4528 小野薬 2021-02-02 16:00:00
米国Ribon Therapeutics社とPARP7阻害剤「RBN-2397」に関するライセンス契約を締結 [pdf]

                                                      2021 年 2 月 2 日


各位


                             会 社 名:   小野薬品工業株式会社
                             代表者名:    代表取締役社長               相良 暁
                                      (コード: 4528 東証第一部)
                             問合せ先:    常務執行役員
                                      コーポレートコミュニケーション統括部長 谷    幸雄
                                      (TEL: 06-6263-5670)


        米国Ribon Therapeutics社とPARP7阻害剤「RBN-2397」に関する
                       ライセンス契約を締結


 小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良暁、以下、当社)は、本
日、Ribon Therapeutics, Inc.(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、社長兼 CEO:Victoria
Richon、以下、Ribon 社)と、Ribon 社が固形がんを対象に第Ⅰ相試験を実施中の PARP7(ポリ
ADP リボースポリメラーゼ 7)阻害剤「RBN-2397」に関するライセンス契約を締結しましたので、
お知らせします。
 RBN-2397 は、がん細胞の生存にとって重要な役割を果たす分子である PARP7 を阻害すること
で、腫瘍増殖を直接抑えることに加え、がん細胞に対する免疫応答を高める新たな抗がん剤とな
ることが期待されています。


 本契約の締結に伴い、当社は、日本、韓国、台湾および ASEAN 諸国において RBN-2397 を独
占的に開発および商業化する権利を Ribon 社より取得します。当社は、契約一時金として 17 億円、
開発の進捗および売上高に応じたマイルストンとして最大 137 億円を Ribon 社に支払います。ま
た、当社は、上記地域における RBN-2397 の売上高に応じて一桁台後半から二桁台前半のロイヤ
ルティを Ribon 社に支払います。


 当社の代表取締役社長である相良暁は、次のように述べています。「細胞のストレス応答経路を
狙い、個別化医療を目指した新たな抗がん剤を開発するパイオニア企業の Ribon 社と協働できる
ことを嬉しく思います。RBN-2397 は、腫瘍増殖を直接抑えることに加え、がん細胞に対する免
疫応答を高めるという 2 つのメカニズムを有することから、有力ながん治療薬になると期待して
おり、当社のがん領域での経験とノウハウを活かして、Ribon 社と共に RBN-2397 の開発に取り
組んでいきます。」


 Ribon 社の社長兼 CEO である Victoria Richon は、次のように述べています。「この提携は本プ
ロジェクトを戦略的に拡大するものであり、ストレス応答経路を標的にした我々の薬剤をできる
だけ多くのがん患者さんにお届けするという我々のミッションを推進するものです。 PARP7 は、
がん細胞の生存の鍵となる分子であることから、RBN-2397 は PARP7 陽性の腫瘍に対する有力な
治療法となると確信しています。RBN-2397 の価値を最大化し、日本・韓国・台湾および ASEAN
諸国の患者さんに本剤をお届けするべく、腫瘍免疫領域におけるグローバルリーダーである小野
薬品と協働できることを楽しみにしています。」

RBN-2397 について
 RBN-2397 は、固形がんの治療薬として開発中の経口投与可能な PARP7(ポリ ADP リボースポ
リメラーゼ 7)の低分子阻害剤です。PARP7 は、がん細胞のゲノム不安定性などのストレス刺激
に応答して発現が上昇し、細胞のⅠ型インターフェロン産生を抑制することで、細胞ストレス応
答のブレーキとして働いています。PARP7 は、すべての非小細胞肺がん(NSCLC)の約 30%に
相当する肺扁平上皮がん(SCCL)を含め、多くのがんで過剰発現します。RBN-2397 は、がん細
胞中の PARP7 を阻害することにより、腫瘍細胞の増殖を直接抑制すると共に、インターフェロン
シグナルを回復して自然免疫および獲得免疫応答を活性化することが示されています。現在、
RBN-2397 は、進行固形がんを対象に、主に RBN-2397 の安全性および忍容性を評価するために、
単剤療法での第Ⅰ相用量漸増臨床試験を実施中です。



Ribon Therapeutics, Inc.について
 Ribon 社は、細胞がストレスを受けた際に活性化する酵素を標的にしたファーストインクラスの
薬剤を開発するバイオテクノロジー企業です。治療選択肢が限られた患者に有効な治療法を届け
るべく、新たな治療薬の開発に取り組んでいます。独自の創薬プラットフォームである
BEACON+(Blocking the Enzyme Activity Component of NAD+)を活用して、NAD+(ニコチンア
ミドアデニンジヌクレオチド)を基質とする様々な酵素に対する低分子阻害剤の創製に取り組み、
パイプライン化しています。まず注力している monoPARP 阻害剤は、様々な疾患の治療薬へ応用
できる可能性があります。リードプログラムである RBN-2397 は、ファーストインクラスの
PARP7 阻害剤で、現在がんを対象に臨床試験中です。Ribon 社の所在地は、米国マサチューセッ
ツ州ケンブリッジです。詳細については www.RibonTx.com をご覧ください。



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