4506 大日住薬 2020-04-23 08:30:00
レルゴリクスの子宮内膜症を対象としたフェーズ3試験(SPIRIT2)および排卵抑制試験における良好な解析結果について [pdf]

                                                2020 年 4 月 23 日
各 位
                     会 社 名 大日本住友製薬株式会社
                     代表者名 代表取締役社長 野村 博
                           (コード:4506 東証第 1 部)
                     問合せ先 執行役員
                           コーポレートコミュニケーション担当 樋口 敦子
                           (大阪:TEL.06-6203-1407)
                           (東京:TEL.03-5159-3300)


      レルゴリクスの子宮内膜症を対象としたフェーズ 3 試験(SPIRIT2)および
            排卵抑制試験における良好な解析結果について

 大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)は、本日、開発中の 1 日 1 回
経口投与剤であるレルゴリクス配合剤(一般名:レルゴリクス・エストラジオール・酢酸ノルエチンドロン
配合剤)の子宮内膜症に伴う痛みを対象としたフェーズ 3 試験のひとつである、SPIRIT2 試験における
有効性に関する 2 つの主要評価項目および 6 つの主な副次評価項目において、良好な結果を得たこと
について、別添資料のとおりプレスリリースを行いますので、お知らせします。


 なお、本件による当社の 2021 年 3 月期の連結業績への影響は軽微です。


                                                         以 上
                                                       2020 年 4 月 23 日
各 位
                                                    大日本住友製薬株式会社


           レルゴリクスの子宮内膜症を対象としたフェーズ 3 試験(SPIRIT2)および
                 排卵抑制試験における良好な解析結果について

 大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)の連結子会社であるマイオバント・
サイエンシズ・リミテッド(本社:英国、米国ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場、以下「マイオバント社」)は、
開発中の 1 日 1 回経口投与剤であるレルゴリクス配合剤(一般名:レルゴリクス・エストラジオール・酢酸ノル
エチンドロン配合剤、以下「本配合剤」)の子宮内膜症に伴う痛みを対象としたフェーズ 3 試験のひとつであ
る、SPIRIT2 試験(以下「本試験」)における有効性に関する 2 つの主要評価項目および 6 つの主な副次評
価項目において、良好な結果を得たことを 2020 年 4 月 22 日(現地時間)に発表しましたので、お知らせしま
す。

  本試験における主要評価項目は、月経困難症の改善および月経に起因しない下腹部痛の改善の 2 つで
あり、本試験の結果、本配合剤投与群の 75.2%が月経困難症の臨床的に意義のある改善(プラセボ投与群
30.4%、p<0.0001)を示し、月経に起因しない下腹部痛では、本配合剤投与群の 66.0%が臨床的に意義のあ
る改善(プラセボ投与群 42.6%、p<0.0001)を示しました。月経困難症に伴う痛みを評価する数値評価尺度
(0 点から 10 点の 11 段階で構成)では、本配合剤投与群は、平均で 7.2(激しい痛み)から 1.7(軽度の痛み)
へと 75.1%減少させました。
  本試験における 6 つの主な副次評価項目は、24 週目にプラセボと比較した、①平均的な月経困難症の症
状、②平均的な下腹部全体の痛み、③子宮内膜症による健康状態に関する質問票(EHP-30)で測定した日
常活動に対する痛みの影響、④オピオイドを使用しなかった患者の割合、⑤月経に起因しない下腹部痛の
変化、⑥性交疼痛症(痛みを伴う性交)でした。本試験の結果、本配合剤投与群は、①、②、③、④について
統計学的に有意に改善(それぞれ p<0.0001)し、⑤(p=0.0012)および⑥(p=0.0489)についても統計学的に有
意に改善しました。
  安全性については、本配合剤投与群は概して良好な忍容性を示し、骨密度の低下は 24 週間にわたり軽
微でした。本配合剤投与群とプラセボ投与群の有害事象の発現率は、本配合剤投与群で 80.6%、プラセボ投
与群で 75.0%と同程度であり、有害事象による早期の投与中止の割合は、本配合剤投与群で 5.3%、プラセ
ボ投与群 3.9%でした。本配合剤投与群で 10%以上に発現した有害事象のうち発現割合が高かったのは、頭
痛、鼻咽頭痛、ホットフラッシュでした。また、本配合剤投与群で 3 例、プラセボ投与群で 5 例の妊娠が報告
されています。

 また、本配合剤の排卵抑制試験(フェーズ 1 試験)において、全治験参加者(健常女性 67 人)は、84 日間
の本配合剤投与期間中に排卵抑制を達成し、また本配合剤投与中止後に、排卵または月経が再開(排卵
までの平均時間は 23.5 日)しました。

*本件の詳細についてはマイオバント社のプレスリリースをご覧ください。
(https://investors.myovant.com/node/8251/pdf)




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(ご参考)
レルゴリクスについて
  レルゴリクスは、1 日 1 回経口投与の低分子 GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)受容体阻害剤であり、
子宮筋腫や子宮内膜症の成長を刺激することが知られている卵巣のエストラジオールおよび前立腺がんの
発生に関与する精巣のテストステロンの産生を抑制します。マイオバント社は、子宮筋腫および子宮内膜症
向けには本配合剤(レルゴリクス 40mg+エストラジオール 1.0mg+酢酸ノルエチンドロン 0.5mg)を、前立腺が
ん向けには単剤の錠剤(120mg)を開発しています。

子宮内膜症を対象としたフェーズ 3 試験(SPIRIT 試験)について
 マイオバント社が行っている子宮内膜症に伴う痛みを抱える患者を対象とした本配合剤のフェーズ 3 試験
は、重複する 2 つの国際共同臨床試験(SPIRIT1&2 試験)で構成され、本配合剤を 24 週間 1 日 1 回投与、
レルゴリクス 40 ㎎のみを 12 週間 1 日 1 回投与後に本配合剤を 12 週間 1 日 1 回投与、プラセボを 24 週
間 1 日 1 回投与に割り付けられました。
 SPIRIT 1 または SPIRIT 2 試験を完了した、延長試験の対象となるすべての治験参加者は、追加で 80 週
間の本配合剤の投与を受け、治療期間の合計が最大で 104 週間となり、本配合剤による長期の安全性と
持続的な有効性が評価されています。

排卵抑制試験について
  排卵抑制試験は、オープンラベル・単群のフェーズ 1 試験であり、排卵状態を確認するための前治療期
間、排卵抑制に対する本配合剤の効果を評価するための 84 日間(3 サイクル)の治療期間および排卵が再
開するまでの時間を計測する治療後のフォローアップ期間で構成されています。排卵抑制については、
Hoogland-Skouby スケールを用いて判定しています。

子宮内膜症について
 子宮内膜症は、子宮腔の外側、通常は下腹部または骨盤の卵巣、膀胱、および結腸に子宮内膜のような
組織が認められる、エストロゲン依存性の炎症性疾患であり、子宮外の子宮内膜様組織は慢性的な炎症を
引き起こし、瘢痕や癒着を引き起こす可能性があります。子宮内膜症に関連する症状には、痛みを伴う期間
と慢性的な下腹部痛、痛みを伴う排卵、性交中または性交後の痛み、大量出血、疲労、不妊症などがあり、
一般的な身体的、精神的、および社会的な活動に影響を与える可能性があります。
 子宮内膜症に伴う痛みに対する最初の治療選択肢は、ホルモン避妊薬と市販の鎮痛薬であり、より重篤
な症例では、リュープロレリン酢酸塩などの GnRH 作動薬が短期間で投与されます。米国では推定 600 万人
の女性が子宮内膜症の症状を抱え、推定 100 万人の女性が現在の治療では不十分であり、さらなる治療を
求めています。また世界では、約 2 億人が罹患しています。

マイオバント社について
 マイオバント社は、婦人科・前立腺がんに対する革新的な治療法の提供に注力するバイオ医薬品企業で
す。マイオバント社は、レルゴリクスの他に、不妊症に対するオリゴペプチドキスペプチン 1 受容体阻害剤で
ある MVT-602(開発コード)を開発中です。マイオバント社は武田薬品工業株式会社より、レルゴリクス(日
本および特定のアジア諸国を除く全世界対象)および MVT-602(全世界対象)を開発・販売するためのライ
センス権を付与されています。
 大日本住友製薬は Roivant Sciences Ltd.(本社:英国 ロンドン・スイス バーゼル)との戦略的提携により、
新設子会社である Sumitovant Biopharma(スミトバント社)の傘下に 2019 年 12 月にマイオバント社を連結子
会社化しました(持株比率:約 53%)。マイオバント社に関する詳細については、https://www.myovant.com.
をご覧ください。



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 スミトバント社は大日本住友製薬の完全子会社であり、5 つのバイオ医薬品子会社のマイオバント社、ユ
ーロバント社、エンジバント社、アルタバント社およびスピロバント社の親会社です。スミトバント社に関する
詳細については、https://www.sumitovant.com をご覧ください。



○本件に関するお問い合わせ先
  大日本住友製薬株式会社 コーポレートコミュニケーション部
    (大阪) TEL 06-6203-1407/(東京) TEL 03-5159-3300




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