4528 小野薬 2019-05-09 12:00:00
2019年3月期決算短信〔IFRS〕(連結) [pdf]

                2019年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
                                                                                                              2019年5月9日
上 場 会 社 名          小野薬品工業株式会社                                                      上場取引所              東
コ ー ド 番 号   4528                URL https://www.ono.co.jp/
代   表   者 (役職名) 代表取締役社長      (氏名) 相良 暁
問合せ先責任者 (役職名) 常務執行役員広報部長(氏名) 谷 幸雄                    (TEL) (06)6263-5670
定時株主総会開催予定日      2019年6月20日  配当支払開始予定日               2019年6月21日
有価証券報告書提出予定日 2019年6月21日
決算補足説明資料作成の有無 : 有
決算説明会開催の有無        : 有 ( 機関投資家・証券アナリスト向け )
 
                                                                                                           (百万円未満四捨五入)
1.2019年3月期の連結業績(2018年4月1日~2019年3月31日)
(1)連結経営成績                                                                                              (%表示は対前期増減率)
                                                                                                 親会社の所有者に 当期包括利益
                  売上収益                営業利益             税引前利益                 当期利益
                                                                                                 帰属する当期利益   合計額
                  百万円         %    百万円          %      百万円            %     百万円              %      百万円           %      百万円       %
    2019年3月期    288,634 10.2      62,010   2.2        65,141   1.9         51,679   2.5            51,539  2.5         50,821 △24.8
    2018年3月期    261,836 7.0       60,684 △16.0        63,922 △14.2         50,397 △10.1            50,284 △9.9         67,607 △0.7
     

                基本的1株当たり                  希薄化後   親会社所有者帰属持分                                   資産合計                     売上収益
                  当期利益                 1株当たり当期利益    当期利益率                                    税引前利益率                   営業利益率
                                円 銭                   円 銭                          %                         %                     %
    2019年3月期               100.25                    100.24                    9.5                         10.3                  21.5
 
    2018年3月期                97.00                     96.99                    9.6                         10.4                  23.2
 
(2)連結財政状態
                                                              親会社の所有者に                       親会社所有者               1株当たり親会社
                    資産合計                      資本合計
                                                               帰属する持分                        帰属持分比率                所有者帰属持分
                              百万円                    百万円                     百万円                             %                  円 銭
    2019年3月期              655,056                   562,736                557,350                         85.1            1,084.08
    2018年3月期              609,226                   529,619                524,390                         86.1            1,019.97

(3)連結キャッシュ・フローの状況
                  営業活動による                      投資活動による                       財務活動による                         現金及び現金同等物
                 キャッシュ・フロー                    キャッシュ・フロー                     キャッシュ・フロー                           期末残高
                                   百万円                          百万円                                百万円                         百万円
    2019年3月期                      66,774                      △49,763                            △22,279                       59,981
    2018年3月期                      15,727                      △34,189                            △62,549                       65,273
     
2.配当の状況
                                                                                                                         親会社所有者
                                              年間配当金                                          配当金総額          配当性向
                                                                                                                        帰属持分配当率
                                                                                              (合計)           (連結)
                 第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末                         期末             合計                                            (連結)
                    円 銭    円 銭    円 銭                            円 銭               円 銭            百万円                 %         %
2018年3月期                  -           25.00            -        20.00          45.00              23,138          46.4            4.5
2019年3月期                  -           22.50            -        22.50          45.00              23,138          44.9            4.3
2020年3月期(予想)              -           22.50            -        22.50          45.00                              43.7
    (注) 2018年3月期第2四半期末配当金の内訳:普通配当20円、創業300周年記念配当5円
     
3.2020年3月期の連結業績予想(2019年4月1日~2020年3月31日)

                                                                                                 (%表示は対前期増減率)
                                                                                             親会社の所有者に 基本的1株当たり
                  売上収益             営業利益              税引前利益                 当期利益              帰属する当期利益   当期利益
                 百万円       %      百万円          %      百万円        %        百万円           %          百万円        %                 円 銭
        通   期   290,000   0.5     67,000      8.0    70,000     7.5       53,100       2.8        53,000     2.8               103.09
※ 注記事項
(1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動)                                 : 無
 

 
(2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更
  ① IFRSにより要求される会計方針の変更                      : 有
    ②     ①以外の会計方針の変更                        : 無
    ③     会計上の見積りの変更                         : 無
 


 
(3)発行済株式数(普通株式)
  ① 期末発行済株式数(自己株式を含む)             2019年3月期   543,341,400株   2018年3月期   543,341,400株

    ②     期末自己株式数                 2019年3月期   29,220,860株    2018年3月期    29,219,787株

    ③     期中平均株式数                 2019年3月期   514,121,049株   2018年3月期   518,390,834株
 




 
    ※    決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
    ※    業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
        記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいてお
        り、実際の業績等は、様々な要因により大きく異なる可能性があります。
        業績予想の前提となる条件及び業績予想のご利用にあたっての注意事項等については、添付資料8ページ「(4)今後の見通し」をご覧
        ください。
                                小野薬品工業株式会社(4528) 2019年3月期 決算短信


○添付資料の目次

  1.経営成績等の概況 …………………………………………………………………………………… 2
   (1)当期の経営成績の概況 ………………………………………………………………………… 2
   (2)当期の財政状態の概況 ………………………………………………………………………… 7
   (3)当期のキャッシュ・フローの概況 …………………………………………………………… 7
   (4)今後の見通し …………………………………………………………………………………… 8
   (5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 ………………………………………… 8
  2.会計基準の選択に関する基本的な考え方 ………………………………………………………… 8
  3.連結財務諸表及び主な注記 ………………………………………………………………………… 9
   (1)連結財政状態計算書 …………………………………………………………………………… 9
   (2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ……………………………………………………11
   (3)連結持分変動計算書 ……………………………………………………………………………13
   (4)連結キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………14
   (5)連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………15
    (報告企業)   …………………………………………………………………………………………15
    (作成の基礎) ………………………………………………………………………………………15
    (重要な会計方針) …………………………………………………………………………………15
    (重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断) ……………………………………………15
    (会計方針の変更) …………………………………………………………………………………16
    (表示方法の変更) …………………………………………………………………………………17
    (セグメント情報) …………………………………………………………………………………18
    (1株当たり利益) …………………………………………………………………………………19
    (重要な後発事象) …………………………………………………………………………………19
    (継続企業の前提に関する注記) …………………………………………………………………19




                            1
                                       小野薬品工業株式会社(4528) 2019年3月期 決算短信


1.経営成績等の概況
(1)当期の経営成績の概況
                                                                (単位:百万円)
                   2018年3月期       2019年3月期         対前期増減額       対前期増減率

売上収益                    261,836          288,634       26,798       10.2%

営業利益                     60,684           62,010        1,325       2.2%

税引前当期利益                  63,922           65,141        1,219       1.9%
当期利益
                         50,284           51,539        1,255       2.5%
(親会社の所有者帰属)

  [売上収益]
   売上収益は、前期比268億円(10.2%)増加の2,886億円となりました。
   ・抗悪性腫瘍剤「オプジーボ点滴静注」は、薬価制度の抜本改革による薬価改定の影響を受けましたが、一昨年
       度に効能追加された腎細胞がん、頭頸部がん、昨年度に効能追加された胃がん等への使用が拡大したことによ
       り、前期比5億円(0.5%)増加の906億円となりました。
   ・その他の主要新製品では、2型糖尿病治療剤「グラクティブ錠」は269億円(前期比1.8%減)、関節リウマチ
       治療剤「オレンシア皮下注」は174億円(同23.3%増)、2型糖尿病治療剤「フォシーガ錠」は145億円(同
       31.0%増)、抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐治療剤「イメンドカプセル」、「プロイメンド点滴静注用」
       は合わせて106億円(同6.6%増)、アルツハイマー型認知症治療剤「リバスタッチパッチ」は89億円(同0.2
       %増)、血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「パーサビブ静注透析用」は57億円(同66.8%増)、
       多発性骨髄腫治療剤「カイプロリス点滴静注用」は49億円(同11.1%減)となりました。
   ・長期収載品は、薬価改定および後発品使用促進策の影響を受け、末梢循環障害改善剤「オパルモン錠」は104
       億円(前期比27.9%減)、骨粗鬆症治療剤「リカルボン錠」は73億円(同32.8%減)となりました。
   ・ロイヤルティ・その他は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社からの「オプジーボ点滴静注」のロイヤルテ
       ィ収入が増加したことや、長期収載品(注射剤5ブランド11品目)を丸石製薬株式会社へ譲渡したことに伴う
       収益を計上したことなどにより、前期比237億円(42.4%)増加の797億円となりました。

  [営業利益]
   営業利益は、前期比13億円(2.2%)増加の620億円となりました。
   ・売上原価は、下記(注)にあるIFRS第15号適用の影響(従前会計基準比96億円増)に加え、オプジーボ原薬の
       安定供給を受けるための一時的な負担金が発生したことなどにより、前期比184億円(28.2%)増加の838億円
       となりました。
   ・研究開発費は、「オプジーボ点滴静注」関連費用や創薬提携に係るライセンス料などが増加したことにより、
       前期比12億円(1.7%)増加の700億円となりました。
   ・販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、「オプジーボ点滴静注」や「フォシーガ錠」等の主要新製品
       に係る営業経費などが増加したことにより、前期比20億円(2.9%)増加の700億円となりました。
   ・その他の費用に、特許関連訴訟についてファイザー社と和解したことによる和解金の支払いを計上しておりま
       す。なお、前期は、その他の収益に有形固定資産売却益29億円を計上しております。
    
  [当期利益](親会社の所有者帰属)
   親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前当期利益の増加に伴い、前期比13億円(2.5%)増加の515億円と
  なりました。

 (注)当連結会計年度よりIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を適用しております。なお、当連結会計年
       度の連結損益計算書において、従前の会計基準を適用した場合と比較して、売上収益が8,889百万円、売上原
       価が9,553百万円それぞれ増加し、営業利益が664百万円、税引前当期利益が664百万円それぞれ減少しており
       ます。



                                   2
                                       小野薬品工業株式会社(4528) 2019年3月期 決算短信


(研究開発活動)
    当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、これまで克服されていない
 病気や、いまだ患者さんの治療満足度が低く、医療ニーズの高い疾患領域に挑戦し、独創的かつ画期的な医薬品の創
 製に向けて努力を積み重ねています。
    現在、開発パイプラインには、オプジーボに加えて、抗体医薬品を含む抗がん剤の新薬候補化合物をはじめ、変形
 性関節症の治療薬候補などがあり、早期の上市に向けて開発を進めています。なかでも、がん治療の領域はアンメッ
 ト・メディカル・ニーズが高いことから、重要な戦略分野と位置づけています。
    創薬研究においては、特長のある生理活性脂質や独自の標的分子に着目して画期的な新薬候補化合物の創製を目指
 す創薬アプローチ「化合物オリエント」をベースに、新たに重点領域毎に設置した「オンコロジー研究センター」、
 「イムノロジー研究センター」、「ニューロロジー研究センター」、「スペシャリティ研究センター」で、それぞれ
 の疾患ノウハウを蓄積し、医療ニーズを適切に捉えることで、医療インパクトのある画期的新薬の創製につなげるこ
 とに取り組んでいます。さらに、オープン・イノベーションをグローバルで積極的に展開し、世界最先端の技術や情
 報を取り入れ、世界トップクラスの研究者とのネットワークを構築するとともに、従来の低分子創薬に加え、抗体や
 細胞、ウイルスなどの生物製剤も利用することで、医療現場に革新をもたらす新薬の創製を目指します。また、ライ
 センス活動による有望な新薬候補化合物の導入にも努め、研究開発活動の一層の強化に取り組んでいます。
    当期における研究開発活動の主な成果は、以下のとおりです。




[開発品の主な進捗状況]
<がん領域>
「オプジーボ」(他剤との併用療法を含む)
    悪性黒色腫
     ・昨年5月、抗悪性腫瘍剤「ヤーボイ」との併用療法について、国内で「根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効
      果とした承認を取得しました。
     ・昨年8月、国内で「悪性黒色腫の術後補助療法」を効能・効果とした承認を取得しました。
    非小細胞肺がん
     ・本年1月、台湾で「プラチナ製剤による化学療法の治療歴を有する非小細胞肺がん」の効能・効果を追加する承
      認を取得しました。
    腎細胞がん
     ・昨年8月、抗悪性腫瘍剤「ヤーボイ」との併用療法について、国内で「根治切除不能又は転移性腎細胞がん」を
      効能・効果とした承認を取得しました。
     ・抗悪性腫瘍剤「ヤーボイ」との併用療法について、昨年10月に韓国で、昨年11月に台湾でそれぞれ「未治療の
      中及び高リスク進行期腎細胞がん」を効能・効果とした承認を取得しました。
     ・昨年8月、マルチキナーゼ阻害薬「Cabozantinib」との併用療法について、国内で「未治療の進行性又は転移性
      腎細胞がん」を対象としたフェーズⅢ試験を開始しました。
    悪性胸膜中皮腫
     ・昨年8月、国内で「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」を効能・効果とした承
      認を取得しました。
    結腸・直腸がん
     ・本年3月、国内で「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性
      (MSI-High)を有する結腸・直腸がん」を効能・効果とした承認申請を行いました。
    膀胱がん
     ・本年1月、IDO1阻害薬「ONO-7701」との併用療法について、国内で「膀胱がん」を対象としたフェーズⅢ試験を
      開始しました。
    膵がん
     ・昨年7月、抗CSF-1R抗体「ONO-4687/Cabiralizumab」との併用療法について、国内で「膵がん」を対象としたフ
      ェーズⅡ試験を開始しました。
    多発性骨髄腫
     ・本年1月、国内で「多発性骨髄腫」を対象としたフェーズⅡ試験を実施していましたが、戦略上の理由により開
      発を中止しました。


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   固形がん
     ・昨年8月、Axl/Mer阻害薬「ONO-7475」との併用療法について、国内で「進行性又は転移性固形がん」を対象と
      したフェーズⅠ試験を開始しました。
     ・昨年10月、PEG化インターロイキン-2「ONO-7911」との併用療法について、国内で「固形がん」を対象としたフ
      ェーズⅠ試験を開始しました。
     ・昨年8月、抗CCR4抗体「モガムリズマブ」との併用療法について、国内で「固形がん」を対象としたフェーズⅠ
      試験を実施していましたが、期待していた有効性が確認できなかったため開発を中止しました。
   その他
     ・昨年8月、国内における用法・用量を体重換算用量から固定用量に変更する承認を取得しました。
      なお、「オプジーボ」の日本・韓国・台湾以外の地域における開発・販売は、パートナー企業であるブリスト
      ル・マイヤーズ スクイブ社が行っています。
「ビラフトビ」および「メクトビ」
     ・昨年4月、BRAF阻害薬「ONO-7702/エンコラフェニブ」およびMEK阻害薬「ONO-7703/ビニメチニブ」の併用療
      法について、国内で「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果とした承認申請を行
      い、本年1月に承認を取得し、本年2月にBRAF阻害剤「ビラフトビ」およびMEK阻害剤「メクトビ」として新発売
      しました。
「デムサー」
     ・昨年4月、チロシン水酸化酵素阻害薬「ONO-5371/メチロシン」について、国内で「褐色細胞腫のカテコールア
      ミン分泌過剰状態の改善並びにそれに伴う諸症状の改善」を効能・効果とした承認申請を行い、本年1月に承認
      を取得し、本年2月にチロシン水酸化酵素阻害剤「デムサー」として新発売しました。
「カイプロリス」
     ・本年3月、「カイプロリス」について、国内で「再発又は難治性の多発性骨髄腫」での新たな用法・用量を追加
      する承認申請を行いました。
「ONO-7643/アナモレリン」
     ・昨年11月、グレリン様作用薬「ONO-7643/アナモレリン」について、国内で「がん悪液質における体重減少及
      び食欲不振の改善」を効能・効果とした承認申請を行いました。
「ONO-4059/チラブルチニブ」
     ・昨年7月、Btk阻害薬「ONO-4059/チラブルチニブ」について、国内で「原発性マクログロブリン血症及びリン
      パ形質細胞リンパ腫」を対象としたフェーズⅡ試験を開始しました。
「ONO-7705」
     ・昨年6月、XPO1阻害薬「ONO-7705/ Selinexor」について、国内で「多発性骨髄腫及び非ホジキンリンパ腫」を
      対象としたフェーズⅠ試験を開始しました。
「ONO-7579」
     ・昨年8月、Trk阻害薬「ONO-7579」について、欧米で「固形がん」を対象としたフェーズⅠ/Ⅱ試験を実施してい
      ましたが、戦略上の理由により開発を中止しました。


<がん領域以外>
「オパルモン」
     ・昨年6月、末梢循環改善剤「オパルモン」について、導出先のMeiji Seika ファルマ株式会社が、タイにおいて
      「腰部脊柱管狭窄症」および「閉塞性血栓血管炎」を効能・効果とする承認を取得しました。
「オノアクト」
     ・昨年7月、β1遮断剤(短時間作用型)「オノアクト」について、国内で「生命に危険のある不整脈(心室細動、
      血行動態不安定な心室頻拍)で難治性かつ緊急を要する場合」を効能・効果とした承認申請を行い、本年3月に
      承認を取得しました。




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「リバスタッチ」
     ・昨年9月、アルツハイマー型認知症治療剤「リバスタッチパッチ」について、国内で新基剤製剤の承認申請を行
      い、本年3月に承認を取得しました。
「フォシーガ」
     ・本年3月、「フォシーガ」について、国内で「1型糖尿病」に対する効能・効果および用法・用量の追加の承認
      を取得しました。
「オレンシア」
     ・本年3月、「オレンシア点滴静注用」「オレンシア皮下注」について、国内で関節リウマチにおける効能・効果
      に「関節の構造的損傷の防止」を追加する承認申請を行いました。
     ・本年1月、「オレンシア点滴静注用」について、国内で「ループス腎炎」を対象としたフェーズⅢ試験を実施し
      ていましたが、戦略上の理由により開発を中止しました。
「オプジーボ」
     ・本年1月、「オプジーボ」について、米国および国内で「敗血症」を対象としたフェーズⅠ試験およびフェーズ
      Ⅰ/Ⅱ試験を実施していましたが、それぞれ戦略上の理由により開発を中止しました。
     ・本年1月、「オプジーボ」について、欧州および米国で「C型肝炎」を対象としたフェーズⅠ試験を実施してい
      ましたが、戦略上の理由により開発を中止しました。
「ONO-1162/イバブラジン」
     ・昨年12月、HCNチャネル阻害薬「ONO-1162/イバブラジン」について、国内で「洞調律下での安静時心拍数が75
      回/分以上の慢性心不全」を効能・効果とした承認申請を行いました。
「ONO-2370/オピカポン」
     ・本年2月、COMT阻害薬「ONO-2370/オピカポン」について、国内で「レポドパ含有製剤との併用によるパーキン
      ソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善」を効能・効果とした承認申請を行いました。
「ONO-4059/チラブルチニブ」
     ・昨年11月、Btk阻害薬「ONO-4059/チラブルチニブ」について、国内で「天疱瘡」を対象としたフェーズⅡ試験
      を開始しました。
「ONO-5788」
     ・昨年5月、成長ホルモン分泌抑制薬「ONO-5788」について、米国で「先端巨大症」を対象としたフェーズⅠ試験
      を開始しました。
「ONO-7269」
     ・昨年9月、FXIa阻害薬「ONO-7269」について、国内で「脳梗塞」を対象としたフェーズⅠ試験を開始しました。
「ONO-7684」
     ・本年1月、FXIa阻害薬「ONO-7684」について、欧州で「血栓症」を対象としたフェーズⅠ試験を開始しました。
「ONO-8055」
     ・昨年8月、プロスタグランディン受容体(EP2/EP3)作動薬「ONO-8055」について、国内で「低活動膀胱」を対
      象としたフェーズⅠ試験を実施していましたが、戦略上の理由により開発を中止しました。




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[創薬/研究提携活動の状況]
   ・昨年5月、慶應義塾大学、高知大学、医薬基盤・健康・栄養研究所、田辺三菱製薬株式会社、第一三共株式会社
    とともに、免疫炎症性難病を対象とした創薬研究を行うことを目的に、「免疫炎症性難病創薬コンソーシア
    ム」を設立し、共同研究を開始しました。
   ・昨年9月、米国のフェイト社と、がんを対象とした iPS 細胞由来他家 CAR-T 細胞治療薬の創製を目的とした創
    薬提携契約を締結しました。
   ・本年3月、米国のトゥザー社と、同社独自の人工知能(AI)技術を活用した神経疾患領域におけるアンメット・
    ニーズを満たす革新的な治療薬の創製を目的とした研究提携契約を締結しました。
   ・本年3月、英国のキャンサーリサーチ UK およびライフアークとがん免疫領域での戦略的創薬提携契約を締結し
    ました。
   ・本年3月、フランスのベクトルス社と神経変性疾患における新薬候補化合物の創製を目的とした創薬提携契約を
    締結しました。


[ライセンス活動の状況]
   ・本年1月、カナダのリペア社と、同社が開発中のPol-theta(Polθ)阻害剤について、日本、韓国、台湾、香
    港・マカオ(中国本土は除く)およびASEAN諸国で独占的に開発および商業化するライセンス契約を締結しまし
    た。




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(2)当期の財政状態の概況
                                                                      (単位:百万円)
                         2018年3月期             2019年3月期               対前期増減額

    資産合計                       609,226               655,056              45,831

    親会社の所有者に帰属する持分             524,390               557,350              32,959

    親会社所有者帰属持分比率                86.1%                 85.1%
    1株当たり親会社
                             1,019.97円             1,084.08円
    所有者帰属持分

    資産合計は、前期末に比べ458億円増の6,551億円となりました。
    流動資産は、有価証券や現金及び現金同等物の減少などから148億円減の1,946億円となりました。
    非流動資産は、長期性預金や有形固定資産の増加などから607億円増の4,604億円となりました。
    負債は、未払法人所得税や引当金の増加などから127億円増の923億円となりました。
    親会社の所有者に帰属する持分は、その他の資本の構成要素の減少があったものの、利益剰余金の増加などから
 330億円増の5,574億円となりました。


(3)当期のキャッシュ・フローの概況
                                                                      (単位:百万円)
                                2018年3月期           2019年3月期           対前期増減額

現金及び現金同等物の期首残高                           146,323           65,273

営業活動によるキャッシュ・フロー                          15,727           66,774             51,047

投資活動によるキャッシュ・フロー                         △34,189         △49,763          △15,574

財務活動によるキャッシュ・フロー                         △62,549         △22,279              40,270

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)                      △81,011          △5,268

現金及び現金同等物に係る為替変動による影響額                      △40                △24

現金及び現金同等物の期末残高                            65,273           59,981
 
  当期の現金及び現金同等物の増減額は、53億円の減少となりました。
    営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益651億円などがあった結果、668億円の収入となりまし
 た。
    投資活動によるキャッシュ・フローは、投資の売却及び償還による収入271億円があった一方で、定期預金の預入
 による支出558億円、有形固定資産の取得による支出223億円などがあった結果、498億円の支出となりました。
    財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額218億円などがあった結果、223億円の支出となりまし
 た。




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(4)今後の見通し
                                                                  (単位:百万円)
                       当期実績           次期予想
                                                      対当期増減額      対当期増減率
                  (2019年3月期)        (2020年3月期)

売上収益                      288,634           290,000       1,366        0.5%

営業利益                       62,010            67,000       4,990        8.0%

税引前当期利益                    65,141            70,000       4,859        7.5%
 当期利益
                           51,539            53,000       1,461        2.8%
 (親会社の所有者帰属)
 
  [売上収益]
     次期につきましては、消費税増税に伴う臨時薬価改定や後発品普及促進策の浸透によるマイナス影響など、引き
    続き厳しい事業環境が続きます。「オプジーボ点滴静注」は、腎細胞がん、胃がん、頭頸部がんでの使用拡大を見
    込む一方で、昨年11月の薬価見直しの影響や肺がんでの新規使用患者数の減少を見込んでおり、当期比56億円(6.2
    %)減少の850億円を見込んでいます。一方で、「フォシーガ錠」、「オレンシア皮下注」、「パーサビブ静注透析
    用」などの主要新製品の売上拡大を見込んでいます。また、ロイヤルティ・その他の収益は、ブリストル・マイヤ
    ーズ スクイブ社およびメルク社からのロイヤルティ収入などが引き続き伸長し、当期比83億円(10.4%)増加の
    880億円を見込んでいます。以上のことより、売上収益は当期比14億円(0.5%)増加の2,900億円を予想していま
    す。
         
    [損益]
     売上原価は、当期に発生したオプジーボ原薬の安定供給を受けるための一時的な負担金が次期には発生しないこと
    などにより、当期比68億円(8.1%)減少の770億円の見込みです。
     研究開発費は、持続的成長を実現すべく積極的な投資を行うため、当期比20億円(2.8%)増加の720億円の見込
    みです。販売費及び一般管理費(研究開発費を除く)は、新製品やオプジーボ関連の活動経費の増加などより、当
    期比20億円(2.8%)増加の720億円の見込みです。
     以上のことより、営業利益は当期比50億円(8.0%)増加の670億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は当期
    比15億円(2.8%)増加の530億円と予想しています。
             
     
(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
     利益配分につきましては、株主の皆様への利益還元を経営の重要政策の一つと位置づけ、安定的な配当の継続を
    重視しつつ、業績に応じた成果の配分を行っていきたいと考えています。
     当期の配当金は、期末配当を1株当たり22.5円とし、第2四半期末配当22.5円と合わせて、年間配当を45円とさ
    せていただくことを予定しています。また次期の年間配当については、1株当たり45円を予想しています。
     なお、内部留保金の使途につきましては、国内外における新薬の研究開発やバイオベンチャーとの提携、さらに
    は開発リスク補完のための新薬候補化合物の導入など、将来の事業発展のために積極的に活用していきたいと考え
    ています。
 
2.会計基準の選択に関する基本的な考え方
     当社グループは、国際的なスタンダードに基づく財務情報の開示により比較可能性を向上させ、株主、投資家や
    取引先など様々なステークホルダーの皆さまの利便性をはかることを目的として、2014年3月期から国際会計基準
    (IFRS)を適用しております。




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3.連結財務諸表及び主な注記
(1)連結財政状態計算書
                                                 (単位:百万円)
                             前連結会計年度           当連結会計年度
                            (2018年3月31日)      (2019年3月31日)

資産
    流動資産
     現金及び現金同等物                       65,273          59,981
     売上債権及びその他の債権                    77,577          76,285
     有価証券                             9,670             687
     その他の金融資産                        10,833          10,800
     棚卸資産                            31,290          32,821
     その他の流動資産                        14,821          14,042
     流動資産合計                         209,464          194,617


    非流動資産
     有形固定資産                          94,321          108,870
     無形資産                            55,715          63,059
     投資有価証券                         188,803          171,476
     持分法で会計処理されている投資                    116             113
     その他の金融資産                        46,685          91,672
     繰延税金資産                          10,192          21,079
     その他の非流動資産                        3,929           4,171
     非流動資産合計                        399,761          460,439
    資産合計                            609,226          655,056
 




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                          小野薬品工業株式会社(4528) 2019年3月期 決算短信


                                                  (単位:百万円)
                            前連結会計年度            当連結会計年度
                           (2018年3月31日)       (2019年3月31日)

負債及び資本
    流動負債
     仕入債務及びその他の債務                   34,015           36,833
     借入金                               392              435
     その他の金融負債                        3,756              515
     未払法人所得税                         8,742           15,980
     引当金                            11,696           17,206
     その他の流動負債                        9,869           12,181
     流動負債合計                         68,469           83,150


    非流動負債
     借入金                               320            1,765
     その他の金融負債                             8                5
     退職給付に係る負債                       3,856            5,515
     引当金                                30               -
     繰延税金負債                          1,016            1,053
     長期前受収益                          5,095               -
     その他の非流動負債                         814              832
     非流動負債合計                        11,138            9,171
    負債合計                            79,607           92,321


資本
    資本金                             17,358           17,358
    資本剰余金                           17,175           17,202
    自己株式                          △38,148           △38,151
    その他の資本の構成要素                     68,021           61,852
    利益剰余金                          459,985           499,088
    親会社の所有者に帰属する持分                 524,390           557,350
    非支配持分                            5,228            5,386
    資本合計                           529,619           562,736
負債及び資本合計                           609,226           655,056
 




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                             小野薬品工業株式会社(4528) 2019年3月期 決算短信


(2)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
連結損益計算書
                                                  (単位:百万円)
                               前連結会計年度           当連結会計年度
                             (自 2017年4月1日      (自 2018年4月1日
                              至 2018年3月31日)     至 2019年3月31日)

売上収益                                 261,836           288,634
売上原価                                 △65,391           △83,829
売上総利益                                196,445           204,805


販売費及び一般管理費                           △68,055           △70,033
研究開発費                                △68,821           △70,008
その他の収益                                 3,255               646
その他の費用                               △2,139            △3,400
営業利益                                  60,684            62,010


金融収益                                   3,277             3,282
金融費用                                    △36              △150
持分法による投資損益                               △4                △1
税引前当期利益                               63,922            65,141
法人所得税                                △13,525           △13,462
当期利益                                  50,397            51,679


当期利益の帰属:
 親会社の所有者                              50,284            51,539
 非支配持分                                   113               140
 当期利益                                 50,397            51,679


1株当たり当期利益:
 基本的1株当たり当期利益(円)                       97.00            100.25
 希薄化後1株当たり当期利益(円)                      96.99            100.24




                        11
                            小野薬品工業株式会社(4528) 2019年3月期 決算短信


連結包括利益計算書
                                                  (単位:百万円)
                              前連結会計年度           当連結会計年度
                            (自 2017年4月1日      (自 2018年4月1日
                             至 2018年3月31日)     至 2019年3月31日)

当期利益                                 50,397            51,679
その他の包括利益:
 純損益に振り替えられることのない項目:
  その他の包括利益を通じて測定する
                                     17,797              △43
  金融資産の公正価値の純変動
  確定給付制度の再測定                          △478              △890
  持分法適用会社のその他の包括利益を
  通じて測定する金融資産の公正価値の                       2              △1
  純変動に対する持分
  純損益に振り替えられることのない
                                     17,321             △935
  項目合計


 純損益にその後に振り替えられる
 可能性のある項目:
  在外営業活動体の換算差額                        △112                78
  純損益にその後に振り替えられる
                                      △112                78
  可能性のある項目合計


 その他の包括利益合計                          17,210             △857
当期包括利益合計                             67,607            50,821


当期包括利益合計の帰属:
 親会社の所有者                             67,477            50,658
 非支配持分                                  130              163
 当期包括利益合計                            67,607            50,821




                       12
                                           小野薬品工業株式会社(4528) 2019年3月期 決算短信


(3)連結持分変動計算書
                                                                            (単位:百万円)
                              親会社の所有者に帰属する持分
                                                                親会社の
                                             その他の
                                                                所有者に
                資本金      資本剰余金     自己株式      資本の      利益剰余金               非支配持分    資本合計
                                                                帰属する
                                             構成要素
                                                                 持分


2017年4月1日残高     17,358    17,144   △59,382   51,752   492,237   519,110    5,101   524,211


 当期利益                                                  50,284    50,284      113    50,397
 その他の包括利益                                    17,193              17,193       17    17,210
  当期包括利益合計          -         -         -    17,193    50,284    67,477      130    67,607


 自己株式の取得                           △38,773                      △38,773            △38,773
 自己株式の消却                            60,007            △60,007        -                  -
 剰余金の配当                                               △23,453   △23,453      △3    △23,457
 株式報酬取引                       30                                     30                 30
 その他の資本の構成要素
                                              △924        924        -                  -
 から利益剰余金への振替
  所有者との取引額等合計       -         30    21,234    △924    △82,536   △62,196      △3    △62,199


2018年3月31日残高    17,358    17,175   △38,148   68,021   459,985   524,390    5,228   529,619


会計方針の変更                                                 4,127     4,127              4,127
修正再表示後の残高       17,358    17,175   △38,148   68,021   464,112   528,517    5,228   533,746
 当期利益                                                  51,539    51,539      140    51,679
 その他の包括利益                                     △881                △881        24     △857
  当期包括利益合計          -         -         -     △881     51,539    50,658      163    50,821


 自己株式の取得                               △3                           △3                 △3
 剰余金の配当                                               △21,850   △21,850      △5    △21,856
 株式報酬取引                       27                                     27                 27
 その他の資本の構成要素
                                             △5,288     5,288        -                  -
 から利益剰余金への振替
  所有者との取引額等合計       -         27       △3    △5,288   △16,562   △21,826      △5    △21,831


2019年3月31日残高    17,358    17,202   △38,151   61,852   499,088   557,350    5,386   562,736




                                      13
                               小野薬品工業株式会社(4528) 2019年3月期 決算短信


(4)連結キャッシュ・フロー計算書
                                                    (単位:百万円)
                                 前連結会計年度           当連結会計年度
                               (自 2017年4月1日      (自 2018年4月1日
                                至 2018年3月31日)     至 2019年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー
 税引前当期利益                                63,922            65,141
 減価償却費及び償却費                              9,213            10,621
 減損損失                                      306               209
 受取利息及び受取配当金                           △2,990            △3,164
 支払利息                                       14                27
 棚卸資産の増減額(△は増加)                        △5,971            △1,567
 売上債権及びその他の債権の増減額(△は増加)                △4,333              1,251
 仕入債務及びその他の債務の増減額(△は減少)                    300               998
 引当金の増減額(△は減少)                           5,611             6,333
 退職給付に係る負債の増減額(△は減少)                       362               378
 長期前受収益の増減額(△は減少)                        △181                 -
 その他                                   △17,138             1,854
 小計                                     49,114            82,081
 利息の受取額                                     95                77
 配当金の受取額                                 2,902             3,092
 利息の支払額                                   △14               △27
 法人所得税等の支払額                            △36,370           △18,449
 営業活動によるキャッシュ・フロー                       15,727            66,774

投資活動によるキャッシュ・フロー
 有形固定資産の取得による支出                        △15,620           △22,303
 有形固定資産の売却による収入                          4,663                11
 無形資産の取得による支出                          △14,218           △7,299
 投資の取得による支出                               △60              △873
 投資の売却及び償還による収入                         21,315            27,123
 定期預金の預入による支出                          △30,800           △55,800
 定期預金の払戻による収入                              800            10,800
 その他                                     △269            △1,423
 投資活動によるキャッシュ・フロー                      △34,189           △49,763

財務活動によるキャッシュ・フロー
 配当金の支払額                               △23,414           △21,828
 非支配持分への配当金の支払額                            △3                △5
 長期借入金の返済による支出                           △417              △361
 短期借入金の純増減額                                 58              △84
 自己株式の取得による支出                          △38,773               △1
 財務活動によるキャッシュ・フロー                      △62,549           △22,279
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)                    △81,011           △5,268
現金及び現金同等物の期首残高                         146,323            65,273
現金及び現金同等物に係る為替変動による影響額                    △40               △24
現金及び現金同等物の期末残高                          65,273            59,981




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                                         小野薬品工業株式会社(4528) 2019年3月期 決算短信


(5)連結財務諸表に関する注記事項
(報告企業)
    小野薬品工業株式会社(以下、当社)は日本に所在する企業であります。当社の登記している本社および主要な事
 業所の住所はホームページ(URL https://www.ono.co.jp/)で開示しております。
    当社の連結財務諸表は、当社および子会社(以下、当社グループ)、並びに当社グループの関連会社に対する持分
 により構成されております。当社グループは、医療用、一般用医薬品の製造・販売を行っております。当社グループ
 の事業内容および主要な活動は、「(5)連結財務諸表に関する注記事項(セグメント情報)」に記載しておりま
 す。
   
(作成の基礎)
 (1) IFRSに準拠している旨
     当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式および作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省
    令第28号)第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により、
    国際会計基準(以下、IFRS)に準拠して作成しております。
 
 (2) 測定の基礎
     当社グループの連結財務諸表は、公正価値で測定している金融商品などを除き、取得原価を基礎として作成して
    おります。
 
 (3) 機能通貨および表示通貨
     当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、特に注釈のない限り、百
  万円未満の端数を四捨五入して表示しております。
 
(重要な会計方針)
    当社グループが当連結会計年度の連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、16ページ(会計方針の変更)
 に記載のあるものを除き、前連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同一であります。
   
(重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断)
    当社グループの連結財務諸表は、収益および費用、資産および負債の測定に関する経営者の見積りおよび仮定を含
 んでおります。これらの見積りおよび仮定は過去の実績および決算日において合理的であると考えられる様々な要因
 等を勘案した経営者の最善の判断に基づいております。しかし、その性質上、将来において、これらの見積りおよび
 仮定とは異なる結果となる可能性があります。
    見積りおよびその基礎となる仮定は経営者により継続して見直されております。これらの見積りおよび仮定の見直
 しによる影響は、その見積りおよび仮定を見直した期間およびそれ以降の期間において認識しております。
    当社グループの連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積りおよび仮定は以下のとおりであります。
    ・有形固定資産、無形資産の減損
     当社グループは、有形固定資産、無形資産について、回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減
    損テストを実施しております。
     減損テストを実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは見込まれる営業成績に対しての著しい実績の悪
    化、取得した資産の用途の著しい変更ないし戦略全体の変更、業界トレンドや経済トレンドの著しい悪化等が含ま
    れます。減損は、売却費用控除後の公正価値と適切な利率で割り引かれたリスク調整後の将来キャッシュ・フロー
    評価によって測定する使用価値のどちらか高い金額を用いて決定しております。将来キャッシュ・フローは事業予
    測に基づいて決定しております。将来の事象によって、このような減損テストに用いられた仮定が変更され、その
    結果、当社グループの将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。
    ・繰延税金資産の回収可能性
     資産および負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、繰延
    税金資産を回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において、当該差異に適用される法定実効税率を使用し
    て繰延税金資産を計上しております。




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  ・退職給付会計の基礎率
       当社グループは確定給付型を含む複数の退職給付制度を有しております。
       確定給付制度債務の現在価値および関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定しております。数
  理計算上の仮定には、割引率や利息の純額等の変数についての見積りおよび判断が求められます。
       当社グループは、これらの変数を含む数理計算上の仮定の適切性について、外部の年金数理人からの助言を得て
  おります。
       数理計算上の仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動
  の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表において認識する金額に重
  要な影響を与える可能性があります。



(会計方針の変更)
 当社グループは、当連結会計年度より、以下の基準を適用しております。

                IFRS                          新設・改訂の概要
                  顧客との契約から生じ   顧客との契約から生じる収益の会計処理に使用する単一の包括的
IFRS   第15号
                  る収益          なモデルの公表
IFRS 第9号
                  金融商品         金融資産の減損およびヘッジ会計の改訂
(2014年7月改訂)
                  外貨建取引と       資産、費用または収益の認識に先立ち、非貨幣性の前払資産、前
IFRIC 第22号
                  前払・前受対価      受収益負債を認識する外貨建取引の換算レートの明確化


(1) IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」
 当社グループは、当連結会計年度より、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(2014年5月公表)および
「IFRS第15号の明確化」(2016年4月公表)(併せて以下、「IFRS第15号」)を適用しております。
 IFRS第15号の適用に伴い、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等を除き、以下の5ステップを適用す
ることにより収益を認識しております。
 ステップ1:顧客との契約を識別する
 ステップ2:契約における履行義務を識別する
 ステップ3:取引価格を算定する
 ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
 ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する


 ①     製商品の販売
 製商品の販売は、顧客へ製商品を引き渡した時点で、顧客に製商品の所有に伴う重大なリスクおよび経済価値が移転
し、顧客が当該製商品に対する支配を獲得することにより、当社グループの履行義務が充足されると判断しており、当
該製商品の引渡時点で収益を認識しております。
 製商品の販売から生じる収益は、販売契約における対価から販売数量または販売金額に基づくリベートや値引き等を
控除した金額で算定しており、顧客に返金すると見込んでいる対価および第三者のために回収する金額を返金負債とし
て計上しております。リベート等の見積りにあたっては、契約条件や過去の実績などに基づく最頻値法を用いておりま
す。また、売上収益は重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しております。
 製商品の販売に係る対価は、顧客へ製商品を引き渡した時点から主として1年以内に受領しております。なお、重大
な金融要素は含んでおりません。


 ② ロイヤルティ収入等
 ロイヤルティ収入は、契約相手先の売上収益等を基礎に算定されたライセンス契約等における対価であり、その発生
時点を考慮して、売上収益として認識しております。
 ライセンス収入は、当社グループが第三者との間で締結した開発品または製品の開発・販売権等に関するライセンス
契約等に基づいて受領した契約一時金・マイルストンによる収入であり、ライセンス契約等において履行義務が一時点
で充足される場合には、契約一時金・マイルストンによる収入については開発権・販売権等を付与した時点で契約上の
履行義務が充足されたと判断し、当該時点で売上収益として認識しております。一方、履行義務が一定期間にわたり充


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足される場合には、当該対価を契約負債として計上し、個々の契約ごとに決定した履行義務の充足に関する進捗度の測
定方法に従い、契約一時金・マイルストンによる収入を予想される開発期間等の一定期間にわたって売上収益として認
識しております。
 なお、マイルストンによる収入は、事後に重大な戻入が生じる可能性を考慮し、契約上定められたマイルストンが達
成された時点から売上収益として認識しております。
 ロイヤルティ収入等は、契約に基づく権利の確定時点から主として1年以内に受領しております。なお、重大な金融
要素は含んでおりません。
 上記の5ステップアプローチに基づき、履行義務の充足に照らしてライセンス契約に伴い受領した契約一時金等のラ
イセンス収入の収益認識時期を見直した結果、従来の基準で繰延収益として一定期間にわたり収益を認識していたライ
センス契約による契約一時金について、開発権・販売権等を付与した時点で一時の収益として認識しております。また、
顧客の定義に照らして見直した結果、従来、売上収益から控除していた一部の項目を当連結会計年度より売上原価とし
て処理しております。
 この基準書の適用にあたり、当社グループは経過措置として認められている累積的影響を適用開始日に認識する方法
を採用いたしました。また、当連結会計年度より、従来、仕入債務及びその他の債務に含めて表示しておりました未払
金の一部および引当金の一部を、返金負債として、仕入債務及びその他の債務に含めて表示しております。この結果、
従前の会計基準を適用した場合と比較して、当連結会計年度の期首において、主に仕入債務及びその他の債務が618百万
円、利益剰余金が4,127百万円それぞれ増加し、繰延税金資産が1,820百万円、引当金が823百万円、その他の流動負債が
646百万円、長期前受収益が5,095百万円それぞれ減少しております。
 当連結会計年度の連結損益計算書においては、従前の会計基準を適用した場合と比較して、売上収益が8,889百万円、
売上原価が9,553百万円それぞれ増加し、営業利益が664百万円、税引前当期利益が664百万円それぞれ減少しておりま
す。
 また、当連結会計年度末の連結財政状態計算書においては、従前の会計基準を適用した場合と比較して、主に仕入債
務及びその他の債務が996百万円、利益剰余金が3,666百万円それぞれ増加し、繰延税金資産が1,617百万円、引当金が
1,231百万円、その他の流動負債が17百万円、長期前受収益が5,030百万円それぞれ減少しております。


  (2) IFRS第9号「金融商品」
 当社グループは、当連結会計年度より、IFRS第9号「金融商品」(2014年7月改訂)を適用しております。なお、この
基準の適用による当社グループの業績および財政状態に対する重要な影響はありません。


  (3) IFRIC 第22号「外貨建取引と前払・前受対価」
 当社グループは、当連結会計年度より、IFRIC 第22号「外貨建取引と前払・前受対価」を適用しております。なお、
この基準の適用による当社グループの業績および財政状態に対する重要な影響はありません。


(表示方法の変更)
(連結キャッシュ・フロー計算書)
 前連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローの「その他」に含めて表示しておりました「定期預金
の払戻による収入」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しております。この表示方法の変更
を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組み替えを行っております。
 この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において投資活動によるキャッシュ・フローに表示して
いた「その他」531百万円は、「定期預金の払戻による収入」800百万円、「その他」△269百万円として組み替えてお
ります。




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(セグメント情報)
(1) 報告セグメント
     当社グループは「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、いまだ満たされない医療ニ
 ーズに応えるため、真に患者さんのためになる革新的な新薬の創製を目指し、医薬品事業(研究開発、仕入、製造、
 販売事業)の単一セグメントに経営資源を集中し事業を行っております。このため報告セグメント別の記載は省略
 しております。

(2) 売上収益の内訳
    売上収益の内訳は次のとおりであります。
                                                          (単位:百万円)
                          前連結会計年度                   当連結会計年度
                        (自 2017年4月1日              (自 2018年4月1日
                         至 2018年3月31日)             至 2019年3月31日)
製品商品                                    205,888               208,947
ロイヤルティ・その他                               55,948               79,687
          合計                            261,836               288,634
(注)1.「ロイヤルティ・その他」の中には、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社からの「オプジーボ点滴静注」
     に係るロイヤルティ収入が、前連結会計年度には398億円、当連結会計年度には585億円、メルク社からの
     「Keytruda®」に係るロイヤルティ収入が、前連結会計年度には67億円、当連結会計年度には128億円、そ
     れぞれ含まれております。
   2.当社グループは、16ページ(会計方針の変更)に記載のとおり、IFRS第15号を当連結会計年度から適用し
     ております。なお、経過措置にしたがって、適用開始の累積的影響を当連結会計年度の利益剰余金期首残
     高の修正として認識しているため、前連結会計年度については修正再表示しておりません。

(3) 地域別の売上収益に関する情報
     地域別の売上収益の内訳は次のとおりであります。
                                                         (単位:百万円)
                          前連結会計年度                   当連結会計年度
                        (自 2017年4月1日              (自 2018年4月1日
                         至 2018年3月31日)             至 2019年3月31日)
日本                                      204,023               207,371
米州                                       52,525               72,298
アジア                                       5,071                7,354
欧州                                          218                1,610
          合計                            261,836               288,634
(注)1.売上収益は顧客の所在地を基礎とし、国または地域に分類しております。
   2. 当社グループは、16ページ(会計方針の変更)に記載のとおり、IFRS第15号を当連結会計年度から適用して
      おります。なお、経過措置にしたがって、適用開始の累積的影響を当連結会計年度の利益剰余金期首残高の
      修正として認識しているため、前連結会計年度については修正再表示しておりません。

(4) 主要な顧客に関する情報
     主要顧客に対する売上収益の内訳は次のとおりであります。
                                                          (単位:百万円)
                          前連結会計年度                   当連結会計年度
                        (自 2017年4月1日              (自 2018年4月1日
                         至 2018年3月31日)             至 2019年3月31日)
ブリストル・マイヤーズ    スクイブ社
およびそのグループ会社
                                         43,662               63,442

(株)スズケンおよびそのグループ会社                       45,662               45,832
(株)メディパルホールディングス
およびそのグループ会社
                                         48,932               45,744
アルフレッサホールディングス(株)
およびそのグループ会社
                                         31,987               32,213
東邦ホールディングス(株)
およびそのグループ会社
                                         31,392               31,242

(注)当社グループは、16ページ(会計方針の変更)に記載のとおり、IFRS第15号を当連結会計年度から適用してお
   ります。なお、経過措置にしたがって、適用開始の累積的影響を当連結会計年度の利益剰余金期首残高の修正
   として認識しているため、前連結会計年度については修正再表示しておりません。


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                                 小野薬品工業株式会社(4528) 2019年3月期 決算短信


(1株当たり利益)
 (1) 基本的1株当たり当期利益
 ①基本的1株当たり当期利益
                                                 
                       前連結会計年度                 当連結会計年度
                     (自 2017年4月1日            (自 2018年4月1日
                      至 2018年3月31日)           至 2019年3月31日)
 基本的1株当たり当期利益                       97.00円                100.25円
 
  ②基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎

                       前連結会計年度                 当連結会計年度
                     (自 2017年4月1日            (自 2018年4月1日
                      至 2018年3月31日)           至 2019年3月31日)
親会社の所有者に帰属する
                                 50,284百万円             51,539百万円
当期利益
発行済普通株式の
                                 518,390千株             514,121千株
加重平均株式数


 (2) 希薄化後1株当たり当期利益
 ①希薄化後1株当たり当期利益
                                                 
                       前連結会計年度                 当連結会計年度
                     (自 2017年4月1日            (自 2018年4月1日
                      至 2018年3月31日)           至 2019年3月31日)
 希薄化後1株当たり当期利益                      96.99円                100.24円
 
  ②希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎

                       前連結会計年度                 当連結会計年度
                     (自 2017年4月1日            (自 2018年4月1日
                      至 2018年3月31日)           至 2019年3月31日)
親会社の所有者に帰属する
                                 50,284百万円             51,539百万円
当期利益
発行済普通株式の
                                 518,390千株             514,121千株
加重平均株式数
新株予約権による普通株式増加数                       36千株                    50千株
希薄化後の
                                 518,426千株             514,171千株
加重平均株式数


(重要な後発事象)
 該当事項はありません。


(継続企業の前提に関する注記)
 該当事項はありません。




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