6%となります。
③次期の配当
次期の利益配当金は、中間配当1株当たり14円、期末配当1株当たり14円の年間28円、当期利益
に対して配当を通じた株主のみなさまへの利益還元を示す配当性向は48.0%を予定しています。
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参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
(5)次期の見通し
コアベースおよびIFRS(フル)ベースでの次期の見通しは次のとおりです。
<コアベース>
(単位:百万円)
当期 次期 対前期増減率
売 上 収 益 241,555 235,000 △2.7%
コ ア 営 業 利 益 50,023 52,000 4.0%
コ ア 当 期 利 益 35,894 38,700 7.8%
<IFRS(フル)ベース>
(単位:百万円)
当期 次期 対前期増減率
売 上 収 益 241,555 235,000 △2.7%
営 業 利 益 33,535 35,000 4.4%
当 期 利 益 21,714 23,000 5.9%
親会社の所有者に帰属する
23,618 23,300 △1.3%
当 期 利 益
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による受診抑制等により、売上収益は2,350億
円、対前期2.7%減を予想しています。一方で、会社の経常的な収益力を示すコア営業利益は520億
円、対前期4.0%増、前々期、前期に続き増益を予想しています。これは、売上収益がマイナスの
影響を受ける状況下でも、将来成長のための資源投下の継続と費用コントロールの強化による経常
的費用支出の抑制の両立をはかることで持続的な利益成長を確保することによるものです。(販売
費及び一般管理費は700億円、対前期4.6%減、研究開発費は230億円、対前期1.5%減)。
業績見通しの前提となる為替レートについては、1USドル=110円、1ユーロ=120円、1中国元
=15円を想定しています。
なお、上記見通しは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束時期を地域別に仮定を置いて
見積もったものであり、実際の業績等は状況により変動する可能性があります。今後、変動額が通
期業績予想の修正をすべき水準となった場合には、速やかに開示します。
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
参天製薬グループは、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性および利便性の向上を図る
ため、2015年3月期より国際会計基準(IFRS)を適用しています。
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3.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結純損益及びその他の包括利益計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日
至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
売上収益 234,026 241,555
売上原価 △90,764 △94,831
売上総利益 143,262 146,724
販売費及び一般管理費 △71,273 △73,360
研究開発費 △23,759 △23,341
製品に係る無形資産償却費 △6,988 △9,898
その他の収益 4,028 390
その他の費用 △172 △6,980
営業利益 45,098 33,535
金融収益 901 950
金融費用 △2,881 △2,393
税引前当期利益 43,117 32,091
法人所得税費用 △11,174 △10,377
当期利益 31,943 21,714
その他の包括利益
純損益に振り替えられない項目:
確定給付制度の再測定 9 △253
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する
△3,289 2,696
金融資産の純変動
純損益に振り替えられる可能性のある項目:
在外営業活動体の換算差額 794 △3,972
その他の包括利益 △2,486 △1,529
当期包括利益合計 29,456 20,185
当期利益の帰属
親会社の所有者持分 31,954 23,618
非支配持分 △11 △1,904
当期利益 31,943 21,714
当期包括利益合計の帰属
親会社の所有者持分 29,519 22,162
非支配持分 △62 △1,977
当期包括利益合計 29,456 20,185
1株当たり当期利益
基本的1株当たり当期利益(円) 78.67 59.16
希薄化後1株当たり当期利益(円) 78.43 59.01
<コアベース>
売上収益 234,026 241,555
コア営業利益 48,230 50,023
コア当期利益 36,092 35,894
基本的1株当たりコア当期利益(円) 88.89 90.00
希薄化後1株当たりコア当期利益(円) 88.62 89.76
コア当期利益の帰属
親会社の所有者持分 36,103 35,928
非支配持分 △11 △34
コア当期利益 36,092 35,894
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(2)連結財政状態計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年3月31日) (2020年3月31日)
資産
非流動資産
有形固定資産 31,699 35,601
無形資産 131,110 119,850
金融資産 30,044 30,848
繰延税金資産 1,771 2,100
その他の非流動資産 1,819 1,813
非流動資産合計 196,444 190,212
流動資産
棚卸資産 35,235 35,282
営業債権及びその他の債権 84,618 86,999
その他の金融資産 267 452
その他の流動資産 3,826 4,392
現金及び現金同等物 70,796 91,430
流動資産合計 194,742 218,556
資産合計 391,186 408,768
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(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(2019年3月31日) (2020年3月31日)
資本
親会社の所有者に帰属する持分
資本金 8,252 8,366
資本剰余金 8,661 8,746
自己株式 △1,131 △1,033
利益剰余金 258,659 273,422
その他の資本の構成要素 16,461 13,364
親会社の所有者に帰属する持分合計 290,900 302,865
非支配持分 1,672 △305
資本合計 292,572 302,560
負債
非流動負債
金融負債 23,520 27,592
退職給付に係る負債 1,992 1,738
引当金 1,255 570
繰延税金負債 9,389 7,228
その他の非流動負債 1,795 1,483
非流動負債合計 37,951 38,611
流動負債
営業債務及びその他の債務 32,079 32,578
その他の金融負債 12,116 18,777
未払法人所得税等 7,185 6,848
引当金 717 633
その他の流動負債 8,566 8,761
流動負債合計 60,663 67,597
負債合計 98,614 106,208
資本及び負債合計 391,186 408,768
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(3)連結持分変動計算書
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円)
その他の資本の構成要素
その他の包
括利益を通
資本金 資本剰余金 自己株式 利益剰余金 確定給付制 じて公正価
度の再測定 値で測定す
る金融資産
の純変動
2018年4月1日残高 8,032 8,657 △11 249,225 - 14,364
当期包括利益
当期利益 31,954
その他の包括利益 9 △3,289
当期包括利益合計 - - - 31,954 9 △3,289
所有者との取引額
新株の発行 152 152
自己株式の取得 △148 △13,911
自己株式の消却 △12,791 12,791
利益剰余金から資本剰余金への振替 12,791 △12,791
配当金 △10,581
株式報酬取引 67 △1
その他 853 △9 △844
所有者との取引額合計 220 4 △1,120 △22,519 △9 △844
2019年3月31日残高 8,252 8,661 △1,131 258,659 - 10,230
その他の資本の構成要素
親会社の
在外営業 所有者に
非支配持分 資本合計
活動体の 新株予約権 合計 帰属する
換算差額 持分合計
2018年4月1日残高 4,583 975 19,921 285,823 1,734 287,557
当期包括利益
当期利益 - 31,954 △11 31,943
その他の包括利益 845 △2,435 △2,435 △51 △2,486
当期包括利益合計 845 - △2,435 29,519 △62 29,456
所有者との取引額
新株の発行 △173 △173 132 132
自己株式の取得 - △14,059 △14,059
自己株式の消却 - - -
利益剰余金から資本剰余金への振替 - - -
配当金 - △10,581 △10,581
株式報酬取引 - 67 67
その他 △853 - -
所有者との取引額合計 - △173 △1,025 △24,442 - △24,442
2019年3月31日残高 5,428 802 16,461 290,900 1,672 292,572
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参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
その他の資本の構成要素
その他の包
括利益を通
資本金 資本剰余金 自己株式 利益剰余金 確定給付制 じて公正価
度の再測定 値で測定す
る金融資産
の純変動
2019年4月1日残高 8,252 8,661 △1,131 258,659 - 10,230
当期包括利益
当期利益 23,618
その他の包括利益 △253 2,696
当期包括利益合計 - - - 23,618 △253 2,696
所有者との取引額
新株の発行 114 114
自己株式の取得 △22
自己株式の処分 △85 121
配当金 △10,379
株式報酬取引 56
その他 1,523 253 △1,776
所有者との取引額合計 114 85 99 △8,856 253 △1,776
2020年3月31日残高 8,366 8,746 △1,033 273,422 - 11,150
その他の資本の構成要素
親会社の
在外営業 所有者に
非支配持分 資本合計
活動体の 新株予約権 合計 帰属する
換算差額 持分合計
2019年4月1日残高 5,428 802 16,461 290,900 1,672 292,572
当期包括利益
当期利益 - 23,618 △1,904 21,714
その他の包括利益 △3,899 △1,457 △1,457 △73 △1,529
当期包括利益合計 △3,899 - △1,457 22,162 △1,977 20,185
所有者との取引額
新株の発行 △117 △117 112 112
自己株式の取得 - △22 △22
自己株式の処分 - 35 35
配当金 - △10,379 △10,379
株式報酬取引 - 56 56
その他 △1,523 - -
所有者との取引額合計 - △117 △1,640 △10,198 - △10,198
2020年3月31日残高 1,529 686 13,364 302,865 △305 302,560
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(4)連結キャッシュ・フロー計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日
至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
当期利益 31,943 21,714
減価償却費及び償却費 10,969 16,573
減損損失 - 5,825
固定資産処分益 △3,592 △0
金融収益及び金融費用(△は益) △700 △592
法人所得税費用 11,174 10,377
営業債権及びその他の債権の増減(△は増加) △6,303 △3,054
棚卸資産の増減(△は増加) △5,000 △981
営業債務及びその他の債務の増減(△は減少) 2,445 717
引当金及び退職給付に係る負債の増減(△は減少) △518 △1,242
未払金の増減(△は減少) 1,181 1,305
長期未払金の増減(△は減少) 1,885 1,279
その他 2,116 1,584
小計 45,601 53,506
利息の受取額 187 200
配当金の受取額 521 581
利息の支払額 △8 △190
法人所得税の支払額 △13,408 △14,149
営業活動によるキャッシュ・フロー 32,894 39,947
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資の取得による支出 △931 △398
投資の売却による収入 2,156 3,503
有形固定資産の取得による支出 △5,470 △5,824
有形固定資産の売却による収入 4,338 0
無形資産の取得による支出 △2,863 △3,404
その他 △166 949
投資活動によるキャッシュ・フロー △2,935 △5,175
財務活動によるキャッシュ・フロー
長期借入れによる収入 567 1,477
長期借入金の返済による支出 △4,098 △500
自己株式の取得による支出 △14,124 △22
配当金の支払額 △10,580 △10,379
リース負債の返済による支出 △4 △2,859
その他 132 △447
財務活動によるキャッシュ・フロー △28,107 △12,729
現金及び現金同等物の増減額 1,852 22,044
現金及び現金同等物の期首残高 69,283 70,796
現金及び現金同等物の為替変動による影響 △338 △1,410
現金及び現金同等物の期末残高 70,796 91,430
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参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
(5)連結財務諸表に関する注記事項
(継続企業の前提に関する注記)
該当事項はありません。
(連結財務諸表作成の基本となる重要な事項)
1.作成の基礎
(1)IFRSに準拠している旨
参天製薬グループは、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵
省令第28号)第1条の2に規定される「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、
同第93条の規定により、連結財務諸表をIFRSに準拠して作成しています。
(2)測定の基礎
参天製薬グループの連結財務諸表は、公正価値で測定する金融商品等を除いて取得原価を基礎
として作成しています。
(3)機能通貨及び表示通貨
参天製薬グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨とし、百万円未
満を四捨五入により表示しています。
2.重要な会計方針
参天製薬グループが連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、以下に記載する会計方針
の変更を除き、前連結会計年度の連結財務諸表において適用した会計方針と同一です。
参天製薬グループでは、当連結会計年度より、以下の基準を適用しています。
強制適用時期 参天製薬グループ
基準書 新設・改訂の概要
(以降開始年度) 適用時期
IFRS第16号 リース 2019年1月1日 2020年3月期 リースの認識に関する会計処理の改訂
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参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
(会計方針の変更)
IFRS第16号「リース」
参天製薬グループでは、これまでIAS第17号「リース」を適用してきましたが、当連結会計年度
よりIFRS第16号を適用しています。
前連結会計年度において、参天製薬グループは、実質的にすべてのリスクおよび経済的便益を享
受するリース契約をファイナンス・リースとして分類しています。リース資産は公正価値または最
低支払リース料総額の現在価値のいずれか低い金額で当初認識しています。ファイナンス・リース
以外のリース契約はオペレーティング・リースに分類しており、参天製薬グループの連結財政状態
計算書には計上されていません。オペレーティング・リースの支払リース料は、費用としてリース
期間にわたって定額法で認識しています。
当連結会計年度において、参天製薬グループは、IFRS第16号に基づき、契約の締結時に契約がリ
ースであるかまたはリースを含んでいるかを判定しています。契約が特定された資産の使用を支配
する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるかまたはリ
ースを含んでいると判定しています。
契約がリースであるかまたはリースを含んでいると判定した場合、リースの開始日に使用権資産
とリース負債を認識しています。リース負債は、リース開始日における未決済のリース料の割引現
在価値として当初測定しています。使用権資産は、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前
払リース料等を調整した取得原価で当初測定し、リースの開始日から経済的耐用年数またはリース
期間のいずれか短い期間にわたり規則的に償却しています。なお、参天製薬グループは、リース期
間が12ヶ月以内のリースおよび原資産が少額であるリースについては使用権資産とリース負債を認
識せず、リース期間にわたり定額法により費用として認識しています。
参天製薬グループでは、経過措置に従ってIFRS第16号を遡及適用し、適用開始の累積的影響額を
適用開始日(2019年4月1日)に認識しています。IFRS第16号への移行に際し、契約にリースが含
まれているか否かについては、IFRS第16号C3項の実務上の便法を選択し、IAS第17号およびIFRIC第
4号「契約にリースが含まれているか否かの判断」のもとでの判断を引き継いでいます。
参天製薬グループは、過去にIAS第17号を適用してオペレーティング・リースに分類したリース
について、IFRS第16号の適用開始日に、リース負債を認識しています。
適用開始日において連結財政状態計算書に認識した使用権資産は7,696百万円、リース負債は
8,564百万円です。使用権資産は「有形固定資産」に含まれており、リース負債は「金融負債」ま
たは「その他の金融負債」に含まれています。
また、連結キャッシュ・フロー計算書において、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の「そ
の他」に含めて表示していた「リース負債の返済による支出」について、金額的重要性が増したこ
とから、当連結会計年度より独立掲記し、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書を組み
替えています。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「財務活動によるキャッ
シュ・フロー」の「その他」に含めていた△4百万円は「財務活動によるキャッシュ・フロー」の
「リース負債の返済による支出」として独立掲記しています。
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参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
(セグメント情報等)
1.報告セグメントの概要
参天製薬グループは、単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しています。
2.製品及びサービスごとの情報
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円)
医療用医薬品 一般用医薬品 医療機器 その他 計
外部顧客への売上収益 216,030 14,223 2,709 1,065 234,026
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
医療用医薬品 一般用医薬品 医療機器 その他 計
外部顧客への売上収益 224,584 12,034 3,515 1,422 241,555
3.地域ごとの情報
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円)
日本 中国 アジア EMEA 米州 計
外部顧客への
160,456 21,365 15,516 36,156 533 234,026
売上収益(注)1
非流動資産
104,563 6,897 146 8,598 44,425 164,629
(注)2
(注)1 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。
2 非流動資産は資産の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。また、金融資産および繰延税金資産を
含んでいません。なお、米州の非流動資産の所在地は米国です。
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
日本 中国 アジア EMEA 米州 計
外部顧客への
165,024 22,321 16,496 36,979 735 241,555
売上収益(注)1
非流動資産
100,173 5,202 792 8,818 42,279 157,264
(注)2
(注)1 売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。
2 非流動資産は資産の所在地を基礎とし、国または地域に分類しています。また、金融資産および繰延税金資産を
含んでいません。なお、米州の非流動資産の所在地は米国です。
3 当連結会計年度より、経営管理体制の観点から、従来の「アジア」を分割し、「中国」と「アジア」としていま
す。
前連結会計年度の外部顧客への売上収益および非流動資産については変更後の区分により作成したものを記載し
ています。
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参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
4.主要な顧客ごとの情報
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(単位:百万円)
顧客の名称又は氏名 売上収益
株式会社スズケン 44,325
株式会社メディセオ 32,313
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
顧客の名称又は氏名 売上収益
株式会社スズケン 46,984
株式会社メディセオ 33,263
(その他の収益)
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当社保有の固定資産譲渡により、固定資産処分益3,592百万円をその他の収益に計上していま
す。
(その他の費用)
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当連結会計年度に認識した減損損失5,825百万円をその他の費用に計上しています。その分類
は、有形固定資産に係る減損損失3,667百万円および無形資産に係る減損損失2,158百万円です。有
形固定資産に係る減損損失3,667百万円は、当社の連結子会社である重慶参天科瑞製薬有限公司
(中国)が保有する現在建設中の工場(主に建設仮勘定)について、想定されていた収益が見込め
なくなったため、帳簿価額を回収可能価額まで減額したものです。なお、回収可能価額は処分費用
控除後の公正価値(売却予定価額等)により測定しており、当該公正価値のヒエラルキーはレベル
3です。
無形資産に係る減損損失2,158百万円は、当社が保有するTRACON Pharmaceuticals, Inc.(アメ
リカ)と開発を進めていた滲出型加齢黄斑変性の治療薬DE-122に係る無形資産について、開発中止
に伴い収益が見込めなくなったため、帳簿価額を全額減損したものです。
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参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
(1株当たり利益)
基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎は、以下のとおりで
す。
前連結会計年度 当連結会計年度
(自 2018年4月1日 (自 2019年4月1日
至 2019年3月31日) 至 2020年3月31日)
基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎
親会社の所有者に帰属する当期利益(百万円) 31,954 23,618
親会社の普通株主に帰属しない当期利益(百万円) 1 2
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する
31,953 23,616
当期利益(百万円)
期中平均普通株式数(千株) 406,167 399,157
希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
基本的1株当たり当期利益の計算に使用する
31,953 23,616
当期利益(百万円)
当期利益調整額(百万円) 1 2
希薄化後1株当たり当期利益の計算に使用する
31,954 23,618
当期利益(百万円)
期中平均普通株式数(千株) 406,167 399,157
株式報酬取引による普通株式増加数(千株) 1,229 1,095
希薄化効果調整後期中平均普通株式数(千株) 407,396 400,253
1株当たり当期利益(親会社の所有者に帰属)
基本的1株当たり当期利益(円) 78.67 59.16
希薄化後1株当たり当期利益(円) 78.43 59.01
(注)1株当たり情報の算定において、株式報酬制度に係る信託が保有する自社の株式を自己株式として処理しているこ
とから、期中平均普通株式数から当該株式数を控除しています。
(重要な後発事象)
該当事項はありません。
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参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
4.連結参考資料
(1)主要製品売上収益
(単位:百万円)
品目名 2020年3月期
薬効成分 地域
(有効成分・剤形) 通期実績 対前年伸長率
合計 15,181 1.0%
日本 2,571 △19.0%
クラビット点眼液
合成抗菌点眼剤 中国 9,509 7.3%
(レボフロキサシン点眼液)
アジア 1,726 13.3%
EMEA 1,375 △6.3%
合計 1,472 1.9%
タリビッド点眼液 日本 414 △14.0%
合成抗菌点眼剤
(オフロキサシン点眼液) 中国 585 △2.4%
アジア 473 30.0%
合計 5,405 12.9%
タプコム配合点眼液
(タフルプロスト/ 緑 内 障 治 療 剤 日本 2,521 △1.1%
チモロールマレイン酸塩点眼液) アジア 383 24.2%
EMEA 2,501 29.6%
合計 17,901 △0.6%
タプロス点眼液 日本 9,123 △4.5%
緑 内 障 治 療 剤 中国 395 73.5%
(タフルプロスト点眼液)
アジア 1,892 1.9%
EMEA 6,491 1.8%
合計 21,045 △4.3%
コソプト配合点眼液
(ドルゾラミド塩酸塩/ 緑 内 障 治 療 剤 日本 7,723 △13.4%
チモロールマレイン酸塩点眼液) アジア 4,052 10.3%
EMEA 9,270 △1.3%
合計 2,504 △12.9%
チモプトール点眼液
日本 1,349 △18.0%
(チモロールマレイン酸塩点眼液) 緑 内 障 治 療 剤
アジア 226 2.2%
(* チモプトールXE点眼液を含む)
EMEA 929 △7.8%
合計 4,424 △3.5%
トルソプト点眼液 日本 1,350 △8.4%
緑 内 障 治 療 剤
(ドルゾラミド塩酸塩点眼液) アジア 411 △1.0%
EMEA 2,663 △1.3%
エイベリス点眼液 合計 1,629 278.1%
緑 内 障 治 療 剤
(オミデネパグ イソプロピル点眼液) 日本 1,629 278.1%
アレジオン点眼液 合計 24,916 28.1%
抗アレルギー点眼剤
(エピナスチン塩酸塩点眼液) 日本 24,916 28.1%
合計 2,996 △9.3%
フルメトロン点眼液 日本 1,272 △22.5%
抗 炎 症 点 眼 剤
(フルオロメトロン点眼液) 中国 1,243 0.9%
アジア 482 11.9%
合計 4,056 △0.5%
カリーユニ点眼液
老人性白内障治療剤 日本 2,501 △4.0%
(ピレノキシン点眼液) 中国 704 △7.4%
アジア 852 19.6%
OftanCatachrom(オフタンカタクロム) 合計 2,241 △6.5%
(チトクロームC/アデノシン/ 老人性白内障治療剤
ニコチンアミド含有点眼液) EMEA 2,241 △6.5%
オペガンハイ眼粘弾剤 合計 2,672 24.0%
眼科手術補助剤
(ヒアルロン酸ナトリウム眼科手術補助剤) 日本 2,672 24.0%
アイリーア硝子体内注射液 合計 60,138 7.1%
(アフリベルセプト(遺伝子組換え) 眼科用VEGF阻害剤
硝子体内注射液) 日本 60,138 7.1%
合計 17,609 △6.8%
ヒアレイン点眼液 日本 7,849 △10.4%
角結膜疾患治療剤
(ヒアルロン酸ナトリウム点眼液) 中国 7,856 3.8%
アジア 1,904 △26.0%
合計 15,970 3.9%
ジクアス点眼液 日本 14,257 2.3%
角結膜疾患治療剤
(ジクアホソルナトリウム点眼液) 中国 167 561.1%
アジア 1,546 9.7%
合計 3,851 13.6%
Ikervis(アイケルビス)
角結膜疾患治療剤 アジア 738 60.9%
(シクロスポリン点眼液)
EMEA 3,113 6.2%
合計 2,912 15.9%
Cationorm(カチオノーム) 角結膜疾患治療剤 アジア 265 57.7%
EMEA 2,092 5.2%
米州 555 56.3%
白 内 障 治 療 用 合計 1,065 728.6%
レンティス コンフォート
眼 内 レ ン ズ 日本 1,065 728.6%
合計 12,034 △15.4%
一般用医薬品 日本 11,722 △15.8%
アジア 312 6.5%
※主要製品売上収益予想については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により製品需要が不透明であることから公表を見送りま
す。第2四半期決算短信にて、主要製品売上収益予想を開示予定です。
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参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
(2)開発状況
※2020年4月時点
■開発状況一覧表(臨床段階)
一般名 開発コード 効能・効果 自社/導入等 地域 フェ-ズ1 フェ-ズ2 フェ-ズ3 申請 承認 発売
米国
日本
シロリムス DE-109 ぶどう膜炎 自社
欧州
アジア 2015年4月
免疫抑制作用、血管新生抑制作用などを有する硝子体内注射剤。米国で、2018年12月に追加のフェーズ3試験を開始。
アジアで、2015年4月に販売承認を申請。
一般名 開発コード 効能・効果 自社/導入等 地域 フェ-ズ1 フェ-ズ2 フェ-ズ3 申請 承認 発売
タフルプロスト/
DE-111 緑内障・高眼圧症 AGCと共同開発 中国
チモロールマレイン酸塩
プロスタグランジンF₂α誘導体およびβ遮断剤の配合剤。2014年11月、日本で発売。2015年1月以降、欧州で順次発
売。2016年4月以降、アジアで順次発売。中国で、2019年1月にフェーズ3試験を開始。
一般名 開発コード 効能・効果 自社/導入等 地域 フェ-ズ1 フェ-ズ2 フェ-ズ3 申請 承認 発売
日本ベーリンガー
エピナスチン塩酸塩 DE-114A アレルギー性結膜炎 日本 2019年11月
インゲルハイム
H₁拮抗作用と膜安定化作用を併せ持つアレルギー性結膜炎治療剤。高用量製剤。日本で、2019年9月に製造販売承認を
取得し、2019年11月に発売。
一般名 開発コード 効能・効果 自社/導入等 地域 フェ-ズ1 フェ-ズ2 フェ-ズ3 申請 承認 発売
米国
オミデネパグ 宇部興産と
DE-117 緑内障・高眼圧症 日本 2018年11月
イソプロピル 共同開発
アジア 2019年12月
新規メカニズムのEP2受容体作動薬。米国で、2018年9月にフェーズ3試験を開始。日本で、2018年11月に発売。アジ
アでは順次販売承認を申請しており、韓国で2019年12月に販売承認を取得。
一般名 開発コード 効能・効果 自社/導入等 地域 フェ-ズ1 フェ-ズ2 フェ-ズ3 申請 承認 発売
米国 (フェーズ2b)
sepetaprost DE-126 緑内障・高眼圧症 小野薬品工業
日本 (フェーズ2b)
FP受容体およびEP3受容体への作動作用(デュアル作動薬)を有する新規メカニズムのプロスタグランジン誘導体の緑
内障・高眼圧症治療剤。米国および日本で、フェーズ2b試験を完了。
一般名 開発コード 効能・効果
自社/導入等 地域 フェ-ズ1 フェ-ズ2 フェ-ズ3 申請 承認 発売
Singapore Health 日本 (フェーズ2/3)
アトロピン硫酸塩 DE-127 近視 Services社、
南洋理工大学 アジア
小児における近視の進行を抑制するムスカリン受容体拮抗薬。日本で、2019年8月にフェーズ2/3試験を開始。アジ
アで、2020年4月にフェーズ2試験を終了。
― 開発コード 効能・効果 自社/導入等 地域 フェ-ズ1 フェ-ズ2 フェ-ズ3 申請 承認 発売
米国 (フェーズ2/3)
緑内障用デバイス DE-128 緑内障 欧州 自社 2019年1月
アジア 2020年3月
原発開放隅角緑内障における眼圧下降を目的とし、房水の流出を促すインプラント手術用デバイス。米国で、FDA承認
取得に向けフェーズ2/3試験を実施中。欧州にて2019年1月に発売。アジアでは、韓国で2020年3月に販売承認を申
請。
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参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
一般名 開発コード 効能・効果 自社/導入等 地域 フェ-ズ1 フェ-ズ2 フェ-ズ3 申請 承認 発売
欧州 2018年10月
シクロスポリン DE-076C 春季カタル 自社 アジア 2019年8月
その他 2019年11月
免疫抑制作用により、春季カタルの症状を改善する乳化点眼剤。カチオニック製剤技術により組織移行性を高めた製
剤。2018年7月に欧州委員会より医薬品販売承認を取得し、イギリスで2018年10月に発売以降、欧州で順次発売。台湾
で2019年8月にIkervis(アイケルビス)の適応拡大として承認を取得以降、アジアで順次承認を取得。カナダで、
2018年12月に販売承認を取得し、2019年11月に発売。
一般名 開発コード 効能・効果 自社/導入等 地域 フェ-ズ1 フェ-ズ2 フェ-ズ3 申請 承認 発売
DE-130A 欧州
ラタノプロスト 緑内障・高眼圧症 自社
(Catioprost) アジア
プロスタグランジンF₂α誘導体の緑内障・高眼圧症治療用乳化点眼剤。欧州およびアジアで、2019年4月にフェーズ3
試験を開始。
― 開発コード 効能・効果 自社/導入等 地域 フェ-ズ1 フェ-ズ2 フェ-ズ3 申請 承認 発売
眼内レンズ MD-16 白内障 Oculentis社 日本 2019年11月
白内障手術後無水晶体眼に挿入する、乱視用(トーリック)眼内レンズ。日本で、2019年11月に製造販売承認を取得。
■2019年度第3四半期決算発表時(2020年2月4日)からの変更点
開発コード 変更点
フェーズ2a試験の主要評価項目において期待した効果を示さなかったため、2020年3月に
DE-122
開発を中止。
DE-128 アジアでは、韓国で2020年3月に販売承認を申請。
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参天製薬(株) (4536) 2020年3月期決算短信
(3)設備投資、減価償却費及び償却費、製品に係る無形資産償却費ならびに研究開発費
■設備投資
(単位:百万円)
2020年3月期 2021年3月期
通期実績 通期予想
設 備 投 資 額 8,971 10,000
(注) 使用権資産の増加は除いています。
■減価償却費及び償却費
(単位:百万円)
2020年3月期 2021年3月期
通期実績 通期予想
総 額 4,267 4,710
製 造 経 費 2,144 2,310
販 売 管 理 費 1,462 1,720
研 究 開 発 費 661 680
(注) 製品に係る無形資産償却費、長期前払費用の償却費および使用権資産の償却費は除いています。
■製品に係る無形資産償却費
(単位:百万円)
2020年3月期 2021年3月期
通期実績 通期予想
総 額 9,898 9,700
メ ル ク 無 形 資 産 償 却 費 5,808 5,740
D E - 1 2 8 * 無 形 資 産 償 却 費 2,798 2,830
Ikervis(アイケルビス)無形資産償却費 684 710
そ の 他 608 420
*DE-128(PRESERFLO MicroShunt)
■研究開発費
(単位:百万円)
2020年3月期 2021年3月期
通期実績 通期予想
研 究 開 発 費 23,341 23,000
対 売 上 収 益 比 9.7% 9.8%
(4)主要通貨為替レート
(単位:円)
2021年3月期
通貨 2019年3月期 2020年3月期
(予想)
USドル 110.82 108.81 110.00
ユーロ 128.38 120.80 120.00
中国元 16.52 15.64 15.00
※上記業績予想は、現在において入手可能な情報に基づいて作成しています。実際の業績等は、事業環境変化などによ
り、大きく結果が異なる可能性があります。
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