4506 大日住薬 2021-10-27 15:00:00
2021年度(2022年3月期)第2四半期決算(IFRS)補足資料 [pdf]
証券コード:4506
2021年度(2022年3月期)第2四半期決算(IFRS)補足資料
―目次―
Ⅰ. 連結業績ハイライト 1
Ⅱ. 連結損益計算書 3
Ⅲ. セグメント情報 4
Ⅳ. 売上の状況 5
Ⅴ. 連結財政状態計算書 7
Ⅵ. 四半期業績の推移 8
Ⅶ. 主要な連結子会社の状況 8
Ⅷ. 株式の状況 9
Ⅸ. 開発状況表 10
Ⅹ. 主な開発品のプロフィール 13
2021年10月27日
大日本住友製薬株式会社
・ 本資料には、当社グループに関する業績その他の予想、見通し、目標、計画その他の将来に関する事項が含まれて
います。これらの事項は、発表日現在において入手可能な情報による当社の仮定、見積り、見通しその他の判断に
基づくものであり、既知または未知のリスクおよび不確実性が内在しています。したがって、その後のさまざまな要因
により、予想・計画・目標等が記載どおりに実現しない可能性や、実際の業績、開発の成否・進捗その他の見通し等
が記載内容と大きく異なる結果となる可能性があります。
連結子会社であるマイオバント社はニューヨーク証券取引所に上場しており、当社グループはマイオバント社の発行
済株式の約54%を保有しています。本資料にはマイオバント社に関する情報が含まれていますが、これらは同社によ
る開示済の情報に基づいています。マイオバント社に関する詳細については、https://www.myovant.com/ をご覧くだ
さい。
・ 本資料の数字は四捨五入で表示しています。四捨五入のため、合計数字に差異が生じる場合があります。
大日本住友製薬株式会社(4506) 2021年度第2四半期決算補足資料
I.連結業績ハイライト IFRS
(億円)
1.連結損益計算書(コアベース) 2020年度 2021年度 2020年度 前期比 2021年度 前期比
増減率%
2Q累計 2Q累計 実績 増減率% 業績予想 増減率%
売上収益 2,615 2,937 12.3 5,160 6.9 ## 5,780 12.0
売上原価 *1 707 769 8.7 1,375 7.1 ## 1,560 13.5
売上総利益 1,908 2,169 13.7 3,785 6.8 ## 4,220 11.5
販売費及び一般管理費 *1 936 1,244 33.0 2,118 11.5 ## 2,630 24.2
研究開発費 *1 492 457 △7.1 971 4.8 ## 950 △ 2.1
その他の収益・費用 *2 △0 12 △0 -
コア営業利益 480 479 △0.1 696 △3.3 ## 640 △ 8.0
条件付対価公正価値の変動額(△:損) 1 △1 225 ## △10
その他の非経常項目(△:損) *3 △5 △2 △208 ## △20
営業利益 475 476 0.1 712 △14.4 ## 610 △ 14.4
四半期(当期)利益 303 300 △1.2 368 2.5 非開示
親会社の所有者に帰属する
四半期(当期)利益
373 365 △2.3 562 38.0 ## 410 △ 27.1
基本的1株当たり四半期(当期)利益(円) 93.88 91.75 141.50 103.20
親会社所有者帰属持分
四半期(当期)利益率(ROE)
7.0% 6.3% 10.1% 6.9%
(億円) *1 :非経常項目(減損損失、条件付対価
公正価値の変動額等)を除く
2.連結損益計算書(フルベース) 2020年度 2021年度
増減率% *2 :事業譲渡損益、持分法による損益等
2Q累計 2Q累計
*3 :*2を除くその他の収益・費用、減損損失
売上収益 2,615 2,937 12.3 等の非経常項目
売上原価 707 769 8.7
売上総利益 1,908 2,169 13.7
販売費及び一般管理費 942 1,247 32.4
研究開発費 492 457 △ 7.1
その他の収益・費用 1 11
営業利益 475 476 0.1
金融収益・費用 △ 39 17
税引前四半期利益 437 493 12.9
法人所得税 133 193
四半期利益 303 300 △ 1.2
親会社の所有者に帰属する四半期利益 373 365 △ 2.3
3.連結キャッシュ・フロー計算書 2020年度 2021年度
(億円)
2Q累計 2Q累計
営業活動によるキャッシュ・フロー 261 △ 282
投資活動によるキャッシュ・フロー 194 36
財務活動によるキャッシュ・フロー △ 98 △ 132
現金及び現金同等物の期末残高 1,347 1,565
4. 為替換算レート 2020年4-9月
2021年度 為替感応度(2021年度)
2021年4-9月 (1円円安の影響)
想定レート
売上収益 コア営業
期末日 平均 期末日 平均 平均 (億円) 利益(億円)
円/USD 105.8 106.9 112.0 109.8 110.0 32 △2
円/元 15.5 15.3 17.3 17.0 16.5 18 5
―補足資料1―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2021年度第2四半期決算補足資料
5.設備投資の状況・ 2020年度 2021年度 2021年度 前期比
増減額 (億円)
減価償却費 2Q累計 2Q累計 予想 増減額
設備投資額 42 57 15 120 △7
有形固定資産償却費 53 56 3 101 △5
無形資産償却費 42 125 83 264 144
うち製品に係る無形資産
(特許権・販売権)償却費 29 112 82 237 141
(注)設備投資額は、有形固定資産とソフトウエアの設備投資額を記載しています。
2021年度の主な設備投資計画
(継続中) 生産設備増強、総投資額20億円、2022年度完了予定
再生・細胞医薬製造施設新設、総投資額11億円、2021年度稼働予定
(新規) 東京本社移転、総投資額16億円、2022年度完了予定
―補足資料2―
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Ⅱ.連結損益計算書 IFRS
1.連結損益計算書(コアベース) (億円)
2020年度 2021年度
増減額 増減率%
2Q累計 2Q累計 増減 うち為替
売上収益 2,615 2,937 322 12.3 日本 △8
北米 303 +46
海外売上 1,668 1,979 311 18.7 中国 58 +18
63.8% 67.4% 海外その他 △ 48
海外売上比率
売上原価 707 769 62 8.7
売上原価率 27.0% 26.2%
売上総利益 1,908 2,169 261 13.7
販売費及び一般管理費 936 1,244 309 33.0 うちスミトバント +264
人件費 461 568 107 23.1
広告宣伝費 88 90 2 1.7
販売促進費 65 86 21 32.1
減価償却費 65 148 83 128.2
その他 256 353 96 37.6
研究開発費 492 457 △ 35 △ 7.1
研究開発費売上収益比率 18.8% 15.6%
その他の収益・費用 △0 12 12
コア営業利益 480 479 △1 △ 0.1 条件付対価変動額(△:損) 20/2Q 21/2Q
条件付対価公正価値 旧ボストン・バイオメディカル関連 △2 -
1 △1 △2 旧トレロ関連 3 △1
の変動額 (△:損)
その他の非経常項目 (△:損) △5 △2 3
営業利益 475 476 0 0.1
金融収益 7 32 25
金融費用 46 15 △ 31
税引前四半期利益 437 493 56 12.9
法人所得税 133 193 60
四半期利益 303 300 △4 △ 1.2
親会社の所有者に帰属する
373 365 △8 △ 2.3
四半期利益
2.コア営業利益への調整項目
(億円)
2021年度2Q累計 フルベース コアベース 調整額 主な調整項目
売上収益 2,937 2,937 -
売上原価 769 769 -
売上総利益 2,169 2,169 -
販売費及び一般管理費 1,247 1,244 △ 2 ・条件付対価公正価値の変動額 △1
研究開発費 457 457 -
その他の収益 15 12 △3
その他の費用 4 - △4
営業利益 476 479 3
―補足資料3―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2021年度第2四半期決算補足資料
Ⅲ.セグメント情報(コアベース)
(億円)
医薬品事業
2021年度2Q累計 海外 その他 連結
日本 北米 中国 合計
その他
売上収益(外部顧客向け) 766 1,749 181 46 2,742 196 2,937
売上原価 413 152 31 22 618 151 769
売上総利益 353 1,596 150 24 2,124 45 2,169
販売費及び一般管理費 255 894 54 15 1,219 26 1,244
コアセグメント利益 98 702 96 9 905 19 924
研究開発費 *1 453 4 457
その他の収益・費用(コア内)*2 12 0 12
コア営業利益 464 15 479
(億円)
医薬品事業
2020年度2Q累計 海外 その他 連結
日本 北米 中国 合計
その他
売上収益(外部顧客向け) 773 1,445 123 93 2,435 180 2,615
売上原価 402 115 22 32 571 136 707
売上総利益 372 1,330 101 62 1,864 44 1,908
販売費及び一般管理費 238 622 38 13 911 25 936
コアセグメント利益 133 708 63 49 953 19 972
研究開発費 *1 488 4 492
その他の収益・費用(コア内)*2 △0 △0 △0
コア営業利益 465 15 480
(億円)
医薬品事業
2021年度予想 海外 その他 連結
日本 北米 中国 合計
その他
売上収益(外部顧客向け) 1,500 3,497 298 103 5,398 382 5,780
売上原価 781 385 55 46 1,267 293 1,560
売上総利益 719 3,112 243 57 4,131 89 4,220
販売費及び一般管理費 529 1,919 109 16 2,573 57 2,630
コアセグメント利益 190 1,193 134 41 1,558 32 1,590
研究開発費 *1 940 10 950
その他の収益・費用(コア内)*2 - - -
コア営業利益 618 22 640
*1 医薬品の研究開発費は、グローバルに管理しているため各セグメントに配分していません。
*2 事業譲渡損益、持分法による損益等
―補足資料4―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2021年度第2四半期決算補足資料
Ⅳ.売上の状況 IFRS
1.医薬セグメント別売上収益 (外部顧客向け) (億円)
2020年度 2021年度 2021年度
セグメント 増減額 増減率%
予想
進捗率%
2Q累計 2Q累計
日本 773 766 △8 △ 1.0 ## 1,500 51.1
北米 1,445 1,749 303 21.0 ## 3,497 50.0
中国 123 181 58 47.5 ## 298 60.9
海外その他 93 46 △ 48 △ 50.9 ## 103 44.5
2.主要製品の販売状況①
(仕切価ベース、億円)
品目 2020年度 2021年度 2021年度
増減額 増減率% 進捗率%
[薬効] 2Q累計 2Q累計 予想
日本
プロモーション品
エクア・エクメット
[2型糖尿病治療剤]'19.11~
204 193 △ 12 △ 5.7 ## 374 51.5
トルリシティ *
[2型糖尿病治療剤]
168 172 4 2.3 ## 382 45.0
トレリーフ
83 84 2 1.9 ## 179 47.1
[パーキンソン病治療剤]
リプレガル
69 71 2 2.9 ## 138 51.5
[ファブリー病治療剤]
メトグルコ
47 41 △6 △ 11.8 ## 69 60.0
[2型糖尿病治療剤]
ラツーダ
[非定型抗精神病薬]'20.6~
9 30 21 243.6 ## 67 44.9
ロナセンテープ
[非定型抗精神病薬]'19.9~
6 10 4 71.9 ## 25 38.2
その他品目
アムロジン
33 29 △4 △ 13.3 ## 50 57.8
[高血圧症・狭心症治療薬]
オーソライズドジェネリック品 38 48 11 28.3 ## 101 47.7
* トルリシティの売上収益は薬価ベースの数値
―補足資料5―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2021年度第2四半期決算補足資料
2.主要製品の販売状況② IFRS
(億円)
品目 2020年度 2021年度 2021年度
増減額 増減率% 進捗率%
[薬効] 2Q累計 2Q累計 予想
北米
ラツーダ
1,046 1,010 △ 36 △ 3.4 ##### 2,204 45.8
[非定型抗精神病薬]
アプティオム
134 136 3 2.0 (274) 274 49.7
[抗てんかん剤]
ブロバナ
151 91 △ 60 △ 39.9 (117) 117 77.6
[COPD治療剤]
キンモビ
[パーキンソン病に伴うオフ症状治療剤] 1 3 2 166.4 (31) 31 10.9
'20.9~
オルゴビクス
- 32 32 - 非開示 -
[進行性前立腺がん治療剤] '21.1~
マイフェンブリ―
- 4 4 - 非開示 -
[子宮筋腫治療剤] '21.6~
ジェムテサ
- 21 21 - 非開示 -
[過活動膀胱治療剤] '21.4~
中国
メロペン
99 144 45 45.4 (225) 225 64.0
[カルバペネム系抗生物質製剤]
海外その他
メロペン
34 25 △9 △ 26.2 (57) 57 44.3
[カルバペネム系抗生物質製剤]
(参考)北米 現地通貨ベース (百万ドル)
2020年度 2021年度 2021年度
品目 2Q累計 2Q累計
増減額 増減率%
予想
進捗率%
ラツーダ 978 920 △ 58 △ 6.0 ##### 2,004 45.9
アプティオム 125 124 △1 △ 0.7 (249) 249 49.8
ブロバナ 141 83 △ 59 △ 41.5 (106) 106 78.0
キンモビ 1 3 2 159.4 (28) 28 11.0
オルゴビクス - 29 29 - (-) 非開示 -
マイフェンブリ― - 3 3 - (-) 非開示 -
ジェムテサ - 19 19 - (-) 非開示 -
―補足資料6―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2021年度第2四半期決算補足資料
Ⅴ.連結財政状態計算書 IFRS
(億円)
2021年 2021年 対前年度末
科 目
3月末 9月末 増減額
資産 13,081 12,674 △ 407
(非流動資産) 8,483 8,184 △ 300
のれん内訳 21/3 21/9
有形固定資産 650 637 △ 13 オンコロジー(SDPO)以外 1,523 1,540
のれん 1,765 1,785 20 オンコロジー(SDPO)関連 242 245
無形資産 3,834 3,788 △ 46 主な特許権 21/3 21/9
キンモビ(アポモルヒネ) 513 495
特許権・販売権 2,107 3,433 1,326 オルゴビクス(レルゴリクス) 623 611
仕掛研究開発 1,659 284 △ 1,375 マイフェンブリー(レルゴリクス) - *1,318
ジェムテサ(ビベグロン) 913 891
その他 68 70 2 *仕掛研究開発からの振替による増加
その他の金融資産 1,930 1,546 △ 385 主な仕掛研究開発 21/3 21/9
その他の非流動資産 102 103 0 旧トレロ品目 177 179
レルゴリクス 1,332 *-
繰延税金資産 202 327 125 *特許権への振替による減少
(流動資産) 4,598 4,491 △ 107
棚卸資産 922 928 6 有価証券の評価変動による減少
営業債権及びその他の債権 1,359 1,760 401 開発・販売提携一時金等による増加
その他の金融資産 295 134 △ 161 短期貸付金の回収による減少
その他の流動資産 85 104 19
現金及び現金同等物 1,937 1,565 △ 372
負債 6,599 6,187 △ 412
(非流動負債) 3,818 3,579 △ 240
社債・借入金合計
社債及び借入金 2,639 2,440 △ 199 2,738 → 2,704
その他の金融負債 214 180 △ 34
退職給付に係る負債 151 151 0
その他の非流動負債 530 547 17
繰延税金負債 284 261 △ 23
条件付対価公正価値残高 今後の支払
(流動負債) 2,781 2,609 △ 173 21/3 21/9 総額(最大)
借入金 100 265 165 旧トレロ関連 83 75 $360M
その他の金融負債(非流動・流動)の内数
営業債務及びその他の債務 646 482 △ 164
その他の金融負債 233 197 △ 36
未払法人所得税 245 201 △ 44
引当金 999 952 △ 46
その他の流動負債 558 511 △ 48
資本 6,482 6,487 5
資本金 224 224 -
資本剰余金 159 154 △5
自己株式 △7 △7 △0
利益剰余金 5,087 5,420 334
その他の資本の構成要素 343 32 △ 312
親会社の所有者に帰属する持分 5,806 5,823 17
非支配持分 676 664 △ 12
―補足資料7―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2021年度第2四半期決算補足資料
Ⅵ.四半期業績の推移
(億円)
2020年度 2021年度
コアベース
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
売上収益 1,339 1,276 1,333 1,212 1,312 1,625 1,333 1,212
売上原価 360 347 341 327 385 384 341 327
売上総利益 979 929 992 885 927 1,242 992 885
販売費及び一般管理費 478 458 521 660 620 625 521 660
研究開発費 257 235 225 254 224 233 225 254
その他の収益・費用(コア内) △0 △0 0 △0 2 10 0 △0
コア営業利益 244 236 246 △ 30 85 394 246 △ 30
条件付対価に係る
公正価値の変動額(△:損)
△ 12 13 △4 228 △1 △1 △4 228
その他の非経常項目(△:損) 1 △6 159 △ 362 △1 △1 159 △ 362
営業利益 233 243 400 △ 163 83 393 400 △ 163
四半期利益 156 148 276 △ 211 8 292 276 △ 211
親会社の所有者に帰属する
四半期利益 183 190 330 △ 140 48 316 330 △ 140
Ⅶ.主要な連結子会社の状況(2021年9月30日現在)
国内 設立年月 持株比率 従業員数 主な事業内容
DSP五協フード&ケミカル株式会社 1947/10 100% 205名 食品素材・食品添加物および化学製品材料等の製造、販売
DSファーマアニマルヘルス株式会社 2010/ 7 100% 95名 動物用医薬品等の製造、販売
DSファーマプロモ株式会社 1998/ 6 100% 41名 医療用医薬品等の製造、販売
海外 設立年月 持株比率 従業員数 主な事業内容
スミトモダイニッポンファーマ アメリカ・インク 2009/7 100% 169名 持株会社、一般管理業務のシェアードサービス
サノビオン・ファーマシューティカルズ・インク 1984/ 1 100% *1,235名 医療用医薬品の製造、販売
スミトモダイニッポンファーマ オンコロジー・インク 2006/11 100% 187名 がん領域の研究開発
スミトバント・バイオファーマ・インク 2019/10 100% 94名 スミトバントグループ会社の管理および事業戦略等の策定推進
マイオバント・サイエンシズ・リミテッド 2016/ 2 54% *548名 医療用医薬品(婦人科、前立腺がん)の研究開発、製造、販売
ユーロバント・サイエンシズ・リミテッド 2016/ 1 100% *295名 医療用医薬品(泌尿器科疾患)の研究開発、製造、販売
エンジバント・セラピューティクス・リミテッド 2016/ 1 100% *27名 医療用医薬品(小児希少疾患)の研究開発
アルタバント・サイエンシズ・リミテッド 2017/ 9 100% *21名 医療用医薬品(呼吸器系希少疾患)の研究開発
スピロバント・サイエンシズ・リミテッド 2019/ 2 100% *29名 医療用医薬品(嚢胞性線維症(遺伝子治療))の研究開発
住友制葯(蘇州)有限公司 2003/12 100% 771名 医療用医薬品の製造、販売
*従業員数は傘下の連結子会社の人員を含む
参考)従業員数 (名) 2020/3/31 2021/3/31 2021/9/30
連結/個別 6,457 3,023 6,822 3,067 7,027 3,090
MR人数(コントラクトMR含む)
日本 マネージャー除く/総数 1,220 1,340 1,150 1,270 1,110 1,220
米国 マネージャー除く/総数 650 740 720 840 820 950
中国 マネージャー除く/総数 330 400 340 410 350 420
―補足資料8―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2021年度第2四半期決算補足資料
Ⅷ.株式の状況(2021年9月30日現在)
1.発行可能株式総数 1,500,000,000株
2.発行済株式の総数 397,900,154株 (自己株式606,937株を含む)
3.所有者別株式数
所有者区分 株主数(名) 株式数(千株) 構成比(%)
金融機関 46 94,455 23.74
金融商品取引業者 43 3,248 0.81
その他の法人 283 229,509 57.68
外国法人等 659 49,450 12.43
個人・その他(自己株式を含む) 21,394 21,235 5.34
合計 22,425 397,900 100
(注)株式数は千株未満を切り捨てています。
4.上位10名の株主
株主名 持株数(千株) 持株比率(%)
住友化学株式会社 205,634 51.76
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 39,058 9.83
稲畑産業株式会社 15,282 3.85
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 12,721 3.20
日本生命保険相互会社 7,581 1.91
株式会社SMBC信託銀行
7,000 1.76
(株式会社三井住友銀行退職給付信託口)
住友生命保険相互会社 5,776 1.45
株式会社日本カストディ銀行(信託口7) 4,074 1.03
大日本住友製薬従業員持株会 2,894 0.73
ステート ストリート バンク ウェスト クライアント トリーティー 505234 2,853 0.72
(注1) 持株比率は、自己株式(606,937株*)を控除して計算しています。(*当社名義で実質的に所有して
いない株式1,000株を除く)
(注2) 持株数は千株未満を切り捨てています。
―補足資料9―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2021 年度第 2 四半期決算補足資料
Ⅸ.開発状況表(2021 年 10 月 27 日現在)
・ この表には当社グループが日本・米国・中国・欧州において承認取得を目指す適応症に関する臨床試験を
掲載しており、全ての臨床試験は掲載していません。
・ 同じ地域・適応症で複数の試験がある場合は、最も進んでいる開発段階の試験のみを記載しています。
・ 開発段階の変更基準は、治験届受理日としています。
1. 精神神経領域
製品/コード名
予定適応症 地域 開発段階
(一般名)
SEP-363856 統合失調症 米国 フェーズ 3
(ulotaront) 日本・中国 フェーズ 2/3(国際共同試験)
パーキンソン病に伴う精神病症状 米国 フェーズ 2
ラツーダ (新効能)双極Ⅰ型障害うつ 中国 フェーズ 3
(ルラシドン塩酸塩) (新用法:小児)統合失調症 日本 フェーズ 3
EPI-589 パーキンソン病 米国 フェーズ 2
筋萎縮性側索硬化症(ALS) 米国 フェーズ 2
日本 フェーズ 2(医師主導治験)
SEP-4199 双極Ⅰ型障害うつ 米国 フェーズ 3(国際共同試験)
日本 フェーズ 3(国際共同試験)
準備中
DSP-6745 パーキンソン病に伴う精神病症状 米国 フェーズ 1
SEP-378608 双極性障害 米国 フェーズ 1
DSP-3905 神経障害性疼痛 米国 フェーズ 1
SEP-378614 未定 米国 フェーズ 1
SEP-380135 未定 米国 フェーズ 1
DSP-1181 強迫性障害 日本 フェーズ 1
DSP-0038 アルツハイマー病に伴う精神病症状 米国 フェーズ 1
DSP-9632P パーキンソン病におけるレボドパ誘発 日本 フェーズ 1
性ジスキネジア
2. がん領域
製品/コード名
予定適応症 地域 開発段階
(一般名)
レルゴリクス 前立腺がん 欧州 申請(2021/3)
DSP-7888 膠芽腫 米国・日本 フェーズ 3(国際共同試験)
(アデグラモチド酢酸塩/
ネラチモチドトリフルオロ酢酸塩) 固形がん 米国 フェーズ 1/2
TP-0903 急性骨髄性白血病(AML) 米国 フェーズ 1/2(外部研究機関
(dubermatinib) 主導治験)
DSP-0509 固形がん 米国 フェーズ 1/2
(guretolimod)
TP-0184 骨髄異形成症候群に伴う貧血 米国 フェーズ 1/2
(itacnosertib)
―補足資料 10―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2021 年度第 2 四半期決算補足資料
DSP-5336 血液がん 米国 フェーズ 1/2
TP-1287 固形がん 米国 フェーズ 1
TP-3654 骨髄線維症 米国・日本 フェーズ 1
TP-1454 固形がん 米国 フェーズ 1
DSP-0390 固形がん 米国・日本 フェーズ 1
3. 再生・細胞医薬分野
製品/コード名
予定適応症 地域 開発段階
(一般名)
他家 iPS 細胞由来ドパミン神 パーキンソン病 日本 フェーズ 1/2
経前駆細胞 (医師主導治験)
HLCR011 加齢黄斑変性 日本 治験開始に向けて準備中
(他家 iPS 細胞由来網膜色
素上皮)
4. その他の領域
製品/コード名
予定適応症 地域 開発段階
(一般名)
マイフェンブリー (新効能)子宮内膜症 米国 申請(2021/7)
(レルゴリクス)
レファムリン 細菌性市中肺炎 中国 申請(2021/10)
ジェムテサ (新効能)前立腺肥大症を伴う過活動 米国 フェーズ 3
(ビベグロン) 膀胱
rodatristat ethyl 肺動脈性肺高血圧症(PAH) 米国 フェーズ 2
MVT-602 不妊症 ドイツ フェーズ 2
URO-902 過活動膀胱 米国 フェーズ 2
5. フロンティア事業
製品/コード名 予定適応症 地域 開発段階
SMC-01
(2 型糖尿病管理指導用モバ 2 型糖尿病 日本 フェーズ 3
イルアプリケーション)
―補足資料 11―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2021 年度第 2 四半期決算補足資料
【前回 2021 年 7 月決算発表時点からの主な変更点】
製品/コード名
予定適応症 地域 開発段階 変更内容
(一般名)
RVT-802 小児先天性無胸腺症 米国 承認取得 承認取得のため
(2021/10) 表から削除
レファムリン 細菌性市中肺炎 中国 申請(2021/10) 申請
EPI-589 筋萎縮性側索硬化症 日本 フェーズ 2 開発段階変更
(ALS) (医師主導治験)
SEP-4199 双極Ⅰ型障害うつ 米国 フェーズ 3
(国際共同試験)
日本 フェーズ 3
(国際共同試験)
準備中
SEP-378614 未定 米国 フェーズ 1 予定適応症を検
討中のため未定
SEP-380135 未定 米国 フェーズ 1
に変更
DSP-9632P パーキンソン病における 日本 フェーズ 1 新規掲載
レボドパ誘発ジスキネジア
TP-3654 骨髄線維症 米国・日本 フェーズ 1 日本を追加
―補足資料 12―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2021 年度第 2 四半期決算補足資料
Ⅹ.主な開発品のプロフィール(2021 年 10 月 27 日現在)
1. 精神神経領域
ulotaront(SEP-363856) 起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤は、セロトニン 5-HT1A アゴニスト活性を持つ TAAR1(微量アミン関連受容体 1)アゴニストであり、
ドパミン D2 またはセロトニン 5-HT2A 受容体には結合しない。Sunovion 社は、in vivo 表現型
SmartCube®プラットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用して PsychoGenics 社と共同で
本剤を見出した。統合失調症患者を対象としたフェーズ 2 の結果では、統合失調症の陽性症状および
陰性症状への効果を示し、錐体外路症状、体重増加、脂質およびグルコースの異常、プロラクチン上昇
の副作用はプラセボと同程度であった。
・ 開発段階:(大塚製薬㈱との共同開発)
統合失調症:フェーズ 3(米国)
統合失調症:フェーズ 2/3(日本・中国)
パーキンソン病に伴う精神病症状:フェーズ 2(米国)
EPI-589 起源:PTC Therapeutics 社(BioElectron 社から取得)、剤形:経口剤
・ 本剤は、ミトコンドリアの機能低下により発生する酸化ストレスを除去することにより効果を発揮し、酸化
ストレスに起因する神経変性疾患への適応が期待される。
・ 開発段階:
パーキンソン病:フェーズ 2(米国)
筋萎縮性側索硬化症(ALS):フェーズ 2(米国)
筋萎縮性側索硬化症(ALS):フェーズ 2(医師主導治験*)(日本) *実施者:徳島大学
SEP-4199 起源:自社(Sunovion 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、アミスルプリド鏡像異性体の非ラセミ混合物である。Sunovion 社は、アミスルプリドの薬理作
用は鏡像異性体に特異的であり、S 体に対する R 体の比率を増加させることにより、ドパミン D2 受容体
に比べてセロトニン 5-HT7 受容体への作用が高まることを見出した。本剤は、抗うつ作用を強めるため
にセロトニン 5-HT7 活性を高め、双極性障害うつ治療に適したレベルのドパミン D2 受容体占有率となる
よう R 体と S 体の比率が 85:15 に設計されている。
・ 開発段階:(大塚製薬㈱との共同開発)
双極Ⅰ型障害うつ フェーズ 3(米国)
双極Ⅰ型障害うつ フェーズ 3 準備中(日本)
DSP-6745 起源:自社、剤形:経口剤
・ 本剤は、セロトニン 5-HT2A とセロトニン 5-HT2C 受容体に対するデュアルアンタゴニストであり、パーキ
ンソン病に伴う精神病症状、およびパーキンソン病の非運動症状(non-motor symptoms;うつ、不安、
認知機能障害)に対する効果が期待される。また、本剤はドパミン D2 受容体拮抗作用がない。
・ 開発段階:パーキンソン病に伴う精神病症状 フェーズ 1(米国)
SEP-378608 起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤は、中枢神経系に作用する新規化合物である。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラ
ットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-378608 を見
出した。非臨床試験において、気分の制御に関係する重要な脳領域での神経活動を調節する可能性
が示唆されている。
・ 開発段階:双極性障害 フェーズ1(米国)
DSP-3905 起源:自社、剤形:経口剤
・ 本剤は、電位依存性ナトリウムチャンネル Nav1.7 選択的アンタゴニストであり、本剤の阻害様式から
神経が過剰に興奮している疼痛時に強い鎮痛作用を示すことが期待される。また、既存の神経障害性
―補足資料 13―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2021 年度第 2 四半期決算補足資料
疼痛治療薬では中枢神経系や心臓系の副作用が発症することもあるが、末梢神経に発現する Nav1.7
に高い選択性を示す本剤は、そのような副作用を起こしにくいことが期待される。
・ 開発段階:神経障害性疼痛 フェーズ 1(米国)
SEP-378614 起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤は、中枢神経系に作用する新規化合物である。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラ
ットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-378614 を見
出した。非臨床試験において、即効性かつ持続性の抗うつ薬様活性を発現し、神経可塑性を高める可
能性が示唆されている。
・ 開発段階:フェーズ 1(米国)(大塚製薬㈱との共同開発)
SEP-380135 起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤は、中枢神経系に作用する新規化合物である。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラ
ットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-380135 を見
出した。非臨床試験において、焦燥、攻撃性、精神運動多亢進、うつ、社会的相互作用の欠如などの認
知症に伴う行動・心理症状に対して有効性を示すことが示唆されている。
・ 開発段階:フェーズ 1(米国)(大塚製薬㈱との共同開発)
DSP-1181 起源:自社(Exscientia 社との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤は、Exscientia 社の AI 技術を用いて当社が創製した新規化合物である。既存のセロトニン
5- HT1A 受容体パーシャルアゴニスト(非ベンゾジアゼピン系の抗不安薬)と異なり、セロトニン 5-HT1A
受容体に対して強力なフルアゴニスト活性を有することや長い半減期が示唆されていることから、長時
間にわたり強い薬効が期待できる。また、強迫性障害に関わる神経回路を操作した病態モデルにおい
て、標準治療薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)よりも早い薬効発現が示唆されてい
る。
・ 開発段階:強迫性障害 フェーズ 1(日本)
DSP-0038 起源:自社(Exscientia 社との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤は、Exscientia 社の AI 技術を用いて当社が創製した新規化合物であり、セロトニン 5-HT2A 受容
体アンタゴニスト活性および 5-HT1A 受容体アゴニスト活性を有する。5-HT2A 受容体アンタゴニストおよ
び 5-HT1A 受容体アゴニスト活性を併せ持つことで強い抗精神病作用を有し、加えて焦燥・攻撃性・不
安・うつ症状などのアルツハイマー病を含む認知症の種々の周辺症状にも幅広く効くことが期待される。
また、本剤はドパミン D2 受容体拮抗作用がないことから、既存抗精神病薬に比べ高い安全性・忍容性
が期待できる。
・ 開発段階:アルツハイマー病に伴う精神病症状 フェーズ 1(米国)
DSP-9632P 起源:自社、剤形:テープ剤
・ 本剤は、セロトニン 5-HT1A 受容体パーシャルアゴニストである。レボドパ由来のドパミン過剰放出を抑
制することで、レボドパ投与後に発現するレボドパ誘発性ジスキネジアへの効果を発揮することが期待
される。非臨床試験において、レボドパ投与によって誘発されたジスキネジア症状を抑制することが示
唆されている。本剤は、経皮吸収型製剤であり安定した血中濃度を示すことで、パーキンソン病におけ
るレボドパ誘発性ジスキネジアに対して効果的な治療法になるとともに、投与面で患者の利便性向上に
つながる可能性がある。
・ 開発段階:パーキンソン病におけるレボドパ誘発性ジスキネジア フェーズ 1(日本)
2. がん領域
アデグラモチド酢酸塩/ネラチモチドトリフルオロ酢酸塩(DSP-7888) 起源:自社、剤形:注射剤
・ 本剤は、WT1(Wilms’ tumor gene 1)タンパクをターゲットにした免疫療法用がんペプチドワクチンで
あり、WT1 特異的な細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導するペプチドおよびヘルパーT 細胞を誘導するペ
―補足資料 14―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2021 年度第 2 四半期決算補足資料
プチドを含む新規ペプチドワクチンである。本剤の投与により誘導される CTL が、WT1 タンパクを発現
するがん細胞を攻撃することで、種々の血液がんおよび固形がんに対して治療効果を発揮することが
期待される。ヘルパーT 細胞を誘導するペプチドを加えることによって、CTL を誘導するペプチド単独よ
りも高い有効性を示すと考えられる。本剤は、幅広い患者への適応が期待される。
・ 開発段階:
予定適応症 併用薬 開発地域 開発段階 試験番号
BBI-DSP7888-
膠芽腫 ベバシズマブ 米国・日本 フェーズ 3
201G
BBI-DSP7888-
固形がん ニボルマブ、ペムブロリズマブ 米国 フェーズ 1/2
102CI
dubermatinib(TP-0903) 起源:ユタ大学、剤形:経口剤
・ 本剤は、AXL 受容体チロシンキナーゼを含む複数のキナーゼ阻害剤である。抗がん剤への耐性やが
んの転移などに関与するとされているキナーゼの一つである AXL を阻害し、間葉系様細胞の性質への
移行を妨げることによって、様々ながん種の細胞に対する抗腫瘍作用を示すと考えられる。本剤は、非
臨床試験において、AXL シグナル伝達を阻害し、間葉系様細胞から上皮細胞の性質に逆転させること
が示されている。
・ 開発段階:急性骨髄性白血病 フェーズ 1/2(外部研究機関主導治験*)(米国)
*米国の非営利団体 LLS(Leukemia & Lymphoma Society)が主導する Beat AML 試験の 1 つの群
guretolimod(DSP-0509) 起源:自社、剤形:注射剤
・ 本剤は、新規の Toll-like receptor 7(TLR7)アゴニストである。樹状細胞に発現する TLR7 に対するア
ゴニスト作用を介して、サイトカイン誘導や細胞傷害性 T 細胞(CTL)の活性化を促進すると考えられる。
さらに、免疫記憶を司るメモリーT 細胞を誘導し、抗腫瘍免疫作用を維持することが期待される。
・ 開発段階:固形がん フェーズ 1/2(米国)
itacnosertib(TP-0184) 起源:自社(旧 Tolero 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、TGFβ 受容体スーパーファミリーに属する ALK2 および ALK5 などのキナーゼ阻害作用を有
する。骨髄異形成症候群では ALK5 経路が活性化し、赤血球分化の異常を引き起こす。本剤は、キナ
ーゼ阻害を介した抗腫瘍作用、ヘプシジン発現の減少、体内で利用可能な鉄の増加およびヘモグロビ
ン正常化を示すことが期待される。
・ 開発段階:骨髄異形成症候群に伴う貧血 フェーズ 1/2(米国)
DSP-5336 起源:自社(京都大学との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤はメニンタンパク質と MLL(mixed-lineage leukemia)タンパク質との結合を阻害する低分子経口
剤である。MLL 再構成や NPM1 遺伝子変異を有する急性白血病では、メニンと MLL の結合による、造
血幹細胞の維持に必要となる遺伝子の異常発現が認められ、急性白血病の発症・維持に関連している
といわれている。本剤は、非臨床試験において、メニンと MLL の結合を阻害することにより、それらの遺
伝子の発現減少を介した抗腫瘍作用が示されている。
・ 開発段階:血液がん フェーズ 1/2(米国)
TP-1287 起源:自社(旧 Tolero 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)9 を阻害する低分子経口剤である。非臨床試験において、
良好な経口バイオアベイラビリティが示されるとともに、酵素により切断され CDK9 阻害作用を有する
alvocidib を生成することが示された。経口投与により長期投与が可能となり、持続的な CDK9 阻害が
期待される。
・ 開発段階:固形がん フェーズ 1(米国)
TP-3654 起源:自社(旧 Tolero 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、PIM(proviral integration site for Moloney murine leukemia virus)キナーゼ阻害を介して炎
症性シグナル経路を抑制する。PIM キナーゼは、様々な血液がんおよび固形がんにおいて過剰発現し、
がん細胞のアポトーシス回避、腫瘍増殖の促進につながる可能性がある。
―補足資料 15―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2021 年度第 2 四半期決算補足資料
・ 開発段階:骨髄線維症 フェーズ 1(米国・日本)
TP-1454 起源:自社(旧 Tolero 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、PKM2(ピルビン酸キナーゼ M2)活性化を介してがん細胞の増殖を抑制するとともに、がん微
小環境中の免疫状態を改善する。PKM2 は、がん細胞では 2 量体として存在するが、本剤は PKM2 の
4 量体化(高活性型)を促進する。4 量体の形成によって PKM2 が活性化され、がん細胞の好む嫌気的
条件を好気的条件へ転換する。これによりがん微小環境中の免疫抑制状態が改善され、免疫チェック
ポイント阻害薬との相乗効果が期待される。
・ 開発段階:固形がん フェーズ 1(米国)
DSP-0390 起源:自社、剤形:経口剤
・ 本剤はコレステロール生合成酵素の一種である EBP(Emopamil Binding Protein)阻害剤である。EBP
は、コレステロール生合成に関与する小胞体膜タンパク質である。EBP は細胞膜構造やシグナル伝達
に重要なコレステロール生合成を調節しており、腫瘍の異常増殖に関わっている。EBP の阻害によって
コレステロールを枯渇させ、抗腫瘍作用を示すことが期待される。
・ 開発段階:固形がん フェーズ1(米国・日本)
3. 再生・細胞医薬分野
他家 iPS 細胞由来医薬品
・ 当社は産学の連携先と、加齢黄斑変性、パーキンソン病、網膜色素変性、脊髄損傷を対象に、他家(健
常人)iPS 細胞を用いた再生・細胞医薬事業を推進している。
・ 開発段階:
開発番号 連携先 予定適応症 開発地域 開発段階
フェーズ 1/2
(医師主導治験、実施者:
- 京都大学 iPS 細胞研究所 パーキンソン病 日本
京都大学医学部附属病
院)
HLCR011 理化学研究所・ヘリオス 加齢黄斑変性 日本 治験開始に向けて準備中
4. その他の領域
レルゴリクス 起源:武田薬品工業㈱、剤形:経口剤
・ 本剤は、1 日 1 回経口投与の低分子 GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)受容体アンタゴニストである。
前立腺がんの発生に関与する精巣のテストステロンならびに子宮筋腫や子宮内膜症の成長を刺激す
ることが知られている卵巣のエストラジオールの産生を抑制する。Myovant 社は、前立腺がん向けに単
剤の錠剤(120mg)で 2020 年 12 月に、子宮筋腫向けに配合剤(レルゴリクス 40mg+エストラジオール
1.0mg+酢酸ノルエチンドロン 0.5mg)で 2021 年 5 月に、それぞれ米国で承認を取得した。子宮内膜症
向けには配合剤を米国で申請している。
・ 開発段階:
前立腺がん 2021 年 3 月申請(欧州)
(新効能)子宮内膜症 2021 年 7 月申請(米国)
ジェムテサ(ビベグロン) 起源:Merck Sharp & Dohme 社、剤形:経口剤
・ 本剤は、1 日 1 回経口投与の低分子 β3 アドレナリン受容体作動薬である。膀胱の β3 アドレナリン受
容体に選択的に作用し、膀胱を弛緩させることで、蓄尿機能を高め、過活動膀胱における尿意切迫感、
頻尿および切迫性尿失禁の症状を改善する。Urovant 社は過活動膀胱の適応症で 2020 年 12 月に米
国で承認を取得した。
・ 開発段階: (新効能)前立腺肥大症を伴う過活動膀胱 フェーズ 3(米国)
レファムリン 起源:Nabriva 社、剤形:経口剤、注射剤
・ 本剤は、プレウロムチリン系の抗菌薬であり、既存の抗菌薬とは異なる作用機序を有する新規の感染
―補足資料 16―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2021 年度第 2 四半期決算補足資料
症治療薬である。本剤は細菌の成長に必要な細菌タンパク質の合成を阻害するように設計されており、
他の抗生物質クラスとは異なる分子部位に、高い親和性と高い特異性をもって結合する。米国では、
2019 年に Nabriva 社より発売されている。
・ 開発段階:細菌性市中肺炎 2021 年 10 月申請(中国)
rodatristat ethyl 起源:Karos Pharmaceuticals 社、剤形:経口剤
・ 本剤は、中枢に移行することなく末梢のセロトニン産生を阻害するように設計されたトリプトファン水酸
化酵素(TPH)アンタゴニストのプロドラッグである。過剰なセロトニン産生によって引き起こされる、肺動
脈性肺高血圧症(PAH)やサルコイドーシスなどの疾患の進行を抑制または病状を改善させると考えら
れる。
・ 開発段階: 肺動脈性肺高血圧症(PAH) フェーズ 2(米国)
MVT-602 起源:武田薬品工業㈱、剤形:経口剤
・ 本剤は、オリゴペプチドキスペプチン 1 受容体アゴニストである。視床下部の神経細胞に存在するキス
ペプチンが活性化されると視床下部からの GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)の分泌が促進されると
推測されるが、キスペプチンを刺激し続けることによって、最終的に GnRH が枯渇し、下流のシグナル
伝達が遮断されると考えられる。それによって、卵胞の成熟に必要な黄体形成ホルモン(LH)を増加さ
せると予想される。Myovant 社は体外受精を受けている不妊症の女性のためのホルモン製剤の一つと
なるように本剤を開発している。本剤は、GnRH を刺激した後に採卵前の卵成熟を引き起こす LH の分
泌を増加させると考えられている。
・ 開発段階: 不妊症 フェーズ 2(ドイツ)
URO-902 起源:Ion Channel Innovation 社、剤形:注射剤
・ 本剤は、経口治療薬で効果不十分な過活動膀胱患者のための新規遺伝子治療である。本剤は、Maxi-
K チャンネルのポア(細孔)を形成するサブユニットをコードするヒト cDNA が組み込まれたプラスミドベ
クターである。筋細胞に Maxi-K チャンネルを発現させることで、細胞膜を通過するカリウムイオンの流
れを増加させ、平滑筋細胞の興奮を抑制すると推測される。本メカニズムにより、排尿筋の過活動が正
常化され、過活動膀胱の諸症状が軽減される可能性がある。
・ 開発段階: 過活動膀胱 フェーズ 2(米国)
5. フロンティア事業
SMC-01(2 型糖尿病管理指導用モバイルアプリケーション)(医療機器) 起源:㈱Save Medical
・ 本アプリは、2 型糖尿病の非薬物療法の基本である生活習慣(食事・運動・体重)や指標(服薬・血圧・
血糖値)などを管理することにより、患者の行動変容を促し、臨床的指標が改善されることを目指してい
る。一般的なヘルスケアアプリに対し、本アプリは医師の指導下で利用されることにより、医師と患者が
協働して治療と行動変容を継続していくことが期待される。
・ 開発段階: 2 型糖尿病 フェーズ 3(日本)(㈱Save Medical との共同開発)
以 上
―補足資料 17―