4519 中外薬 2021-07-20 08:30:00
抗体カクテル療法「ロナプリーブ点滴静注セット」、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し、世界で初めて製造販売承認を取得 [pdf]
2021 年 7 月 20 日
各 位
上場会社名 中外製薬株式会社
コード番号 4519(東証1部)
本社所在地 東京都中央区日本橋室町 2-1-1
代 表 者 代表取締役社長 CEO 奥田 修
問い合せ先 責任者役職名 広報 IR 部長
氏 名 笹井 俊哉
電 話 番 号 03(3273)0554
抗体カクテル療法「ロナプリーブ点滴静注セット」、新型コロナウイルス感染症
(COVID-19)に対し、世界で初めて製造販売承認を取得
初の軽度から中等度の COVID-19 治療薬として、国内で特例承認として薬事承認を取得
海外第 III 相臨床試験にて、一回の投与で重症化の抑制と症状消失までの期間短縮を確認
日本政府や関連事業者と緊密に協働し、速やかに国内供給開始予定
当社は、抗 SARS-CoV-2 モノクローナル抗体「ロナプリーブ™点滴静注セット 300」「同 1332」[一般名︓カ
シリビマブ(遺伝子組換え)/イムデビマブ(遺伝子組換え)]について、SARS-CoV-2 による感染症(新型
コロナウイルス感染症、COVID-19)に対し、厚生労働省より医薬品医療機器等法第 14 条の 3 に基づく特例
承認を 7 月 19 日付で取得したことをお知らせいたします。
代表取締役社長 CEO の奥田 修は、「新型コロナウイルスの流行は複数の変異株の出現により新たな局面を
迎えており、一日も早い収束のためには、ワクチンによる新規感染の抑制とともに、感染者に対する治療選択肢の
拡充が極めて重要です。ロナプリーブは、COVID-19 重症化リスク因子を持つ外来患者さんの入院・死亡リスクを
低下させるとともに、重症化の抑制と症状消失までの期間短縮が臨床試験において示されています」と述べるととも
に、「また、ロナプリーブは、デルタ株をはじめとする複数の変異株に効果があることが非臨床試験で確認されています。
こうしたエビデンスを基に、本剤は疾病まん延防止等における緊急必要性が認められ特例承認を取得しています。
感染拡大が続く中、可及的速やかな供給に向け日本政府や関連事業者と緊密に協働してまいります」と語ってい
ます。
今回の承認は、COVID-19 患者を対象として海外で実施された第 III 相臨床試験 REGN-COV 2067 試
験の成績、および日本人における安全性と忍容性、薬物動態の評価を目的とした国内第 I 相臨床試験の成績に
基づいています。
国内におけるロナプリーブの供給は、日本政府との合意に基づき、2021 年分が確保されています。速やかな供
給に向け、引き続き日本政府とともに協働してまいります。
ロナプリーブは、SARS-CoV-2 に対する 2 種類のウイルス中和抗体カシリビマブおよびイムデビマブを組み合わせ、
COVID-19 に対する治療および予防を目的として、米国リジェネロン社により創製されました。当社の戦略的提携
先であるロシュ社が 2020 年 8 月にリジェネロン社と製造、開発、販売について共同で実施することを発表し、同年
12 月に、中外製薬が日本における開発権および独占的販売権をロシュ社より取得しています。現時点において、
ロナプリーブは日本以外の国では薬事承認されていません。
添付文書情報
販売名︓ ロナプリーブ™点滴静注セット 300、同 1332
一般的名称︓ カシリビマブ(遺伝子組換え)/イムデビマブ(遺伝子組換え)
効能又は効果︓ SARS-CoV-2 による感染症
用法及び用量︓ 通常、成人及び 12 歳以上かつ体重 40kg 以上の小児には、カシリビマブ(遺伝子組
換え)及びイムデビマブ(遺伝子組換え)としてそれぞれ 600mg を併用により単回点
滴静注する。
【参考情報】
開 発 中 の 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 ( COVID-19 ) に 対 す る 抗 体 カ ク テ ル 療 法 ( casirivimab /
imdevimab)に関する日本政府との合意について(2021 年 5 月 10 日プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20210510150000_1105.html
入院をしていない COVID-19 患者を対象とした第 III 相臨床試験において、casirivimab と imdevimab の
抗体カクテル療法が入院または死亡のリスクを 70%減少(2021 年 4 月 2 日発表プレスリリース)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20210402150000_1096.html
中外製薬、ロシュより COVID-19 に対する抗体カクテル療法を導入(2020 年 12 月 10 日発表プレスリリー
ス)
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20201210170001_1046.html
ロナプリーブについて
ロナプリーブは、2 種類のモノクローナル抗体のカクテルであり、COVID-19 の原因ウイルスである SARS-CoV-2
による感染防止を目的として、リジェネロン社によって創製されました。創薬過程においては、ヒト免疫機能を持つよ
う遺伝子組換えされた、リジェネロン社独自の VelocImmune®マウスによって産生された何千もの完全ヒト抗体、
および COVID-19 から回復した患者から同定された抗体が評価されています。
2 種類の強力なウイルス中和抗体であるカシリビマブおよびイムデビマブは、ウイルスのスパイクタンパク質の受容体
結合部位に非競合的に結合することで、SARS-CoV-2 に対して中和活性を示し、ヒトの集団で発生したスパイク
タンパク質に変異を持つウイルス株に対しても効果を示すことが期待されます 1。
特例承認について
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)第 14
条の3第1項の規定に基づき、以下のいずれにも該当する医薬品について、厚生労働大臣は、薬事・食品衛生
審議会の意見を聴いて、その品目に係る承認を与えることができるとされています。
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1. 疾病のまん延防止等のために緊急の使用が必要、かつ、当該医薬品の使用以外に適切な方法がない
2. 外国(医薬品に関し日本と同等の水準にあると認められる薬事制度を有しているとして認められる国)
で販売等が認められている
VelocImmune®は、法律により保護されています。
出典
1.Alina Baum, Benjamin O Fulton, Elzbieta Wloga, et al. Science 2020 Aug 21;
369(6506):1014-1018.
なお、本件は、2021 年 2 月 4 日に公表した 2021 年 12 月期の業績予想には含まれておりません。現時点
において当該予想の変更はありませんが、今後開示すべき事由が発生した際には、速やかに開示いたします。
以 上
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