4506 大日住薬 2019-04-11 13:30:00
中期経営計画2022(2018~2022年度)の策定について [pdf]

                                                         2019 年 4 月 11 日
各 位
                          会 社 名     大日本住友製薬株式会社
                          代表者名      代表取締役社長 野村 博
                                      (コード:4506   東証第 1 部)
                          問合せ先      執行役員
                                    コーポレートコミュニケーション担当 樋口 敦子
                                    (大阪:TEL.06-6203-1407)
                                    (東京:TEL.03-5159-3300)


          中期経営計画 2022(2018~2022 年度)の策定について

 当社は、このたび、中期経営計画 2022(2018~2022 年度)を策定しましたので、お知らせします。


 当社は、企業理念「人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造に
より、広く社会に貢献する」を掲げ、事業活動を行っています。この企業理念の実践は、CSR 経営そのも
のであり、事業活動を通して SDGsの達成にも貢献していきます。
 今後に目を向けると、第四次産業革命の進展、高齢化と労働人口の減少、中国やその他新興国の台
頭による日欧の相対的位置づけの低下等の大きな環境変化が予想され、製薬業界でもこれまでの延長
線上にはない新たなビジネスモデルの確立が求められる「変革の時」を迎えています。
 変わりゆくヘルスケア領域での社会の課題を解決するため、当社は、下記のとおり新たなビジョンと
2018 年度を起点とする 5 か年の中期経営計画 2022(2018~2022 年度)を策定しました。


                              - 記 -


Ⅰ.ビジョン
      「もっと、ずっと、健やかに。最先端の技術と英知で、未来を切り拓く企業」

 精神神経領域、がん領域、再生・細胞医薬分野を重点 3 領域とし、医薬品および再生・細胞医薬によ
る医療への貢献に加え、それ以外のヘルスケア・ソリューションにも取り組み、2033 年に「グローバル・ス
ペシャライズド・プレーヤー」の地位を確立することを目指します。


Ⅱ.中期経営計画 2022(2018~2022 年度)


1.基本方針:事業基盤の再構築
  「ポスト・ラツーダ」(米国での非定型抗精神病薬「ラツーダ」の独占販売期間終了後)を見据えつつ
 「変革の時」に対応するため、「成長エンジンの確立」と「柔軟で効率的な組織基盤づくり」により事業基
 盤の再構築に取り組みます。




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2.重要課題
(1) 成長エンジンの確立
 ①   新たな創薬アプローチによるイノベーション基盤強化
     ・   重点 3 領域とする精神神経領域、がん領域、再生・細胞医薬分野は、アンメット・メディカル・
         ニーズが高く当社の経験と知識を生かせる領域であり、引き続き注力していきます。また、感
         染症領域にも取り組み、グローバルヘルスに貢献していきます。
     ・   当社の持つ独自の強みを生かし、日本および米国の拠点を中心に外部とのネットワークを活
         用した創薬への移行と推進に取り組みます。
     ・   ビッグデータやデジタル技術を活用したイノベーションに挑戦します。また、最先端のサイエン
         スやテクノロジー、バイオマーカーの活用等により Precision Medicine(精密医療)の実現に
         向けた取り組みを推進します。
 ② 確実に成果を創出する開発力の強化
     ・   ポスト・ラツーダを見据え、不確実性が高い領域でも成果を創出する力(ちゃんとやりきる力)
         を強化します。具体的には、3 つのアプローチ、すなわち、成果を見据えた目標設定、事業リ
         スクのマネジメント、最先端技術の取り込みを行います。
     ・   精神神経領域では、SEP-363856(開発コード)の後期臨床開発の確実な推進を優先課題とし、
         がん領域では、ナパブカシン(一般名)の開発を着実に遂行するとともに初期臨床開発をスピ
         ーディに進め、オンコロジーフランチャイズを早期に確立することを優先課題とします。
 ③ 戦略的投資によるパイプラインの拡充
         本中期経営計画期間中の M&A 枠を 3,000~6,000 億円と設定します。2023 年度以降の収益
         に貢献する精神神経領域のパイプラインの獲得を優先的投資対象とし、2028 年度以降の収
         益に貢献する重点 3 領域のパイプラインや技術の獲得も目指します。
 ④ 日本、北米、中国を柱とした地域戦略
     ・   日本および北米に加え、中国を第 3 の柱として基盤強化に取り組みます。アジアを成長市場
         と捉え、東南アジア子会社の機能を強化します。
     ・   日本は、次期中期経営計画期間(2023~2027 年度)の売上 2,000 億円達成を目指した基盤
         づくりを基本方針とします。北米は、ラツーダの収益最大化とポスト・ラツーダを見据えた成長
         路線の確立を基本方針とし、中国・アジアは、成長市場での足場固めを基本方針とします。
 ⑤ フロンティア事業の立ち上げ
     ・   求められる健やかさを医薬品のみで実現することが困難な時代が到来することを見据え、医
         薬品と一体となり「多様な健やかさ」を実現するためフロンティア事業を立ち上げます。疾病の
         治療に加え予防および患者さんのケアに着目し、社会や人々の課題解決のためのソリューシ
         ョンを提供することを目的に自社医薬事業とシナジーが見込める領域を中心に事業基盤を構
         築します。
     ・   次期中期経営計画期間(2023~2027 年度)での成長エンジンとしての確立を目指し、パイロッ
         ト的に複数の事業を開始・展開します。


(2) 柔軟で効率的な組織基盤づくり
     ・   成長エンジンを支えるため、組織とオペレーションの改革と、変革を加速する企業文化の醸成
         と人材の育成を、デジタル革新と同時に遂行することにより、「ちゃんとやりきる力」が浸透した
         柔軟で効率的な組織基盤を構築します。
     ・   経営効率の追求と機動的な組織の実現により、今後の環境変化を先取りできる柔軟性を備
         えます。


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    ・   粘り強く精緻に物事を進める文化を維持しつつ、環境変化を好機と捉えて潮流を読み、自ら
        変革して柔軟に動く文化の醸成、人材の育成を推進します。
    ・   デジタル活用を通して、新たな価値創造とオペレーション改革の両方を目指します。

3.経営目標
(1) 2022 年度の経営目標
        売上収益              6,000 億円
        コア営業利益            1,200 億円
        ROIC※1            10%
        ROE※2             12%
                    為替レート:1 ドル 110 円、1 元 16.5 円
        ※1 ROIC=(コア営業利益-法人所得税)÷(資本+有利子負債)
        ※2 ROE =当期利益÷資本

(2) 配当方針
   ・ 安定的な配当に加えて、業績向上に連動した増配を実施します。
   ・ 5 年間平均の配当性向として、20%以上を目指します。

(3) ROE
   ・ 長期的に ROE10%以上を目指します。

 当社の収益の柱である米国ラツーダの独占販売期間終了後の 2023 年度は、ラツーダの大幅減収に
より、減益の可能性があります。しかしながら、本中期経営計画期間において、成長エンジンの確立と柔
軟で効率的な組織基盤づくりを進めて事業基盤を再構築した上で、早期に減収をカバーし、持続的に成
長することにより、2033 年に「グローバル・スペシャライズド・プレーヤー」の地位を確立することを目指し
ます。


 なお、当社は、2018 年 3 月に中期経営計画を発表する予定でしたが、ラツーダに関する米国での後発
品申請に対する特許侵害訴訟の提起を踏まえて、発表を延期していました(2018 年 2 月 14 日プレスリリ
ースをご参照ください)。


                                                  以 上



(注) 本プレスリリースに含まれる将来の予測等に関する事項は、発表日現在において入手可能な情報
による当社の仮定および判断に基づくものであり、既知または未知のリスクおよび不確実性が内在して
います。したがって、業績・その他の将来の予測等に関する事項は、今後さまざまな要因によって本リリ
ースの記載内容と大きく異なる結果となる可能性があります。




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