4506 大日住薬 2021-01-28 15:30:00
2020年度(2021年3月期)第3四半期決算(IFRS)補足資料 [pdf]

                                             証券コード:4506




        2020年度(2021年3月期)第3四半期決算(IFRS)補足資料



                        ―目次―



   Ⅰ.    連結業績ハイライト                          1
   Ⅱ.    連結損益計算書                            3
   Ⅲ.    セグメント情報                            4
   Ⅳ.    売上の状況                              5
   Ⅴ.    連結財政状態計算書                          7
   Ⅵ.    四半期業績の推移                           8
   Ⅶ.    主要な連結子会社の状況                        8
   Ⅷ.    開発状況表                              9
   Ⅸ.    主な開発品のプロフィール                       12




                        2021年1月28日

                    大日本住友製薬株式会社


・ 本資料には、当社グループに関する業績その他の予想、見通し、目標、計画その他の将来に関する事項が含まれて
  います。これらの事項は、発表日現在において入手可能な情報による当社の仮定、見積り、見通しその他の判断に
  基づくものであり、既知または未知のリスクおよび不確実性が内在しています。したがって、その後のさまざまな要因
  により、予想・計画等が記載どおりに実現しない可能性や、実際の業績、開発の成否・進捗その他の見通し等が記載
  内容と大きく異なる結果となる可能性があります。

・ 本資料の数字は四捨五入で表示しています。四捨五入のため、合計数字に差異が生じる場合があります。
                                                           大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第3四半期決算補足資料

I.連結業績ハイライト                                                                                                IFRS
                                                                                                                          (億円)
1.連結損益計算書(コアベース)           2019年度          2020年度           前同比           2019年度          前期比         2020年度           前期比
                            3Q累計            3Q累計           増減率%             実績           増減率%         業績予想            増減率%
 売上収益                            3,570            3,948           10.6           4,828           5.1 ###    5,060            4.8
 売上原価 *1                          931             1,048           12.6           1,283          13.5 ###    1,410            9.9
 売上総利益                           2,640            2,900            9.9           3,544           2.4 ###    3,650            3.0
  販売費及び一般管理費 *1                  1,386            1,457            5.1           1,900           2.1 ###    2,150           13.2
  研究開発費 *1                        612              717            17.1            926           11.7 ###    1,030           11.2
  その他の収益・費用 *2                      1               △0                              2                             -
 コア営業利益                           643              726            12.9            720           △6.9 ###     470          △ 34.7
   条件付対価公正価値の変動額(△:損)             408               △4                            485                        △40
   その他の非経常項目(△:損) *3             △236              154                           △372                        150
 営業利益                             815              875             7.5            832           43.8 ###     580          △ 30.3
 四半期(当期)利益                        440              579            31.7            359       △26.1 ###        210          △ 41.5
 親会社の所有者に帰属する
 四半期(当期)利益
                                  440              703            59.8            408       △16.2 ###        420             3.1
 基本的1株当たり四半期(当期)利益(円)          110.70            176.84                         102.58                     105.71
 親会社所有者帰属持分
 四半期(当期)利益率(ROE)
                                 8.6%            13.0%                           7.9%                       7.7%

                                                                                   *1 :非経常項目(減損損失、条件付対価
                                                           (億円)                        公正価値の変動額等)を除く
2.連結損益計算書(フルベース)          2019年度           2020年度           前同比                    *2 :持分法による損益等
                           3Q累計             3Q累計           増減率%                    *3 :*2を除くその他の収益・費用、減損損失
 売上収益                            3,570            3,948           10.6                  等の非経常項目

 売上原価                             933             1,048           12.3
 売上総利益                           2,637            2,900           10.0
  販売費及び一般管理費                      978             1,470           50.3
  研究開発費                           837              717       △ 14.4
  その他の収益・費用                       △7               163
 営業利益                             815              875             7.5
  金融収益・費用                          30             △ 78
 税引前四半期利益                         844              797           △ 5.6
 法人所得税                            404              218
四半期利益                             440              579            31.7
 親会社の所有者に帰属する四半期利益                440              703            59.8

3.連結キャッシュ・フロー計算書          2019年度           2020年度
                                                          (億円)
                           3Q累計             3Q累計
営業活動によるキャッシュ・フロー                  368             1,079
投資活動によるキャッシュ・フロー              △ 2,847              356
財務活動によるキャッシュ・フロー                 2,405           △ 184
現金及び現金同等物の期末残高                   1,293            2,198


4. 為替換算レート               2019年4-12月
                                                                                  2020年度        為替感応度(2020年度)
                                                    2020年4-12月                                   (1円円安の影響)
                                                                                 想定レート
                                                                                                 売上収益      コア営業
                        期末日         平均             期末日             平均              平均             (億円)     利益(億円)
 円/USD                   109.5           108.7       103.5           106.1           108.0            26          △5
 円/元                      15.7            15.6            15.9           15.5            15.5         18              4




                                           ―補足資料1―
                                         大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第3四半期決算補足資料

5.設備投資の状況・          2019年度    2020年度    前同比       2020年度    前期比
                                                                    (億円)
  減価償却費              3Q累計      3Q累計     増減額         予想      増減額
設備投資額                    77        68     △9          110    △ 10
有形固定資産償却費                77        79         2       100     △5
無形資産償却費                  52        67     15          117     48
 うち製品に係る無形資産
 (特許権・販売権)償却費
                         34    48         14          92      48
(注)設備投資額は、有形固定資産とソフトウエアの設備投資額を記載しています。

2020年度の主な設備投資計画
  生産設備増強、総投資額20億円、2022年度完了予定
  再生・細胞医薬製造施設新設、総投資額11億円、2021年度稼働予定




                                  ―補足資料2―
                                                    大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第3四半期決算補足資料

Ⅱ.連結損益計算書                                                                                     IFRS
1.連結損益計算書(コアベース)                                              (億円)
                       2019年度      2020年度
                                                  増減額         増減率%
                        3Q累計        3Q累計                                              増減 うち為替
売上収益                       3,570         3,948       377        10.6     日本           143
                                                                         北米           224    △ 52
    海外売上                   2,263         2,491       228        10.1     中国          △ 11     △2
                           63.4%                                         海外その他         28
      海外売上比率                             63.1%
                                                                         その他          △6
  売上原価                       931         1,048       117        12.6
   売上原価率                   26.1%         26.5%
売上総利益                      2,640         2,900       260         9.9
  販売費及び一般管理費               1,386         1,457           71      5.1     うちスミトバント +266

    人件費                      594           687           94     15.8
    広告宣伝費                    176           149      △ 27      △ 15.3
    販売促進費                    111           116           4       3.7
    減価償却費                     83           101           17     20.7
    その他                      421           404      △ 17       △ 4.0
  研究開発費                      612           717       105        17.1    うちスミトバント +188

   研究開発費売上収益比率             17.1%         18.2%
  その他の収益・費用                    1           △0        △1
                                                                       条件付対価変動額( △:損)         19/3Q 20/3Q
コア営業利益                       643           726           83     12.9   ロンハラマグネア関連              △7     -
  条件付対価公正価値                                                            旧ボストン・バイオメディカル関連     *275   △5
                             408           △4      △ 412                                       *140    *1
  の変動額 (△:損)                                                           旧トレロ関連
                                                                          * 事業計画見直し等に伴う公正価値の減少
  その他の非経常項目 (△:損)          △ 236           154       390
                             815                         61      7.5    前期:仕掛研究開発の減損発生
営業利益                                       875                          当期:固定資産売却益発生
  金融収益                        33            11      △ 22
  金融費用                         4            89           86             当期:円高による為替差損
税引前四半期利益                     844           797      △ 47       △ 5.6
  法人所得税                      404           218     △ 186                前期:米国で繰延税金資産の取崩発生

四半期利益                        440           579       139        31.7
親会社の所有者に帰属する
                             440           703       263        59.8
四半期利益


2.コア営業利益への調整項目
                                                                                             (億円)
2020年度3Q累計実績   フルベース       コアベース           調整額           主な調整項目
売上収益               3,948       3,948                 -
  売上原価             1,048       1,048                 -
売上総利益              2,900       2,900                 -
                                                         ・条件付対価公正価値の変動額 △4
  販売費及び一般管理費       1,470       1,457             △ 13 ・事業構造改善費用 △9

  研究開発費             717            717               -
  その他の収益            175            △0            △ 175 ・旧茨木工場売却益 △167
  その他の費用             13              -           △ 13
営業利益                875            726           △ 150




                                         ―補足資料3―
                                     大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第3四半期決算補足資料

Ⅲ.セグメント情報(コアベース)
                                                                      (億円)
                                  医薬品事業
     2020年度3Q累計                              海外             その他       連結
                     日本      北米      中国            合計
                                            その他
売上収益(外部顧客向け)         1,185   2,180    191    115   3,671     277       3,948
 売上原価                 595     163     39      42    838      210       1,048
売上総利益                 591    2,017    152     73   2,833      66       2,900
 販売費及び一般管理費           361     972     67      20   1,420      38       1,457
コアセグメント利益             230    1,045    85      53   1,414      29       1,442
 研究開発費 *1                                           711       6         717
 その他の収益・費用(コア内)*2                                   △0            -     △0
コア営業利益                                              703       22        726

                                                                      (億円)
                                  医薬品事業
     2019年度3Q累計                              海外             その他       連結
                     日本      北米      中国            合計
                                            その他
売上収益(外部顧客向け)         1,043   1,957    202     87   3,288     282       3,570
 売上原価                 465     178     38      31    712      219        931
売上総利益                 578    1,778    164     56   2,576      63       2,640
 販売費及び一般管理費           377     876     70      24   1,347      39       1,386
コアセグメント利益             201     902     94      32   1,229      25       1,253
 研究開発費 *1                                           606       6         612
その他の収益・費用(コア内)*2                                        1     0            1
コア営業利益                                              624       18        643

                                                                      (億円)
                                  医薬品事業
        2020年度予想                             海外             その他       連結
                     日本      北米      中国            合計
                                            その他
売上収益(外部顧客向け)         1,533   2,721    277    169   4,700     360       5,060
 売上原価                 791     239     54      51   1,135     275       1,410
売上総利益                 742    2,482    223    118   3,565      85       3,650
 販売費及び一般管理費           520    1,461    85      29   2,095      55       2,150
コアセグメント利益             222    1,021    138     89   1,470      30       1,500
 研究開発費 *1                                          1,020      10       1,030
その他の収益・費用(コア内)*2                                        -         -        -
コア営業利益                                              450       20        470

*1 医薬品の研究開発費は、グローバルに管理しているため各セグメントに配分していません。
*2 持分法による損益等




                             ―補足資料4―
                                               大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第3四半期決算補足資料

Ⅳ.売上の状況                                                                       IFRS

1.医薬セグメント別売上収益 (外部顧客向け)                                                                 (億円)
                    2019年度        2020年度                               2020年度
       セグメント                                   増減額        増減率%
                                                                         予想
                                                                                       進捗率%
                     3Q累計          3Q累計

 日本                     1,043        1,185        143        13.7 #####        1,533      77.3
 北米                     1,957        2,180        224        11.4 #####        2,721      80.1
 中国                      202           191       △ 11       △ 5.4 (277)         277       68.8
 海外その他                       87        115           28      31.9 (169)         169       67.8


2.主要製品の販売状況①
                                                                              (仕切価ベース、億円)
         品目         2019年度        2020年度                               2020年度
                                               増減額        増減率%                         進捗率%
        [薬効]         3Q累計          3Q累計                                  予想

日本
プロモーション品
エクア・エクメット *1
[2型糖尿病治療剤]'19.11~
                             78        313        235       301.2 (405)         405       77.3

トルリシティ *2
[2型糖尿病治療剤]'15.9~
                         229           259           30      13.2 (366)         366       70.7

トレリーフ
                         126           127            1          0.5 (170)      170       74.5
[パーキンソン病治療剤]
リプレガル
                         103           106            2          2.4 (137)      137       77.0
[ファブリー病治療剤]
メトグルコ
                             74         72        △2        △ 3.1      (88)      88       81.8
[2型糖尿病治療剤]
アムビゾーム
                             33         28        △5       △ 14.8      (40)      40       70.1
[深在性真菌症治療剤]
ラツーダ
[非定型抗精神病薬]'20.6~
                             -          16           16          -     (22)      22       73.0

ロナセンテープ
[非定型抗精神病薬]'19.9~
                              3            9         6      211.3      (25)      25       37.5

その他品目
アムロジン
                             60         51        △9       △ 14.8      (61)      61       83.9
[高血圧症・狭心症治療薬]
シュアポスト
                             52         35       △ 18      △ 33.9      (35)      35       99.1
[2型糖尿病治療剤]

オーソライズドジェネリック品               58         59            1          1.7   (72)      72       81.3

*1 プロモーションのフィー収入は除く
*2 トルリシティの売上収益は薬価ベースの数値




                                    ―補足資料5―
                                               大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第3四半期決算補足資料

2.主要製品の販売状況②                                                              IFRS
                                                                                    (億円)
          品目           2019年度     2020年度                             2020年度
                                               増減額        増減率%                     進捗率%
         [薬効]           3Q累計       3Q累計                                予想

北米
ラツーダ
                          1,421      1,605       184         12.9 ####    1,990      80.7
[非定型抗精神病薬]
ブロバナ
                           260        225       △ 35       △ 13.4 (297)     297      75.7
[COPD治療剤]
アプティオム
                           170        198            28      16.7 (246)     246      80.6
[抗てんかん剤]
ロンハラ マグネア
                            23         17        △6        △ 26.0 (30)        30     55.5
[COPD治療剤]'18.4~
ゾペネックス
                            28         36             8      30.2 (46)        46     78.2
[喘息治療剤]
キンモビ
[パーキンソン病に伴うオフ症状治療剤]        -              2         2           - (11)       11     14.4
'20.9~


中国
メロペン
                           169        153       △ 16        △ 9.3 (225)     225      68.1
[カルバペネム系抗生物質製剤]


海外その他
メロペン
                            51         44        △7        △ 13.6 (57)        57     77.6
[カルバペネム系抗生物質製剤]


(参考)北米 現地通貨ベース                                                                    (百万ドル)
                       2019年度     2020年度                             2020年度
          品目            3Q累計       3Q累計
                                               増減額        増減率%
                                                                       予想
                                                                                   進捗率%

ラツーダ                      1,308      1,513       205         15.6 ####    1,843      82.1

ブロバナ                       239        212       △ 27       △ 11.3 (275)     275      77.0

アプティオム                     156        187            31      19.5 (228)     228      82.0

ロンハラ マグネア                   21         16        △5        △ 24.2 (28)        28     56.1

ゾペネックス                      25         34             8      33.3 (43)        43     78.8

キンモビ                        -              1          1          - (10)       10     14.9




                                     ―補足資料6―
                                            大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第3四半期決算補足資料

Ⅴ.連結財政状態計算書                                                  IFRS
                                                 2019年12月に取得したスミトバント社の取得原価
                                       (億円)      配分が当第3四半期に確定したことにより、関連す
                                                 る2020年3月末の値を遡及修正しています。
                 2020年      2020年    対20/3末
         科   目
                  3月末       12月末      増減額
資産                 12,565     13,088      523
(非流動資産)            8,924       8,441    △ 483
                                                  のれん内訳                   20/3  20/12
 有形固定資産              657        628      △ 30     オンコロジー(SDPO)以外        **1,4961,423
 のれん                1,735      1,650     △ 85     オンコロジー(SDPO)関連           238   227
                                                                            **遡及修正後
 無形資産               4,210      3,985    △ 225     主な特許権                   20/3       20/12
  特許権・販売権             85       2,018     1,932    キンモビ(アポモルヒネ)                 -    *491
                                                  オルゴビクス(レルゴリクス)              -    *592
  仕掛研究開発            4,055      1,903   △ 2,152    ジェムテサ(ビベグロン)               -    *869
  その他                 70         64       △6                *仕掛研究開発からの振替による増加
                                                  主な仕掛研究開発                20/3    20/12
 その他の金融資産           2,009      1,675    △ 335
                                                  キンモビ(アポモルヒネ)             541     *  -
 その他の非流動資産            42        104         63    旧ボストン・バイオメディカル品目        276     263
                                                  旧トレロ品目                     261     248
 繰延税金資産              271        400        129
                                                  レルゴリクス                 **1,932 * 1,245
(流動資産)             3,641       4,647     1,006    ジェムテサ(ビベグロン)        ** 900     * -
                                                                     *特許権への振替による減少
 棚卸資産                794        829         35                              **遡及修正後
 営業債権及びその他の債権       1,345      1,487       142
 その他の金融資産            287         53     △ 235      短期貸付金減少

 その他の流動資産            155         80      △ 75
 現金及び現金同等物          1,017      2,198     1,181
          小計        3,598      4,647     1,049
 売却目的で保有する資産          43          -      △ 43      旧茨木工場売却完了

負債                 6,207       6,703       496
(非流動負債)            1,242       4,071     2,829     社債・借入金合計
 社債及び借入金             250       2,646     2,395       2,980 → 2,945

 その他の金融負債            413        418          4     劣後債発行と長期借入への借換により
                                                   ブリッジローンを長期資金化
 退職給付に係る負債           239        245          7
 その他の非流動負債            72        495        423    提携契約一時金により前受収益増加

 繰延税金負債              268        268          0    条件付対価公正価値残高                         今後の支払
                                                                         20/3 20/12 総額(最大)
(流動負債)             4,965       2,632   △ 2,333    旧ボストン・バイオメディカル関連     174   171 $1,390M
 借入金                2,730       300    △ 2,430    旧トレロ関連                  138   130   $580M
                                                   合計                     312   301
 営業債務及びその他の債務        623        548      △ 74     その他の金融負債(非流動・流動)の内数
 その他の金融負債            139        243        104
 未払法人所得税             226        145      △ 81
 引当金                 846        951        104
 その他の流動負債            401        445         44
資本                 6,359       6,386        27
 資本金                 224        224         -
 資本剰余金               178        164      △ 14
 自己株式                △7         △7        △0
 利益剰余金              4,573      5,162       589
                                                    為替レート 20/3    20/12
 その他の資本の構成要素         358       △ 72     △ 430
                                                     USD  108.8 ⇒ 103.5
親会社の所有者に帰属する持分     5,327       5,472       145       RMB   15.3 ⇒ 15.9

 非支配持分             1,032        914     △ 118




                                  ―補足資料7―
                                                               大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第3四半期決算補足資料

Ⅵ.四半期業績の推移
                                                                                             (億円)
                                              2019年度                              2020年度
コアベース
                                1Q          2Q       3Q         4Q       1Q         2Q       3Q      4Q
 売上収益                            1,175       1,131    1,264      1,257    1,339      1,276    1,333 △ 2,232
  売上原価                            288         273      370         353     360        347      341   △ 571
 売上総利益                            886         859      894         905     979        929      992 △ 1661
  販売費及び一般管理費                      463         424      498         514     478        458      521   △ 908
  研究開発費                           200         210      202         314     257        235      225   △ 355
  その他の収益・費用(コア内)                        0       0        1           0    △0         △0          0     △1
 コア営業利益                           223         225      195          77     244        236      246   △ 399
   条件付対価に係る
   公正価値の変動額(△:損)                  185         233      △9           77   △ 12          13     △4     △ 420
   その他の非経常項目(△:損)                △3         △ 194     △ 39     △ 136         1       △6        159     237
 営業利益                             404         264      146          18     233        243      400   △ 582
 四半期利益                             67         236      136      △ 81       156        148      276   △ 284
 親会社の所有者に帰属する
 四半期利益                             67         236      136      △ 32       183        190      330   △ 257


Ⅶ.主要な連結子会社の状況(2020年12月31日現在)

             国内               設立年月 持株比率 従業員数            主な事業内容
DSP五協フード&ケミカル株式会社             1947/10        100%
                                         205名 食品素材・食品添加物および化学製品材料等の製造、販売
DSファーマアニマルヘルス株式会社             2010/ 7        100%
                                          91名 動物用医薬品等の製造、販売
DSファーマプロモ株式会社                 1998/ 6        100%
                                          42名 医療用医薬品等の製造、販売
             海外               設立年月 持株比率 従業員数            主な事業内容
                                                              サノビオン社、スミトモダイニッポンファーマオンコロジー社の持
スミトモダイニッポンファーマアメリカ・インク        2009/7         100%     149名 株会社および各社の一般管理業務
サノビオン・ファーマシューティカルズ・インク        1984/ 1        100% *1,260名 医療用医薬品の製造、販売
スミトモダイニッポンファーマオンコロジー・インク   2006/11        100%    209名 がん領域の研究開発
スミトバント・バイオファーマ・インク            2019/10        100%     68名 スミトバントグループ会社の管理および事業戦略等の策定推進
マイオバント・サイエンシズ・リミテッド           2016/ 2         54% *387名 医療用医薬品(婦人科、前立腺がん)の研究開発
ユーロバント・サイエンシズ・リミテッド           2016/ 1         71% *134名 医療用医薬品(泌尿器科疾患)の研究開発
エンジバント・セラピューティクス・リミテッド        2016/ 1        100%    *22名 医療用医薬品(小児希少疾患)の研究開発
アルタバント・サイエンシズ・リミテッド           2017/ 9        100%    *14名 医療用医薬品(呼吸器系希少疾患)の研究開発
スピロバント・サイエンシズ・リミテッド           2019/ 2        100%    *19名 医療用医薬品(嚢胞性線維症(遺伝子治療))の研究開発
住友制葯(蘇州)有限公司                  2003/12        100%    763名 医療用医薬品の製造、販売
                                                                         *従業員数は傘下の連結子会社の人員を含む

参考)従業員数 (名)                      2019/3/31             2020/3/31         2020/12/31
          連結/個別                  6,140       3,067    6,457      3,023   6,646      3,074
MR人数(コントラクトMR含む)
日本    マネージャー除く/総数               1,120       1,240    1,220      1,340   1,150      1,270
米国       マネージャー除く/総数             720         820      650         740   * 720      * 830
中国       マネージャー除く/総数             340         400      330         400     340        410
                                                              *スミトバント傘下の営業人員を含む




                                                     ―補足資料8―
                                 大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料


Ⅷ.開発状況表(2021 年 1 月 28 日現在)

・ この表には当社グループが日本・米国・中国において承認取得を目指す適応症に関する臨床試験を掲載
  しており、全ての臨床試験は掲載していません。
・ がん領域については、同じ適応症で複数の試験がある場合は、最も進んでいる開発段階の試験のみを記
  載しています。
・ 開発段階の変更基準は、治験届受理日としています。

1.   精神神経領域
        製品/コード名
                             予定適応症             地域            開発段階
         (一般名)
 ロナセン                (新用法:小児)統合失調症           日本        申請(2020/5)
 (ブロナンセリン)
 ラツーダ                (新効能)双極Ⅰ型障害うつ           中国        フェーズ 3
 (ルラシドン塩酸塩)
 SEP-363856          統合失調症                   米国        フェーズ 3
                                             日本        フェーズ 1
                     パーキンソン病に伴う精神病症状         米国        フェーズ 2
 EPI-743             リー脳症                    日本        フェーズ 2/3
 (バチキノン)
 EPI-589             パーキンソン病                 米国        フェーズ 2
                     筋萎縮性側索硬化症(ALS)          米国        フェーズ 2
                                             日本        フェーズ 1
 SEP-4199            双極Ⅰ型障害うつ                米国・日本     フェーズ 2(国際共同試験)
 DSP-6745            パーキンソン病に伴う精神病症状         米国        フェーズ 1
 SEP-378608          双極性障害                   米国        フェーズ 1
 DSP-3905            神経障害性疼痛                 米国        フェーズ 1
 SEP-378614          治療抵抗性うつ                 米国        フェーズ 1
 SEP-380135          アルツハイマー病に伴うアジテーシ        米国        フェーズ 1
                     ョン
 DSP-1181            強迫性障害                   日本        フェーズ 1


2.   がん領域
      製品/コード名
                             予定適応症             地域            開発段階
       (一般名)
 BBI608            結腸直腸がん(併用)                米国・日本     フェーズ 3(国際共同試験)
 (ナパブカシン)          肝細胞がん(併用)                 米国        フェーズ 1/2
                   消化器がん(併用)                 米国        フェーズ 1/2
                   固形がん(併用)                  米国        フェーズ 1/2
 DSP-2033          急性骨髄性白血病(AML)(単剤・併用)      米国        フェーズ 2
 (alvocidib)       (再発・難治性患者対象)
                   骨髄異形成症候群(MDS)(併用)         米国        フェーズ 1/2




                             ―補足資料 9―
                                   大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料



2.   がん領域(続き)
        製品/コード名
                              予定適応症              地域            開発段階
         (一般名)
 DSP-7888            膠芽腫(併用)                   米国・日本     フェーズ 2(国際共同試験)
 (アデグラモチド酢酸塩/
 ネラチモチドトリフルオロ酢酸      固形がん(併用)                  米国        フェーズ 1/2
 塩)
 TP-0903             固形がん(単剤・併用)               米国・日本     フェーズ 1
 (dubermatinib)
 DSP-0509            固形がん(単剤・併用)               米国        フェーズ 1/2
 TP-0184             骨髄異形成症候群に伴う貧血(単剤)         米国        フェーズ 1/2
                     固形がん(単剤)                  米国        フェーズ 1
 DSP-0337            固形がん(単剤)                  米国        フェーズ 1
 TP-1287             固形がん(単剤)                  米国        フェーズ 1
 TP-3654             固形がん(単剤)                  米国        フェーズ 1
                     骨髄線維症(単剤・併用)              米国        フェーズ 1
 TP-1454             固形がん(単剤・併用)               米国        フェーズ 1


3. 再生・細胞医薬分野
        製品/コード名
                              予定適応症              地域            開発段階
         (一般名)
 RVT-802             小児先天性無胸腺症                 米国        申請(2019/4)
                                                         審査結果通知(CRL)を受
                                                         領(2019/12)
 他家 iPS 細胞由来ドパミン神    パーキンソン病                   日本        フェーズ 1/2
 経前駆細胞                                                   (医師主導治験)
 HLCR011             加齢黄斑変性                    日本        治験開始に向けて準備中
 (他家 iPS 細胞由来網膜色
 素上皮)


4. その他の領域
        製品/コード名
                              予定適応症              地域            開発段階
         (一般名)
 レルゴリクス              子宮筋腫                      欧州        申請(2020/3)
                                               米国        申請(2020/5)
                     子宮内膜症                     米国        フェーズ 3(国際共同試験)
 PXL008              2 型糖尿病                    日本        申請(2020/7)
 (イメグリミン塩酸塩)
 ジェムテサ(ビベグロン)        (新効能)前立腺肥大症を伴う過活動         米国        フェーズ 3
                     膀胱
 rodatristat ethyl   肺動脈性肺高血圧症(PAH)            米国        フェーズ 2
 MVT-602             不妊症                       ドイツ       フェーズ 2
 URO-902             過活動膀胱                     米国        フェーズ 2


                              ―補足資料 10―
                              大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料


5. フロンティア事業
    製品/コード名           予定適応症            地域                 開発段階
SMC-01
                                              フェーズ 3
(2 型糖尿病管理指導用モバ   2 型糖尿病               日本
                                              ((株)Save Medical との共同開発)
イルアプリケーション)


【前回 2020 年 10 月決算発表時点からの主な変更点】
   製品/コード名
                     予定適応症             地域       開発段階          変更内容
    (一般名)
ラツーダ          (新効能)双極Ⅰ型障害うつ           中国      フェーズ 3       新規掲載
(ルラシドン塩酸塩)


オルゴビクス        前立腺がん(単剤)               米国      承認取得         承認取得のため
(レルゴリクス)                                      (2020/12)    表から削除


ジェムテサ         過活動膀胱                   米国      承認取得         承認取得のため
(ビベグロン)                                       (2020/12)    表から削除
              過敏性腸症候群関連疼痛             米国      フェーズ 2       開発中止のため
                                                           表から削除




                          ―補足資料 11―
                                    大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料


Ⅸ.主な開発品のプロフィール(2021 年 1 月 28 日現在)

1. 精神神経領域
SEP-363856               起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、新規な作用メカニズムの抗精神病薬であり、セロトニン 5-HT1A アゴニスト活性を持つ TAAR1
      (微量アミン関連受容体 1)アゴニストであり、ドパミン D2 またはセロトニン 5-HT2A 受容体には結合しな
      い。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを
      使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-363856 を見出した。統合失調症患者を対象としたフェーズ
      2 の結果では、統合失調症の陽性症状および陰性症状への効果を示し、錐体外路症状、体重増加、脂
      質およびグルコースの異常、プロラクチン上昇の副作用はプラセボと同程度であった。
   ・ 開発段階:
      統合失調症:フェーズ 3(米国)
      パーキンソン病に伴う精神病症状:フェーズ 2(米国)
      統合失調症:フェーズ 1(日本)

バチキノン(EPI-743)       起源:PTC Therapeutics 社(BioElectron 社から取得)、剤形:経口剤
  ・ 本剤は、ミトコンドリアの機能低下により発生する酸化ストレスを除去することにより効果を発揮し、有効
    な治療薬の存在しないリー脳症をはじめとするミトコンドリア病に対する世界初の治療薬になることが期
    待される。
  ・ 開発段階:リー脳症 フェーズ 2/3(日本)終了、今後の開発方針について検討中

EPI-589                起源:PTC Therapeutics 社(BioElectron 社から取得)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、ミトコンドリアの機能低下により発生する酸化ストレスを除去することにより効果を発揮し、酸化
       ストレスに起因する神経変性疾患への適応が期待される。
   ・ 開発段階:
       パーキンソン病:フェーズ 2(米国)
       筋萎縮性側索硬化症(ALS):フェーズ 2(米国)
       筋萎縮性側索硬化症(ALS):フェーズ 1(日本)

SEP-4199                              起源:自社(Sunovion 社)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、アミスルプリド鏡像異性体の非ラセミ混合物である。Sunovion 社は、アミスルプリドの薬理作
      用は鏡像異性体に特異的であり、S 体に対する R 体の比率を増加させることにより、ドパミン D2 受容体
      に比べてセロトニン 5-HT7 受容体への作用が高まることを見出した。本剤は、抗うつ作用を強めるため
      にセロトニン 5-HT7 活性を高め、双極性障害うつ治療に適したレベルのドパミン D2 受容体占有率となる
      よう R 体と S 体の比率が 85:15 に設計されている。
   ・ 開発段階:双極Ⅰ型障害うつ フェーズ 2(米国・日本)

DSP-6745                                       起源:自社、剤形:経口剤
  ・ 本剤は、セロトニン 5-HT2A とセロトニン 5-HT2C 受容体に対するデュアルアンタゴニストであり、パーキ
      ンソン病に伴う精神病症状、およびパーキンソン病の非運動症状(non-motor symptoms;うつ、不安、
      認知機能障害)に対する効果が期待される。また、本剤はドパミン D2 受容体拮抗作用がない。
  ・ 開発段階:パーキンソン病に伴う精神病症状 フェーズ 1(米国)

SEP-378608        起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、中枢神経系に作用する新規化合物である。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラ
      ットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-378608 を見
      出した。非臨床試験において、気分の制御に関係する重要な脳領域での神経活動を調節する可能性
      が示唆されている。
   ・ 開発段階:双極性障害 フェーズ1(米国)

                             ―補足資料 12―
                                  大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料


DSP-3905                                  起源:自社、剤形:経口剤
  ・ 本剤は、電位依存性ナトリウムチャンネル Nav1.7 選択的阻害剤であり、本剤の阻害様式から神経が
      過剰に興奮している疼痛時に強い鎮痛作用を示すことが期待される。また、既存の神経障害性疼痛治
      療薬では中枢神経系や心臓系の副作用が発症することもあるが、末梢神経に発現する Nav1.7 に高い
      選択性を示す本剤は、そのような副作用を起こしにくいことが期待される。
  ・ 開発段階:神経障害性疼痛 フェーズ 1(米国)

SEP-378614        起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、中枢神経系に作用する新規化合物である。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラ
      ットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-378614 を見
      出した。非臨床試験において、即効性かつ持続性の抗うつ薬様活性を発現し、神経可塑性を高める可
      能性が示唆されている。
   ・ 開発段階:治療抵抗性うつ フェーズ 1(米国)

SEP-380135        起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、中枢神経系に作用する新規化合物である。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラ
      ットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-380135 を見
      出した。非臨床試験において、焦燥、攻撃性、精神運動多亢進、うつ、社会的相互作用の欠如などの認
      知症に伴う行動・心理症状に対して有効性を示すことが示唆されている。
   ・ 開発段階:アルツハイマー病に伴うアジテーション フェーズ 1(米国)

DSP-1181                       起源:自社(Exscientia 社との共同研究)、剤形:経口剤
  ・ 本剤は、Exscientia 社の AI 技術を用いて当社が創製した新規化合物である。既存のセロトニン
      5- HT1A 受容体パーシャルアゴニスト(非ベンゾジアゼピン系の抗不安薬)と異なり、セロトニン 5-HT1A
      受容体に対して強力なフルアゴニスト活性を有することや長い半減期が示唆されていることから、長時
      間にわたり強い薬効が期待できる。また、強迫性障害に関わる神経回路を操作した病態モデルにおい
      て、標準治療薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)よりも早い薬効発現が示唆されてい
      る。
  ・ 開発段階:強迫性障害 フェーズ 1(日本)

2. がん領域
ナパブカシン(BBI608)                起源:自社(旧 Boston Biomedical 社)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、新しいメカニズムの低分子経口剤で、がん細胞に発現する酵素 NQO1 によって生体内活性化
     を受け、活性酸素種を産生することで STAT3 を含むがん幹細胞性やがんの増悪に関わる経路を阻害
     し、最終的にはがん細胞を死に至らしめると期待されている。
   ・ 開発段階:
     開発段階      予定適応症    開発地域               併用薬                試験番号
                                FOLFIRI*3、FOLFIRI*3+
     フェーズ 3 結腸直腸がん(併用) 米国・日本                               CanStem303C
                                ベバシズマブ
             固形がん*1(併用)     米国       パクリタキセル                   201
             肝細胞がん*2(併用)    米国       ソラフェニブ                    HCC-103
     フェーズ                        イピリムマブ、ペムブロリズマブ、
             固形がん(併用)       米国                                 201CIT
      1/2                        ニボルマブ
                                 FOLFOX*3、FOLFOX*3+ベバシズ
                                 マ ブ 、 CAPOX*3 、 FOLFIRI*3 、
             消化器がん(併用)    米国                                   246
                                 FOLFIRI*3+ベバシズマブ、レゴラ
                                 フェニブ、イリノテカン
     *1 フェーズ 2 段階:卵巣がん、乳がん、メラノーマ等
     *2 フェーズ 2 段階
     *3 FOLFOX: フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチンの併用
                            ―補足資料 13―
                                  大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料


       CAPOX : カペシタビン、オキサリプラチンの併用
       FOLFIRI: フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカンの併用

alvocidib(DSP-2033)                          起源:Sanofi 社、剤形:注射剤
    ・ 本剤は、低分子のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)9 阻害剤である。がん関連遺伝子の転写制御に関
       与している CDK ファミリーの一つである CDK9 を阻害することによって、抗アポトーシス遺伝子である
       MCL-1 を抑制し、抗腫瘍作用を示すと考えられる。
    ・ 開発段階:
     開発段階           予定適応症       開発地域       併用薬            試験番号
               急性骨髄性白血病(単剤・併用)
     フェーズ 2 (ベネトクラクス併用治療後の再 米国        シタラビン             TPI-ALV-202
               発・難治性患者対象)
      フェーズ                                              TPI-ALV-102
               骨髄異形成症候群(併用)    米国     デシタビン、アザシチジン
        1/2                                             (Zella 102)

アデグラモチド酢酸塩/ネラチモチドトリフルオロ酢酸塩(DSP-7888)            起源:自社、剤形:注射剤
  ・ 起源:自社、剤形:注射剤
  ・ 本剤は、WT1(Wilms’ tumor gene 1)タンパク由来の治療用がんペプチドワクチンであり、WT1 特異
    的な細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導するペプチドおよびヘルパーT 細胞を誘導するペプチドを含む新
    規ペプチドワクチンである。本剤の投与により誘導される CTL が、WT1 タンパクを発現するがん細胞を
    攻撃することで、種々の血液がんおよび固形がんに対して治療効果を発揮することが期待される。ヘル
    パーT 細胞を誘導するペプチドを加えることによって、CTL を誘導するペプチド単独よりも高い有効性を
    示すと考えられる。本剤は、幅広い患者への適応が期待される。
  ・ 開発段階:
     開発段階      予定適応症          開発地域         併用薬          試験番号
                                                     BBI-DSP7888-
     フェーズ 2 膠芽腫(併用)          米国・日本   ベバシズマブ
                                                     201G
      フェーズ                                           BBI-DSP7888-
             固形がん(併用)        米国      ニボルマブ、ペムブロリズマブ
       1/2                                           102CI

dubermatinib(TP-0903)                   起源:ユタ大学、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、AXL 受容体チロシンキナーゼを含む複数のキナーゼ阻害剤である。抗がん剤への耐性やが
      んの転移などに関与するとされているキナーゼの一つである AXL を阻害し、間葉系様細胞の性質への
      移行を妨げることによって、様々ながん種の細胞に対する抗腫瘍作用を示すと考えられる。本剤は、非
      臨床試験において、AXL シグナル伝達を阻害し、間葉系様細胞から上皮細胞の性質に逆転させること
      が示されている。
   ・ 開発段階:
      固形がん(単剤・併用):フェーズ 1(米国・日本)

DSP-0509                                             起源:自社、剤形:注射剤
  ・ 本剤は、新規の Toll-like receptor 7(TLR7)アゴニストである。樹状細胞に発現する TLR7 に対するア
      ゴニスト作用を介して、サイトカイン誘導や細胞傷害性 T 細胞(CTL)の活性化を促進すると考えられる。
      さらに、免疫記憶を司るメモリーT 細胞を誘導し、抗腫瘍免疫作用を維持することが期待される。
  ・ 開発段階:固形がん(単剤・併用):フェーズ 1/2(米国)

TP-0184                               起源:自社(旧 Tolero 社)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、TGFβ 受容体スーパーファミリーに属する ALK2 および ALK5 などのキナーゼ阻害作用を有
      する。骨髄異形成症候群では ALK5 経路が活性化し、赤血球分化の異常を引き起こす。本剤は、キナ
      ーゼ阻害を介して抗腫瘍作用を示すことが期待される。
   ・ 開発段階:
      骨髄異形成症候群に伴う貧血(単剤):フェーズ 1/2(米国)
                           ―補足資料 14―
                                          大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料


      固形がん(単剤):フェーズ 1(米国)

DSP-0337                                起源:自社、剤形:経口剤
  ・ 本剤は、ナパブカシンの低分子経口プロドラッグである。胃内での安定性や分散性に優れ、腸内でナパ
      ブカシンに変換されて消化管吸収され、薬理作用を発揮することが期待される。
  ・ 開発段階:固形がん(単剤):フェーズ 1(米国)

TP-1287                                起源:自社(旧 Tolero 社)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)9 を阻害する低分子経口剤である。非臨床試験において、
      良好な経口バイオアベイラビリティが示されるとともに、酵素により切断され CDK9 阻害作用を有する
      alvocidib を生成することが示された。経口投与により長期投与が可能となり、持続的な CDK9 阻害が
      期待される。
   ・ 開発段階:固形がん(単剤):フェーズ 1(米国)

TP-3654                                                    起源:自社(旧 Tolero 社)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、PIM(proviral integration site for Moloney murine leukemia virus)キナーゼ阻害を介して炎
      症性シグナル経路を抑制する。PIM キナーゼは、様々な血液がんおよび固形がんにおいて過剰発現し、
      がん細胞のアポトーシス回避、腫瘍増殖の促進につながる可能性がある。
   ・ 開発段階:
      固形がん(単剤):フェーズ 1(米国)
      骨髄線維症(単剤・併用):フェーズ 1(米国)

TP-1454                               起源:自社(旧 Tolero 社)、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、PKM2(ピルビン酸キナーゼ M2)活性化を介してがん細胞の増殖を抑制するとともに、がん微
      小環境中の免疫状態を改善する。PKM2 は、がん細胞では 2 量体として存在するが、本剤は PKM2 の
      4 量体化(高活性型)を促進する。4 量体の形成によって PKM2 が活性化され、がん細胞の好む嫌気的
      条件を好気的条件へ転換する。これによりがん微小環境中の免疫抑制状態が改善され、免疫チェック
      ポイント阻害薬との相乗効果が期待される。
   ・ 開発段階:
      固形がん(単剤・併用):フェーズ 1(米国)

3. 再生・細胞医薬分野
RVT-802                                              起源:デューク大学
   ・ 本剤は、先天性無胸腺症の小児患者に移植されて免疫応答機能を発揮するように作成された培養ヒト
      胸腺組織で、生涯に 1 回きりの再生医療である。本剤の主要な原料は、心臓病の小児の心臓手術中に
      除去されたヒト胸腺組織である。本剤は患者の大腿四頭筋に移植される。患者自身の骨髄由来幹細胞
      が本剤に移動して成熟 T 細胞に分化することによって、感染を防御する。本剤に反応する患者では多
      様な T 細胞集団が産生され、治療後 6~12 カ月で感染を防御するのに十分な胸腺機能が発達する。
   ・ 開発段階:2019 年 4 月申請(米国)、2019 年 12 月審査結果通知(CRL)を受領(米国)

他家 iPS 細胞由来医薬品
  ・ 当社は産学の連携先と、加齢黄斑変性、パーキンソン病、網膜色素変性、脊髄損傷を対象に、他家(健
     常人)iPS 細胞を用いた再生・細胞医薬事業を推進している。
  ・ 開発段階:
        開発番号      連携先         予定適応症  開発地域     開発段階
                                          フェーズ 1/2
          -   京都大学 iPS 細胞研究所 パーキンソン病 日本
                                          (医師主導治験)
        HLCR011   理化学研究所・ヘリオス          加齢黄斑変性         日本       治験開始に向けて準備中




                                  ―補足資料 15―
                                   大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料


4. その他の領域
レルゴリクス                                      起源:武田薬品工業㈱、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、1 日 1 回経口投与の低分子 GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)受容体阻害剤である。前立
     腺がんの発生に関与する精巣のテストステロンならびに子宮筋腫や子宮内膜症の成長を刺激すること
     が知られている卵巣のエストラジオールの産生を抑制する。Myovant 社は、前立腺がん向けに単剤の
     錠剤(120mg)で 2020 年 12 月に米国での承認を取得し、子宮筋腫および子宮内膜症向けには配合剤
     (レルゴリクス 40mg+エストラジオール 1.0mg+酢酸ノルエチンドロン 0.5mg)を開発している。
   ・ 開発段階:
     子宮筋腫:2020 年 3 月申請(欧州)、2020 年 5 月申請(米国)
     子宮内膜症:フェーズ 3(米国)

イメグリミン塩酸塩(PXL008)                             起源:Poxel 社、剤形:経口剤
  ・ 本剤は、ミトコンドリアの機能を改善するという独自のメカニズムを有しており、また、2 型糖尿病治療に
    おいて重要な役割を担う 3 つの器官(膵臓・筋肉・肝臓)に作用し、グルコース濃度依存的にインスリン
    分泌を促進するとともに、インスリン抵抗性を改善、糖新生を抑制することで血糖降下作用を示すと考
    えられる。
  ・ 開発段階:2 型糖尿病 2020 年 7 月申請(日本)(Poxel 社との共同開発)

ジェムテサ(ビベグロン)                     起源:Merck Sharp & Dohme 社、剤形:経口剤
  ・ 本剤は、1 日 1 回経口投与の低分子 β3 アドレナリン受容体作動薬である。膀胱の β3 アドレナリン受
    容体に選択的に作用し、膀胱を弛緩させることで、蓄尿機能を高め、過活動膀胱における尿意切迫感、
    頻尿および切迫性尿失禁の症状を改善する。Urovant 社は過活動膀胱の適応症で 2020 年 12 月に米
    国で承認を取得した。
  ・ 開発段階:
    (新効能)前立腺肥大症を伴う過活動膀胱:フェーズ 3(米国)

rodatristat ethyl                 起源:Karos Pharmaceuticals 社、剤形:経口剤
   ・ 本剤は、中枢に移行することなく末梢のセロトニン産生を阻害するように設計されたトリプトファン水酸
       化酵素(TPH)阻害剤のプロドラッグである。過剰なセロトニン産生によって引き起こされる、肺動脈性肺
       高血圧症(PAH)やサルコイドーシスなどの疾患の進行を抑制または病状を改善させると考えられる。
   ・ 開発段階: 肺動脈性肺高血圧症(PAH):フェーズ 2(米国)

MVT-602                               起源:武田薬品工業㈱、剤形:経口剤
  ・ 本剤は、オリゴペプチドキスペプチン 1 受容体アゴニストである。視床下部の神経細胞に存在するキス
      ペプチンが活性化されると視床下部からの GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)の分泌が促進されると
      推測されるが、キスペプチンを刺激し続けることによって、最終的に GnRH が枯渇し、下流のシグナル
      伝達が遮断されると考えられる。それによって、卵胞の成熟に必要な黄体形成ホルモン(LH)を増加さ
      せると予想される。Myovant 社は体外受精を受けている不妊症の女性のためのホルモン製剤の一つと
      なるように本剤を開発している。本剤は、GnRH を刺激した後に採卵前の卵成熟を引き起こす LH の分
      泌を増加させると考えられている。
  ・ 開発段階: 不妊症:フェーズ 2(ドイツ)

URO-902                            起源:Ion Channel Innovation 社、剤形:注射剤
  ・ 本剤は、経口治療薬で効果不十分な過活動膀胱患者のための新規遺伝子治療である。本剤は、Maxi-
      K チャンネルのポア(細孔)を形成するサブユニットをコードするヒト cDNA が組み込まれたプラスミドベ
      クターである。筋細胞に Maxi-K チャンネルを発現させることで、細胞膜を通過するカリウムイオンの流
      れを増加させ、平滑筋細胞の興奮を抑制すると推測される。本メカニズムにより、排尿筋の過活動が正
      常化され、過活動膀胱の諸症状が軽減される可能性がある。
  ・ 開発段階: 過活動膀胱:フェーズ 2(米国)

                            ―補足資料 16―
                                  大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料




5. フロンティア事業
SMC-01(2 型糖尿病管理指導用モバイルアプリケーション)(医療機器)              起源:㈱Save Medical
   ・ 本アプリは、2 型糖尿病の非薬物療法の基本である生活習慣(食事・運動・体重)や指標(服薬・血圧・
      血糖値)などを管理することにより、患者の行動変容を促し、臨床的指標が改善されることを目指してい
      る。一般的なヘルスケアアプリに対し、本アプリは医師の指導下で利用されることにより、医師と患者が
      協働して治療と行動変容を継続していくことが期待される。
   ・ 開発段階: 2 型糖尿病:フェーズ 3(日本)(㈱Save Medical との共同開発)


                                                                   以 上




                           ―補足資料 17―