4528 小野薬 2019-07-11 17:00:00
米国Forty Seven社と抗CD47抗体「5F9」に関するライセンス契約を締結 [pdf]

                                                    2019 年 7 月 11 日


各位


                               会 社 名: 小野薬品工業株式会社
                               代表者名: 代表取締役社長 相良 暁
                                      (コード: 4528 東証第一部)
                               問合せ先: 常務執行役員 広報部長 谷           幸雄
                                      (TEL: 06-6263-5670)


      米国Forty Seven社と抗CD47抗体「5F9」に関するライセンス契約を締結


 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良暁、以下、当社)は、本日、
米国 Forty Seven, Inc.(カリフォルニア州メンローパーク、社長兼 CEO:Mark McCamish、以下、
Forty Seven 社)と、同社が様々ながん腫を対象に開発中の抗 CD47 抗体である「5F9」を日本、
韓国、台湾および ASEAN 諸国で独占的に開発および商業化するライセンス契約を締結しましたの
で、お知らせします。


 本ライセンス契約の締結に伴い、当社は、上記地域において 5F9 を独占的に開発、製造および
商業化できる権利を取得します。当社は、契約一時金として 17 億円、開発の進捗および売上高に
応じたマイルストンとして総額で最大 112 億円を Forty Seven 社に支払います。また、当社は上記
地域における 5F9 の売上高に応じた 10%台後半~20%台前半のロイヤルティを Forty Seven 社に
支払います。さらに、当社は、上記地域での開発費用を負担することにより、今後実施されるグロ
ーバル試験に参画する権利も保有します。
 なお、Forty Seven 社は、米国、欧州、中国を含む、上記以外の国における 5F9 の権利を留保し
ます。


 当社の執行役員 開発本部長である出光清昭は、次のように述べています。「今回、CD47 ががん
細胞の免疫回避システムの一部として機能していることを解明し、自然免疫系を利用した新たなが
ん免疫療法の開発をリードする Forty Seven 社と提携できたことを嬉しく思います。様々な血液が
んに対する 5F9 の臨床試験データに基づき、5F9 は様々ながん患者さんにベネフィットを提供でき
るものと確信しています。当社は、画期的で革新的な医薬品を開発し、日本、韓国、台湾および
ASEAN 諸国のがん患者さんに提供する努力を推進するとともに、固形がんも含めて様々ながん腫
の治療における 5F9 の可能性を追究していきます。
                         」


 Forty Seven 社の最高ビジネス責任者(CBO)である Craig Gibbs(Ph.D)は、次のように述べ
ています。「小野薬品はがん領域の医薬品開発をリードする企業であり、東アジア市場においてオ
プジーボ、カイプロリス、ビラフトビ、メクトビなどのがん免疫療法薬や導入品の分子標的薬の開
発・販売に実績を有しています。特に、小野薬品はブリストル・マイヤーズ スクイブ社と提携し、
世界で初めてオプジーボの承認を取得しています。Forty Seven 社にとって、小野薬品は初めての
商業提携を締結した企業であり、日本、韓国、台湾および ASEAN 諸国の患者さんに 5F9 をお届け
するのに最良のパートナーであると確信しています。同時に、Forty Seven 社は、当社の開発プロ
グラムの遂行に注力していきます。」


5F9 について
 5F9 は、マクロファージ上の SIRPα とがん細胞上の CD47 の結合を阻害する抗 CD47 モノクロ
ーナル抗体で、がん細胞がマクロファージからの貪食作用を回避する「don’t eat me」シグナルを
無効化します。Forty Seven 社は、先ず 5F9 を骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病
(AML)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、卵巣がん、大腸がんを対象に開発しています。5F9 は、
B 細胞 NHL の 2 つの型である、再発または難治性のびまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫(r/r DLBCL)
および濾胞性リンパ腫の治療薬として米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック指定を受け
ています。また、AML の治療薬として FDA および欧州医薬品庁(EMA)よりオーファンドラッグ
指定を受けています。FDA との協議に基づき、Forty Seven 社は、MDS 患者における 5F9 +
azacitidine の併用療法および複数の治療歴を有する r/r DLBCL 患者における 5F9 + rituximab の併用
療法に関しては、単群ピボタル試験の結果に基づいて承認申請できる可能性もあると考えています。


Forty Seven, Inc.について
 Forty Seven, Inc.(Forty Seven 社)は、スタンフォード大学からライセンスした技術を基に、が
ん細胞の免疫回避機構を標的とした腫瘍免疫薬を開発している企業です。Forty Seven 社の最も先
行したプロジェクトである 5F9 は、がん細胞がマクロファージからの貪食を回避するための
「don’t eat me」シグナルを伝える CD47 に対するモノクローナル抗体です。現在、この抗体で固
形がん、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、卵巣がん、大腸がん患者を
対象に複数の臨床試験が実施されています。



                                                               以上