4528 小野薬 2020-05-12 12:00:00
2020年3月期決算短信〔IFRS〕(連結) [pdf]

                2020年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
                                                                                                               2020年5月12日
上 場 会 社 名          小野薬品工業株式会社                                                       上場取引所              東
コ ー ド 番 号         4528                                         URL https://www.ono.co.jp/
代   表   者       (役職名)      代表取締役社長                          (氏名) 相良 暁
                           常務執行役員コーポレート
問合せ先責任者         (役職名)      コミュニケーション統括部長                    (氏名)       谷      幸雄                      (TEL) (06)6263-5670
定時株主総会開催予定日                   2020年6月18日  配当支払開始予定日                                                   2020年6月19日
有価証券報告書提出予定日                  2020年6月30日
決算補足説明資料作成の有無                  :有
決算説明会開催の有無                     : 有 ( 機関投資家・証券アナリスト向け )
 
                                                                                                            (百万円未満四捨五入)
1.2020年3月期の連結業績(2019年4月1日~2020年3月31日)
(1)連結経営成績                                                                                               (%表示は対前期増減率)
                                                                                                  親会社の所有者に 当期包括利益
                  売上収益                営業利益              税引前利益                 当期利益
                                                                                                  帰属する当期利益   合計額
                  百万円         %    百万円           %      百万円            %     百万円              %      百万円           %      百万円       %
    2020年3月期    292,420 1.3       77,491       25.0    79,696     22.3      59,888       15.9       59,704    15.8      57,647 13.4
    2019年3月期    288,634 10.2      62,010        2.2    65,141      1.9      51,679        2.5       51,539     2.5      50,821 △24.8
     

                基本的1株当たり                  希薄化後   親会社所有者帰属持分                                    資産合計                     売上収益
                  当期利益                 1株当たり当期利益    当期利益率                                     税引前利益率                   営業利益率
                                円 銭                    円 銭                          %                         %                     %
    2020年3月期               118.47                     118.45                   10.7                         12.0                  26.5
 
    2019年3月期               100.25                     100.24                    9.5                         10.3                  21.5
 
(2)連結財政状態
                                                               親会社の所有者に                       親会社所有者               1株当たり親会社
                    資産合計                      資本合計
                                                                帰属する持分                        帰属持分比率                所有者帰属持分
                              百万円                     百万円                     百万円                             %                  円 銭
    2020年3月期              673,444                   568,022                 562,484                         83.5            1,126.95
    2019年3月期              655,056                   562,736                 557,350                         85.1            1,084.08

(3)連結キャッシュ・フローの状況
                  営業活動による                      投資活動による                        財務活動による                         現金及び現金同等物
                 キャッシュ・フロー                    キャッシュ・フロー                      キャッシュ・フロー                           期末残高
                                   百万円                           百万円                                百万円                         百万円
    2020年3月期                      74,157                       △10,234                            △54,721                       69,005
    2019年3月期                      66,774                       △49,763                            △22,279                       59,981
     
2.配当の状況
                                                                                                                          親会社所有者
                                              年間配当金                                           配当金総額          配当性向
                                                                                                                         帰属持分配当率
                                                                                               (合計)           (連結)
                 第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末                           期末            合計                                            (連結)
                    円 銭    円 銭    円 銭                             円 銭               円 銭            百万円                 %         %
2019年3月期                  -           22.50             -        22.50          45.00              23,138          44.9            4.3
2020年3月期                  -           22.50             -        22.50          45.00              22,463          38.0            4.1
2021年3月期(予想)              -           22.50             -        22.50          45.00                              37.2
     
3.2021年3月期の連結業績予想(2020年4月1日~2021年3月31日)

                                                                                                  (%表示は対前期増減率)
                                                                                              親会社の所有者に 基本的1株当たり
                  売上収益             営業利益               税引前利益                 当期利益              帰属する当期利益   当期利益
                 百万円       %      百万円          %       百万円        %        百万円           %          百万円        %                 円 銭
        通   期   303,000   3.6     80,000      3.2     82,000     2.9       61,100       2.0        61,000     2.2               121.04
 (注)新型コロナウイルス感染症の収束時期を現時点で正確に見通すことが困難なため、上記の業績予想には、2020年6月末まで医療機関への
    訪問活動等の自粛が続いた場合の影響を織り込んでいます。第2四半期以降も活動制限が続いた場合、活動自粛および受診抑制等により
    売上収益に若干のマイナス影響が見込まれるものの、同時に事業活動の低下による経費支出抑制も生じるため、営業利益に与える影響
    は軽微と見積もっています。今後、業績予想の修正が必要となった場合には、速やかに開示します。
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動)                           : 無
 

 

(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更
  ① IFRSにより要求される会計方針の変更                    : 有
    ②   ①以外の会計方針の変更                        : 無
    ③   会計上の見積りの変更                         : 無
 


 

(3)発行済株式数(普通株式)
  ① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2020年3月期 528,341,400株 2019年3月期 543,341,400株
    ②   期末自己株式数                2020年3月期   29,222,272株 2019年3月期   29,220,860株
    ③   期中平均株式数                2020年3月期 503,975,206株 2019年3月期 514,121,049株
 




 

    ※ 決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
    ※ 業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
     記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一
     定の前提に基づいており、実際の業績等は、様々な要因により大きく異なる可能性があります。
     業績予想の前提となる条件及び業績予想のご利用にあたっての注意事項等については、添付資料8ページ「(4)
     今後の見通し」をご覧ください。
                           小野薬品工業株式会社(4528) 2020年3月期 決算短信


○添付資料の目次


  1.経営成績等の概況 …………………………………………………………………………… 2
   (1)当期の経営成績の概況 ………………………………………………………………… 2
   (2)当期の財政状態の概況 ………………………………………………………………… 7
   (3)当期のキャッシュ・フローの概況 …………………………………………………… 7
   (4)今後の見通し …………………………………………………………………………… 8
   (5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ………………………………… 9
  2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ………………………………………………… 9
  3.連結財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………10
   (1)連結財政状態計算書 ……………………………………………………………………10
   (2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ……………………………………………12
   (3)連結持分変動計算書 ……………………………………………………………………14
   (4)連結キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………15
   (5)連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………16
    (報告企業) …………………………………………………………………………………16
    (作成の基礎) ………………………………………………………………………………16
    (重要な会計方針) …………………………………………………………………………16
    (重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断) ……………………………………16
    (会計方針の変更) …………………………………………………………………………17
    (セグメント情報) …………………………………………………………………………19
    (1株当たり利益) …………………………………………………………………………20
    (重要な後発事象) …………………………………………………………………………20
    (継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………20




                       1
                                   小野薬品工業株式会社(4528) 2020年3月期 決算短信


1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
                                                           (単位:百万円)
                2019年3月期      2020年3月期        対前期増減額      対前期増減率
 売上収益               288,634         292,420       3,786       1.3%
 営業利益               62,010           77,491      15,481       25.0%

 税引前当期利益            65,141           79,696      14,555       22.3%
 当期利益
                    51,539           59,704       8,165       15.8%
 (親会社の所有者帰属)
  [売上収益]
   売上収益]
   売上収益は、前期比38億円(1.3%)増加の2,924億円となりました。
   ・抗悪性腫瘍剤「オプジーボ点滴静注」は、腎細胞がん等での使用が拡大した一方で、一昨年11
    月の薬価見直しの影響や競合他社製品との競争激化により、前期比33億円(3.6%)減少の873
    億円となりました。
   ・ その他の主要新製品では、2型糖尿病治療剤「グラクティブ錠」は261億円(前期比3.1%
    減)、関節リウマチ治療剤「オレンシア皮下注」は198億円(同13.8%増)、糖尿病治療剤
    「フォシーガ錠」は181億円(同24.7%増)、抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐治療剤「イ
    メンドカプセル」、「プロイメンド点滴静注用」は合わせて107億円(同1.0%増)、アルツハ
    イマー型認知症治療剤「リバスタッチパッチ」は85億円(同4.2%減)、血液透析下の二次性
    副甲状腺機能亢進症治療剤「パーサビブ静注透析用」は71億円(同23.6%増)、多発性骨髄腫
    治療剤「カイプロリス点滴静注用」は60億円(同21.9%増)となりました。
   ・長期収載品は、後発品使用促進策の影響を受け、末梢循環障害改善剤「オパルモン錠」は83億
    円(前期比19.5%減)、骨粗鬆症治療剤「リカルボン錠」は47億円(同35.4%減)となりまし
    た。
   ・ロイヤルティ・その他は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社およびメルク社からのロイヤ
    ルティ収入などが増加したことにより、前期比71億円(8.9%)増加の868億円となりました。

  [営業利益]
   営業利益]
   営業利益は、前期比155億円(25.0%)増加の775億円となりました。
   ・売上原価は、前期に発生したオプジーボ原薬の安定供給を受けるための一時的な負担金が当期
    にはなかったことなどにより、前期比48億円(5.7%)減少の791億円となりました。
   ・研究開発費は、臨床試験計画の見直しや一部の臨床試験の中止等により治験費用が減少したこ
    とに加え、創薬に係るライセンス料が減少したことなどにより、前期比35億円(5.0%)減少
    の665億円となりました。
   ・ 販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、当期に見込んでいた新製品の上市時期の遅
    れ、新型コロナウイルス感染症の影響による学術講演会の中止・延期、MRの医療機関訪問自
    粛から営業活動経費が減少したことなどにより、前期比24億円(3.4%)減少の677億円となり
    ました。
  [当期利益](親会社の所有者帰属)
   当期利益] 親会社の所有者帰属
    親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前当期利益の増加に伴い、前期比82億円(15.8
  %)増加の597億円となりました。




                               2
                              小野薬品工業株式会社(4528) 2020年3月期 決算短信


(研究開発活動)
 研究開発活動
  当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、これまで克
 服されていない病気や、いまだ患者さんの治療満足度が低く、医療ニーズの高い疾患領域に挑戦し、
 独創的かつ画期的な医薬品の創製に向けて努力を積み重ねています。
  現在、開発パイプラインには、オプジーボに加えて、抗体医薬品を含む抗がん剤の新薬候補化合物
 をはじめ、変形性関節症の治療薬候補などがあり、早期の上市に向けて開発を進めています。なかで
 も、がん治療の領域はアンメット・メディカル・ニーズが高いことから、重要な戦略分野と位置づけ
 ています。
  創薬研究においては、特長のある生理活性脂質や独自の標的分子に着目して画期的な新薬候補化合
 物の創製を目指す創薬アプローチ「化合物オリエント」をベースに、重点領域毎に設置している「オ
 ンコロジー研究センター」、「イムノロジー研究センター」、「ニューロロジー研究センター」、
 「スペシャリティ研究センター」で、それぞれの疾患ノウハウを蓄積し、医療ニーズを適切に捉える
 ことで、医療インパクトのある画期的新薬の創製につなげることに取り組んでいます。さらに、オー
 プン・イノベーションをグローバルで積極的に展開し、世界最先端の技術や情報を取り入れ、世界ト
 ップクラスの研究者とのネットワークを構築するとともに、従来の低分子創薬に加え、抗体や細胞、
 ウイルスなどの生物製剤も利用することで、医療現場に革新をもたらす新薬の創製を目指します。ま
 た、ライセンス活動による有望な新薬候補化合物の導入にも努め、研究開発活動の一層の強化に取り
 組んでいます。
  当期における研究開発活動の主な成果(期末以後のものを含む)は、以下のとおりです。

[開発品の主な進捗状況]
 開発品の主な進捗状況]
<がん領域>
「オプジーボ/ニボルマブ」(他剤との併用療法を含む)
  悪性黒色腫
   ・昨年5月、台湾で「根治切除後のリンパ節転移を伴うまたは転移性悪性黒色腫患者の術後補助療
    法」を効能・効果とした承認を取得しました。
   ・昨年7月、IDO1阻害薬「ONO-7701」との併用療法について、国内、欧州および米国で悪性黒色腫
    を対象としたフェーズⅢ試験を実施していましたが、類薬のIDO1阻害剤と抗PD-1抗体の併用試
    験の結果を踏まえ、ONO-7701とオプジーボの併用療法の開発計画を見直したことにより中止し
    ました。
  非小細胞肺がん
   ・昨年12月、国内で「ヤーボイ」との併用療法について、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺
    がん」を対象とした承認申請を行いました。
   ・本年2月、国内でプラチナ製剤を含む2剤化学療法との併用療法について、「切除不能な進行・
    再発の非小細胞肺がん」を対象とした承認申請を行いました。
   ・本年3月、国内で「ヤーボイ」との併用療法にプラチナ製剤を含む2剤化学療法を追加した併用
    療法について、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を対象とした承認申請を行いまし
    た。
  ホジキンリンパ腫
   ・昨年5月、台湾で「自家造血幹細胞移植(自家HSCT)およびブレンツキシマブベドチンによる治
    療後、または自家HSCTを含む3レジメン以上の全身療法後に再発または進行した古典的ホジキン
    リンパ腫」を効能・効果とした承認を取得しました。
  結腸・直腸がん
   ・昨年5月、台湾でオプジーボ単剤または「ヤーボイ」との併用療法について、「フルオロピリミ
    ジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療後に病勢進行した高頻度マイクロサテ
    ライト不安定性(MSI-H)またはDNAミスマッチ修復機構欠損(dMMR)の転移性結腸・直腸が
    ん」を効能・効果とした承認を取得しました。
   ・本年2月、国内で「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテ
    ライト不安定性(MSI-H)を有する結腸・直腸がん」を効能・効果とした承認を取得しました。



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   ・昨年11月、国内で「ヤーボイ」との併用療法について、「がん化学療法後に増悪した治癒切除
    不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を有する結腸・直腸がん」を
    対象とした承認申請を行いました。
   ・昨年7月、国内で「ヤーボイ」との併用療法について、「高頻度マイクロサテライト不安定性
    (MSI-H)又はミスマッチ修復機構欠損(dMMR)を有する転移性結腸・直腸がん」を対象とした
    フェーズⅢ試験を開始しました。
  食道がん
   ・昨年5月、国内で「食道がん」を対象とした承認申請を行い、本年2月、「がん化学療法後に増
    悪した根治切除不能な進行・再発の食道がん」を効能・効果とした承認を取得しました。
   ・本年4月、韓国で「フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法に不応または
    不耐の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮がん」を効能・効果とした承認を取得しまし
    た。
  肝細胞がん
   ・昨年9月、日本、韓国および台湾で「ヤーボイ」との併用療法について、「肝細胞がん」を対象
    としたフェーズⅢ試験を開始しました。
  胆道がん
   ・昨年12月、国内で「胆道がん」を対象としたフェーズⅡ試験を開始しました。
  固形がん
   ・昨年6月、国内でエーザイ株式会社とともに、「ハラヴェン」のリポソーム製剤との併用療法に
    ついて、「固形がん」を対象としたフェーズⅠ/Ⅱ試験を開始しました。
   ・昨年7月、抗CD137抗体「ONO-4481」との併用療法について、国内で固形がんを対象としたフェ
    ーズⅠ試験を実施していましたが、戦略上の理由により開発を中止しました。
  用法及び用量
   ・昨年11月、国内で単剤投与時における用法及び用量(1回480㎎を4週間間隔で点滴静注)の追加
    に係る承認申請を行いました。
「カイプロリス/カルフィルゾミブ」
   ・昨年11月、プロテアソーム阻害剤「カイプロリス」について、国内で「再発又は難治性の多発
    性骨髄腫」について用法及び用量を追加する承認を取得しました。
「ビラフトビ/エンコラフェニブ」「メクトビ/ビニメチニブ」
   ・本年3月、BRAF阻害剤「ビラフトビカプセル」およびMEK阻害剤「メクトビ錠」について、国内
    でセツキシマブ(EGFRモノクローナル抗体)との3剤併用療法における「BRAF遺伝子変異を有す
    る治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を対象とした承認申請を行いました。
「ベレキシブル/ONO-4059/チラブルチニブ」
   ・昨年8月、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬「ONO-4059/チラブルチニブ」について、国内で
    「中枢神経系原発リンパ腫」を対象とした承認申請を行い、本年3月、「再発又は難治性の中枢
    神経系原発リンパ腫」を効能・効果とした承認を取得しました。
   ・昨年11月、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬「ONO-4059/チラブルチニブ」について、国内
    で「原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫」を対象とした承認申請を行い
    ました。
「ONO-7912(CPI-613)/Devimistat」
    ・昨年10月、がん代謝阻害薬「ONO-7912(CPI-613) /Devimistat」について、韓国で「膵がん」
      および「急性骨髄性白血病」を対象としたフェーズⅢ試験を開始しました。




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「ONO-7913/Magrolimab」
    ・本年3月、抗CD47抗体「ONO-7913」について、国内で「固形がん」を対象としたフェーズⅠ試験
     を開始しました。
「ONO-7705/Selinexor」
    ・本年2月、Karyopharm社から導入したXPO1阻害薬「ONO-7705/ Selinexor」について、国内で
     「多発性骨髄腫および非ホジキンリンパ腫」を対象としたフェーズⅠ試験を実施していました
     が、戦略上の理由により開発を中止し、Karyopharm社に権利返還することとしました。


<がん領域以外>
「オノアクト/ランジオロール塩酸塩」
   ・昨年8月、短時間作用型β1選択的遮断剤「オノアクト」について、国内で「敗血症に伴う頻脈
    性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)」を対象とした承認申請を行いました。
「コララン/ONO-1162/イバブラジン」
   ・昨年9月、HCNチャネル遮断薬「コララン/ ONO-1162/イバブラジン」について、国内で「洞調
     律かつ投与開始時の安静時心拍数が75回/分以上の慢性心不全(ただし、β遮断薬を含む慢性心
     不全の標準治療を受けている患者に限る。)」を効能・効果とした承認を取得しました。
「オレンシア/アバタセプト」
    ・本年2月、T細胞選択的共刺激調節剤「オレンシア点滴静注用」および「オレンシア皮下注」に
     ついて、国内でブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社とともに、既承認の関節リウマチの
     効能・効果に「関節の構造的損傷の防止」を追加する承認を取得しました。
    ・本年2月、T細胞選択的共刺激調節剤「オレンシア皮下注」について、国内で「未治療の関節リ
     ウマチ」および「一次性シェーグレン症候群」を対象としたフェーズⅢ試験を実施していまし
     たが、期待していた有効性が確認できなかったため中止しました。
「ONO-5704/SI-613」
    ・本年1月、変形性関節症治療剤「ONO-5704/SI-613」について、国内で生化学工業株式会社とと
      もに「変形性関節症(膝関節、股関節、足関節)」を対象とした承認申請を行いました。
「ONO-4685」
    ・昨年6月、PD-1×CD3二重特異性抗体「ONO-4685」について、国内で自己免疫疾患を対象とした
     フェーズⅠ試験を開始しました。
「ONO-2808」
    ・昨年12月、S1P5受容体作動薬「ONO-2808」について、欧州で「神経変性疾患」を対象としたフ
     ェーズⅠ試験を開始しました。
「ONO-5788」
    ・昨年11月、成長ホルモン分泌抑制薬「ONO-5788」について、米国で「先端巨大症」を対象とし
      たフェーズⅠ試験を実施していましたが、戦略上の理由により中止しました。




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[創薬/研究提携活動の状況]
    研究提携活動の状況]
   ・本年3月、スイスのニューマブ社とがん免疫領域において多重特異性抗体を創製する新たな創薬
    提携契約およびオプション契約を締結しました。

[ライセンス活動の状況]
 ライセンス活動の状況]
  ・昨年6月、米国のラファエル社と、同社が開発中のがん代謝阻害剤「CPI-613(Devimistat)」
   および関連化合物について、日本、韓国、台湾およびASEAN諸国で独占的に開発および商業化す
   るライセンス契約を締結しました。
  ・昨年7月、米国のフォーティ セブン社と、同社が開発中の抗CD47抗体「5F9」について、日本、
   韓国、台湾およびASEAN諸国で独占的に開発および商業化するライセンス契約を締結しました。

[開発提携活動の状況]
 開発提携活動の状況]
   ・昨年7月、バイエル社、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社および当社は、転移性大腸がんで
   最も発現頻度が高いマイクロサテライト安定性の転移性大腸がん患者を対象に、バイエル社の
   マルチキナーゼ阻害剤「スチバーガ(レゴラフェニブ)」とブリストル・マイヤーズ スクイブ
   社/当社の抗PD-1免疫チェックポイント阻害剤である「オプジーボ(ニボルマブ)」との併用
   療法を評価する開発提携契約を3社間で締結しました。




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(2)当期の財政状態の概況
                                                                  (単位:百万円)
                         2019年3月期          2020年3月期           対前期増減額
    資産合計                     655,056                673,444           18,388
    親会社の所有者に帰属する持分           557,350                562,484            5,135
    親会社所有者帰属持分比率                 85.1%               83.5%

    1株当たり親会社   所有者帰属持分     1,084.08円              1,126.95円


    資産合計は、前期末に比べ184億円増の6,734億円となりました。
    流動資産は、その他の金融資産や現金及び現金同等物の増加などから306億円増の2,252億円とな
 りました。
    非流動資産は、繰延税金資産の増加やIFRS第16号適用に伴い使用権資産を計上したことによる有
 形固定資産の増加などがあったものの、投資有価証券の減少などから122億円減の4,482億円となり
 ました。
    負債は、IFRS第16号適用に伴うリース負債や未払法人所得税の増加などから131億円増の1,054億
 円となりました。
    親会社の所有者に帰属する持分は、その他の資本の構成要素の減少や自己株式の取得などがあっ
 たものの、利益剰余金の増加などから51億円増の5,625億円となりました。


(3)当期のキャッシュ・フローの概況
                                                                  (単位:百万円)
                                  2019年3月期         2020年3月期       対前期増減額

現金及び現金同等物の期首残高                           65,273          59,981

営業活動によるキャッシュ・フロー                         66,774          74,157         7,383

投資活動によるキャッシュ・フロー                       △49,763         △10,234         39,529

財務活動によるキャッシュ・フロー                       △22,279         △54,721       △32,442

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)                      △5,268           9,202

現金及び現金同等物に係る為替変動による影響額                     △24            △179

現金及び現金同等物の期末残高                           59,981          69,005
 
  当期の現金及び現金同等物の増減額は、92億円の増加となりました。
    営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益797億円などがあった結果、742億円の収
 入となりました。
    投資活動によるキャッシュ・フローは、投資の売却及び償還による収入314億円などがあった一
 方で、定期預金の預入による支出(純額)200億円、無形資産の取得による支出150億円、有形固定
 資産の取得による支出75億円などがあった結果、102億円の支出となりました。
    財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出296億円や配当金の支払額228
 億円などがあった結果、547億円の支出となりました。




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(4)今後の見通し
                                                           (単位:百万円)
                   当期実績         次期予想
                                次期予想
                                               対当期増減額      対当期増減率
                 (2020年3月期) (2021年3月期)
売上収益                  292,420        303,000      10,580        3.6%
営業利益                   77,491         80,000       2,509        3.2%

税引前当期利益                79,696         82,000       2,304        2.9%
当期利益
                       59,704         61,000       1,296        2.2%
(親会社の所有者帰属)
 
    [売上収益]
     売上収益]
     次期につきましては、2020年4月の薬価改定の影響や競合品との市場シェア獲得競争の激化など、
    厳しい事業環境が続くものと予想されます。「オプジーボ点滴静注」は、腎細胞がん、頭頸部が
    ん、胃がん領域において競合品の参入や非小細胞肺がん二次治療領域での新規使用患者数の減少を
    見込む一方で、食道がん領域における使用拡大や非小細胞肺がん一次治療への参入を見込んでお
    り、当期比27億(3.1%)増加の900億円を見込んでいます。その他の主要新製品では、「フォシー
    ガ錠」、「オレンシア皮下注」、「パーサビブ静注透析用」、「カイプロリス点滴静注用」などの
    売上拡大に加え、複数の新製品の発売を見込んでいます。また、ロイヤルティ・その他の収益は、
    ブリストル・マイヤーズ スクイブ社およびメルク社からのロイヤルティ収入が引き続き伸長し、
    当期比62億円(7.1%)増加の930億円を見込んでいます。以上のことにより、売上収益は当期比
    106億円(3.6%)増加の3,030億円を予想しています。
      
    [損益]
     損益]
     売上原価は、2020年3月より山口工場にて製造が開始されたことなどにより、当期比24億円(3.1
    %)増加の815億円の見込みです。
     研究開発費は、新型コロナウイルス感染症の影響による新規および実施中の臨床試験の被験者登
    録の延期・中断があるものの、持続的成長を実現すべく積極的な投資を行うため、当期比25億円
    (3.8%)増加の690億円の見込みです。販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、新型コロ
    ナウイルス感染症の影響による学術講演会の中止・延期、MRの医療機関訪問自粛に伴い営業活動
    経費が減少する一方、複数の新発売見込品や効能追加に伴う一時的な営業活動経費の増加などによ
    り、当期比23億円(3.4%)増加の700億円の見込みです。
     以上のことにより、営業利益は当期比25億円(3.2%)増加の800億円、親会社の所有者に帰属す
    る当期利益は当期比13億円(2.2%)増加の610億円と予想しています。

     (注)新型コロナウイルス感染症の収束時期を現時点で正確に見通すことが困難なため、上記の
    業績予想には、2020年6月末まで医療機関への訪問活動等の自粛が続いた場合の影響を織り込んで
    います。第2四半期以降も活動制限が続いた場合、活動自粛および受診抑制等により売上収益に若
    干のマイナス影響が見込まれるものの、同時に事業活動の低下による経費支出抑制も生じるため、
    営業利益に与える影響は軽微と見積もっています。今後、業績予想の修正が必要となった場合に
    は、速やかに開示します。




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(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
  利益配分につきましては、株主の皆様への利益還元を経営の重要政策の一つと位置づけ、安定的
    な配当の継続を重視しつつ、業績に応じた成果の配分を行っていきたいと考えています。
     当期の配当金は、期末配当を1株当たり22.5円とし、第2四半期末配当22.5円と合わせて、年間
    配当を45円とさせていただくことを予定しています。また次期の年間配当については、1株当たり
    45円を予想しています。
     なお、内部留保金の使途につきましては、国内外における新薬の研究開発やバイオベンチャーと
    の提携、さらには開発リスク補完のための新薬候補化合物の導入など、将来の事業発展のために積
    極的に活用していきたいと考えています。

 
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
    当社グループは、国際的なスタンダードに基づく財務情報の開示により比較可能性を向上させ、
    株主、投資家や取引先など様々なステークホルダーの皆さまの利便性をはかることを目的として、
    2014年3月期から国際会計基準(IFRS)を適用しております。




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3.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結財政状態計算書
                                              (単位:百万円)
                            前連結会計年度          当連結会計年度
                           (2019年3月31日)     (2020年3月31日)

資産
    流動資産
    現金及び現金同等物                      59,981           69,005
    売上債権及びその他の債権                   76,285           76,834
    有価証券                              687             614
    その他の金融資産                       10,800           30,800
    棚卸資産                           32,821           32,906
    その他の流動資産                       14,042           15,063
    流動資産合計                        194,617          225,222


    非流動資産
    有形固定資産                        108,870          114,628
    無形資産                           63,059           66,436
    投資有価証券                        171,476          137,670
    持分法で会計処理されている投資                   113             108
    その他の金融資産                       91,672           91,694
    繰延税金資産                         21,079           34,817
    その他の非流動資産                       4,171           2,871
    非流動資産合計                       460,439          448,222
    資産合計                          655,056          673,444
 




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                          小野薬品工業株式会社(4528) 2020年3月期 決算短信


                                             (単位:百万円)
                           前連結会計年度          当連結会計年度
                          (2019年3月31日)     (2020年3月31日)

負債及び資本
    流動負債
    仕入債務及びその他の債務                  36,833           34,439
    借入金                              435              -
    リース負債                             -            2,188
    その他の金融負債                         515             450
    未払法人所得税                       15,980           20,346
    引当金                           17,206           20,721
    その他の流動負債                      12,181           13,185
    流動負債合計                        83,150           91,329


    非流動負債
    借入金                            1,765              -
    リース負債                             -            6,173
    その他の金融負債                           5                0
    退職給付に係る負債                      5,515           6,048
    繰延税金負債                         1,053           1,059
    その他の非流動負債                        832             813
    非流動負債合計                        9,171           14,093
    負債合計                          92,321          105,422


資本
    資本金                           17,358           17,358
    資本剰余金                         17,202           17,229
    自己株式                        △38,151          △44,737
    その他の資本の構成要素                   61,852           48,030
    利益剰余金                        499,088          524,605
    親会社の所有者に帰属する持分               557,350          562,484
    非支配持分                          5,386           5,538
    資本合計                         562,736          568,022
負債及び資本合計                         655,056          673,444
 




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                             小野薬品工業株式会社(4528) 2020年3月期 決算短信


(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
連結損益計算書
                                                 (単位:百万円)
                          前連結会計年度                当連結会計年度
                        (自 2018年4月1日           (自 2019年4月1日
                         至 2019年3月31日)          至 2020年3月31日)

売上収益                                 288,634            292,420
売上原価                                △83,829            △79,063
売上総利益                                204,805            213,356


販売費及び一般管理費                          △70,033            △67,679
研究開発費                               △70,008            △66,497
その他の収益                                   646                822
その他の費用                               △3,400             △2,512
営業利益                                  62,010            77,491


金融収益                                   3,282             3,053
金融費用                                   △150              △845
持分法による投資損益                               △1                 △4
税引前当期利益                               65,141            79,696
法人所得税                               △13,462            △19,808
当期利益                                  51,679            59,888


当期利益の帰属
 親会社の所有者                              51,539            59,704
 非支配持分                                   140                184
 当期利益                                 51,679            59,888


1株当たり当期利益
 基本的1株当たり当期利益(円)                      100.25            118.47
 希薄化後1株当たり当期利益(円)                     100.24            118.45




                        12
                            小野薬品工業株式会社(4528) 2020年3月期 決算短信


連結包括利益計算書
                                                (単位:百万円)
                          前連結会計年度               当連結会計年度
                        (自 2018年4月1日          (自 2019年4月1日
                         至 2019年3月31日)         至 2020年3月31日)

当期利益                                 51,679            59,888
その他の包括利益:
 純損益に振り替えられることのない項目:
  その他の包括利益を通じて測定する
                                       △43             △1,909
  金融資産の公正価値の純変動
  確定給付制度の再測定                          △890              △109
  持分法適用会社のその他の包括利益を
  通じて測定する金融資産の公正価値の                     △1                △4
  純変動に対する持分
  純損益に振り替えられることのない
                                      △935             △2,022
  項目合計


 純損益にその後に振り替えられる
 可能性のある項目:
  在外営業活動体の換算差額                           78             △219
  純損益にその後に振り替えられる
                                         78             △219
  可能性のある項目合計


 その他の包括利益合計                           △857             △2,241
当期包括利益合計                             50,821            57,647


当期包括利益合計の帰属:
 親会社の所有者                             50,658            57,492
 非支配持分                                  163               155
 当期包括利益合計                            50,821            57,647




                       13
                                           小野薬品工業株式会社(4528) 2020年3月期 決算短信


(3)連結持分変動計算書
                                                                          (単位:百万円)
                            親会社の所有者に帰属する持分
                                                      親会社の
                                           その他の
                                                      所有者に
                資本金 資本剰余金 自己株式              資本の 利益剰余金      非支配持分 資本合計
                                                      帰属する
                                           構成要素
                                                       持分


2018年4月1日残高     17,358   17,175 △38,148      68,021   459,985   524,390   5,228   529,619


会計方針の変更                                                 4,127     4,127             4,127
修正再表示後の残高       17,358   17,175 △38,148      68,021   464,112   528,517   5,228   533,746
 当期利益                                                  51,539    51,539     140    51,679
 その他の包括利益                                     △881                △881       24     △857
  当期包括利益合計          -       -         -       △881     51,539    50,658     163    50,821


 自己株式の取得                             △3                             △3             △3
 剰余金の配当                                               △21,850   △21,850     △5 △21,856
 株式報酬取引                     27                                       27             27
 その他の資本の構成要素
                                            △5,288      5,288        -                 -
 から利益剰余金への振替
  所有者との取引額等合計       -       27       △3     △5,288    △16,562   △21,826     △5 △21,831


2019年3月31日残高    17,358   17,202 △38,151      61,852   499,088   557,350   5,386   562,736


 当期利益                                                  59,704    59,704     184   59,888
 その他の包括利益                                   △2,212              △2,212     △29    △2,241
  当期包括利益合計          -       -         -     △2,212     59,704    57,492     155   57,647


 自己株式の取得                         △29,586                        △29,586        △29,586
 自己株式の消却                          22,999              △22,999        -              -
 剰余金の配当                                               △22,798   △22,798     △3 △22,801
 株式報酬取引                     27                                       27             27
 その他の資本の構成要素
                                           △11,610     11,610        -                 -
 から利益剰余金への振替
  所有者との取引額等合計       -       27   △6,587    △11,610    △34,187   △52,357     △3 △52,360


2020年3月31日残高    17,358   17,229 △44,737      48,030   524,605   562,484   5,538   568,022




                                      14
                               小野薬品工業株式会社(4528) 2020年3月期 決算短信


(4)連結キャッシュ・フロー計算書
                                                  (単位:百万円)
                                 前連結会計年度           当連結会計年度
                               (自 2018年4月1日      (自 2019年4月1日
                                至 2019年3月31日)     至 2020年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー
 税引前当期利益                                65,141            79,696
 減価償却費及び償却費                             10,621            14,214
 減損損失                                      209             2,816
 受取利息及び受取配当金                            △3,164            △2,968
 支払利息                                       27                  76
 棚卸資産の増減額(△は増加)                         △1,567             △173
 売上債権及びその他の債権の増減額(△は増加)                  1,251             △793
 仕入債務及びその他の債務の増減額(△は減少)                    998             1,992
 引当金の増減額(△は減少)                           6,333             3,515
 退職給付に係る負債の増減額(△は減少)                       378               381
 その他                                     1,854               865
 小計                                     82,081            99,621
 利息の受取額                                     77                  92
 配当金の受取額                                 3,092             2,878
 利息の支払額                                   △27               △76
 法人所得税等の支払額                            △18,449           △28,357
 営業活動によるキャッシュ・フロー                       66,774            74,157

投資活動によるキャッシュ・フロー
 有形固定資産の取得による支出                        △22,303            △7,475
 有形固定資産の売却による収入                             11               424
 無形資産の取得による支出                           △7,299           △14,970
 投資の取得による支出                              △873                   -
 投資の売却及び償還による収入                         27,123            31,439
 定期預金の預入による支出                          △55,800           △45,800
 定期預金の払戻による収入                           10,800            25,800
 その他                                    △1,423               348
 投資活動によるキャッシュ・フロー                      △49,763           △10,234

財務活動によるキャッシュ・フロー
 配当金の支払額                               △21,828           △22,775
 非支配持分への配当金の支払額                            △5                △3
 長期借入金の返済による支出                           △361                   -
 リース負債の返済による支出                              -             △2,358
 短期借入金の純増減額                               △84                   -
 自己株式の取得による支出                              △1            △29,584
 財務活動によるキャッシュ・フロー                      △22,279           △54,721
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)                     △5,268             9,202
現金及び現金同等物の期首残高                          65,273            59,981
現金及び現金同等物に係る為替変動による影響額                    △24              △179
現金及び現金同等物の期末残高                          59,981            69,005




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(5)連結財務諸表に関する注記事項
(報告企業)
  小野薬品工業株式会社(以下、当社)は日本に所在する企業であります。当社の登記している本社
 および主要な事業所の住所はホームページ(URL https://www.ono.co.jp/)で開示しております。
  当社の連結財務諸表は、当社および子会社(以下、当社グループ)、並びに当社グループの関連会
 社に対する持分により構成されております。当社グループは、医療用、一般用医薬品の製造・販売を
 行っております。当社グループの事業内容および主要な活動は、「(セグメント情報)」に記載して
 おります。
     
(作成の基礎)
 (1) IFRSに準拠している旨
    当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式および作成方法に関する規則」
   (昭和51年大蔵省令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすこ
   とから、同第93条の規定により、国際会計基準(以下、IFRS)に準拠して作成しております。
 
 (2) 測定の基礎
    当社グループの連結財務諸表は、公正価値で測定している金融商品などを除き、取得原価を基礎
   として作成しております。
 
 (3) 機能通貨および表示通貨
    当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に注釈
   のない限り、百万円未満の端数を四捨五入して表示しております。
 
(重要な会計方針)
  当社グループが当連結会計年度の連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、17ページ(会
 計方針の変更)に記載のあるものを除き、前連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計
 方針と同一であります。
     
(重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断)
  当社グループの連結財務諸表は、収益および費用、資産および負債の測定に関する経営者の見積り
 および仮定を含んでおります。これらの見積りおよび仮定は過去の実績および決算日において合理的
 であると考えられる様々な要因等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかし、その
 性質上、将来において、これらの見積りおよび仮定とは異なる結果となる可能性があります。
  見積りおよびその基礎となる仮定は経営者により継続して見直されております。これらの見積りお
 よび仮定の見直しによる影響は、その見積りおよび仮定を見直した期間およびそれ以降の期間におい
 て認識しております。
  当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積りおよび仮定は以下のとお
 りであります。
  ・有形固定資産、無形資産の減損
   当社グループは、有形固定資産、無形資産について、回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候があ
  る場合には、減損テストを実施しております。
   減損テストを実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは見込まれる営業成績に対しての
  著しい実績の悪化、取得した資産の用途の著しい変更ないし戦略全体の変更、業界トレンドや経済
  トレンドの著しい悪化等が含まれます。減損は、売却費用控除後の公正価値と適切な利率で割り引
  かれたリスク調整後の将来キャッシュ・フロー評価によって測定する使用価値のどちらか高い金額
  を用いて決定しております。将来キャッシュ・フローは事業予測に基づいて決定しております。将
  来の事象によって、このような減損テストに用いられた仮定が変更され、その結果、当社グループ
  の将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。




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 ・繰延税金資産の回収可能性
  資産および負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との間に生じる一時的な差異に係る税効果に
 ついては、繰延税金資産を回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において、当該差異に適
 用される法定実効税率を使用して繰延税金資産を計上しております。
 ・退職給付会計の基礎率
  当社グループは確定給付型を含む複数の退職給付制度を有しております。
  確定給付制度債務の現在価値および関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定し
 ております。数理計算上の仮定には、割引率や利息の純額等の変数についての見積りおよび判断が
 求められます。
  当社グループは、これらの変数を含む数理計算上の仮定の適切性について、外部の年金数理人か
 らの助言を得ております。
  数理計算上の仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な
 経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務
 諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。

(会計方針の変更)
 当社グループは、当連結会計年度よりIFRS第16号「リース」(2016年1月公表)(以下「IFRS第16
号」)を適用しております。
 この基準の適用により、過去にIAS第17号「リース」(以下「IAS第17号」)を適用してオペレーティ
ング・リースに分類したリースについて、IFRS第16号の適用開始日(2019年4月1日)に、使用権資産
およびリース負債を認識しております。
 また、当連結会計年度の連結損益計算書においては、従前の会計基準を適用した場合に発生時に費用
処理していたオペレーティング・リース料が、使用権資産に係る減価償却費およびリース負債に係る利
息費用として計上され、連結キャッシュ・フロー計算書においては、営業活動によるキャッシュ・フロ
ーの減額項目から財務活動によるキャッシュ・フローの減額項目に計上区分が変更されております。
  IFRS第16号の適用に伴い、当社グループは、借手としてのリース取引について、リース開始日に、使
用権資産を取得原価で、リース負債を未払リース料総額の現在価値として測定しております。
 使用権資産は、耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたって、定額法で減価償却を行ってお
ります。
 リース料は、利息法に基づき金融費用とリース負債の返済額に配分し、金融費用は連結損益計算書に
おいて認識しております。
 ただし、無形資産に係るリース、原資産が少額であるリースおよびリース期間が12ヵ月以内の短期リ
ースについては、使用権資産およびリース負債を認識しておりません。少額リースおよび短期リースに
係るリース料は、リース料総額をリース期間にわたって、定額法または他の規則的な基礎のいずれかに
より費用として認識しております。
 当社グループでは、経過措置に従ってIFRS第16号を遡及適用し、適用開始の累積的影響を当連結会計
年度の利益剰余金期首残高の修正として認識する方法を採用しております。IFRS第16号への移行に際
し、契約にリースが含まれているか否かについては、IFRS第16号C3項の実務上の便法を選択し、IAS第
17号およびIFRIC第4号「契約にリースが含まれているか否かの判断」のもとでの判断を引き継いでお
ります。
 リース負債は、適用開始日時点で支払われていないリース料を適用開始日現在の借手の追加借入利子
率を用いて割り引いた現在価値で測定しております。適用開始日現在の連結財政状態計算書に認識され
ているリース負債に適用している借手の追加借入利子率の加重平均は、0.9%であります。使用権資産
は、リース負債の測定額に前払リース料または未払リース料を調整した額で測定しております。
 IAS第17号を適用してファイナンス・リースに分類したリースについての使用権資産とリース負債に
ついては、前連結会計年度末時点におけるリース資産とリース負債の帳簿価額で測定しております。




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  この結果、従前の会計基準を適用した場合と比較して、当連結会計年度の期首において、有形固定資
産およびリース負債がそれぞれ6,245百万円増加しております。適用開始日現在の使用権資産は、リー
ス負債の測定額に前払リース料または未払リース料を調整した額で測定しているため、期首利益剰余金
への影響はありません。
  前連結会計年度末現在でIAS第17号を適用して開示したオペレーティング・リース契約と連結財政状
態計算書に認識した適用開始日のリース負債の調整表は、以下のとおりであります。
                                         (単位:百万円)
                                             金額
 2019年3月31日現在で開示したオペレーティング・リース契約                499

 2019年4月1日現在の追加借入利子率で割り引いたオペレーティング・リース契約             499
 2019年3月31日で開示したファイナンス・リース契約                       2,200
 解約可能オペレーティング・リース契約                                5,757
 その他                                                △11
 2019年4月1日現在のリース負債                                 8,445
  なお、当社グループは、IFRS第16号を適用するにあたり、以下に示すIFRS第16号C10項の実務上の便
法を使用しております。
  ・特性が合理的に類似したリースのポートフォリオに単一の割引率を適用しております。
  ・適用開始日から12ヵ月以内にリース期間が終了するリースについて、短期リースと同じ方法で会計
   処理しております。
  ・当初直接コストを適用開始日現在の使用権資産の測定から除外しております。
  ・延長または解約オプションが含まれている契約について、リース期間を算定する際などに、事後的
   判断を使用しております。




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(セグメント情報)
 (1) 報告セグメント
    当社グループは「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満た
   されない医療ニーズに応えるため、真に患者さんのためになる革新的な新薬の創製を目指し、医薬
   品事業(研究開発、仕入、製造、販売事業)の単一セグメントに経営資源を集中し事業を行ってお
   ります。このため報告セグメント別の記載は省略しております。

(2) 売上収益の内訳
   売上収益の内訳は次のとおりであります。
                                                (単位:百万円)
                        前連結会計年度             当連結会計年度
                      (自 2018年4月1日        (自 2019年4月1日
                       至 2019年3月31日)       至 2020年3月31日)
製品商品                              208,947             205,614
ロイヤルティ・その他                         79,687              86,805
      合計                          288,634             292,420
(注)「ロイヤルティ・その他」の中には、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社からの「オプジー
  ボ点滴静注」に係るロイヤルティ収入が、前連結会計年度には585億円、当連結会計年度に616
  億円、メルク社からの「Keytruda®」に係るロイヤルティ収入が、前連結会計年度には128億円、
  当連結会計年度には193億円、それぞれ含まれております。

(3) 地域別の売上収益に関する情報
   地域別の売上収益の内訳は次のとおりであります。
                                                          (単位:百万円)
                         前連結会計年度                       当連結会計年度
                       (自 2018年4月1日                  (自 2019年4月1日
                        至 2019年3月31日)                 至 2020年3月31日)
日本                                 207,371                       202,866
米州                                  72,298                        81,545
アジア                                  7,354                         7,481
欧州                                   1,610                           528
        合計                            288,634                     292,420
(注)売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。


(4) 主要な顧客に関する情報
   主要顧客に対する売上収益の内訳は次のとおりであります。
                                                          (単位:百万円)
                              前連結会計年度                    当連結会計年度
                            (自 2018年4月1日               (自 2019年4月1日
                             至 2019年3月31日)              至 2020年3月31日)
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社                           63,442                  66,826
およびそのグループ会社
(株)メディパルホールディングス                            45,744                  46,295
およびそのグループ会社
(株)スズケンおよびそのグループ会社                          45,832                  45,828
アルフレッサホールディングス(株)                           32,213                  31,894
およびそのグループ会社
東邦ホールディングス(株)                               31,242                  30,637
およびそのグループ会社




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(1株当たり利益)
 (1) 基本的1株当たり当期利益
 ①基本的1株当たり当期利益

                       前連結会計年度                 当連結会計年度
                     (自 2018年4月1日            (自 2019年4月1日
                      至 2019年3月31日)           至 2020年3月31日)
基本的1株当たり当期利益                    100.25円                 118.47円
 
 ②基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎

                       前連結会計年度                 当連結会計年度
                     (自 2018年4月1日            (自 2019年4月1日
                      至 2019年3月31日)           至 2020年3月31日)
親会社の所有者に帰属する                 51,539百万円               59,704百万円
当期利益
発行済普通株式の                         514,121千株            503,975千株
加重平均株式数

 (2) 希薄化後1株当たり当期利益
 ①希薄化後1株当たり当期利益

                       前連結会計年度                 当連結会計年度
                     (自 2018年4月1日            (自 2019年4月1日
                      至 2019年3月31日)           至 2020年3月31日)
希薄化後1株当たり当期利益                   100.24円                 118.45円
 
 ②希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎

                       前連結会計年度                 当連結会計年度
                     (自 2018年4月1日            (自 2019年4月1日
                      至 2019年3月31日)           至 2020年3月31日)
親会社の所有者に帰属する                 51,539百万円               59,704百万円
当期利益
発行済普通株式の                         514,121千株            503,975千株
加重平均株式数
新株予約権による                             50千株                 69千株
普通株式増加数
希薄化後の                            514,171千株            504,044千株
加重平均株式数

(重要な後発事象)
 該当事項はありません。

(継続企業の前提に関する注記)
 該当事項はありません。




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