4521 科研薬 2020-06-15 10:00:00
原発性腋窩多汗症外用治療剤「BBI-4000」の国内第III相試験、主要評価項目を達成 [pdf]
2020 年 6 月 15 日
各 位
会 社 名 科 研 製 薬 株 式 会 社
代表者名 代表取締役社長 大沼 哲夫
(コード番号 4521 東証一部)
問合せ先 総務部長 近藤 和宏
(TEL.03-5977-5002)
原発性腋窩多汗症外用治療剤「BBI-4000」の国内第Ⅲ相試験、主要評価項目を達成
―第 119 回日本皮膚科学会総会 及び 2020 年米国皮膚科学会にて発表―
科研製薬株式会社(本社:東京都文京区、社長:大沼 哲夫、以下「科研製薬」)は、原発
性腋窩多汗症外用治療剤 BBI-4000(一般名:ソフピロニウム臭化物)の原発性腋窩多汗症患
者に対する国内第Ⅲ相臨床試験の結果を第 119 回日本皮膚科学会総会(6 月 4-7 日)及び
2020 年米国皮膚科学会(6 月 12-14 日)において発表しましたので、その概要についてお知
らせいたします。
なお、本件に関し、科研製薬の 2021 年 3 月期連結業績予想に与える影響はございません。
試験概要
多汗症の重症度を自覚症状から判定した Hyperhidrosis Disease Severity Scale (HDSS)が
3 以上かつ各腋窩の発汗重量がともに 50 mg/5 分以上の原発性腋窩多汗症患者を対象として、
実薬群(141 例)と基剤群(140 例)との多施設共同、ランダム化二重盲検比較試験を実施し、
6 週間投与時の有効性と安全性について検討を行いました。
有効性(主要評価項目)
「治療終了時の HDSS が 1 又は 2 であり、治療終了時の両腋窩合計発汗重量のベースライ
ンとの比が 0.5 以下の被験者の割合」は基剤群 36.4%に対し、実薬群で 53.9%と有意に改
善しました (p=0.003)
有効性(副次的評価項目)
「治療終了時のHDSSが1又は2の被験者の割合」は基剤群47.9%に対し、実薬群で60.3%と
有意に改善しました(p=0.036)
「ベースラインと治療終了時の両腋窩合計発汗重量の変化量」の平均値は基剤群-128.1
mgに対し、実薬群で-157.1 mgであり(p=0.015)、また「治療終了時の両腋窩合計発汗重
量のベースラインとの比が0.5以下の被験者の割合」も基剤群66.4%に対し、実薬群で
77.3%と有意に改善しました(p=0.042)
新しい腋窩多汗症の重症度尺度である「治療終了時のHyperhidrosis Disease Severity
Measure-Axillary (HDSM-Ax)スコアのベースラインからの変化量」の平均値は基剤群-
0.93に対し、実薬群で-1.41と有意に改善しました(p=0.001)
安全性
実薬群において、重篤な有害事象はありませんでした。実薬群で被験者の 5%以上で確認
された有害事象は上咽頭炎 (14.2%)、適用部位皮膚炎(8.5%)、適用部位紅斑(5.7%)
でした。実薬群で確認された抗コリン作用に関連する有害事象は口渇(1.4%)、便秘
(0.7%)、散瞳(0.7%)でした。
以上
(参考資料)
・BBI-4000(一般名:ソフピロニウム臭化物)について
BBI-4000 は神経伝達物質であるアセチルコリンの作用を阻止する薬剤です。アセチルコリ
ンはムスカリン受容体と結合することにより、汗腺から発汗を誘発すると考えられており、
BBI-4000 はムスカリン受容体と結合することでアセチルコリンの結合を阻害し、発汗を抑制
します。現在、科研製薬が原発性腋窩多汗症治療向けの外用剤として国内製造販売承認申請
中です。
・原発性腋窩多汗症について
温熱や精神的な負荷、またそれらによらず、わきの下に、日常生活や仕事に支障をきたす
ほどの大量の発汗を生じる状態を原発性腋窩多汗症といいます。
・HDSS スコア/HDSM-Ax スコアについて
多汗症の重症度を自覚症状で評価する尺度であり、HDSS スコアは患者の自覚症状によって
1~4 の 4 つに分類したスコアです。HDSM-Ax スコアは腋窩多汗症の新しい重症度尺度であ
り、腋の汗に関する計 11 質問に対して各々0~4 の 5 段階のスコアで得られた回答の平均値で
す。
注意事項:
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果とは異なる可能性があります。また、このニュースリリースに含まれている医薬品(開発
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