4536 参天薬 2021-04-09 15:00:00
減損損失の計上ならびに通期業績予想の修正に関するお知らせ [pdf]
各 位
2021 年4月9日
会社名 参 天 製 薬 株 式 会 社
代表者名 代表取締役社長兼 CEO 谷内 樹生
(コード番号 4536 東証第1部)
問合せ先 IR 室 室長 板垣 香里
( T E L 0 6 - 7 6 6 4 - 8 6 2 1 )
減損損失の計上ならびに通期業績予想の修正に関するお知らせ
参天製薬株式会社(本社:大阪市、以下「当社」)は、2021 年3月期第4四半期連結会計期間(2021 年
1月1日~2021 年3月 31 日)において、STN2000100(DE-128)(以下「DE-128」)に関連する無形資産の
減損損失を計上する見込みとなりました。あわせて、2020 年5月8日に公表しました 2021 年3月期連結業
績予想を修正いたしましたので、下記の通りお知らせいたします。
記
1. 減損損失計上について
(1)減損損失発生の理由
当社は、米国において 2020 年6月に市販前承認(PMA)申請を行った DE-128 について、2021 年2月
末に米国食品医薬品局(FDA)から審査に関するフィードバックを受け、以降、協議を実施しております。
今後、協議に時間がかかる可能性も考えられることから、2021 年度上期を想定しておりました米国におけ
る承認時期の遅延を前提に資産価値の見直しを行った結果、減損損失を計上する見通しとなりました。
(2)減損損失の内容
現状、DE-128 を開発する InnFocus,Inc.(米国)に係る無形資産(のれん及び開発製造販売権)として
534 億円を計上しております。今回の資産価値の見直しにより、のれんの全額の 157 億円と、開発製造販
売権 248 億円の合計 405 億円(382 百万米ドル)について減損損失を計上する見込みの一方で、149
億円(141 百万米ドル)の条件付対価公正価値変動額の戻入益を計上する見込みです。
2. 連結業績予想の修正
(1)2021 年 3 月期(2020 年4月1日~2021 年3月 31 日)連結通期業績予想の修正
コアベース
基本的 1 株
売上収益 コア営業利益 コア当期利益 当たり
コア当期利益
前回発表予想(A) 百万円 百万円 百万円 円 銭
(2020 年5月8日公表) 235,000 52,000 38,700 97.67
今回修正予想(B) 249,000 51,000 38,000 95.13
増 減 額(B-A) 14,000 -1,000 -700
増 減 率( % ) +6.0 -1.9 -1.8
(参考)前期連結実績
241,555 50,023 35,894 90.00
(2020 年 3 月期)
IFRS(フル)ベース
基本的 1 株
税引前
売上収益 営業利益 当期利益 当たり
当期利益
当期利益
前回発表予想(A) 百万円 百万円 百万円 百万円 円 銭
(2020 年5月8日公表) 235,000 35,000 34,000 23,000 58.35
今回修正予想(B) 249,000 14,500 14,000 7,000 18.27
増 減 額(B-A) 14,000 -20,500 -20,000 -16,000
増 減 率( % ) +6.0 -58.6 -58.8 -69.6
(参考)前期連結実績
241,555 33,535 32,091 21,714 59.16
(2020 年 3 月期)
(2)修正の理由
売上収益は主力の医療用医薬品事業を中心に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の環境下で
も堅調に推移しております。第4四半期においては、日本でアレジオン LX などの主力製品が順調に推移
したことに加え、中国においては集中購買の影響を受けながらも私立病院等を中心に順調に推移したこ
ともあり、売上収益は前回発表の 2,350 億円から 6.0%増加の 2,490 億円を見込んでいます。コアベース
の営業利益については、510 億円を見込みます。一方で IFRS(フル)ベースの営業利益、税引前当期利
益、当期利益は、DE-128 に関わる減損損失等を計上するため、前回発表予想を大きく下回る見込みで
す。
※上記の業績予想につきましては、当社が本資料の発表日現在において入手している情報に基づき作
成したものであり、実際の業績は様々な要因により異なる結果となる可能性があります。
※IFRS(フル)ベースによる業績からコアベースでの業績への調整において控除する以下の収益および
費用とそれらに係る法人所得税費用を調整し、コアベースを算出しています。
・製品に係る無形資産償却費
・その他の収益
・その他の費用
・金融収益
・金融費用
・持分法による投資損益
・販売費及び一般管理費のうち企業買収などに係る一過性費用
3. 本件に伴う事業への影響
DE-128 については、前述の通り米国における米国食品医薬品局(FDA)との協議を継続しております。
なお、すでに承認され販売を開始している欧州での事業や、申請中のアジア諸国における薬事プロセス
について本件の影響は想定しておりません。引き続き、緑内障患者さんの治療選択肢のひとつとして貢
献してまいります。
また、米国事業は、2020 年9月に取得した Eyevance 社の販売チャネルを活用し、引き続きパイプライ
ンの拡充を行いながら医療用医薬品事業を中心に着実な売上・利益成長を目指してまいります。
今後の施策/戦略については、本件の影響も含めて精緻化を行っている中期経営計画の中で説明を
させていただきます。
以上
STN2000100(DE-128)について
STN2000100(DE-128)は、米国において、最大耐用量の投与治療でも眼圧下降が不十分な原発開放隅
角緑内障患者さんに対する治療法として開発中の、眼の外側からアプローチして房水流出を促す ab-
externo 法の低侵襲手術用デバイスです。眼圧下降は、緑内障の進行と失明を抑制する最も効果的な手
段です。生体適合性が高い SIBS(スチレン–イソブチレン–スチレンブロック共重合体)という特許素材でで
きた STN2000100(DE-128)は、柔軟性のある長さ 8.5 mm のチューブです。組織内にデバイスを固定す
る平面フィンを備えており、血液成分の漏れや埋植後の位置ずれを防ぎます。
Santen(参天製薬株式会社、本社:大阪市)について
Santen は、眼科に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、医療用・一般用の医薬品や、医療機器の研
究、開発、販売・マーケティング活動を行っています。世界約 60 を超える国・地域で製品を販売しており、
国内の医療用眼科薬市場においては No.1 のシェアを有しています。130 年の歴史の中で培われた科学
的知見や企業力を活かし、今後も、価値ある製品・ サービスの提供を通じ、患者さんや患者さんを愛す
る人たちを中心として、社会への貢献を果たしてまいります。詳細につい ては、当社ホームページ
www.santen.co.jp をご参照ください。