4519 中外薬 2020-01-30 17:00:00
2019年12月期決算短信〔IFRS〕(連結) [pdf]

                            2019年12月期                決算短信〔IFRS〕(連結)
                                                                     2020年1月30日
上場会社名      中外製薬株式会社                                      上場取引所 東
コード番号      4519  URL https://www.chugai-pharm.co.jp
代表者        (役職名) 代表取締役社長CEO        (氏名)小坂 達朗
問合せ先責任者 (役職名) 広報IR部長               (氏名)内田 誠彦        TEL 03-3273-0881
定時株主総会開催予定日      2020年3月30日        配当支払開始予定日        2020年3月31日
有価証券報告書提出予定日 2020年3月30日
決算補足説明資料作成の有無: 有
決算説明会開催の有無       : 有 (機関投資家、証券アナリスト、報道機関向け)
                                                             
                                                               (百万円未満四捨五入)
1.2019年12月期の連結業績(2019年1月1日~2019年12月31日)
 (1)連結経営成績                                                    (%表示は対前期増減率)
                                                                                               当社株主に                 当期包括利益
                売上収益                      営業利益                       当期利益
                                                                                             帰属する当期利益                   合計額
                 百万円          %            百万円          %             百万円           %           百万円      %             百万円      %
2019年12月期       686,184     18.4          210,597     69.4           157,560      69.3         157,560 70.4           155,127 77.1
2018年12月期       579,787      8.5          124,323     25.7            93,079      26.6          92,488 27.2            87,587 15.1

                基本的1株当たり                        希薄化後                             当社株主帰属持分                            売上収益
                  当期利益                       1株当たり当期利益                             当期利益率                            営業利益率
                                 円 銭                  円 銭                                             %                          %
2019年12月期                       287.84               287.43                                         19.6                       30.7
2018年12月期                       169.08               168.80                                         12.8                       21.4

 (2)連結財政状態
                                                                 当社株主に                            当社株主                1株当たり
                資産合計                      資本合計
                                                                帰属する持分                           帰属持分比率             当社株主帰属持分
                         百万円                         百万円              百万円                                      %             円 銭
2019年12月期             1,058,915                     853,985          853,985                                 80.6         1,559.72
2018年12月期               919,548                     756,529          755,864                                 82.2         1,381.26

 (3)連結キャッシュ・フローの状況
             営業活動による                          投資活動による                            財務活動による                        現金及び現金同等物
            キャッシュ・フロー                        キャッシュ・フロー                          キャッシュ・フロー                          期末残高
                     百万円                              百万円                                百万円                             百万円
2019年12月期           206,641                         △81,741                            △66,872                          203,941
2018年12月期           119,074                         △74,060                            △35,014                          146,860

2.配当の状況
                                              年間配当金                                                                      当社株主帰属
                                                                                                 配当金総額         配当性向
                                                                                                                          持分配当率
                第1四半期末 第2四半期末 第3四半期末                            期末                合計              (合計)         (連結)
                                                                                                                           (連結)
                          円 銭        円 銭              円 銭             円 銭                円 銭        百万円               %         %
2018年12月期                   -        31.00              -             55.00              86.00      47,057          50.9       6.5
2019年12月期                   -        48.00              -             92.00             140.00      76,647          48.6       9.5
2020年12月期(予想)               -        75.00              -             25.00                 -                         -
(注)当社は、2020年7月1日を効力発生日として、普通株式を1株につき3株の割合で株式分割を行います。2020年
   12月期の1株当たり配当予想につきましては、第2四半期末は分割前、期末は分割後の金額を記載しておりま
   す。年間の配当予想につきましては、株式分割の実施により単純合計ができないため、表示しておりません。な
   お、株式分割を考慮しない場合の期末配当金は75円、年間配当金は150円であります。詳細は2020年1月21日公表
   の「株式分割および定款の一部変更に関するお知らせ」及び添付資料P.10「利益配分に関する基本方針及び当
   期・次期の配当」を参照してください。
3.2020年12月期の連結業績予想(2020年1月1日~2020年12月31日)
                    (売上収益、Core営業利益、Core当期利益及びCore EPSの%表示は対前期増減率)
                                                   Core                          Core                    Core               Core
                      売上収益
                                                 営業利益                          当期利益                       EPS              配当性向
                      百万円            %           百万円            %              百万円             %        円 銭          %           %
2020年12月期(予想)        740,000        7.8         275,000       22.3            201,000        19.9      122.00        -         41.0
2019年12月期(実績)        686,184       18.4         224,896       72.6            167,632        72.4      305.80       73.3       45.8
(注)1.上記「連結業績予想」は、当社が定める経常的な業績を示す指標(Coreベース)に基づき予想値及び実績を
     算出しております。また、Core EPSはCoreベースの当社株主に帰属する希薄化後1株当たり当期利益であり
     ます。
   2.当社は、2020年7月1日を効力発生日として、普通株式を1株につき3株の割合で株式分割を行います。
     2020年12月期(予想)のCore EPSにつきましては、株式分割後の金額を表示しております。Core EPSの対前
     期増減率は単純比較ができないため、表示しておりません。なお、株式分割を考慮しない場合のCore EPSは
     366.00円(対前期比19.7%増)であります。
※    注記事項
    (1)期中における重要な子会社の異動(連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動) : 無
 
    (2)会計方針の変更・会計上の見積りの変更
      ① IFRSにより要求される会計方針の変更:有
      ② ①以外の会計方針の変更        :無
      ③ 会計上の見積りの変更         :無
 
    (3)発行済株式数(普通株式)
      ① 期末発行済株式数(自己株式を含む) 2019年12月期   559,685,889株 2018年12月期   559,685,889株
      ② 期末自己株式数           2019年12月期    12,162,354株 2018年12月期    12,459,413株
      ③ 期中平均株式数           2019年12月期   547,380,052株 2018年12月期   547,023,692株
 
      (注)1株当たり当期利益(連結)の算定の基礎となる株式数については、添付資料P.22「1株当たり利益」を
      ご覧ください。


※    決算短信は公認会計士又は監査法人の監査の対象外です
 
※    業績予想の適切な利用に関する説明、その他特記事項
     (1)本資料に記載されている業績予想等の将来に関する記述は、本業績予想作成時点において入手可能な情報に
     基づき当社が合理的と判断した目標であり、潜在的なリスクや不確実性が含まれているため、実際の成果や業績は
     記載の予想と異なる可能性があります。
     (2)当社が公表する業績予想は、当社社内の管理指標である国際会計基準(以下、「IFRS」という。)のCoreベ
     ースで株主・投資家の皆さまに開示するものであります。IFRS実績とCore実績の差異については、各期の業績開示
     の中で説明を行います。
     (3)業績予想に関する事項は添付資料P.9「今後の見通し」を、「利益配分に関する基本方針及び当期・次期の
     配当」は同P.10を、また「経営方針」に関しては同P.11~13をご覧ください。
     (4)当社は、以下のとおり決算説明会を開催する予定です。このうち、機関投資家・証券アナリスト向け説明会
     の資料、動画、Q&A等については、開催後速やかに当社ウェブサイトに掲載する予定です。
     ・2020年1月30日(木)・・・・・・報道機関向け説明会
     ・2020年1月31日(金)・・・・・・機関投資家・証券アナリスト向け説明会
                               中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


○添付資料の目次

 1.経営成績等の概況 ……………………………………………………………………………………                2
  (1)当期の経営成績の概況 …………………………………………………………………………                2
  (2)当期の財政状態の概況 …………………………………………………………………………                6
  (3)当期のキャッシュ・フローの概況 ……………………………………………………………                7
  (4)今後の見通し ……………………………………………………………………………………                9
  (5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当 …………………………………………               10
 2.経営方針 ………………………………………………………………………………………………               11
  (1)経営の基本方針 …………………………………………………………………………………               11
  (2)目標とする経営指標 ……………………………………………………………………………               11
  (3)環境認識と対処すべき課題 ……………………………………………………………………               11
  (4)中期経営計画「IBI 21」 ………………………………………………………………………            12
 3.会計基準の選択に関する基本的な考え方 …………………………………………………………               13
 4.連結財務諸表及び主な注記 …………………………………………………………………………               14
  (1)連結損益計算書及び連結包括利益計算書 ……………………………………………………               14
  (2)連結財政状態計算書 ……………………………………………………………………………               16
  (3)連結キャッシュ・フロー計算書 ………………………………………………………………               17
  (4)連結持分変動計算書 ……………………………………………………………………………               18
  (5)継続企業の前提に関する注記 …………………………………………………………………               19
  (6)連結財務諸表に関する注記事項 ………………………………………………………………               19




                       ― 1 ―
                                中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


1.経営成績等の概況
 (1)当期の経営成績の概況
                                                     (単位:億円)
                             2019年         2018年
                                                     前年同期比
                           12月期実績        12月期実績
   連結損益(Core実績)
    売上収益
    売上収益                         6,862       5,798      +18.4%
     製商品売上高                      5,889       5,278      +11.6%
     ロイヤルティ等収入及び
                                   973         519      +87.5%
     その他の営業収入
    売上原価                        △2,651      △2,619      +1.2%
    売上総利益
    売上総利益                        4,211       3,179      +32.5%
    販売費                          △735        △737       △0.3%
    研究開発費                       △1,021       △942       +8.4%
    一般管理費等                       △206        △197       +4.6%
    営業利益
    営業利益                         2,249       1,303      +72.6%
    当期利益
    当期利益                         1,676         973      +72.3%


   連結損益(IFRS実績)
    売上収益                         6,862       5,798      +18.4%
    営業利益                         2,106       1,243      +69.4%
    当期利益                         1,576         931      +69.3%


   <連結損益の概要(IFRSベース)>
     当連結会計年度の売上収益は6,862億円(前年同期比18.4%増)、営業利益は2,106億円(同
   69.4%増)、当期利益は1,576億円(同69.3%増)となりました。これらには当社が管理する経
   常的業績(Coreベース)から除外している無形資産の償却費12億円、無形資産の減損損失26億
   円、早期退職優遇措置51億円、事業所再編費用28億円及び訴訟関連損益として26億円が含まれて
   います。

   <連結損益の概要(Coreベース)>
     当連結会計年度の売上収益は、製商品売上高、ロイヤルティ等収入及びその他の営業収入とも
   に伸長し、6,862億円(前年同期比18.4%増)となりました。
     売上収益のうち、製商品売上高は、国内のがん領域における新製品や主力品、骨・関節領域に
   おける主力品、その他領域の新製品等の好調な推移に加え、アレセンサ、アクテムラのロシュ向
   け輸出の増加により、5,889億円(同11.6%増)となりました。ロイヤルティ等収入及びその他
   の営業収入は、ヘムライブラに関するロイヤルティ及びプロフィットシェア収入が大幅に増加
   し、973億円(同87.5%増)となりました。加えて、製品別売上構成比の変化等により、製商品
   原価率が45.0%と前年同期比で4.6%ポイント改善した結果、売上総利益は4,211億円(同32.5%
   増)となりました。
     経費については、1,962億円(同4.6%増)となりました。販売費は735億円(同0.3%減)、研
   究開発費は開発テーマの進展等により1,021億円(同8.4%増)、一般管理費等は主に法人事業税
   (外形標準課税)の増加により206億円(同4.6%増)となりました。以上から、Core営業利益は
   2,249億円(同72.6%増)、Core当期利益は1,676億円(同72.3%増)となりました。


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                              中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


 一方、昨年10月24日に公表した修正予想に対して、売上収益は6,862億円(修正予想比0.9%
増)、製商品原価率は45.0%と修正予想を0.2%ポイント改善、経費は1,962億円(同0.4%減)
となりました。この結果、Core営業利益は2,249億円(同3.2%増)となり、アレセンサのロシュ
向け輸出等の増加を主因として修正予想を上回りました。
 (注)連結業績予想の修正については、2019年10月24日公表の「業績予想の修正に関するお知
    らせ」及び2019年12月期 第3四半期決算短信P.7「連結業績予想などの将来予測情報
    に関する説明」を参照してください。

※Core実績について
 当社はIFRS移行を機に2013年よりCore実績を開示しております。Core実績とはIFRS実績に当社
が非経常事項と捉える事項の調整を行ったものであり、ロシュが開示するCore実績の概念とも整
合しております。当社ではCore実績を、社内の業績管理、社内外への経常的な収益性の推移の説
明、並びに株主還元をはじめとする成果配分を行う際の指標として使用しております。
 詳細は補足資料P.1「IFRS実績からCore実績への調整表」をご覧ください。

<製商品売上高の内訳>
                                                   (単位:億円)
                           2019年         2018年
                                                   前年同期比
                         12月期実績        12月期実績
製商品売上高
製商品売上高                         5,889       5,278      +11.6%
 国内製商品売上高
 国内製商品売上高                      4,376       3,999      +9.4%
  がん領域                         2,405       2,257      +6.6%
  骨・関節領域                       1,084       1,005      +7.9%
  腎領域                            346         363      △4.7%
  その他領域                          541         375      +44.3%
 海外製商品売上高
 海外製商品売上高                      1,513       1,279      +18.3%


[国内製商品売上高]
 国内製商品売上高は、がん領域における新製品や主力品、骨・関節領域における主力品、その
他領域の新製品等の好調な推移により、4,376億円(前年同期比9.4%増)となりました。
 がん領域の売上は、2,405億円(同6.6%増)となりました。主に後発品発売の影響により抗悪
性腫瘍剤/抗CD20モノクローナル抗体「リツキサン」などの売上が減少したものの、主力品の抗
悪性腫瘍剤/HER2二量体化阻害ヒト化モノクローナル抗体「パージェタ」や新製品の抗悪性腫瘍
剤/抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体「テセントリク」が好調に推移したことによります。
 骨・関節領域の売上は、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」、経
口骨粗鬆症治療剤「エディロール」といった主力品の堅調な推移により、1,084億円(同7.9%
増)でした。
 腎領域の売上は、346億円(同4.7%減)、その他領域の売上は、前年の長期収載品譲渡の影響
を受けたものの、新製品の血液凝固第Ⅷ因子機能代替製剤「ヘムライブラ」の順調な市場浸透に
より、541億円(同44.3%増)となりました。
 一方、昨年10月24日に公表した修正予想に対して、国内製商品売上高は、4,376億円(修正予
想比0.1%増)となっております。

[海外製商品売上高]
 アクテムラ、アレセンサのロシュ向け輸出の増加により、海外製商品売上高は1,513億円(前
年同期比18.3%増)となりました。昨年10月24日に公表した修正予想に対しては、1.5%増とな
っております。



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                               中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


研究開発活動の状況
  当社グループは、医療用医薬品に関して国内外にわたる積極的な研究開発活動を展開してお
 り、国際的に通用する革新的な医薬品の創製に取り組んでおります。国内では、御殿場、鎌倉に
 研究拠点を配置し、連携して創薬の研究を行う一方、浮間では工業化技術の研究を行っておりま
 す。また、海外では、中外ファーマ・ユー・エス・エー・インコーポレーテッド(米国)、中外
 ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド(英国)、日健中外科技(北京)有限公司(中国)、台湾中
 外製薬股份有限公司(台湾)が医薬品の開発・申請業務を、中外ファーマボディ・リサーチ・ピ
 ーティーイー・リミテッド(シンガポール)が医薬品の研究開発を行っています。
  当連結会計年度におけるCoreベースの研究開発費は、1,021億円となりました。

 2019年1月1日から2019年12月31日までの研究開発活動の進捗状況は以下のとおりでありま
す。

「がん領域」
 がん領域
・ROS1/TRK阻害剤「RG6268」(製品名:「ロズリートレク」)は、2019年6月にNTRK 融合遺伝
 子陽性の進行・再発の固形癌を適応症として承認を取得し、9月に発売しました。2019年3月
 には非小細胞肺がんを予定適応症として承認申請を行いました。
・改変型抗PD-L1モノクローナル抗体「RG7446」(製品名:「テセントリク」)は、2019年8月
 に進展型小細胞肺癌の適応拡大、同年9月にPD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の
 手術不能又は再発乳癌の適応拡大について、承認を取得しました。また、2019年5月に非小細
 胞肺がん(ネオアジュバント)を予定適応症として、同年12月に肝細胞がん(アジュバント)
 を予定適応症として、それぞれ第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。第Ⅲ相国際共同治験
 IMbassador250の結果に鑑み、前立腺がんを対象とする開発を中止しました。
・抗HER2抗体チューブリン重合阻害剤複合体「RG3502」(製品名:「カドサイラ」)は、2019年
 8月にHER2陽性の早期乳がんにおける術後薬物療法を予定適応症として承認申請を行いまし
 た。
・抗VEGF(血管内皮増殖因子)ヒト化モノクローナル抗体「RG435」(製品名:「アバスチ
 ン」)は、2019年12月に肝細胞がん(アジュバント)を予定適応症として第Ⅲ相国際共同治験
 (「RG7446」との併用)を開始しました。
・ヒト化抗FAP抗体改変IL-2融合蛋白「RG7461」は、2019年10月に固形がんを予定適応症として
 第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・抗TIGITヒトモノクローナル抗体「RG6058」は、2019年11月に固形がんを予定適応症として第
 Ⅰ相臨床試験を開始しました。
「自己免疫疾患領域」
 自己免疫疾患領域
・ヒトIL-22融合蛋白「RG7880」は、2019年7月に炎症性腸疾患を予定適応症として第Ⅰ相臨床
 試験を開始しました。
・ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「MRA/RG1569」は、第Ⅲ相国際共同治験
 「focuSSced試験」の結果に鑑み、全身性強皮症を対象とする開発を中止しました。
「神経疾患領域」
 神経疾患領域
・抗IL-6レセプターリサイクリング抗体「SA237/RG6168」は、欧州(2019年8月)、米国に加
 え、日本(2019年11月)において、視神経脊髄炎スペクトラム障害を予定適応症として承認申
 請を行いました。
・HTT mRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド「RG6042」は、2019年3月にハンチントン
 病を予定適応症として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・「RG7906」は、精神疾患を予定適応症として、2019年1月に第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・抗タウヒト化モノクローナル抗体「RG6100」は、2019年4月にアルツハイマー病を予定適応症
 として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。




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                              中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


・バソプレシン1a 受容体アンタゴニスト「RG7314」は、2019年5月に自閉スペクトラム症を予
 定適応症として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・抗アミロイドベータヒト化モノクローナル抗体「RG7412」は、第Ⅲ相国際共同治験「CREAD1試
 験」及び「CREAD2試験」の結果に鑑み、アルツハイマー病を対象とする開発を中止しました。
「その他の疾患領域」
 その他の疾患領域
・抗血液凝固第Ⅸa/Ⅹ因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ACE910/RG6013」(製品名:
 「ヘムライブラ」)は、血液凝固第Ⅷ因子に対するインヒビター非保有の成人あるいは小児の
 血友病Aに対する週1回、2週に1回または4週に1回の皮下投与による予防療法の効能・効
 果及び血液凝固第Ⅷ因子に対するインヒビター保有の成人あるいは小児の血友病Aに対する2
 週または4週に1回の用法用量の追加について、2019年3月に欧州で承認を取得しました。
・抗VEGF/Ang2 バイスペシフィック抗体「RG7716」は、2019年2月に滲出型加齢黄斑変性を予定
 適応症として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・抗血液凝固第Ⅸa/Ⅹ因子バイスペシフィック抗体「NXT007」は、2019年8月に血友病Aを予定
 適応症として第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始しました。
・抗IL-31レセプターAヒト化モノクローナル抗体「CIM331」は、開発ポートフォリオの優先順位
 を見直した結果、透析そう痒症を対象とした開発活動を一時的に停止することとしたため、パ
 イプラインより除外しました。

※本項(1)において、金額は億円未満を四捨五入しております。また、増減及び%は億円単位
で表示された数字で計算しております。




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                                 中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


(2)当期の財政状態の概況
                                                        (単位:億円)
                             2019年         2018年
                                                         前期末比
                            期末実績          期末実績
  純営業資産(NOA)及び純資産
   純運転資本                          2,372       2,351        +0.9%
   長期純営業資産                        3,098       2,701        +14.7%
   純営業資産(NOA)
   純営業資産                          5,470       5,053        +8.3%
   ネット現金                          3,331       2,492        +33.7%
   その他の営業外純資産                     △261             21        -%
   純資産合計                          8,540       7,565        +12.9%


  連結財政状態計算書(IFRS実績)
   資産合計                          10,589       9,195        +15.2%
   負債合計                          △2,049     △1,630         +25.7%
   純資産合計                          8,540       7,565        +12.9%

    当社グループは、当連結会計年度より、IFRS第16号「リース」を適用しました。この基準の適
  用の結果、2019年1月1日の連結財政状態計算書に使用権資産やリース債権などリース関連の資
  産として152億円及びリース負債146億円を計上しております。「会計方針の変更」については
  P.19をご覧ください。

    当連結会計年度末における純営業資産(NOA)は前連結会計年度末に比べ417億円増加し、
  5,470億円となりました。うち、純運転資本は、営業債権が減少した一方で、ヘムライブラの受
  取ロイヤルティの未収入金増加、製造委託に関わる長期前払費用の未払金精算等により前連結会
  計年度末に比べ21億円増加し2,372億円となりました。また、長期純営業資産は主に中外ライフ
  サイエンスパーク横浜への投資、使用権資産の増加により前連結会計年度末から397億円増加し、
  3,098億円となりました。
    次項「(3)当期のキャッシュ・フローの概況」で示すとおり、有価証券や有利子負債を含む
  ネット現金は前連結会計年度末に比べ839億円増加し、3,331億円となりました。その他の営業外
  純資産は、主に未払法人所得税の増加、リース負債の増加により前連結会計年度末から282億円
  減少し、△261億円となりました。
    これらの結果、純資産合計は前連結会計年度末に比べ975億円増加し、8,540億円となりまし
  た。

  ※純営業資産(NOA)及び純資産について
   連結財政状態計算書は国際会計基準第1号「財務諸表の表示」に基づいて作成しております。
  一方で、純営業資産(NOA)及び純資産は、連結財政状態計算書を内部管理の指標として再構成
  したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、純営業資産(NOA)及び純資
  産にはCore実績のような除外事項はありません。
   詳細は補足資料P.8「財政状態」をご覧ください。

  ※純営業資産(NOA)について
   純営業資産(NOA:Net Operating Assets)は金融取引や税務上の取引とは独立に当社グルー
  プの業績を評価することを可能としております。純営業資産は純運転資本及び有形固定資産、使
  用権資産、無形資産等を含む長期純営業資産から引当金を控除することで計算しております。

  ※本項(2)において、金額は億円未満を四捨五入しております。また、増減及び%は億円単位
  で表示された数字で計算しております。


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                                  中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


    (3)当期のキャッシュ・フローの概況
                                                       (単位:億円)
                                 2019年       2018年
                                                       前年同期比
                               12月期実績      12月期実績
      フリー・キャッシュ・フロー
       営業利益                        2,106       1,243      +69.4%
       調整後営業利益                     2,452       1,474      +66.4%
       営業フリー・キャッシュ・フロー             1,814         743     +144.1%
       フリー・キャッシュ・フロー
       フリー キャッシュ フロー               1,426         437     +226.3%
       ネット現金の純増減                     839          64      13.1倍


      連結キャッシュ・フロー計算書(IFRS実績)
       営業活動によるキャッシュ・フロー            2,066       1,191      +73.5%
       投資活動によるキャッシュ・フロー            △817        △741       +10.3%
       財務活動によるキャッシュ・フロー            △669        △350       +91.1%
       現金及び現金同等物の増減額                 570          78     +630.8%
       現金及び現金同等物の期末残高              2,039       1,469      +38.8%
 
       営業利益から、営業利益に含まれる減価償却費などのすべての非現金損益項目及び純営業資産
      に係るすべての非損益現金流出入を調整した調整後営業利益は、2,452億円(前年同期比66.4%
      増)となりました。有形固定資産及び無形資産の取得による支出612億円があったものの、営業
      利益の大幅な増益等により、営業フリー・キャッシュ・フローは1,814億円(同144.1%増)の収
      入となりました。なお、IFRS第16号「リース」の適用により、営業フリー・キャッシュ・フロー
      にはリース負債の支払による支出89億円が含まれております。
       営業フリー・キャッシュ・フローから法人所得税348億円、移転価格税制調整金31億円、確定
      給付制度に係る拠出115億円を支払ったこと等により、フリー・キャッシュ・フローは1,426億円
      (同226.3%増)の収入となりました。
       フリー・キャッシュ・フローから配当金の支払564億円及び非支配持分の取得23億円等を調整
      したネット現金の純増減は839億円の増加となりました。
       また、有価証券及び有利子負債の増減を除いた現金及び現金同等物は570億円増加し、当期末
      残高は2,039億円となりました。
 
      ※フリー・キャッシュ・フロー(FCF)について
       連結キャッシュ・フロー計算書は国際会計基準第7号「キャッシュ・フロー計算書」に基づい
      て作成しております。一方で、FCFは、連結キャッシュ・フロー計算書を内部管理の指標として
      再構成したものであり、ロシュも同様の指標を開示しております。なお、FCFにはCore実績のよ
      うな除外事項はありません。
       詳細は補足資料P.9「キャッシュ・フロー」をご覧ください。
 




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                                中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


    キャッシュ・フロー関連指標の推移
 
                               2019年     2018年      2017年      2016年
                               12月期      12月期       12月期       12月期
    当社の株主帰属持分比率(%)                80.6      82.2       81.2       80.1
    時価ベースの当社の株主帰属持分比率(%)         521.2      379.7      370.1     227.3
    キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)            -         0.2        0.3       1.7
    インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)        7,537.5   26,274.1   19,772.7   4,708.4


     当社の株主帰属持分比率              :当社の株主持分/総資産
     時価ベースの当社の株主帰属持分比率        :株式時価総額/総資産
     キャッシュ・フロー対有利子負債比率        :有利子負債/キャッシュ・フロー
     インタレスト・カバレッジ・レシオ         :キャッシュ・フロー/利払い
     (注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
     (注2)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出し
         ております。
     (注3)キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシ
         ュ・フローを使用しております。
     (注4)有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っている
         全ての負債を対象としております。
     (注5)利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払を使用しております。

    ※本項(3)において、金額は億円未満を四捨五入しております。また、増減及び%は億円単位
    で表示された数字で計算しております。




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                                      中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


    (4)今後の見通し
      ①見通しの前提
       為替レートは1スイスフラン=110円、1ユーロ=121円、1米ドル=107円、1シンガポール
      ドル=80円を想定しております。

      ②業績の見通し
      [売上収益]
       国内製商品売上につきましては、テセントリクやヘムライブラ等の新製品の伸長の一方、薬価
      改定及び後発品発売に伴う競争激化の影響による売上高の減少がこれを上回り、4,116億円(前
      年同期比5.9%減)と前年を下回る見通しです。
       海外製商品売上につきましては、ヘムライブラの通常出荷価格による輸出が開始されることが
      主要因となり、1,684億円(同11.3%増)と増加する見通しです。
       ロイヤルティ等収入及びその他の営業収入は、1,600億円(同64.4%増)となる見通しです。
      このうちロイヤルティ及びプロフィットシェア収入は、主にヘムライブラに関するロシュからの
      ロイヤルティ収入の増加により、1,410億円(同84.3%増)となる見込みです。その他の営業収
      入は、一時金収入の減少により、190億円(同8.7%減)を見込んでおります。

      [Core営業利益、Core EPS]
       これら売上収益の増加を主要因とし、売上総利益は前年同期比15.9%増加の4,880億円となる
      見通しです。一方、経費全体では前年同期比168億円増の2,130億円と前年を上回る予定です。こ
      のうち研究開発費は、開発テーマの進展及びそれに伴う治験薬製造費用の増加等、研究開発活動
      の増加を中心に、前年同期比129億円増の1,150億円を見込んでいます。
       これによりCore営業利益は2,750億円(前年同期比22.3%増)、Core当期利益は2,010億円(前
      年同期比19.9%増)となる見通しです。また、Core EPSは122.00円(株式分割後の数値。株式分
      割を考慮しない場合は366.00円、同19.7%増)を見込んでおります。

                                              (単位:億円)
                           2020年見通し           増減率
            売上収益                     7,400          +7.8%
                製商品売上高               5,800         △1.5%
            Core営業利益                 2,750         +22.3%
            Core当期利益                 2,010         +19.9%


      ※本項(4)において、金額は億円未満を四捨五入しております。また、増減及び%は億円単位
      で表示された数字で計算しております。
 




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(5)利益配分に関する基本方針及び当期・次期の配当
  ・当期の利益配分に関する基本方針及び配当金
   当社は、戦略的な投資資金需要や業績見通しを勘案したうえで、Core EPS対比平均して50%の
  配当性向を目処に、株主の皆様へ安定的な配当を行うことを目標としております。内部留保資金
  につきましては、一層の企業価値向上に向け、現戦略領域でさらなる成長を図ることや将来のビ
  ジネス機会を探索するための投資に充当してまいります。
   2019年度の業績は、過去最高益の実績を挙げることができ、Core EPSで前年対比73.3%の増加
  となりました。
   こうした好業績を反映し、「Core EPS対比平均して50%の配当性向を目処に、安定的な配当を
  行う」という当社方針に準ずるよう、当期の期末配当金は1株当たり92円(うち特別配当44円)
  を予定しております。この結果、年間配当金は1株当たり140円、Core配当性向は45.8%(5年
  平均で47.4%)となります。

                               直近の配当予想               前期実績
                決定額
                            (2019年10月24日公表)       (2018年12月期)
    基準日      2019年12月31日       2019年12月31日         2018年12月31日
   1株当たり
               92円00銭                未定              55円00銭
    配当金
   配当金総額      50,372百万円               -            30,097百万円
   効力発生日     2020年3月31日               -            2019年3月29日
    配当原資       利益剰余金                  -             利益剰余金


  ・次期の利益配分に関する基本方針及び予想配当金
    医療費抑制圧力とバイオシミラーやジェネリック等の台頭により厳しさを増す国内市場と、画
  期的新薬の登場でポジションが目まぐるしく変わる優勝劣敗のグローバル市場にあって、会社業
  績のボラティリティと不確実性は益々高まりつつあります。また、ライフサイエンス技術やデジ
  タル技術の進展により業際を超えた企業間競争が熾烈化してきており、イノベーションに向けた
  果敢な挑戦と競争優位性の確立・維持のためには機動的かつ重点的な戦略投資にも耐えうる財務
  基盤の確保が必要となってきております。しかしながら、こうした事業環境下にあっても、Core
  EPS対比の配当性向の目途をこれまでの「平均して50%」から「平均して45%」へと変更させて
  いただくことで、株主の皆様へ安定的な配当をお支払い続けていきたいという目標を堅持できる
  と考えておりますので、引き続きのご理解のほどをよろしくお願いいたします。

   また、既にご案内のとおり、当社は、2020年1月21日開催の取締役会において「2020年7月1
  日を効力発生日として、普通株式を1株につき3株の割合で株式分割する」ことを決議しており
  ます。

   以上の基本方針と株式分割を勘案したうえで、次期の配当予想につきましては、中間配当金75
  円(株式分割前)、期末配当金25円(株式分割後)を予想値といたします。株式分割を考慮しな
  い場合、年間配当金は1株当たり150円となります。なお、2020年の予想Core配当性向は、単年
  度で41.0%、5年平均では45.0%となります。




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2.経営方針
 (1)経営の基本方針
    当社グループは、世界有数の製薬企業であるロシュとの戦略的アライアンスのもと、「革新的
   な医薬品とサービスの提供を通じて新しい価値を創造し、世界の医療と人々の健康に貢献する」
   ことをMission(存在意義)とし、「患者中心の高度で持続可能な医療を実現する、ヘルスケア
   産業のトップイノベーターとなること」を目標に、社会とともに発展することを経営の基本方針
   としています。
    その実践にあたっては、当社グループのCore Values(価値観)である、「患者中心」、「フ
   ロンティア精神」、「誠実」に沿った事業活動を行っております。
    この基本方針のもと、「すべての革新は患者さんのために」という考え方に沿って、革新的な
   創薬を柱とするイノベーションに集中し、一人ひとりの患者さんにとって最適な医療の提供によ
   る社会課題の解決と健全な社会の発展を目指すとともに、持続的な企業価値拡大を図ります。
    さらに、事業活動に伴う社会へのインパクトを最善のものとするため、環境・社会・ガバナン
   スに代表される課題に積極的に取り組んでまいります。こうした活動は、社会全体の持続性向上
   に寄与するとともに、当社グループの長期的な発展を支える基盤になると確信しております。

 (2)目標とする経営指標
     当社グループはイノベーションの創出による企業価値の向上を重視し、中長期計画の策定にお
   いては、資本スプレッドを加味した目標と現状とのギャップを明確にしたうえで成長戦略を立案
   しております。開発テーマ等の投資判断においても、都度、資本コストを踏まえた評価をするな
   ど、収益性と資本効率を重視した資源配分・経営判断を行っております。そのうえで、持続的な
   企業価値向上を端的に表し、かつ株主等ステークホルダーと共有できる指標として、2019年度か
   ら2021年度までを期間とする中期経営計画「IBI 21」においては、3年間でのCore EPS年平均成
   長率を指標として掲げております。
     なお、当指標の目標水準について、自社創製グローバル品の好調などを背景とした「IBI 21」
   初年度の好業績を踏まえ、中計策定当初に掲げたCore EPS年平均成長率目標「High single
   digit(一桁台後半;一定為替レートベース)」を「30%前後(一定為替レートベース、株式分
   割を考慮しない場合)」に見直しをいたしました。

 (3)環境認識と対処すべき課題
    世界人口の増加と各国における高齢化進展によって、医薬品への期待・ニーズが増大するな
   か、限られた資源のもと、持続可能な医療の実現が世界共通の課題となっております。また、ラ
   イフサイエンスやICTの飛躍的な進歩によって、社会構造が大きく変化するとともに、医療課題
   解決へのイノベーション創出機会が拡大する一方、既存業界の枠を超えた企業間のスピード競争
   はこれまで以上に熾烈化しております。
    こうした変化は相互に影響しあいながら、社会全体に幾何級数的な変動をもたらすことが予想
   されます。このため、製薬産業においても大幅な変革が求められる状況にあります。
    最も重要な課題は、「イノベーション」の追求です。新たな治療ターゲットの探索や創薬技術
   のさらなる革新により、アンメット・メディカルニーズに応える新薬の創出が求められます。さ
   らには、患者さん一人ひとりに最適な医療の実現に向けて、ライフサイエンス進展による新たな
   技術や、ビッグデータ、AIといったデジタル技術の進化を柔軟に取り入れながら、従来の創薬力
   にとどまらないケイパビリティを獲得・強化することが課題となります。
    その実現に向けた「事業構造改革」も喫緊の課題です。グローバルでの財政圧力・薬剤費抑制
   策の強化により製薬企業の経営環境が厳しくなるなか、限られた資源をイノベーションに集中投
   資できる体制への変革が一層求められます。特に国内においては、薬剤費抑制に向けた厳しい制
   度改革が次々と打ち出され、今後はますますの市場縮小が見通されており、既存プロセスやコス
   ト構造の抜本的見直し、及びデジタル等も活用した新たな事業構造のデザインが課題となりま
   す。
    こうした製薬産業における課題に加え、近年の地球環境変動や、経済格差による貧困等の社会
   経済を含めたシステムの持続性への危機が高まっております。事業活動の持続的な発展のため
   に、企業はこれらの背景にある社会課題と真摯に向き合い、それぞれのバリューチェーンに関連
   した課題を特定し、解決に向けて取り組む必要があります。




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                                     中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


       そのようななか、当社グループは、革新的な新薬の創出と、ロシュとの戦略的アライアンスを
      基盤とした国内トップクラスの成長を実現してまいりました。ロシュの充実した新薬パイプライ
      ンによる安定した収益基盤を確保しながら、自社創薬に資源を集中し、革新的な研究開発プロジ
      ェクトを継続的に創出しております。その結果、これまで5つの当社創製医薬品(アクテムラ、
      アレセンサ、ヘムライブラ、「SA237(サトラリズマブ)」、「CIM331(ネモリズマブ)」)が
      米国FDAから「画期的治療薬(Breakthrough Therapy)」に指定されるなど、当社グループの創
      薬力は世界的に高い評価を受けております。また、後期開発や販売においては、ロシュのグロー
      バル・プラットフォームを活用することで、高い生産性を実現しております。
       今後、アレセンサ、ヘムライブラなどの成長ドライバーをグローバル市場で確実に価値最大化
      すること、そしてこれらに続く自社成長ドライバーをいち早く創出し、スピーディな開発を成し
      遂げることで、今後も持続的な利益成長を目指してまいります。
       その一方で、社会がグローバルで大きな変化を迎えるなか、当社の取組みもさらなる進化が必
      要であると認識しております。

    (4)中期経営計画「IBI 21」
        当社グループは、2019年度から2021年度までを期間とする新たな中期経営計画「IBI 21」を策
      定しました。前中期経営計画「IBI 18」で築いた事業基盤とロシュとの戦略的アライアンスをベ
      ースに、さらなる競争優位の獲得と持続的な利益成長・企業価値拡大の実現を目指し、新たなス
      テージでの変革に取り組んでおります。
        「IBI 21」で私たちが目指すのは、革新的新薬を中核として、イノベーションによる社会及び
      当社の発展を加速することです。「グローバル成長ドライバーの創出と価値最大化」及び「事業
      を支える人財・基盤の強化」を重点テーマとし、実現に向けた「5つの戦略」を掲げておりま
      す。
        「IBI 21」では、「IBI」に込めた当社のイノベーションに対する基本姿勢、「INNOVATION
      BEYOND IMAGINATION(創造で、想像を超える。)」をさらに強化し、革新を通じた持続的な企業
      成長を目指してまいります。
 
      ①Value Creation(創薬、開発、製薬)
       当社グループは、これまで世界最先端の抗体改変技術への優先投資により、革新的な研究開発
      プロジェクトの創出を加速してまいりました。また、低分子、抗体に加えて次世代のコア創薬技
      術として中分子を選択し、集中投資による技術確立と研究開発プロジェクトの早期創出に向けて
      取り組んでおります。
       「IBI 21」においては、「治癒、疾患コントロールを目指した革新的創薬の実現」をテーマ
      に、新たな次元での創薬に挑戦してまいります。これまで培ってきた独自の創薬技術をさらに強
      化するとともに、バイオロジー(病態のさらなる深い理解)との融合により独創的な創薬ターゲ
      ットを同定し、それらの最速でのPoC取得~開発の実現と患者価値の実証を強力に推進してまい
      ります。特に、自社開発パイプラインについて、日米欧3極を軸とした自社のトランスレーショ
      ナルリサーチ推進体制、及びロシュとの協働のもと、グローバルトップクラスの質・スピードに
      よる開発を進め、次世代成長ドライバーとなる革新的新薬の連続創出を実現します。
       こうした革新的新薬をいち早く患者さんにお届けするため、高速開発と製品供給体制の充実、
      特に中分子医薬品など製剤難度の高い研究開発プロジェクトに対応した製造技術のさらなる進化
      を推進します。また、グローバル基準に対応した品質管理、品質保証、及びレギュラトリー機能
      の強化にも引き続き努めてまいります。
 
      ②Value Delivery(営業、メディカル、安全性)
       当社グループは、これまで自社及びロシュからの多くの有力な治療薬を市場に展開し、がん領
      域、腎領域、骨・関節領域、リウマチ領域をはじめとして参入市場において確固たる地位を築い
      てまいりました。
       「IBI 21」においては、これまで取り組んできた患者中心の情報提供活動や安全性マネジメン
      トを含めた医薬品適正使用推進活動、患者さんにとっての薬剤価値を高めるエビデンス創出活動
      を一層強化するとともに、技術進化に対応したデジタルソリューションの強化も含め、高度化・
      多様化するステークホルダー・ニーズに応えるソリューション提供を追求し、「患者中心の高度
      かつ持続的な医療」の実現に貢献するとともに、国内外において成長ドライバー品への活動集中
      により、当社グループの成長加速を目指してまいります。
 




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                                  中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


    ③個別化医療(PHC)の高度化
      ゲノム医療やデータ解析技術の飛躍的な進歩を背景に、近年、「個別化医療(Personalized
    Healthcare; PHC)」がますます進展しています。また、デジタルデバイスの進化などによって、
    これまでの「効果・安全性」という概念にとどまらず、QOL等を含めた患者さんにとっての幅広
    いメリットの測定が可能となることで、患者さんにとって最適なソリューションの提供と価値の
    証明が一層求められます。このようななか、当社は個別化医療において世界をリードするロシ
    ュ・グループの一員として、一人ひとりの「個人」に最適な治療を提供する新たな段階の個別化
    医療を目指して、国やアカデミアとも緊密に協働しながら取り組んでまいります。さらには、患
    者さんやその家族にとっての幅広い価値の提供とその証明を可能にするケイパビリティの強化に
    競合に先んじて取り組みます。さらには、デジタル技術・データを活用した取組みを通じて、創
    薬ターゲットや分子探索の効率化、RWDを用いた臨床開発の効率化といったR&Dプロセスの革新も
    積極的に推進してまいります。
      また、がん領域におけるリーディングカンパニーとして、がんゲノム医療の実現と提供体制の
    構築に貢献することは当社の重要な責務と考えております。「FoundationOne CDx がんゲノムプ
    ロファイル」はその一環で、次世代シークエンサーを用いて網羅的がん関連遺伝子解析プロファ
    イリング情報を提供する製品であり、がん治療における個別化医療の発展と普及に貢献するもの
    です。2018年には「ファウンデーションメディシン・ユニット」を新設し、本事業を力強く推進
    しております。
 
    ④人財の強化と抜本的な構造改革
     ここまで掲げた戦略の遂行にあたっては、激変する環境に対応し、イノベーション創出を牽引
    する多様な人財の育成・獲得が重要となります。「IBI 21」においては、中長期を見据えた高度
    かつ多様な人財の獲得・育成・配置に向けた取組みを一層強化します。具体的には、リーダー人
    財の適所適財を推進するためのタレントマネジメント・ポジションマネジメント実行体制の強
    化、戦略実行のキーとなる専門人財の獲得、挑戦的な風土を支える人事・報酬制度への変革、そ
    してダイバーシティ&インクルージョンの一層の推進により多様な人財の活躍でイノベーション
    が創出される組織風土の醸成に取り組んでまいります。
     また、財政圧力を背景に製薬企業の事業環境が厳しさを増すなか、イノベーションへの資源集
    中を可能にするコスト構造への変革が大きな課題となります。当社においても、限られた資源を
    イノベーションに集中するために、2018年には長期収載品13品目の事業譲渡を行うなどの打ち手
    を実行してまいりました。「IBI 21」では、機動的なイノベーションへの投資と持続的な利益成
    長を同時に実現するため、事業プロセスやコスト構造の抜本的な見直しを断行いたします。

    ⑤Sustainable基盤の強化
     当社グループは、高度で持続可能な医療を実現し人々の健康に貢献するために、Core Values
    (価値観)に沿った事業を行っております。生命関連企業として、常に誠実な事業活動を行い、
    高い倫理観とコンプライアンス遵守、品質マネジメントに努めています。また、地球環境に配慮
    した事業活動や、「医療」「福祉」「教育」「地域社会」及び「環境」に関連した社会貢献活動
    についても良き企業市民として取り組んでまいりました。
     「IBI 21」では、当社グループのMissionと、事業の経済・社会・環境に及ぼす影響を踏まえ
    て特定した重要課題(マテリアリティ)に取り組んでまいります。なかでも、医薬品及びサービ
    スの高い品質の維持、及び当社の技術や知見が活用可能な保健医療アクセスの向上によるグロー
    バルヘルスへの貢献については特に注力してまいります。また、自然資本への悪影響の最小化を
    目指して地球環境へ配慮した事業活動を推進いたします。
     当社グループが取り組むこれら重要課題(マテリアリティ)については、ステークホルダーへ
    積極的な情報開示と対話を進めてまいります。

     「IBI 21」では、これら5つの戦略を柱として、イノベーションによる社会及び当社の発展を
    目指して取り組んでまいります。

3.会計基準の選択に関する基本的な考え方
  当社グループは国内外において革新的な新薬を提供することを目指し、国外においても医薬品の販
 売や研究開発活動を実施し、国際的な事業活動を行っております。こうした状況を鑑み、投資家の皆
 様の利便性の観点から財務情報の国際的な比較可能性の向上を図るべく、2013年12月期第1四半期連
 結会計期間から国際会計基準(IFRS)を適用しております。




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4.連結財務諸表及び主な注記
    (1)連結損益計算書及び連結包括利益計算書
     連結損益計算書
                                                    (単位:百万円)
                          当連結会計年度                 前連結会計年度
                        (自 2019年1月1日            (自 2018年1月1日
                         至 2019年12月31日)          至 2018年12月31日)
売上収益
売上収益                              686,184                  579,787
 製商品売上高                           588,896                  527,844
 ロイヤルティ等収入
                                       97,288               51,943
 及びその他の営業収入
売上原価                                 △266,071             △262,847
 売上総利益
 売上総利益                                420,113              316,940

販売費                                   △77,183              △73,706
研究開発費                                △107,942              △99,202
一般管理費等                                △24,391              △19,710
 営業利益
 営業利益                                 210,597              124,323

金融費用                                    △125                 △111
その他の金融収入(支出)                              545                  449
その他の費用                                △3,124               △3,212
 税引前当期利益
 税引前当期利益                              207,893              121,449

法人所得税                                △50,333               △28,370
 当期利益
 当期利益                                157,560                93,079

当期利益の帰属:
 当社の株主持分                              157,560               92,488
 非支配持分                                     -                   591

1株当たり当期利益
 基本的1株当たり当期利益(円)                       287.84               169.08
 希薄化後1株当たり当期利益(円)                      287.43               168.80
 




                        ― 14 ―
                                中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


    連結包括利益計算書
                                                   (単位:百万円)
                           当連結会計年度                前連結会計年度
                         (自 2019年1月1日           (自 2018年1月1日
                          至 2019年12月31日)         至 2018年12月31日)
当期利益
当期利益                               157,560                 93,079

その他の包括利益

    確定給付制度の再測定                            329              △2,472
    その他の包括利益を通じて公正価値
                                        △255                   363
    で測定する金融資産
    純損益に振り替えられない項目合計
    純損益に振り替えられない項目合
               い項目合計                      74               △2,109

    その他の包括利益を通じて公正価値
                                         △17                     0
    で測定する金融資産
    キャッシュ・フロー・ヘッジ                     △1,317                △225
    在外子会社等の為替換算差額                     △1,172               △3,158
    のちに純損益に振り替えられる
    のちに純損益に振り替えられ
               られる
                                      △2,506               △3,383
    可能性のある項目合計
    可能性のある項目合計

その他の包括利益合計
その他の包括利益合計                            △2,433               △5,492
当期包括利益
当期包括利益                                155,127               87,587

当期包括利益の帰属:
 当社の株主持分                              155,127               87,078
 非支配持分                                     -                   509
 




                       ― 15 ―
                         中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


(2)連結財政状態計算書
                                            (単位:百万円)
                     当連結会計年度              前連結会計年度
                    (2019年12月31日)        (2018年12月31日)
資産
非流動資産:
 有形固定資産                        255,559            222,388
 使用権資産                           9,749                 -
 無形資産                           23,540             22,699
 長期金融資産                          2,958              9,723
 繰延税金資産                         42,680             35,568
 その他の非流動資産                      24,750             29,077
  非流動資産合計
   非流動資産合計                     359,235            319,455

流動資産:
 棚卸資産                          168,122            159,360
 営業債権及びその他の債権                  181,641            179,556
 未収法人所得税                             0                  3
 有価証券                          129,117            102,533
 現金及び現金同等物                     203,941            146,860
 その他の流動資産                       16,858             11,781
  流動資産合計
  流動資産合計                       699,680            600,093

 資産合計
 資産合計                        1,058,915            919,548

負債
非流動負債:
 長期有利子負債                           -                △82
 繰延税金負債                        △9,304             △9,031
 退職後給付負債                       △7,094            △14,671
 長期引当金                         △2,348             △2,072
 その他の非流動負債                     △6,914             △1,946
  非流動負債合計
   非流動負債合計                    △25,662            △27,802

流動負債:
 短期有利子負債                           -               △133
 未払法人所得税                      △41,047            △19,567
 短期引当金                            △4                 △1
 営業債務及びその他の債務                 △77,635            △71,706
 その他の流動負債                     △60,582            △43,810
  流動負債合計
  流動負債合計                     △179,268           △135,218

 負債合計
 負債合計                        △204,930           △163,019

 純資産合計
 純資産合計                         853,985            756,529

資本の帰属:
 当社の株主持分                       853,985            755,864
 非支配持分                              -                 664
  資本合計
  資本合計                         853,985            756,529

 負債及び資本合計
 負債及び資本合計                    1,058,915            919,548




                ― 16 ―
                              中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


(3)連結キャッシュ・フロー計算書
                                                 (単位:百万円)
                         当連結会計年度                前連結会計年度
                       (自 2019年1月1日           (自 2018年1月1日
                        至 2019年12月31日)         至 2018年12月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
 営業活動による現金創出                        249,500             151,857
 運転資本の減少(△は増加)                        6,205               4,486
 確定給付制度に係る拠出                       △11,540              △2,652
 引当金の支払                                 △2                 △29
 その他の営業活動                           △2,741              △3,022
  小計                               241,423             150,639
 法人所得税の支払                          △34,782             △31,565
  営業活動によるキャッシュ・フロー
  営業活動によるキャッシュ フロー                 206,641             119,074

投資活動によるキャッシュ・フロー
 有形固定資産の取得                         △53,009             △71,785
 無形資産の取得                            △8,168              △5,886
 有形固定資産の処分                              119                  49
 利息及び配当金の受取                             197                 200
 有価証券の取得                          △256,768            △263,503
 有価証券の売却                            230,158             264,711
 投資有価証券の取得                          △1,013                △709
 投資有価証券の売却                            6,743               2,863
 その他の投資活動                                 0                 △0
  投資活動によるキャッシュ・フロー
  投資活動によるキャッシュ フロー                △81,741             △74,060

財務活動によるキャッシュ・フロー
 非支配持分の取得                           △2,307                  -
 利息の支払                                △27                  △5
 リース負債の支払                           △8,861                  -
 配当の支払―当社株主持分                      △56,370             △35,010
 配当の支払―非支配持分                            -                △791
 ストック・オプションの行使                         735                 996
 自己株式の減少(△は増加)                        △25                 △19
 その他の財務活動                             △16                △187
  財務活動によるキャッシュ・フロー
  財務活動によるキャッシュ フロー                 △66,872             △35,014

 現金及び現金同等物に係る換算差額                     △947             △2,215
現金及び現金同等物の増減額
現金及び現金同等物の増減                         57,081             7,785

現金及び現金同等物の期首残高                      146,860            139,074
現金及び現金同等物の期末残高
現金及び現金同等物の期末残
           末残高                      203,941            146,860




                     ― 17 ―
                                      中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


(4)連結持分変動計算書
                                                              (単位:百万円)
                            当社の株主持分
                                  その他の
                         資本    利益                             非支配     資本
               資本金                資本構成               合計
                        剰余金   剰余金                              持分     合計
                                    要素
前連結会計年度
前連結会計年度
2018年1月1日      72,970   64,815   550,974    3,166   691,924    973   692,897
  会計方針の変更の
  会計方針の変更の
                  -        -     10,606        -    10,606      -    10,606
  影響
2018年1月1日修正
        日修正
               72,970   64,815   561,580    3,166   702,530    973   703,503
再表示後残高
再表示後残高
  当期利益            -        -      92,488       -     92,488    591    93,079
  その他の包括利益
  を通じて公正価値        -        -          -       363       363     -        363
  で測定する金融資産
  キャッシュ・
                  -        -          -     △225      △225      -      △225
  フロー・ヘッジ
  在外子会社等の
                  -        -          -    △3,077   △3,077     △82   △3,158
  為替換算差額
  確定給付制度の
                  -        -     △2,472        -    △2,472      -    △2,472
  再測定
当期包括利益合計
当期包括利益合計          -        -     90,016    △2,938   87,078     509   87,587

  剰余金の配当          -         - △35,003          - △35,003      △817 △35,820
  株式報酬取引          31      △97      -           -    △66         -     △66
  自己株式            -      1,325     -           -   1,325        -    1,325
  その他の資本構成
  要素から利益剰余        -        -       1,498   △1,498        -      -         -
  金への振替
2018年12月31日
    年12月31日    73,000   66,043   618,091   △1,270   755,864    664   756,529

当連結会計年度
当連結会計年度
2019年1月1日      73,000   66,043   618,091   △1,270   755,864    664   756,529
  当期利益             -        -    157,560       -    157,560     -    157,560
  その他の包括利益
  を通じて公正価値        -        -          -     △272      △272      -      △272
  で測定する金融資産
  キャッシュ・
                  -        -          -    △1,317   △1,317      -    △1,317
  フロー・ヘッジ
  在外子会社等の
                  -        -          -    △1,172   △1,172      -    △1,172
  為替換算差額
  確定給付制度の
                  -        -         329       -        329     -        329
  再測定
当期包括利益合計
当期包括利益合計          -        -     157,889   △2,761   155,127     -    155,127

  剰余金の配当          -         - △56,373          - △56,373        - △56,373
  株式報酬取引          16        52     -           -      68        -      68
  自己株式            -        941     -           -     941        -     941
  非支配持分の変動        -         - △1,662           19 △1,643      △664 △2,307
  その他の資本構成
  要素から利益剰余        -        -       4,131   △4,131        -      -         -
  金への振替
2019年12月31日
    年12月31日    73,016   67,037   722,076   △8,143   853,985     -    853,985




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(5)継続企業の前提に関する注記
   該当事項はありません。

(6)連結財務諸表に関する注記事項
 ①重要な会計方針等
  a. 作成の基礎
     作成の基礎
     この連結財務諸表は、日本(東京)に所在し、東京証券取引所に上場(証券コード:4519)し
   ている中外製薬株式会社及びその子会社の連結財務諸表です。この連結財務諸表は、2020年1
   月30日に取締役会によって承認されております。
     ロシュ・ホールディング・リミテッドはスイス証券取引所に上場し、国際会計基準(以下、
   「IFRS」という)に準拠し業績を開示しているロシュ・グループの親会社です。当社グループ
   はロシュとの戦略的アライアンスの締結により2002年10月よりロシュ・グループの主要なメン
   バーになっております。ロシュ・ホールディング・リミテッドは、当社株式の発行済株式総数
   のうち59.89%(発行済株式総数から自己株式を控除したベースでは61.22%)を所有しており
   ます。
     当社グループは、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵
   省令第28号。以下、連結財務諸表規則)第1条の2に定める指定国際会計基準特定会社の要件
   を満たすことから、同第93条の規定によりIFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。

   連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円で表示し、百万円未満を四捨五入しておりま
  す。公正価値による測定が要求されている一部の項目を除き、測定は取得原価に基づいており
  ます。

  b. 重要な会計方針
     重要な会計方針
     当社グループの連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、c. 会計方針の変更に記載
   のあるものを除き、前連結会計年度において適用した会計方針と同一であります。

  c. 会計方針の変更
     会計方針の変更
     2019年1月1日において当社グループは、IFRS第16号「リース」及び当該基準に係る修正項
   目について準拠しました。当社グループの連結財務諸表への重要な会計方針の変更の内容及び
   影響は以下のとおりです。

   IFRS第16号「リース」
       第16号 リース
     当社グループは2019年1月1日よりIFRS第16号「リース」を適用しました。この新しい基
   準は、IAS第17号「リース」を置き換えたものです。この基準は、リースの認識、測定に関す
   る原則を示しております。この基準の適用により、有価証券報告書において開示を要する項
   目が増加します。
     当社グループの主な影響は、借手における単一のリース会計モデルを採用したことであり
   ます。借手は、認識の免除規定を選択する場合を除き、リース関連の資産とリース負債を認
   識する必要があります。この基準の適用の結果、2019年1月1日の連結財政状態計算書に使
   用権資産やリース債権などリース関連の資産として15,203百万円及びリース負債14,553百万
   円を計上しております。

    新しい基準の適用により、適用前にオペレーティング・リース費用として計上していた金
   額のうち金利の性格を有する部分については、利息費用として計上されます。当社グループ
   はリース契約の規模及び現在の低金利の経済状況を鑑みると、この変更による影響には重要
   性はないと考えております。




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                             中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


  また、新しい基準を適用した結果、2019年1月1日より連結キャッシュ・フロー計算書の
 表示に影響があります。オペレーティング・リースとして報告されていたリースに係るキャ
 ッシュ・フローは、リース負債の測定に含めなかった短期リース料、少額資産のリース料及
 び変動リース料を除き、財務活動によるキャッシュ・フローとして表示されます。適用開始
 前は、当該取引に係るキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローとして表
 示されておりました。

 移行方法
 移行方法
  この基準書の適用にあたり、当社グループは経過措置として認められている累積的影響を
 適用開始日に認識する方法を採用しました。当該方法の採用により、比較情報の修正再表示
 はせずに、2019年1月1日の連結財政状態計算書に使用権資産やリース債権などリース関連
 の資産として15,203百万円及びリース負債14,553百万円を計上しております。リース負債を
 認識する際に、リース負債と同額(ただし、前払リース料又は未払リース料は修正)の使用
 権資産を認識しているため、期首利益剰余金への影響はありません。
  なお、この修正以外にこの基準書の適用による当社グループの業績又は財政状態に対する
 重要な影響はありません。

  また、当社グループは、基準が認める実務上の便法を採用しております。既存の契約につ
 いてリースを含んだものかどうか再判定しない便法、短期リース及び原資産が少額であるリ
 ースに対する認識の免除であります。

 表示の変更
 表示の変更
  この基準の適用により、2019年より当社グループは連結財政状態計算書における表示を変
 更し、使用権資産を区分表示します。また、リース負債は、その他の流動負債及びその他の
 非流動負債に含めて表示します。
  この基準の適用により、有価証券報告書において開示を要する項目が増加します。

d. 未適用の新たな基準書
   未適用の新たな基準書
   当社グループは2020年度以降に適用となる新たな基準書による影響を調査中ですが、2020年
 度において当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼすものはないと判断しており
 ます。




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    ②セグメント情報
 
     当社グループは、単一の医薬品事業に従事し、複数の事業セグメントを有しておりません。当社
    グループの医薬品事業は、新規の医療用医薬品の研究、開発、製造、販売活動から成り立っており
    ます。これらの機能的な活動は事業として統合した運営管理を行っております。
 
    売上収益
    売上収益                                                (単位:百万円)
                   当連結会計年度                       前連結会計年度
                  (自 2019年1月1日                 (自 2018年1月1日
                   至 2019年12月31日)               至 2018年12月31日)
                           ロイヤルティ等                       ロイヤルティ等
               製商品売上高        収入及び            製商品売上高        収入及び
                          その他の営業収入                      その他の営業収入
    日本            437,561          6,404        399,906        21,569
    海外            151,335         90,884        127,939        30,374
     うちスイス        134,330         87,731        109,938        24,250
        合計        588,896         97,288        527,844        51,943
 
    主要顧客に関する情報
    主要顧客に関する情報                                             (単位:百万円)
                                当連結会計年度                 前連結会計年度
                              (自 2019年1月1日            (自 2018年1月1日
                               至 2019年12月31日)          至 2018年12月31日)
    エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・
                                            217,265              134,188
    リミテッド
    アルフレッサ株式会社                              114,202              103,959
    株式会社メディセオ                                75,797               76,004
 




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    ③その他の費用
 
     当社は、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッドとの取引において、日本及びスイス両税務当
    局に対し、独立企業間価格の算定方法等に関する事前確認を申請しておりましたが、2017年第1四
    半期に、2016年から2020年の各事業年度において、当社の課税所得を一定額減額して、ロシュの課
    税所得を同等額増額すること、必要な場合には2021年に追加的調整を行うこと、とする旨などの合
    意通知書を受領いたしました。
     これにより、両社間でのライセンス契約の取決めに基づき、当社で減額される法人税等の一部
    を、ロシュにおいて納付すると見込まれる税額等としてロシュへ支払うこととし、移転価格税制調
    整金3,124百万円を計上しております。
 
    ④1株当たり利益
 
    基本的1株当たり利益
    基本的 株当たり利益
                           当連結会計年度                 前連結会計年度
                        (自  2019年1月1日            (自 2018年1月1日
                         至  2019年12月31日)          至 2018年12月31日)
    当社株主に帰属する当期利益
    当社株主に帰属する当期利
                                      157,560               92,488
    (百万円)
     百万円

    加重平均普通株式数(株)                   559,685,889          559,685,889
    加重平均自己株式数(株)                  △12,305,837          △12,662,197
     基本的加重平均普通株式数(株)
     基本的加重平均普通株式数                 547,380,052          547,023,692

    基本的1株当たり当期利益(円)
    基本的 株当たり当期利益                       287.84               169.08
 
    希薄化後1株当たり利益
    希薄化後 株当たり利益
                           当連結会計年度                 前連結会計年度
                        (自  2019年1月1日            (自 2018年1月1日
                         至  2019年12月31日)          至 2018年12月31日)
    当社株主に帰属する当期利益
    当社株主に帰属する当期利
                                      157,560               92,488
    (百万円)
     百万円

    基本的加重平均普通株式数(株)                547,380,052          547,023,692
    希薄化効果の影響調整:
                                       790,042              892,227
     ストック・オプション(株)
     希薄化効果後
     希薄化効果後
                                   548,170,094          547,915,919
     加重平均普通株式数(株)
     加重平均普通株式数

    希薄化後1株当たり当期利益(円)
    希薄化後 株当たり当期利益                      287.43               168.80
 
     希薄化効果を有さないとして、希薄化後加重平均普通株式数の算定から除外されているストッ
    ク・オプションはございません。
 




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                                 中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


    ⑤キャッシュ・フロー計算書
 
    営業活動によるキャッシュ・フロー
    営業活動によるキャッシュ フロー
     営業活動によるキャッシュ・フローは、当社グループの主要な事業活動である医薬品の研究開
    発・製造・販売活動から生じます。営業活動による現金創出額は、営業利益に有形固定資産の減価
    償却費、無形資産の償却費や減損損失等の非資金損益項目の調整を行う間接法によって計算してお
    ります。営業キャッシュ・フローには、当社グループのすべての活動によって生じる法人所得税の
    支払を含んでおります。
 
    営業活動による現金創出額
    営業活動による現金創出額                                    (単位:百万円)
                         当連結会計年度                 前連結会計年度
                       (自 2019年1月1日            (自 2018年1月1日
                        至 2019年12月31日)          至 2018年12月31日)
    当期利益                          157,560                  93,079
    金融費用                              125                     111
    その他の金融収入(支出)                    △545                    △449
    その他の費用                          3,124                   3,212
    法人所得税                          50,333                  28,370
     営業利益
     営業利益                         210,597                 124,323

    有形固定資産の減価償却費                      17,778                14,590
    使用権資産の減価償却費                        6,031                    -
    無形資産の償却費                           2,592                 1,988
    有形固定資産の減損損失                        1,252                    59
    無形資産の減損損失                          2,664                 4,844
    確定給付制度に係る営業費用                      4,369                 4,427
    持分決済型株式報酬に係る営業費用                     300                   282
    引当金に係る費用(戻入)の純額                      287                    -
    棚卸資産損失                             1,053                 1,051
    その他の調整                             2,577                   294
     合計                              249,500               151,857
 
    投資活動によるキャッシュ・フロー
    投資活動によるキャッシュ フロー
     投資活動によるキャッシュ・フローは主に有形固定資産及び無形資産への投資です。また、有価
    証券等への投資、投資から得られる受取利息及び受取配当金を含んでおります。
 
    利息及び配当金の受取
    利息及び配当金の受取                                      (単位:百万円)
                         当連結会計年度                 前連結会計年度
                       (自 2019年1月1日            (自 2018年1月1日
                        至 2019年12月31日)          至 2018年12月31日)
    受取利息                             106                      85
    受取配当金                             91                     115
     合計                              197                     200
 
    財務活動によるキャッシュ・フロー
    財務活動によるキャッシュ フロー
     財務活動によるキャッシュ・フローは主に配当及びリース負債の支払です。
 
    重要な非資金取引
    重要な非資金取引
     当連結会計年度及び前連結会計年度において、重要な非資金取引はありません。
 




                        ― 23 ―
                                          中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


⑥関連当事者
a. 支配株主
   支配株主
  研究基盤を強化した日本のトップ製薬企業となるべく、当社はロシュと戦略的アライアンスの契
約を締結しております。この契約に基づき、当社は2002年10月、ロシュの日本における医薬品事業
の子会社であった日本ロシュと合併し、合併後は中外製薬としてロシュ・グループの一員となりま
した。
  当社はロシュと以下を合意しております。

アライアンス基本契約(Basic Alliance Agreement)
アライアンス基本契約
  当社とロシュは、2001年12月にアライアンスに関する基本契約を締結し、戦略的アライアンスに
基づく事業活動を開始いたしました。本基本契約では、以下の各項目を含む、当社のガバナンス及
び業務運営に関する合意事項を定めております。
  ・アライアンスのストラクチャー
  ・ロシュの株主権
  ・ロシュによる当社取締役推薦権
  ・ロシュによる当社普通株式売買の制限事項
  当社は、新株予約権付社債及びストック・オプションの行使並びにその他の目的により、普通株
式を追加で発行することがあります。この場合、ロシュが保有する当社株式の割合が変動すること
になりますが、当基本契約では、その割合が50.1%を下回らないとするロシュの権利を保障してお
ります。
     
ライセンス契約
ライセンス契約
  2001年12月に調印した日本包括的権利契約(Japan Umbrella Rights Agreement)により、当社
は、ロシュの日本市場における唯一の医薬品事業会社となり、ロシュが有する開発候補品の日本に
おける開発・販売について第一選択権を保有しております。
  また、2002年5月に調印した(日本、韓国を除く)世界包括的権利契約(Rest of the World
Umbrella Rights Agreement)を修正し、2014年8月に(日本、韓国、台湾を除く)改訂世界包括
的権利契約(Amended and Restated Rest of the World Umbrella Rights Agreement)を締結しま
した。これにより、ロシュは当社が有する開発候補品の海外(韓国、台湾を除く)における開発・
販売について第一選択権を保有しております。
  これらの包括契約に加え、当社とロシュは個別の製品ごとに契約を締結しております。この契約
条項及び個別の事情に基づき、第三者間取引価格の原則に沿って、以下の項目の支払が行われるこ
とがあります。
  ・第一選択権行使による製品導入時の契約一時金
  ・開発目標達成によるマイルストン
  ・売上に対するロイヤルティ
  これらの個別契約は、第三者間取引価格の原則に基づき生産・供給等についても包含する場合が
あります。
     
研究協力契約
研究協力契約
  当社とロシュは、バイオ医薬品探索及び低分子合成医薬品研究における研究協力契約を締結して
おります。

配当
 当社のロシュに対する配当は34,528百万円(前連結会計年度21,454百万円)です。




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                             中外製薬株式会社(4519) 2019年12月期 決算短信


b. 関連当事者との重要な取引及び債権債務
   関連当事者との重要な取引及び債権債
              引及び債権債務

エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッド                               (単位:百万円)
に対する取引高
に対する取引高
                          当連結会計年度               前連結会計年度
                        (自 2019年1月1日         (自  2018年1月1日
                         至 2019年12月31日)       至  2018年12月31日)
売上収益                               217,265               134,188
仕入高                                145,336               125,657

 当連結会計年度より、ロイヤルティ等収入及びその他の営業収入の重要性が高まったため、製商
品売上高とロイヤルティ等収入及びその他の営業収入を合わせた売上収益の金額を記載しておりま
す。

エフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッド                               (単位:百万円)
に対する債権・債務
に対する債権
                          当連結会計年度末             前連結会計年度末
                         (2019年12月31日)        (2018年12月31日)
営業債権及びその他の債権                        69,152               46,078
営業債務                                38,006               29,567

 当連結会計年度より、その他の債権の重要性が高まったため、営業債権及びその他の債権として
金額を記載しております。

c. 経営幹部の報酬
   経営幹部の報酬

役員報酬
役員報酬                                             (単位:百万円)
                         当連結会計年度               前連結会計年度
                    (自    2019年1月1日          (自 2018年1月1日
                     至    2019年12月31日)        至 2018年12月31日)
取締役
 定例報酬                                 298                    304
 賞与                                   120                    120
 勤務継続型譲渡制限付株式報酬                        86                     57
 業績連動型譲渡制限付株式報酬                        76                     72
 一般型ストック・オプション                         -                      21
  合計                                  580                    573

監査役
 定例報酬                                  96                     87
  合計                                   96                     87




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⑦後発事象

 当社は、2020年1月21日開催の取締役会において、株式分割及び定款の一部変更を行うことを決
議いたしました。

 a. 株式分割の目的
    株式分割の目的
    株式の分割により、当社株式の投資単位あたりの金額を引き下げ、株式の流動性を高めると
  ともに投資家層の拡大を図ることを目的としております。

 b. 株式分割の概要
    株式分割の概要
   (a) 分割の方法
       2020年6月30日(火)を基準日として、同日最終の株主名簿に記載または記録された株主
     の所有する普通株式を、1株につき3株の割合をもって分割いたします。

  (b) 分割により増加する株式数
    (ⅰ)株式分割前の発行済株式総数                   559,685,889株
    (ⅱ)今回の分割により増加する株式数               1,119,371,778株
    (ⅲ)株式分割後の発行済株式総数                 1,679,057,667株
    (ⅳ)株式分割後の発行可能株式総数                2,399,415,150株

  (c) 分割日程
    (ⅰ)基準日公告日    2020年6月15日(月)
    (ⅱ)基準日       2020年6月30日(火)
    (ⅲ)効力発生日     2020年7月1日(水)

 c. 1株当たり情報に及ぼす影響
     株当たり情報に及ぼす影響
    当該株式分割が前連結会計年度の期首に行われたと仮定した場合の1株当たり情報は、以下の
  とおりであります。
                       当連結会計年度          前連結会計年度
                     (自 2019年1月1日     (自 2018年1月1日
                      至 2019年12月31日)   至 2018年12月31日)
基本的1株当たり当期利益(円)                95円95銭           56円36銭
希薄化後1株当たり当期利益(円)               95円81銭           56円27銭

 d. 定款の一部変更
    定款の一部変更
   (a) 変更の理由
       今回の株式分割に伴い、会社法第184条第2項の規定に基づき、2020年7月1日(水)を
     もって、当社定款6条に定める発行可能株式総数を変更いたします。

  (b) 変更の内容
      変更内容は以下のとおりです。
                                        (下線は変更箇所を示します。)
           変更前                            変更後
(発行可能株式総数)           (発行可能株式総数)
第6条 当会社の発行可能株式総数は、7億 第6条 当会社の発行可能株式総数は、23億
9,980万5,050株とする。     9,941万5,150株とする。

  (c) 日程
      定款変更の効力発生日2020年7月1日(水)

 e. その他
    その他
   (a) 資本金の額の変更
       今回の株式分割に際して、資本金の額に変更はありません。



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