4506 大日住薬 2020-05-13 13:00:00
2019年度(2020年3月期)決算(IFRS)補足資料 [pdf]

                                             証券コード:4506




         2019年度(2020年3月期)決算(IFRS)補足資料



                        ―目次―



   Ⅰ.   連結業績ハイライト                           1
   Ⅱ.   連結損益計算書                             3
   Ⅲ.   セグメント情報                             4
   Ⅳ.   売上の状況                               5
   Ⅴ.   連結財政状態計算書                           7
   Ⅵ.   四半期業績の推移                            8
   Ⅶ.   主要な連結子会社の状況                         8
   Ⅷ.   株式の状況                               9
   Ⅸ.   開発状況表                               10
   Ⅹ.   主な開発品のプロフィール                        13




                        2020年5月13日

                    大日本住友製薬株式会社


・ 本資料には、当社グループに関する業績その他の予想、見通し、目標、計画その他の将来に関する事項が含まれて
  います。これらの事項は、発表日現在において入手可能な情報による当社の仮定、見積り、見通しその他の判断に
  基づくものであり、既知または未知のリスクおよび不確実性が内在しております。したがって、その後のさまざまな要
  因により、予想・計画等が記載どおりに実現しない可能性や、実際の業績、開発の成否・進捗その他の見通し等が記
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                                                                大日本住友製薬株式会社(4506) 2019年度決算補足資料

I.連結業績ハイライト                                                               IFRS
                                                                                             (億円)
1.連結損益計算書(コアベース)          2018年度        2019年度          前期比             2020年度         前期比
                          通期実績          通期実績            増減率%            通期予想           増減率%
 売上収益                          4,593        4,828                5.1          5,100             5.6
 売上原価 *1                       1,131        1,283               13.5          1,450            13.0
 売上総利益                         3,462        3,544                2.4          3,650             3.0
  販売費及び一般管理費 *1                1,861        1,900                2.1          2,290            20.5
  研究開発費 *1                        829            926            11.7          1,030            11.2
  その他の収益・費用(コア内) *2                2              2                               -
 コア営業利益                           773            720           △ 6.9            330          △ 54.2
   条件付対価公正価値の変動額(△:損)              91            485                          △ 240
   その他の非経常項目(△:損) *3          △ 285         △ 372                               150
 営業利益                             579            832            43.8            240          △ 71.2
 当期利益                             486            359       △ 26.1             △ 140               -
 親会社の所有者に帰属する
 当期利益
                                  486            408       △ 16.2                70          △ 82.8
 基本的1株当たり当期利益(円)              122.39       102.58                             17.62
 親会社所有者帰属持分
 当期利益率(ROE)
                              10.2%             7.9%                          1.3%
 投下資本利益率(ROIC)                11.8%          3.3%                         △ 0.6%
 連結配当性向                       22.9%         27.3%                         158.9%
                                                                         *1 :非経常項目(減損損失、条件付対価
                                                         (億円)
                                                                             公正価値の変動額等)を除く
2.連結損益計算書(フルベース)          2018年度        2019年度          前期比
                                                                         *2 :事業譲渡損益、持分法による損益等
                          通期実績          通期実績            増減率%             *3 :*2を除くその他の収益・費用、減損損失
 売上収益                          4,593        4,827                5.1          等の非経常項目

 売上原価                          1,136        1,297               14.2
 売上総利益                         3,457        3,531                2.1
  販売費及び一般管理費                   1,804        1,543          △ 14.5
  研究開発費                        1,024        1,151               12.5
  その他の収益・費用                      △ 50            △4
 営業利益                             579            832            43.8
  金融収益・費用                          72             7
 税引前当期利益                          650            839            29.1
当期利益                              486            359       △ 26.1
 親会社の所有者に帰属する当期利益                 486            408       △ 16.2


3.連結キャッシュ・フロー計算書          2018年度        2019年度
                                                       (億円)
                          通期実績          通期実績
営業活動によるキャッシュ・フロー                  487            461
投資活動によるキャッシュ・フロー              △ 350       △ 3,127
財務活動によるキャッシュ・フロー              △ 286         2,311
現金及び現金同等物の期末残高                 1,373        1,017


4. 為替換算レート                2018年度
                                                                               2020年度        為替感応度(2020年度)
                                                       2019年度                 想定レート           (1円円安の影響)
                                                                                              売上収益         コア営業
                        期末日         平均           期末日             平均              平均            (億円)        利益(億円)
 円/USD                   111.0          110.9          108.8       108.7          108.0               26      △6
 円/元                      16.5           16.5           15.3           15.6           15.5            20        4




                                        ―補足資料1―
                                                   大日本住友製薬株式会社(4506) 2019年度決算補足資料

5.設備投資の状況・         2018年度     2019年 度    前期比       2020年度    前期比
                                                                        (億円)
  減価償却費            通期実績       通期実績       増減額       通期予想      増減額
設備投資額                  132         120     △ 12        110     △ 10
有形固定資産償却費               73         105      32         100     △5
無形資産償却費                 66          69         2       129         60
(注)設備投資額は、有形固定資産とソフトウエアの設備投資額を記載しています。

2020年度の主な設備投資計画(継続中)
  生産設備増強、総投資額20億円、2022年度完了予定


6.Roiva nt社との戦略的提携における子会社取得に伴う企業結合会計の処理                                 (百万ドル)
                    取得原価      取得原価
                                         評価差額                会計処理
                     配分前       配分後
無形資産(仕掛研究開発等)            -       2,659    2,659 資産計上(仕掛研究開発は承認後償却)
上記に対する繰延税金負債             -       △ 247    △ 247
その他の資産・負債(純額)          △ 41       △ 41         -
非支配持分                  △ 25      △ 983    △ 958
のれん                      -         659      659
合計                     △ 65      2,047    2,113




                                 ―補足資料2―
                                                              大日本住友製薬株式会社(4506) 2019年度決算補足資料

Ⅱ.連結損益計算書                                                                                 IFRS
1.連結損益計算書(コアベース)                                              (億円)
                       2018年度      2019年度
                                                  増減額         増減率%
                       通期実績        通期実績                                           増減 うち為替
売上収益                       4,593         4,828       235         5.1    日本        104
                                                                        北米         98    △ 54
    海外売上                   2,933         3,078       145         4.9    中国         39    △ 17
                           63.9%                                        海外その他       5
      海外売上比率                             63.8%
                                                                        その他      △ 10
  売上原価                     1,131         1,283       152        13.5
   売上原価率                   24.6%         26.6%
売上総利益                      3,462         3,544           83      2.4
  販売費及び一般管理費               1,861         1,900           38      2.1    スミトバント連結影響 +65

    人件費                      761           807           46      6.0
    広告宣伝費                    232           227       △5        △ 2.3
    販売促進費                    148           151           3       2.1
    減価償却費                     79           113           34     43.4
    その他                      642           602      △ 40       △ 6.2
  研究開発費                      829           926           97     11.7    スミトバント連結影響 +90

   研究開発費売上収益比率             18.0%         19.2%
  その他の収益・費用(コア内)               2             2       △0       △ 13.1
                                                                       条件付対価変動額( △:損) FY18   FY19
コア営業利益                       773           720      △ 53       △ 6.9   ロンハラマグネア関連        19  *87
  条件付対価公正価値                                                            ボストン・バイオメディカル関連 40 *262
                              91           485       393                                  32 *136
  の変動額 (△:損)                                                           トレロ関連
                                                                          * 事業計画見直し等に伴う公正価値の減少
  その他の非経常項目 (△:損)          △ 285         △ 372      △ 87
営業利益                         579           832       254        43.8   減損損失:前期 △230 当期 △352
                                                                       事業構造改善費用:前期 △38
  金融収益                        74            36      △ 38
  金融費用                         2            29           27
税引前利益                        650           839       189        29.1
法人所得税                        164           480       316               当期:米国で繰延税金資産の取崩発生

当期利益                         486           359     △ 127      △ 26.1
親会社の所有者に帰属する
                             486           408      △ 79      △ 16.2
当期利益


2.コア営業利益への調整項目
                                                                                         (億円)
  2019年度実績     フルベース       コ アベース          調整額           主な調整項目
売上収益               4,827        4,828               0
  売上原価             1,297        1,283             △ 13 ・減損損失 △6
売上総利益              3,531        3,544               14
  販売費及び一般管理費       1,543        1,900             356 ・条件付対価公正価値の変動額 485 ・減損損失 △121
  研究開発費            1,151           926           △ 225 ・減損損失 △225
  その他の収益             14             1             △ 13
  その他の費用             18              -            △ 18
営業利益                832            720           △ 113




                                     ―補足資料3―
                                       大日本住友製薬株式会社(4506) 2019年度決算補足資料

Ⅲ.セグメント情報(コアベース)
                                                                       (億円)
                                   医薬品事業
        2019年度実績                            海外               その他       連結
                     日本       北米      中国            合計
                                           その他
売上収益(外部顧客向け)          1,397   2,623    286   148    4,454     374       4,828
 売上原価                  650     240      54     50     995     289       1,283
売上総利益                  747    2,383    232     98   3,460      84       3,544
 販売費及び一般管理費            518    1,208     88     34   1,848      52       1,900
コアセグメント利益              229    1,175    144     64   1,612      32       1,644
 研究開発費 *1                                             917      9         926
 その他の収益・費用(コア内)*2                                        1     0            2
コア営業利益                                                697      23        720

                                                                       (億円)
                                   医薬品事業
        2020年度予想                             海外              その他       連結
                     日本       北米      中国            合計
                                             その他
売上収益(外部顧客向け)          1,544   2,680    308    188   4,720     380       5,100
 売上原価                  800     230      58     69   1,157     293       1,450
売上総利益                  744    2,450    250    119   3,563      87       3,650
 販売費及び一般管理費            550    1,543    104     36   2,233      57       2,290
コアセグメント利益              194     907     146     83   1,330      30       1,360
 研究開発費 *1                                           1,020      10       1,030
その他の収益・費用(コア内)*2                                         -         -        -
コア営業利益                                                310      20        330

                                                                       (億円)
                                   医薬品事業
     (参考)2018年度実績                            海外              その他       連結
                     日本       北米      中国            合計
                                             その他
売上収益(外部顧客向け)          1,293   2,525    247    143   4,209     384       4,593
 売上原価                  524     217      37     56     834     297       1,131
売上総利益                  770    2,308    210     87   3,375      86       3,462
 販売費及び一般管理費            519    1,163     87     36   1,806      56       1,861
コアセグメント利益              251    1,145    123     50   1,570      31       1,600
 研究開発費 *1                                             818      11        829
その他の収益・費用(コア内)*2                                         2     0            2
コア営業利益                                                753      20        773

*1 医薬品の研究開発費は、グローバルに管理しているため各セグメントに配分していません。
*2 事業譲渡損益、持分法による損益等




                          ―補足資料4―
                                                   大日本住友製薬株式会社(4506) 2019年度決算補足資料

Ⅳ.売上の状況                                                                     IFRS

1.医薬セグメント別売上収益 (外部顧客向け)                                                       (億円)
                      2018年度        2019年度                                 2020年度
        セグメント                                     増減額         増減率%
                                                                           通期予想
                      通期実績          通期実績

 日本                       1,293         1,397        104             8.1       1,544
 北米                       2,525         2,623            98          3.9       2,680
 中国                        247           286             39      15.6              308
 海外その他                     143           148              5          3.5           188


2.主要製品の販売状況①
                                                                (仕切価ベース、億円)
          品目          2018年度        2019年度                                 2020年度
                                                  増減額         増減率%
         [薬効]         通期実績          通期実績                                   通期予想

日本
プロモーション品
トルリシティ *1
[2型糖尿病治療剤]'15.9~
                           231           300             69      29.6              366

エクア・エクメット *2
[2型糖尿病治療剤]'19.11~
                               -         171            171          -             405

トレリーフ
                           157           162              5          3.4           170
[パーキンソン病治療剤]
リプレガル
                           125           133              8          6.3           133
[ファブリー病治療剤]
メトグルコ
                           101               96     △4          △ 4.3               78
[2型糖尿病治療剤]
シュアポスト
                               61            69           8      13.2               30
[2型糖尿病治療剤]
アムビゾーム
                               40            42           1          3.6            40
[深在性真菌症治療剤]
ロナセンテープ
[非定型抗精神病薬]'19.9~
                               -              5           5          -              53

ラツーダ
[非定型抗精神病薬]'20.6発売予定
                               -             ー           -           -              22

その他品目
アムロジン
                               91            76     △ 15       △ 16.2               61
[高血圧症・狭心症治療薬]
ロナセン錠・散
                           122               56     △ 67       △ 54.6               23
[非定型抗精神病薬]
アイミクス
                               82            40     △ 42       △ 50.9               29
[高血圧症治療剤]
プロレナール
                               40            32     △8         △ 21.0               22
[末梢循環改善剤]
ガスモチン
                               38            31     △7         △ 18.4               23
[消化管運動機能改善剤]

オーソライズドジェネリック品                 55            74          19      34.0               94

*1 トルリシティの売上収益は薬価ベースの数値
*2 プロモーションのフィー収入は除く



                                    ―補足資料5―
                                              大日本住友製薬株式会社(4506) 2019年度決算補足資料

2.主要製品の販売状況②                                                         IFRS
                                                                       (億円)
          品目           2018年度      2019年度                           2020年度
                                              増減額        増減率%
         [薬効]          通期実績        通期実績                             通期予想

北米
ラツーダ
                          1,845       1,895         50       2.7        1,942
[非定型抗精神病薬]
ブロバナ
                           337         345           8       2.3            311
[COPD治療剤]
アプティオム
                           205         234          29      14.1            233
[抗てんかん剤]
ロンハラ マグネア
                            14          29          15     105.0             38
[COPD治療剤]'18.4~
ゾペネックス
                            46          41       △5       △ 10.3             41
[喘息治療剤]
アポモルヒネ塩酸塩水和物(一般名)
[パーキンソン病に伴うオフ症状治療剤]        -           -           -           -            11
'20.9発売予定


中国
メロペン                       212         241          28      13.2            253


海外その他
メロペン                        79          81           1       1.7             80


(参考)北米 現地通貨ベース                                                       (百万ドル)
                       2018年度      2019年度                           2020年度
          品目           通期実績        通期実績
                                              増減額        増減率%
                                                                    通期予想

ラツーダ                      1,663       1,743         80       4.8        1,798

ブロバナ                        304        317          13       4.4            288

アプティオム                     185         215          30      16.5            216

ロンハラ マグネア                    13         27          14     109.2             35

ゾペネックス                      42          38       △4        △ 8.5             38

アポモルヒネ塩酸塩水和物                -           -           -           -            10




                                  ―補足資料6―
                                                大日本住友製薬株式会社(4506) 2019年度決算補足資料

Ⅴ.連結財政状態計算書                                                         IFRS
                                       (億円)
                 2019年      2020年    対19/3末
         科   目
                  3月末        3月末      増減額
資産                  8,347     12,529    4,182
(非流動資産)            4,614       8,888    4,273      のれん内訳                    19/3 20/3
                                                   オンコロジー以外                 750 1,452
 有形固定資産              595        657        63
                                                   (うちスミトバント増加分)                      (717)
 のれん                 993       1,690      697      オンコロジー関連                    243   238
 無形資産               1,714      4,218    2,504      北米で特許権減損計上

  特許権・販売権            240         85    △ 155        仕掛研究開発内訳                19/3 20/3
                                                    アポモルヒネ                   552   541
  仕掛研究開発            1,414      4,063    2,648
                                                   ボストン・バイオメディカル品目        300 *276
  その他                 59         70        11       トレロ品目                    444 *261
 その他の金融資産            747       2,009    1,263       レルゴリクス                       1,751
                                                    ビベグロン                        1,090
 その他の非流動資産            58         42     △ 17        他                        119   143
 繰延税金資産              507        271    △ 236                             *主に減損による減少
                                                    Roivant社株式取得
(流動資産)             3,733       3,641    △ 92
                                                    米国で繰延税金資産の取崩発生
 棚卸資産                669        794       125
 営業債権及びその他の債権       1,188      1,345      157
 その他の金融資産            438        287    △ 150
 その他の流動資産             66        155        89
 現金及び現金同等物          1,373      1,017   △ 356
          小計        3,733      3,598   △ 135
 売却目的で保有する資産            -        43        43
負債                 3,366       6,208    2,842
(非流動負債)            1,384       1,243   △ 141        社債・借入金合計
                                                      309 → 2,980
 社債及び借入金             280        250     △ 30            (新規借入 2,700)
 その他の金融負債            804        413    △ 391
 退職給付に係る負債           236        239         3      条件付対価公正価値残高                        今後の支払
                                                                         19/3    20/3 総額(最大)
 その他の非流動負債            64         72         8      ロンハラマグネア関連             89      *  - $210M
                                                   ボストン・バイオメディカル関連     445    *174 $1,390M
 繰延税金負債               -         269       269                             279    *138
                                                   トレロ関連                                $580M
(流動負債)             1,982       4,965    2,983       合計                    814     312
                                                    その他の金融負債(非流動・流動)の内数
 社債及び借入金              30       2,730    2,700                  * 事業計画見直し等に伴う公正価値の減少
 営業債務及びその他の債務        492        623       130
 その他の金融負債             87        139        52
 未払法人所得税             157        226        69
 引当金                 922        846     △ 75
 その他の流動負債            294        401       107
資本                 4,981       6,321    1,340
 資本金                 224        224        -
 資本剰余金               159        147     △ 12
 自己株式                △7         △7       △0
 利益剰余金              4,318      4,573      255
 その他の資本の構成要素         288        358        70           為替レート 19/3    20/3
                                                         USD  111.0 ⇒ 108.8
親会社の所有者に帰属する持分     4,981       5,295      313            RMB   16.5 ⇒ 15.3

 非支配持分                -        1,026    1,026


                              ―補足資料7―
                                                          大日本住友製薬株式会社(4506) 2019年度決算補足資料

Ⅵ.四半期業績の推移
                                                                                                (億円)
                                         2018年度                                  2019年度
コアベース
                           1Q          2Q        3Q       4Q        1Q       2Q        3Q       4Q
 売上収益                       1,159       1,102     1,207    1,124     1,175    1,131     1,264    1,257
  売上原価                       289         267       296        279     288        273      370     353
 売上総利益                       870         836       911        845     886        859      894     905
  販売費及び一般管理費                 478         444       518        421     463        424      498     514
  研究開発費                      209         205       206        209     200        210      202     314
  その他の収益・費用(コア内)                   0       0         1          0       0          0        1       0
 コア営業利益                      184         187       187        214     223        225      195      77
   条件付対価に係る
   公正価値の変動額(△:損)           △ 25        △ 44         14        146     185        233      △9       77
   その他の非経常項目(△:損)            △1         △6        △ 29    △ 250      △3      △ 194     △ 39     △ 136
 営業利益                        158         138       172        111     404        264      146      18
 四半期利益                       152         126       121         87      67        236      136   △ 81
 親会社の所有者に帰属する
 四半期利益                       152         126       121         87      67        236      136   △ 32


Ⅶ.主要な連結子会社の状況(2020年3月31日現在)
         国内              設立年月 持株比率 従業員数                                 主な事業内容
DSP五協フード&ケミカル株式会社        1947/10        100%       197名 食品素材・食品添加物および化学製品材料等の製造、販売
DSファーマアニマルヘルス株式会社        2010/ 7        100%        89名 動物用医薬品等の製造、販売
DSファーマプロモ株式会社            1998/ 6        100%        47名 医療用医薬品等の製造、販売
         海外              設立年月 持株比率              従業員数               主な事業内容
サノビオン・ファーマシューティカルズ・インク   1984/ 1        100%    *1,616名 医療用医薬品の製造、販売
スミトバント・バイオファーマ・インク       2019/10        100%        43名 スミトバントグループ会社の管理および事業戦略等の策定推進
マイオバント・サイエンシズ・リミテッド      2016/ 2         52%     *213名 医療用医薬品(婦人科、前立腺がん)の研究開発
ユーロバント・サイエンシズ・リミテッド      2016/ 1         75%       *69名 医療用医薬品(泌尿器科疾患)の研究開発
エンジバント・セラピューティクス・リミテッド   2016/ 1        100%       *23名 医療用医薬品(小児希少疾患)の研究開発
アルタバント・サイエンシズ・リミテッド      2017/ 9        100%       *13名 医療用医薬品(呼吸器系希少疾患)の研究開発
スピロバント・サイエンシズ・リミテッド      2019/ 2        100%       *12名 医療用医薬品(嚢胞性線維症(遺伝子治療))の研究開発
ボストン・バイオメディカル・インク        2006/11        100%       135名 がん領域の研究開発
トレロ・ファーマシューティカルズ・インク     2011/ 6        100%        56名 がん領域の研究開発
住友制葯(蘇州)有限公司             2003/12        100%       733名 医療用医薬品の製造、販売
                                                *傘下の連結子会社の人員を含む

参考)従業員数 (名)                 2018/3/31             2019/3/31          2020/3/31
       連結/個別                6,268      3,402      6,140    3,067    6,457    3,023
MR人数
日本   マネージャー除く/総数           1,130      1,260      1,120    1,240    1,220    1,340
米国    マネージャー除く/総数           830         930       720        820     650        740
中国    マネージャー除く/総数           330         400       340        400     330        400
MR人数にはコントラクトMR含む




                                        ―補足資料8―
                                                    大日本住友製薬株式会社(4506) 2019年度決算補足資料

Ⅷ.株式の状況(2020年3月31日現在)

 1.発行可能株式総数                                 1,500,000,000株

 2.発行済株式の総数                                   397,900,154株 (自己株式605,038株を含む。)

 3.所有者別株式数

                  所有者区分                         株主数(名)           株式数(千株)      構成比(%)
   金融機関                                                     57       93,095       23.40
   金融商品取引業者                                                 56        2,458        0.62
   その他の法人                                               289         232,829       58.51
   外国法人等                                                594          46,940       11.80
   個人・その他(自己株式を含む)                                   23,567          22,577        5.67
                     合計                              24,563         397,900        100
   (注)株式数は千株未満を切り捨てております。

 4.上位10名の株主

                           株主名                                   持株数(千株)      持株比率(%)
   住友化学株式会社                                                         205,634       51.76
   日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)                                           29,364        7.39
   稲畑産業株式会社                                                          18,555        4.67
   日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)                                         11,742        2.96
   日本生命保険相互会社                                                         7,581        1.91
   株式会社SMBC信託銀行
                                                                      7,000        1.76
    (株式会社三井住友銀行退職給付信託口)
   住友生命保険相互会社                                                         5,776        1.45
   BNYM SA/NV FOR BNYM FOR BNYM GCM CLIENT ACCTS M ILM FE             4,907        1.24
   日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口7)                                         3,676        0.93
   あいおいニッセイ同和損害保険株式会社                                                 3,104        0.78
   (注1)持株比率は、自己株式(605,038株)を控除して計算しております。
  (注2)持株数は千株未満を切り捨てております。




                                     ―補足資料9―
                                         大日本住友製薬株式会社(4506) 2019 年度決算補足資料


Ⅸ.開発状況表(2020 年 5 月 13 日現在)

・ この表には当社グループが日本・米国・中国において承認取得を目指す適応症に関する臨床試験を掲載
  しており、全ての臨床試験は掲載していません。
・ がん領域については、同じ適応症で複数の試験がある場合は、最も進んでいる開発段階の試験のみを記
  載しています。
・ 開発段階の変更基準は、治験届受理日としています。

1.   精神神経領域
        製品/コード名
                             予定適応症               地域            開発段階
         (一般名)
 APL-130277          パーキンソン病に伴うオフ症状           米国        申請(2018/3)
 (アポモルヒネ塩酸塩水和物)                                         審査結果通知(CRL)を受
                                                        領(2019/1)
                                                        再申請(2019/11)
 ロナセン                (新用法:小児)統合失調症            日本        フェーズ 3
 (ブロナンセリン)
 SEP-363856          統合失調症                    米国        フェーズ 3
                                              日本        フェーズ 1
                     パーキンソン病に伴う精神病症状          米国        フェーズ 2
 EPI-743             リー脳症                     日本        フェーズ 2/3
 (バチキノン)
 EPI-589             パーキンソン病                  米国        フェーズ 2
                     筋萎縮性側索硬化症(ALS)           米国        フェーズ 2
                                              日本        フェーズ 1
 SEP-4199            双極Ⅰ型障害うつ                 米国・日本     フェーズ 2(国際共同試験)
 DSP-6745            パーキンソン病に伴う精神病症状          米国        フェーズ 1
 SEP-378608          双極性障害                    米国        フェーズ 1
 DSP-3905            神経障害性疼痛                  米国        フェーズ 1
 SEP-378614          治療抵抗性うつ                  米国        フェーズ 1
 SEP-380135          アルツハイマー病に伴う行動障害          米国        フェーズ 1
 DSP-1181            強迫性障害                    日本        フェーズ 1


2.   がん領域
        製品/コード名
                             予定適応症               地域            開発段階
         (一般名)
 レルゴリクス              前立腺がん(単剤)                米国        申請(2020/4)
 BBI608              結腸直腸がん(併用)               米国・日本     フェーズ 3(国際共同試験)
 (ナパブカシン)            肝細胞がん(併用)                米国        フェーズ 1/2
                     消化器がん(併用)                米国        フェーズ 1/2
                     固形がん(併用)                 米国        フェーズ 1/2
 DSP-2033            急性骨髄性白血病(AML)(併用)        米国        フェーズ 2
 (alvocidib)         (再発・難治性患者対象)
                     骨髄異形成症候群(MDS)(併用)        米国        フェーズ 1/2
                     急性骨髄性白血病(AML)(併用)        米国        フェーズ 1
                     (初発患者対象)

                             ―補足資料 10―
                                          大日本住友製薬株式会社(4506) 2019 年度決算補足資料



2.   がん領域(続き)
       製品/コード名
                              予定適応症               地域            開発段階
        (一般名)
 DSP-7888            膠芽腫(併用)                   米国・日本     フェーズ 2(国際共同試験)
 (アデグラモチド酢酸塩/
                     小児悪性神経膠腫(単剤)              日本        フェーズ 1/2
 ネラチモチドトリフルオロ酢酸
 塩)                  固形がん(併用)                  米国        フェーズ 1/2
 TP-0903             固形がん(単剤・併用)               米国・日本     フェーズ 1
 (dubermatinib)
 DSP-0509            固形がん(単剤・併用)               米国        フェーズ 1/2
 TP-0184             骨髄異形成症候群に伴う貧血(単剤)         米国        フェーズ 1/2
                     固形がん(単剤)                  米国        フェーズ 1
 DSP-0337            固形がん(単剤)                  米国        フェーズ 1
 TP-1287             固形がん(単剤)                  米国        フェーズ 1
 TP-3654             固形がん(単剤)                  米国        フェーズ 1
                     骨髄線維症(単剤・併用)              米国        フェーズ 1
 TP-1454             固形がん(単剤・併用)               米国        フェーズ 1


3. 再生・細胞医薬分野
       製品/コード名
                              予定適応症               地域            開発段階
        (一般名)
                                                         申請(2019/4)
 RVT-802             小児先天性無胸腺症                 米国        審査結果通知(CRL)を受
                                                         領(2019/12)
 他家 iPS 細胞由来ドパミン神    パーキンソン病                   日本        フェーズ 1/2
 経前駆細胞                                                   (医師主導治験)
 HLCR011             加齢黄斑変性                    日本        治験開始に向けて準備中
 (他家 iPS 細胞由来網膜色
 素上皮)


4. その他の領域
       製品/コード名
                              予定適応症               地域            開発段階
        (一般名)
 ビベグロン               過活動膀胱                     米国        申請(2019/12)
                     前立腺肥大症を伴う過活動膀胱            米国        フェーズ 3
                     過敏性腸症候群関連疼痛               米国        フェーズ 2
 レルゴリクス              子宮筋腫                      欧州        申請(2020/3)
                                               米国        フェーズ 3(国際共同試験)
                     子宮内膜症                     米国        フェーズ 3(国際共同試験)
 PXL008              2 型糖尿病                    日本        フェーズ 3
 (イメグリミン塩酸塩)
 rodatristat ethyl   肺動脈性肺高血圧症(PAH)            米国        フェーズ 2
 MVT-602             不妊症                       ドイツ       フェーズ 2
 URO-902             過活動膀胱                     米国        フェーズ 2

                              ―補足資料 11―
                                       大日本住友製薬株式会社(4506) 2019 年度決算補足資料


【前回 2020 年 1 月決算発表時点からの主な変更点】

            製品/コード名
 変更内容                             予定適応症              地域        開発段階
             (一般名)
          SM-13496         統合失調症                     日本    承認取得(2020/3)
          (ルラシドン塩酸塩)       双極性障害うつ
承認取得      リサイオ             (新効能)悪性リンパ腫における自家         日本    承認取得(2020/3)
          (チオテパ)           造血幹細胞移植の前治療                     ※未承認薬・適応外
                                                           薬の開発品
          レルゴリクス           子宮筋腫                      欧州    申請(2020/3)
申請
                           前立腺がん                     米国    申請(2020/4)
          TP-0184          骨髄異形成症候群に伴う貧血(単剤)         米国    フェーズ 1/2
新規掲載
          TP-1454          固形がん(単剤/併用)               米国    フェーズ 1
          DSP-2033         急性骨髄性白血病(AML)(併用)         日本    フェーズ 1
          (alvocidib)      (初発および再発・難治性患者対象)
          DSP-7888         骨髄異形成症候群(MDS)(単剤)         日本    フェーズ 1/2
試験終了のため   (アデグラモチド酢酸
表から削除     塩/ネラチモチドトリ
          フルオロ酢酸塩)
          TP-0903          慢性リンパ性白血病(CLL)(単剤・併用)     米国    フェーズ 1/2
          (dubermatinib)
          SEP-225289       過食性障害(BED)                米国    申請(2019/5)
          (dasotraline)    注意欠如・多動症(ADHD)            米国    申請(2017/8)
開発中止のため
                                                           審査結果通知(CRL)
表から削除
                                                           を受領(2018/8)
                                                     日本    フェーズ 1




                           ―補足資料 12―
                                         大日本住友製薬株式会社(4506) 2019 年度決算補足資料


Ⅹ.主な開発品のプロフィール(2020 年 5 月 13 日現在)

1. 精神神経領域
アポモルヒネ塩酸塩水和物(APL-130277)
                  起源:自社(Sunovion 社、旧 Cynapsus 社由来)、剤形:舌下フィルム製剤
   ・ 本剤は、パーキンソン病におけるオフ症状を一時的に改善するレスキュー薬として承認されているアポ
     モルヒネ塩酸塩(ドパミン作動薬)を有効成分として含有する舌下投与のフィルム製剤である。皮下投与
     による様々な課題を解決すると同時に、パーキンソン病のオフ症状を速やかに、また安全かつ確実に
     改善するよう設計されている。
   ・ 開発段階:パーキンソン病に伴うオフ症状 2018 年 3 月申請、2019 年 11 月再申請(米国)

SEP-363856               起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、新規な作用メカニズムの抗精神病薬であり、セロトニン 5-HT1A アゴニスト活性を持つ TAAR1
      (微量アミン関連受容体 1)アゴニストであり、ドパミン D2 またはセロトニン 5-HT2A 受容体には結合しな
      い。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを
      使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-363856 を見出した。統合失調症患者を対象としたフェーズ
      2 の結果では、統合失調症の陽性症状および陰性症状への効果を示し、錐体外路症状、体重増加、脂
      質およびグルコースの異常、心血管異常、プロラクチン上昇の副作用はプラセボと同程度であった。
   ・ 開発段階:
      統合失調症:フェーズ 3(米国)
      パーキンソン病に伴う精神病症状:フェーズ 2(米国)
      統合失調症:フェーズ 1(日本)

バチキノン(EPI-743)       起源:PTC Therapeutics 社(BioElectron 社から取得)、剤形:経口剤
  ・ 本剤は、ミトコンドリアの機能低下により発生する酸化ストレスを除去することにより効果を発揮し、有効
    な治療薬の存在しないリー脳症をはじめとするミトコンドリア病に対する世界初の治療薬になることが期
    待される。
  ・ 開発段階:リー脳症 フェーズ 2/3(日本)終了、今後の開発方針について検討中

EPI-589                起源:PTC Therapeutics 社(BioElectron 社から取得)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、ミトコンドリアの機能低下により発生する酸化ストレスを除去することにより効果を発揮し、酸化
       ストレスに起因する神経変性疾患への適応が期待される。
   ・ 開発段階:
       パーキンソン病:フェーズ 2(米国)
       筋萎縮性側索硬化症(ALS):フェーズ 2(米国)
       筋萎縮性側索硬化症(ALS):フェーズ 1(日本)

SEP-4199                        起源:自社(Sunovion 社)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、双極Ⅰ型障害うつを対象に開発されている。現時点では詳細な作用メカニズムは開示してい
      ない。
   ・ 開発段階:
      双極Ⅰ型障害うつ フェーズ 2(米国・日本)

DSP-6745                                       起源:自社、剤形:経口剤
  ・ 本剤は、セロトニン 5-HT2A とセロトニン 5-HT2C 受容体に対するデュアルアンタゴニストであり、パーキ
      ンソン病に伴う精神病症状、およびパーキンソン病の非運動症状(non-motor symptoms;うつ、不安、
      認知機能障害)に対する効果が期待される。また、本剤はドパミン D2 受容体拮抗作用がない。
  ・ 開発段階:パーキンソン病に伴う精神病症状 フェーズ 1(米国)



                             ―補足資料 13―
                                        大日本住友製薬株式会社(4506) 2019 年度決算補足資料


SEP-378608        起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、中枢神経系に作用する新規化合物である。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラ
      ットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-378608 を見
      出した。非臨床試験において、気分の制御に関係する重要な脳領域での神経活動を調節する可能性
      が示唆されている。
   ・ 開発段階:双極性障害 フェーズ1(米国)

DSP-3905                                  起源:自社、剤形:経口剤
  ・ 本剤は、電位依存性ナトリウムチャンネル Nav1.7 選択的阻害剤であり、本剤の阻害様式から神経が
      過剰に興奮している疼痛時に強い鎮痛作用を示すことが期待される。また、既存の神経障害性疼痛治
      療薬では中枢神経系や心臓系の副作用が発症することもあるが、末梢神経に発現する Nav1.7 に高い
      選択性を示す本剤は、そのような副作用を起こしにくいことが期待される。
  ・ 開発段階:神経障害性疼痛 フェーズ 1(米国)

SEP-378614        起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、中枢神経系に作用する新規化合物である。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラ
      ットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-378614 を見
      出した。非臨床試験において、即効性かつ持続性の抗うつ薬様活性を発現し、神経可塑性を高める可
      能性が示唆されている。
   ・ 開発段階:治療抵抗性うつ フェーズ 1(米国)

SEP-380135        起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、中枢神経系に作用する新規化合物である。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラ
      ットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-380135 を見
      出した。非臨床試験において、焦燥、攻撃性、精神運動多亢進、うつ、社会的相互作用の欠如などの認
      知症に伴う行動・心理症状に対して有効性を示すことが示唆されている。
   ・ 開発段階:アルツハイマー病に伴う行動障害 フェーズ 1(米国)

DSP-1181                        起源:自社(Exscientia 社との共同研究)、剤形:経口剤
  ・ 本剤は、Exscientia 社の AI 技術を用いて当社が創製した新規化合物である。既存のセロトニン 5-
      HT1A 受容体パーシャルアゴニスト(非ベンゾジアゼピン系の抗不安薬)と異なり、セロトニン 5-HT1A 受
      容体に対して強力なフルアゴニスト活性を有することや長い半減期が示唆されていることから、長時間
      にわたり強い薬効が期待できる。また、強迫性障害に関わる神経回路を操作した病態モデルにおいて、
      標準治療薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)よりも早い薬効発現が示唆されている。
  ・ 開発段階:強迫性障害 フェーズ 1(日本)

2. がん領域
ナパブカシン(BBI608)                 起源:自社(Boston Biomedical 社)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、新しいメカニズムの低分子経口剤で、がん細胞に発現する酵素 NQO1 によって生体内活性化
     を受け、活性酸素種を産生することで STAT3 を含むがん幹細胞性やがんの増悪に関わる経路を阻害
     し、最終的にはがん細胞を死に至らしめると期待されている。
   ・ 開発段階:
       開発段階      予定適応症     開発地域             併用薬                試験番号
                                 FOLFIRI*3、FOLFIRI*3+
      フェーズ 3   結腸直腸がん(併用) 米国・日本                             CanStem303C
                                 ベバシズマブ
              固形がん*1(併用)      米国       パクリタキセル                  201
       フェーズ   肝細胞がん*2(併用)     米国       ソラフェニブ                   HCC-103
        1/2
                                       イピリムマブ、ペムブロリズマブ、
              固形がん(併用)        米国                                201CIT
                                       ニボルマブ

                            ―補足資料 14―
                                        大日本住友製薬株式会社(4506) 2019 年度決算補足資料
       開発段階        予定適応症       開発地域                併用薬                  試験番号
                                        FOLFOX*3、FOLFOX*3+ベバシズ
       フェーズ                             マ ブ 、 CAPOX*3 、 FOLFIRI*3 、
               消化器がん(併用)      米国                                      246
        1/2                             FOLFIRI*3+ベバシズマブ、レゴラ
                                        フェニブ、イリノテカン
                                        ゲムシタビン+ナブパクリタキセ
                                        ル、FOLFIRINOX*3、FOLFIRI*3、
      フェーズ 1   膵がん(併用)        米国                                      118
                                        イリノテカンリポソーム注射剤+フ
                                        ルオロウラシル+ロイコボリン
     *1 フェーズ 2 段階:卵巣がん、乳がん、メラノーマ等
     *2 フェーズ 2 段階
     *3 FOLFOX: フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチンの併用
        CAPOX : カペシタビン、オキサリプラチンの併用
        FOLFIRI: フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカンの併用
        FOLFIRINOX: フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、オキサリプラチンの併用

alvocidib(DSP-2033)                          起源:Sanofi 社、剤形:注射剤
    ・ 本剤は、低分子のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)9 阻害剤である。がん関連遺伝子の転写制御に関
       与している CDK ファミリーの一つである CDK9 を阻害することによって、抗アポトーシス遺伝子である
       MCL-1 を抑制し、抗腫瘍作用を示すと考えられる。
    ・ 開発段階:
          開発段階           予定適応症       開発地域       併用薬            試験番号
                    急性骨髄性白血病(併用)                             TPI-ALV-201
                                          シタラビン、ミトキサントロン
                    (再発・難治性患者対象)                             (Zella 201)
          フェーズ 2 急性骨髄性白血病(単剤・併用) 米国
                    (ベネトクラクス併用治療後の再       シタラビン              TPI-ALV-202
                    発・難治性患者対象)
          フェーズ                                               TPI-ALV-102
                    骨髄異形成症候群(併用)    米国    デシタビン、アザシチジン
            1/2                                              (Zella 102)
                    急性骨髄性白血病(併用)                             TPI-ALV-101
                                    米国    シタラビン、ダウノルビシン
                    (初発患者対象)                                 (Zella 101)
          フェーズ 1
                    急性骨髄性白血病(併用)
                                    米国    ベネトクラクス            M16-186*
                    (再発・難治性患者対象)
        * AbbVie 社との共同開発

アデグラモチド酢酸塩/ネラチモチドトリフルオロ酢酸塩(DSP-7888)            起源:自社、剤形:注射剤
  ・ 起源:自社、剤形:注射剤
  ・ 本剤は、WT1(Wilms’ tumor gene 1)タンパク由来の治療用がんペプチドワクチンであり、WT1 特異
    的な細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導するペプチドおよびヘルパーT 細胞を誘導するペプチドを含む新
    規ペプチドワクチンである。本剤の投与により誘導される CTL が、WT1 タンパクを発現するがん細胞を
    攻撃することで、種々の血液がんおよび固形がんに対して治療効果を発揮することが期待される。ヘル
    パーT 細胞を誘導するペプチドを加えることによって、CTL を誘導するペプチド単独よりも高い有効性を
    示すと考えられる。本剤は、幅広い患者への適応が期待される。
  ・ 開発段階:
     開発段階          予定適応症            開発地域       併用薬          試験番号
                                                          BBI-DSP7888-
     フェーズ 2 膠芽腫(併用)                米国・日本 ベバシズマブ
                                                          201G
               小児悪性神経膠腫(単剤)*       日本      -                           DB601001
       フェーズ
        1/2                                                            BBI-DSP7888-
               固形がん(併用)            米国      ニボルマブ、ペムブロリズマブ
                                                                       102CI
     * フェーズ 2 段階


                            ―補足資料 15―
                                                大日本住友製薬株式会社(4506) 2019 年度決算補足資料


dubermatinib(TP-0903)                   起源:ユタ大学、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、AXL 受容体チロシンキナーゼを含む複数のキナーゼ阻害剤である。抗がん剤への耐性やが
      んの転移などに関与するとされているキナーゼの一つである AXL を阻害し、間葉系様細胞の性質への
      移行を妨げることによって、様々ながん種の細胞に対する抗腫瘍作用を示すと考えられる。本剤は、非
      臨床試験において、AXL シグナル伝達を阻害し、間葉系様細胞から上皮細胞の性質に逆転させること
      が示されている。
   ・ 開発段階:
      固形がん(単剤・併用):フェーズ 1(米国・日本)

DSP-0509                                             起源:自社、剤形:注射剤
  ・ 本剤は、新規の Toll-like receptor 7(TLR7)アゴニストである。樹状細胞に発現する TLR7 に対するア
      ゴニスト作用を介して、サイトカイン誘導や細胞傷害性 T 細胞(CTL)の活性化を促進すると考えられる。
      さらに、免疫記憶を司るメモリーT 細胞を誘導し、抗腫瘍免疫作用を維持することが期待される。
  ・ 開発段階:固形がん(単剤・併用):フェーズ 1/2(米国)

TP-0184                                起源:自社(Tolero 社)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、TGFβ 受容体スーパーファミリーに属する ALK2 および ALK5 などのキナーゼ阻害作用を有
      する。骨髄異形成症候群では ALK5 経路が活性化し、赤血球分化の異常を引き起こす。本剤は、キナ
      ーゼ阻害を介して抗腫瘍作用を示すことが期待される。
   ・ 開発段階:
      骨髄異形成症候群に伴う貧血(単剤):フェーズ 1/2(米国)
      固形がん(単剤):フェーズ 1(米国)

DSP-0337                                起源:自社、剤形:経口剤
  ・ 本剤は、ナパブカシンの低分子経口プロドラッグである。胃内での安定性や分散性に優れ、腸内でナパ
      ブカシンに変換されて消化管吸収され、薬理作用を発揮することが期待される。
  ・ 開発段階:固形がん(単剤):フェーズ 1(米国)

TP-1287                                  起源:自社(Tolero 社)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)9 を阻害する低分子経口剤である。非臨床試験において、
      良好な経口バイオアベイラビリティが示されるとともに、酵素により切断され CDK9 阻害作用を有する
      alvocidib を生成することが示された。経口投与により長期投与が可能となり、持続的な CDK9 阻害が
      期待される。
   ・ 開発段階:固形がん(単剤):フェーズ 1(米国)

TP-3654                                                       起源:自社(Tolero 社)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、PIM(proviral integration site for Moloney murine leukemia virus)キナーゼ阻害を介して炎
      症性シグナル経路を抑制する。PIM キナーゼは、様々な血液がんおよび固形がんにおいて過剰発現し、
      がん細胞のアポトーシス回避、腫瘍増殖の促進につながる可能性がある。
   ・ 開発段階:
      固形がん(単剤):フェーズ 1(米国)
      骨髄線維症(単剤・併用):フェーズ 1(米国)

TP-1454                                  起源:自社(Tolero 社)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、PKM2(ピルビン酸キナーゼ M2)活性化を介してがん細胞の増殖を抑制するとともに、がん微
      小環境中の免疫状態を改善する。PKM2 は、がん細胞では 2 量体として存在するが、本剤は PKM2 の
      4 量体化(高活性型)を促進する。4 量体の形成によって PKM2 が活性化され、がん細胞の好む嫌気的
      条件を好気的条件へ転換する。これによりがん微小環境中の免疫抑制状態が改善され、免疫チェック
      ポイント阻害薬との相乗効果が期待される。
   ・ 開発段階:
      固形がん(単剤・併用):フェーズ 1(米国)




                                  ―補足資料 16―
                                      大日本住友製薬株式会社(4506) 2019 年度決算補足資料


3. 再生・細胞医薬分野
RVT-802                                              起源:デューク大学
   ・ 本剤は、先天性無胸腺症の小児患者に移植されて免疫応答機能を発揮するように作成された培養ヒト
      胸腺組織で、生涯に 1 回きりの再生医療である。本剤の主要な原料は、心臓病の小児の心臓手術中に
      除去されたヒト胸腺組織である。本剤は患者の大腿四頭筋に移植される。患者自身の骨髄由来幹細胞
      が本剤に移動して成熟 T 細胞に分化することによって、感染を防御する。本剤に反応する患者では多
      様な T 細胞集団が産生され、治療後 6~12 カ月で感染を防御するのに十分な胸腺機能が発達する。
   ・ 開発段階:2019 年 4 月申請(米国)、2019 年 12 月審査結果通知(CRL)を受領(米国)

他家 iPS 細胞由来医薬品
  ・ 当社は産学の連携先と、加齢黄斑変性、パーキンソン病、網膜色素変性、脊髄損傷を対象に、他家(健
     常人)iPS 細胞を用いた再生・細胞医薬事業を推進している。
  ・ 開発段階:
        開発番号      連携先         予定適応症  開発地域     開発段階
                                          フェーズ 1/2
          -   京都大学 iPS 細胞研究所 パーキンソン病 日本
                                          (医師主導治験)
      HLCR011   理化学研究所・ヘリオス   加齢黄斑変性      日本       治験開始に向けて準備中

4. その他の領域
ビベグロン                            起源:Merck Sharp & Dohme 社、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、1 日 1 回経口投与の低分子 β3 アドレナリン受容体作動薬である。膀胱の β3 アドレナリン受
     容体に選択的に作用し、膀胱を弛緩させることで、蓄尿機能を高め、過活動膀胱における尿意切迫感、
     頻尿および切迫性尿失禁の症状を改善する。
   ・ 開発段階:
     過活動膀胱:2019 年 12 月申請(米国)
     前立腺肥大症を伴う過活動膀胱:フェーズ 3(米国)
     過敏性腸症症候群関連疼痛:フェーズ 2(米国)

レルゴリクス                                    起源:武田薬品工業㈱、剤形:経口剤
  ・ 本剤は、1 日 1 回経口投与の低分子 GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)受容体阻害剤である。前立
    腺がんの発生に関与する精巣のテストステロンならびに子宮筋腫や子宮内膜症の成長を刺激すること
    が知られている卵巣のエストラジオールおよびプロゲステロンの産生を抑制する。Myovant 社は、前立
    腺がん向けには単剤の錠剤(120mg)を、子宮筋腫および子宮内膜症向けには配合剤(レルゴリクス
    40mg+エストラジオール 1.0mg+酢酸ノルエチンドロン 0.5mg)を開発している。
  ・ 開発段階:
    子宮筋腫:2020 年 3 月申請(欧州)、フェーズ 3(米国)
    前立腺がん:2020 年 4 月申請(米国)
    子宮内膜症:フェーズ 3(米国)

イメグリミン塩酸塩(PXL008)                         起源:Poxel 社、剤形:経口剤
  ・ 本剤は、テトラヒドロトリアジン系化合物に分類される新規化学物質であり、同系統の化合物として初め
    て臨床試験が実施されている化合物である。ミトコンドリアの機能を改善するという独自のメカニズムを
    有しており、また、2 型糖尿病治療において重要な役割を担う 3 つの器官(膵臓・筋肉・肝臓)に作用し、
    グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進するとともに、インスリン抵抗性を改善、糖新生を抑制
    することで血糖降下作用を示すと考えられる。
  ・ 開発段階:2 型糖尿病 フェーズ 3(日本)(Poxel 社との共同開発)




                          ―補足資料 17―
                                        大日本住友製薬株式会社(4506) 2019 年度決算補足資料


rodatristat ethyl                 起源:Karos Pharmaceuticals 社、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、中枢に移行することなく末梢のセロトニン産生を阻害するように設計されたトリプトファン水酸
       化酵素(TPH)阻害剤のプロドラッグである。過剰なセロトニン産生によって引き起こされる、肺動脈性肺
       高血圧症(PAH)やサルコイドーシスなどの疾患の進行を抑制または病状を改善させると考えられる。
   ・ 開発段階: 肺動脈性肺高血圧症(PAH):フェーズ 2(米国)

MVT-602                               起源:武田薬品工業㈱、剤形:経口剤
  ・ 本剤は、オリゴペプチドキスペプチン 1 受容体アゴニストである。視床下部の神経細胞に存在するキス
      ペプチンが活性化されると視床下部からの GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)の分泌が促進されると
      推測されるが、キスペプチンを刺激し続けることによって、最終的に GnRH が枯渇し、下流のシグナル
      伝達が遮断されると考えられる。それによって、卵胞の成熟に必要な黄体形成ホルモン(LH)を増加さ
      せると予想される。Myovant 社は体外受精を受けている不妊症の女性のためのホルモン製剤の一つと
      なるように本剤を開発している。本剤は、GnRH を刺激した後に採卵前の卵成熟を引き起こす LH の分
      泌を増加させると考えられている。
  ・ 開発段階: 不妊症:フェーズ 2(ドイツ)

URO-902                            起源:Ion Channel Innovation 社、剤形:注射剤
  ・ 本剤は、経口治療薬で効果不十分な過活動膀胱患者のための新規遺伝子治療である。本剤は、Maxi-
      K チャンネルのポア(細孔)を形成するサブユニットをコードするヒト cDNA が組み込まれたプラスミドベ
      クターである。筋細胞に Maxi-K チャンネルを発現させることで、細胞膜を通過するカリウムイオンの流
      れを増加させ、平滑筋細胞の興奮を抑制すると推測される。本メカニズムにより、排尿筋の過活動が正
      常化され、過活動膀胱の諸症状が軽減される可能性がある。
  ・ 開発段階: 過活動膀胱:フェーズ 2(米国)


                                                                  以 上




                            ―補足資料 18―