4506 大日住薬 2019-09-06 11:30:00
Roivant Sciencesとの戦略的提携に関する基本合意書の締結について [pdf]

                                                              2019 年 9 月 6 日
各 位
                          会 社 名       大日本住友製薬株式会社
                          代表者名        代表取締役社長 野村 博
                                      (コード:4506 東証第 1 部)
                          問合せ先        執行役員
                                      コーポレートコミュニケーション担当 樋口 敦子
                                      (大阪:TEL.06-6203-1407)
                                      (東京:TEL.03-5159-3300)


         Roivant Sciences との戦略的提携に関する基本合意書の締結について

  大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)は、Roivant Sciences Ltd.(本社:英
国 ロンドン・スイス バーゼル、Founder & CEO:Vivek Ramaswamy、以下「Roivant」)との間で、戦略的提携に
関して基本合意書(以下「本基本合意」)を締結しましたのでお知らせします。


  本基本合意は、独占交渉権および守秘義務の条項を除き、原則として法的拘束力を持たず、今後、両社
は、引き続きデュー・デリジェンスおよび戦略的提携(以下「本戦略的提携」)に関する詳細な条件等についての
協議を行い、2019 年 10 月末を目途に法的拘束力を有する正式契約を締結する予定です。両社は本基本合意
時点から一定期間、法的拘束力のある独占交渉権を互いに付与しており、当該期間中、両社は相手方以外の
第三者との間で、一定条件以上の買収・資産譲渡または提携について協議等を行うことができないものとされ
ています。


1. 本戦略的提携の目的および内容
(1) 本戦略的提携の目的
  当社は、「中期経営計画 2022」において、収益の柱である米国での非定型抗精神病薬「ラツーダ」の独占販
売期間終了後も持続的な成長を実現するため、「成長エンジンの確立」と「柔軟で効率的な組織基盤づくり」を基
本方針として掲げ、事業基盤の再構築に取り組んでいます。
 一方、Roivant は、「Vant」と呼ばれる子会社を通じて革新的な医薬品やヘルスケア領域においてデジタル技
術を基軸とした価値を提供することを目指しています。医薬品業界での経験が豊富な人材やデータ技術分野の
優れた人材を擁しており、医薬品開発に関するデータ関連技術・手法を独自に開発し、アカデミアや他の製薬企
業・ベンチャー企業から開発化合物または技術を獲得し、効率的な臨床開発を推進しています。
  当社は、本戦略的提携により、2022 年度までに承認が期待され、将来的にブロックバスターとなりうる開発
品を含む多数のパイプラインを獲得することに加え、当社グループ全体の R&D 生産性の向上、デジタルトラン
スフォーメーションの加速を図り、中長期的な成長を目指します。




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 (2) 本戦略的提携の内容
 ①本戦略的提携の具体的な内容については、デュー・デリジェンス等引き続き精査が必要な状況ですが、両
社は、今後、以下の内容の正式契約の締結に向けた協議を行います。
 •   当社が、Roivant より、Roivant が保有する Myovant Sciences Ltd.(婦人科領域子会社), Urovant
     Sciences Ltd.(泌尿器科領域子会社), Enzyvant Therapeutics Ltd.(小児希少疾患領域子会社),
     Altavant Sciences Ltd.(呼吸器系希少疾患領域子会社)を含む 5 社の子会社の株式を取得します。な
     お、これらの子会社は有望な開発パイプラインを有しており、2019 年度から 2022 年度までの間に米国
     で複数の製品の承認が期待され、このうちの幾つかはブロックバスターとなることが期待されます。
 •   当社は、Roivant に残る子会社のうち 6 社の株式を取得するオプション(一定の条件下での交渉権)を
     有しており、2024 年度下期までの期間中、各子会社に対する当該オプションを行使することができま
     す。なお、株式取得およびオプションの対象となる 11 社は、合わせて 25 以上の臨床開発プログラムを
     有しています。
 •   Roivant の有する DrugOme テクノロジー(独自のデータ分析エンジンによりパイプライン獲得・臨床開発
     などを加速させるプラットフォーム)および Digital Innovation テクノロジー(事業活動を通じて獲得したデ
     ータを解析することにより業務プロセスの最適化を図るプラットフォーム)、および当該テクノロジーに携
     わる人材を獲得します。これらにより、当社の新薬開発の効率化、デジタルトランスフォーメーションの
     加速が進むものと考えています。なお、当社は、Roivant が引き続きこれらのテクノロジーを使用できる
     ように別途契約を締結します。
 •   当社が Roivant の株式の一定数(10%以上)を取得します。
 •   上記の本戦略的提携に係る取引(上記の株式取得および医薬関連プラットフォーム獲得等を含む)の
     対価として、当社は総額約 30 億米ドル(約 3,200 億円)を Roivant に支払うことを現時点では想定して
     いますが、正式契約で確定されます。


 ②当社は Roivant との間で、本基本合意に基づき、Roivant グループに残るヘルスケアテクノロジー子会社
である Datavant, Inc(外部の複数のヘルスケア関連データを匿名化のうえで連結させ、利用を促進するプラット
フォームを有する子会社)、Alyvant, Inc(ビッグデータ解析により医薬品営業活動を効率化するプラットフォーム
を有する子会社)が提供するサービスに関する事業提携を目的とした契約締結に向けて協議していきます。こ
れにより、当社は、本戦略的提携を通じて獲得する開発品を含む当社製品の事業価値を最大化できると考えて
います。


 当社の代表取締役社長である野村 博は、「当社は、Roivant の画期的なビジネスモデルとそれを生み出した
文化を高く評価しており、開発パイプライン、技術プラットフォーム、特色ある人材を併せ持つ Roivant との関係
を深めていきたいと考えています。両社の戦略的提携により、当社は、米国での「ラツーダ」の独占販売終了後
の成長エンジンを獲得できるだけでなく、中期経営計画 2022 で特定した課題にも対応できること、データとデジ
タル技術を活用した新しい製薬ビジネスモデルへの変革を通じて、2033 年に目指す姿である「グローバル・スペ
シャライズド・プレーヤー」の地位の確立にも大きく寄与することを期待しています。」と述べています。


 Roivant の Founder & CEO である Vivek Ramaswamy は、「大日本住友製薬とこの包括的な提携関係を結べ
ることを嬉しく思っており、この提携を確実に成功させるために、大日本住友製薬と緊密に協力していきます。大
日本住友製薬の主要製品のグローバルにおける商業化に関する知見と、テクノロジーに特化した当社の Vants



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およびプラットフォームのサポートにより、この提携に含まれる Roivant の製品ポートフォリオの価値を高められ
ると期待しています。このパートナーシップは、当社プラットフォームの成果を発揮する機会になると考えていま
す。Roivant は今後も革新的な Vant を設立していきます。」と述べています。


2. 戦略的提携の基本合意先の概要
(1)     名称                 Roivant Sciences Ltd.
(2)     本社所在地              英国・ロンドン、スイス・バーゼル
(3)     代表者の役職・氏名          Founder & CEO: Vivek Ramaswamy
(4)     事業内容               新薬開発・ヘルスケアテクノロジー領域における子会社の設立並びに
                           管理、ヘルスケアデータの解析
(5)     設立年月日              2014 年 4 月 7 日


3. 日程
(1)   取締役会決議                            2019 年 9 月 6 日
(2)   基本合意書の締結                          2019 年 9 月 6 日
(3)   正式契約の締結                           2019 年 10 月末(予定)
(4)   株式の取得および医薬関連プラットフォー               未定
      ム移転の完了日


4. 当社業績に与える影響
 正式契約が締結された場合の当社の 2019 年度以降の連結業績見通しに与える影響は現在精査中であり、
今後、業績予想修正の必要性および公表すべき事項が生じた場合には速やかに開示します。


(ご参考)


Roivant およびその子会社について
 Roivant は 2014 年に設立された非上場企業です。Roivant は、機敏性と起業家精神を重視したバイオテク・
ヘルスケアテクノロジー会社である「Vant」という子会社を複数設立しています。各 Vant は、独特な手法による
人材やテクノロジーの採用を通じて研究開発と販売の効率化に取り組んでいます。


戦略的提携の対象子会社について
 当社が株式取得予定である 5 社のうち 4 社の概要および主な開発品は以下の通りです。
  ・ Myovant Sciences Ltd.:ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場
            リードプログラム:経口 GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)受容体拮抗薬剤の relugolix(一般名)。
                子宮筋腫(良好な結果であった複数のフェーズ 3 試験結果に基づき、2019 年度第 4 四半期
                 に米国で新薬承認申請予定)
                進行性前立腺がん(フェーズ 3 試験を実施中。2019 年度第 4 四半期に速報結果が判明予
                 定)
                子宮内膜症(2 つのフェーズ 3 試験試験を実施中。2019 年度第 4 四半期および 2020 年度
                 第 1 四半期に速報結果が判明予定)


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  ・ Urovant Sciences Ltd.:ナスダック(Nasdaq)上場
        リードプログラム:β アドレナリン受容体作動剤のvibegron(一般名)。
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            過活動膀胱(OAB)(良好な結果であったフェーズ 3 試験結果に基づき、2019 年度第 4 四半
             期に米国で新薬承認申請予定)
            前立腺肥大症を伴う OAB(フェーズ 3 試験を実施中)
            過敏性腸症候群関連疼痛(フェーズ 2 試験を実施中)
  ・ Enzyvant Therapeutics Ltd. :非上場の Roivant の子会社
        リードプログラム:再生細胞医薬品の RVT-802。小児先天性無胸腺症を対象に米国で生物学的製
         剤承認申請(BLA)済み。承認された場合、FDA が承認した最初の RMAT(Regenerative Medicine
         Advanced Therapy:再生医療先端治療)となる可能性がある。米国で 2019 年度に上市を目指して
         いる。
  ・ Altavant Sciences Ltd. :非上場の Roivant の子会社
        リードプログラム:肺疾患治療剤の rodatristat ethyl(一般名)。肺動脈高血圧症(PAH)、特発性肺
         線維症、サルコイドーシスを対象にフェーズ 2 試験を実施中。


DrugOme テクノロジーについて
 医薬品開発戦略や事業開発活動におけるアセット選択を効率化するプラットフォームです。開発計画や試験
デザインの最適化、臨床試験の効率化(施設の選定や患者リクルート)、有望なパイプラインの早期獲得などへ
の活用が期待されます。


Digital Innovation テクノロジーについて
事業活動における様々なニーズに対して、課題解決のためのデジタルソリューションを提供するプラットフォー
ム(機能または体制)です。所属するデータ技術人材は各現場部門からのニーズを直接聴取し、新しいデジタル
技術や自動化などを開発することで業務プロセスの改善を図ります。


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ついては、米国証券取引委員会(SEC)に提出されている Myovant Sciences をご参照ください。 Myovant
Sciences の 2019 年 8 月 6 日に提出されたフォーム 10-Q の四半期報告書に「リスク要因」が記載されており、
それらのリスク要因は適宜修正、補足または置き換えられる可能性があります。

Urovant Sciences Ltd.については、将来予測の記述に関連するリスクや不確実性に関する開示を含む詳細に
ついては、米国証券取引委員会(SEC)に提出されている Urovant Sciences をご参照ください。 Urovant
Sciences の 2019 年 8 月 14 日に提出されたフォーム 10-Q の四半期報告書の「リスク要因」が記載されており
それらのリスク要因は適宜修正、補足または置き換えられる可能性があります。



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