4528 小野薬 2019-06-25 16:00:00
米国 Rafael Pharmaceuticals社とがん代謝阻害剤「CPI-613(devimistat)」およびその関連化合物に関するライセンス契約を締結 [pdf]

                                                        2019 年 6 月 25 日


各位


                                  会 社 名: 小野薬品工業株式会社
                                  代表者名: 代表取締役社長 相良 暁
                                          (コード: 4528 東証第一部)
                                  問合せ先: 常務執行役員 広報部長 谷 幸雄
                                          (TEL: 06-6263-5670)


     米国 Rafael Pharmaceuticals社とがん代謝阻害剤「CPI-613(devimistat)」および
                    その関連化合物に関するライセンス契約を締結


 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良暁、以下、当社)は、本
日、Rafael Pharmaceuticals, Inc.(ニュージャージー州クランベリー、社長兼 CEO:Sanjeev
Luther、以下、Rafael 社)と、同社が開発を進めるファーストインクラスのがん代謝阻害剤であ
る CPI-613(devimistat)(以下、devimistat)およびその関連化合物を独占的に開発および商業
化するライセンス契約を締結しましたので、お知らせします。


 本契約の締結により、当社は、日本、韓国、台湾および ASEAN 諸国において、適応症にかかわ
らず、devimistat およびその関連化合物を独占的に開発および商業化する権利を取得します。
Rafael 社は、上記以外の地域で devimistat およびその関連化合物を独占的に開発および商業化す
る権利を留保します。
 当社は、契約一時金として 14 億円、開発の進捗および売上高に応じたマイルストンとして最大
162 億円を Rafael 社に支払います。また、当社は上記地域における devimistat およびその関連化
合物の売上高に応じた二桁台の料率のロイヤルティを Rafael 社に支払います。


 当社の代表取締役社長である相良暁は、次のように述べています。「がん代謝阻害剤の分野をけ
ん引する Rafael 社と提携することを大変嬉しく思います。devimistat は、これまでに実施した臨
床試験で有望な有効性および安全性を示しており、アジア諸国においてがんに苦しんでおられる
患者さんにとって新たな治療選択肢になると確信しています。」


 Rafael 社の社長兼 CEO である Sanjeev Luther は、次のように述べています。「医薬品の創薬・
開発に豊富な実績を有する小野薬品と提携できることを光栄に思います。日本で確固たる実績を
築いている小野薬品と提携することにより、devimistat は日本および他のアジア諸国のがん治療に
おける大きなアンメットニーズを埋めることを期待しています。世界中のがん患者さんの QOL に
意義のある貢献をすることが我々のミッションであり、小野薬品と協働することでこのミッショ
ンの実現に向けて大きく前進できると期待しています。」
 Rafael 社の会長である Howard Jonas は、次のように述べています。「devimistat は臨床試験で
非常に有望な結果を示しており、小野薬品と連携することでアジアの多くの患者さんにも本剤の
ベネフィットを提供できます。小野薬品は、特にがん領域において、アジア諸国での医薬品の開
発および商業化に関して素晴らしい実績を示しており、当社のパートナーとして最適です。」


CPI-613(devimistat)について
 CPI-613(devimistat)は、Rafael 社が開発を進めているファーストインクラスのがん代謝阻害
剤です。devimistat は、細胞のミトコンドリア分画に存在し、細胞の増殖および生存に必要である
トリカルボン酸(TCA)サイクルを標的としてがん細胞を選択的に阻害します。devimistat は、が
ん細胞において様々な化学療法剤に対する感受性を大幅に高めます。この相乗効果により、低用
量の化学療法剤と devimistat を併用することで、化学療法剤の治療で一般的に認められる副作用
を軽減しつつ有効性を高めることができると期待されます。devimistat との併用療法により、種々
のがん腫において患者さんへのベネフィットを向上させる様々な機会が得られると期待されます。
Rafael 社は、米国医薬品食品局(FDA)から膵臓がんを対象としたピボタル第Ⅲ相臨床試験
(AVENGER 500 試 験 ) お よ び 急 性 骨 髄 性 白 血 病 を 対 象 と し た ピ ボ タ ル 第 Ⅲ 相 臨 床 試 験
                  、
(ARMADA 2000 試験)を実施する承認を取得しており、また devimistat は膵臓がん、急性骨髄性
白血病、骨髄異形成症候群、末梢性 T 細胞リンパ腫およびバーキットリンパ腫の治療薬として希
少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定されています。欧州医薬品庁(EMA)からは膵臓
がんおよび急性骨髄性白血病の治療薬としてオーファンドラッグに指定されています。


Rafael Pharmaceuticals, Inc.社について
 Rafael Pharmaceuticals, Inc.社は、がん代謝阻害剤の分野を牽引している企業で、がん細胞の生
存、増殖および繁殖に必要な代謝過程を標的とすることにより、治療困難ながんに有効な新規の
ファーストインクラスの治療薬を開発しています。Rafael 社の第一世代がん代謝阻害剤である
CPI-613(devimistat)は、がん選択性が非常に高く忍容性および有効性が高い抗がん剤で、進行
中または終了した第Ⅰ-Ⅲ相臨床試験で評価されています。前述の通り、devimistat は FDA よりオ
ーファンドラッグに指定されています(「CPI-613 (devimistat)について」の項目を参照ください)。
Rafael 社の投資家には、Rafael Holdings Inc.(NYSE AMERICAN:RFL)が含まれています。詳
細については、www.rafaelpharma.com をご覧ください。



                                                                      以上