4506 大日住薬 2021-01-28 15:30:00
2020年度(2021年3月期)第3四半期決算(IFRS)補足資料 [pdf]
証券コード:4506
2020年度(2021年3月期)第3四半期決算(IFRS)補足資料
―目次―
Ⅰ. 連結業績ハイライト 1
Ⅱ. 連結損益計算書 3
Ⅲ. セグメント情報 4
Ⅳ. 売上の状況 5
Ⅴ. 連結財政状態計算書 7
Ⅵ. 四半期業績の推移 8
Ⅶ. 主要な連結子会社の状況 8
Ⅷ. 開発状況表 9
Ⅸ. 主な開発品のプロフィール 12
2021年1月28日
大日本住友製薬株式会社
・ 本資料には、当社グループに関する業績その他の予想、見通し、目標、計画その他の将来に関する事項が含まれて
います。これらの事項は、発表日現在において入手可能な情報による当社の仮定、見積り、見通しその他の判断に
基づくものであり、既知または未知のリスクおよび不確実性が内在しています。したがって、その後のさまざまな要因
により、予想・計画等が記載どおりに実現しない可能性や、実際の業績、開発の成否・進捗その他の見通し等が記載
内容と大きく異なる結果となる可能性があります。
・ 本資料の数字は四捨五入で表示しています。四捨五入のため、合計数字に差異が生じる場合があります。
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第3四半期決算補足資料
I.連結業績ハイライト IFRS
(億円)
1.連結損益計算書(コアベース) 2019年度 2020年度 前同比 2019年度 前期比 2020年度 前期比
3Q累計 3Q累計 増減率% 実績 増減率% 業績予想 増減率%
売上収益 3,570 3,948 10.6 4,828 5.1 ### 5,060 4.8
売上原価 *1 931 1,048 12.6 1,283 13.5 ### 1,410 9.9
売上総利益 2,640 2,900 9.9 3,544 2.4 ### 3,650 3.0
販売費及び一般管理費 *1 1,386 1,457 5.1 1,900 2.1 ### 2,150 13.2
研究開発費 *1 612 717 17.1 926 11.7 ### 1,030 11.2
その他の収益・費用 *2 1 △0 2 -
コア営業利益 643 726 12.9 720 △6.9 ### 470 △ 34.7
条件付対価公正価値の変動額(△:損) 408 △4 485 △40
その他の非経常項目(△:損) *3 △236 154 △372 150
営業利益 815 875 7.5 832 43.8 ### 580 △ 30.3
四半期(当期)利益 440 579 31.7 359 △26.1 ### 210 △ 41.5
親会社の所有者に帰属する
四半期(当期)利益
440 703 59.8 408 △16.2 ### 420 3.1
基本的1株当たり四半期(当期)利益(円) 110.70 176.84 102.58 105.71
親会社所有者帰属持分
四半期(当期)利益率(ROE)
8.6% 13.0% 7.9% 7.7%
*1 :非経常項目(減損損失、条件付対価
(億円) 公正価値の変動額等)を除く
2.連結損益計算書(フルベース) 2019年度 2020年度 前同比 *2 :持分法による損益等
3Q累計 3Q累計 増減率% *3 :*2を除くその他の収益・費用、減損損失
売上収益 3,570 3,948 10.6 等の非経常項目
売上原価 933 1,048 12.3
売上総利益 2,637 2,900 10.0
販売費及び一般管理費 978 1,470 50.3
研究開発費 837 717 △ 14.4
その他の収益・費用 △7 163
営業利益 815 875 7.5
金融収益・費用 30 △ 78
税引前四半期利益 844 797 △ 5.6
法人所得税 404 218
四半期利益 440 579 31.7
親会社の所有者に帰属する四半期利益 440 703 59.8
3.連結キャッシュ・フロー計算書 2019年度 2020年度
(億円)
3Q累計 3Q累計
営業活動によるキャッシュ・フロー 368 1,079
投資活動によるキャッシュ・フロー △ 2,847 356
財務活動によるキャッシュ・フロー 2,405 △ 184
現金及び現金同等物の期末残高 1,293 2,198
4. 為替換算レート 2019年4-12月
2020年度 為替感応度(2020年度)
2020年4-12月 (1円円安の影響)
想定レート
売上収益 コア営業
期末日 平均 期末日 平均 平均 (億円) 利益(億円)
円/USD 109.5 108.7 103.5 106.1 108.0 26 △5
円/元 15.7 15.6 15.9 15.5 15.5 18 4
―補足資料1―
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5.設備投資の状況・ 2019年度 2020年度 前同比 2020年度 前期比
(億円)
減価償却費 3Q累計 3Q累計 増減額 予想 増減額
設備投資額 77 68 △9 110 △ 10
有形固定資産償却費 77 79 2 100 △5
無形資産償却費 52 67 15 117 48
うち製品に係る無形資産
(特許権・販売権)償却費
34 48 14 92 48
(注)設備投資額は、有形固定資産とソフトウエアの設備投資額を記載しています。
2020年度の主な設備投資計画
生産設備増強、総投資額20億円、2022年度完了予定
再生・細胞医薬製造施設新設、総投資額11億円、2021年度稼働予定
―補足資料2―
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Ⅱ.連結損益計算書 IFRS
1.連結損益計算書(コアベース) (億円)
2019年度 2020年度
増減額 増減率%
3Q累計 3Q累計 増減 うち為替
売上収益 3,570 3,948 377 10.6 日本 143
北米 224 △ 52
海外売上 2,263 2,491 228 10.1 中国 △ 11 △2
63.4% 海外その他 28
海外売上比率 63.1%
その他 △6
売上原価 931 1,048 117 12.6
売上原価率 26.1% 26.5%
売上総利益 2,640 2,900 260 9.9
販売費及び一般管理費 1,386 1,457 71 5.1 うちスミトバント +266
人件費 594 687 94 15.8
広告宣伝費 176 149 △ 27 △ 15.3
販売促進費 111 116 4 3.7
減価償却費 83 101 17 20.7
その他 421 404 △ 17 △ 4.0
研究開発費 612 717 105 17.1 うちスミトバント +188
研究開発費売上収益比率 17.1% 18.2%
その他の収益・費用 1 △0 △1
条件付対価変動額( △:損) 19/3Q 20/3Q
コア営業利益 643 726 83 12.9 ロンハラマグネア関連 △7 -
条件付対価公正価値 旧ボストン・バイオメディカル関連 *275 △5
408 △4 △ 412 *140 *1
の変動額 (△:損) 旧トレロ関連
* 事業計画見直し等に伴う公正価値の減少
その他の非経常項目 (△:損) △ 236 154 390
815 61 7.5 前期:仕掛研究開発の減損発生
営業利益 875 当期:固定資産売却益発生
金融収益 33 11 △ 22
金融費用 4 89 86 当期:円高による為替差損
税引前四半期利益 844 797 △ 47 △ 5.6
法人所得税 404 218 △ 186 前期:米国で繰延税金資産の取崩発生
四半期利益 440 579 139 31.7
親会社の所有者に帰属する
440 703 263 59.8
四半期利益
2.コア営業利益への調整項目
(億円)
2020年度3Q累計実績 フルベース コアベース 調整額 主な調整項目
売上収益 3,948 3,948 -
売上原価 1,048 1,048 -
売上総利益 2,900 2,900 -
・条件付対価公正価値の変動額 △4
販売費及び一般管理費 1,470 1,457 △ 13 ・事業構造改善費用 △9
研究開発費 717 717 -
その他の収益 175 △0 △ 175 ・旧茨木工場売却益 △167
その他の費用 13 - △ 13
営業利益 875 726 △ 150
―補足資料3―
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Ⅲ.セグメント情報(コアベース)
(億円)
医薬品事業
2020年度3Q累計 海外 その他 連結
日本 北米 中国 合計
その他
売上収益(外部顧客向け) 1,185 2,180 191 115 3,671 277 3,948
売上原価 595 163 39 42 838 210 1,048
売上総利益 591 2,017 152 73 2,833 66 2,900
販売費及び一般管理費 361 972 67 20 1,420 38 1,457
コアセグメント利益 230 1,045 85 53 1,414 29 1,442
研究開発費 *1 711 6 717
その他の収益・費用(コア内)*2 △0 - △0
コア営業利益 703 22 726
(億円)
医薬品事業
2019年度3Q累計 海外 その他 連結
日本 北米 中国 合計
その他
売上収益(外部顧客向け) 1,043 1,957 202 87 3,288 282 3,570
売上原価 465 178 38 31 712 219 931
売上総利益 578 1,778 164 56 2,576 63 2,640
販売費及び一般管理費 377 876 70 24 1,347 39 1,386
コアセグメント利益 201 902 94 32 1,229 25 1,253
研究開発費 *1 606 6 612
その他の収益・費用(コア内)*2 1 0 1
コア営業利益 624 18 643
(億円)
医薬品事業
2020年度予想 海外 その他 連結
日本 北米 中国 合計
その他
売上収益(外部顧客向け) 1,533 2,721 277 169 4,700 360 5,060
売上原価 791 239 54 51 1,135 275 1,410
売上総利益 742 2,482 223 118 3,565 85 3,650
販売費及び一般管理費 520 1,461 85 29 2,095 55 2,150
コアセグメント利益 222 1,021 138 89 1,470 30 1,500
研究開発費 *1 1,020 10 1,030
その他の収益・費用(コア内)*2 - - -
コア営業利益 450 20 470
*1 医薬品の研究開発費は、グローバルに管理しているため各セグメントに配分していません。
*2 持分法による損益等
―補足資料4―
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Ⅳ.売上の状況 IFRS
1.医薬セグメント別売上収益 (外部顧客向け) (億円)
2019年度 2020年度 2020年度
セグメント 増減額 増減率%
予想
進捗率%
3Q累計 3Q累計
日本 1,043 1,185 143 13.7 ##### 1,533 77.3
北米 1,957 2,180 224 11.4 ##### 2,721 80.1
中国 202 191 △ 11 △ 5.4 (277) 277 68.8
海外その他 87 115 28 31.9 (169) 169 67.8
2.主要製品の販売状況①
(仕切価ベース、億円)
品目 2019年度 2020年度 2020年度
増減額 増減率% 進捗率%
[薬効] 3Q累計 3Q累計 予想
日本
プロモーション品
エクア・エクメット *1
[2型糖尿病治療剤]'19.11~
78 313 235 301.2 (405) 405 77.3
トルリシティ *2
[2型糖尿病治療剤]'15.9~
229 259 30 13.2 (366) 366 70.7
トレリーフ
126 127 1 0.5 (170) 170 74.5
[パーキンソン病治療剤]
リプレガル
103 106 2 2.4 (137) 137 77.0
[ファブリー病治療剤]
メトグルコ
74 72 △2 △ 3.1 (88) 88 81.8
[2型糖尿病治療剤]
アムビゾーム
33 28 △5 △ 14.8 (40) 40 70.1
[深在性真菌症治療剤]
ラツーダ
[非定型抗精神病薬]'20.6~
- 16 16 - (22) 22 73.0
ロナセンテープ
[非定型抗精神病薬]'19.9~
3 9 6 211.3 (25) 25 37.5
その他品目
アムロジン
60 51 △9 △ 14.8 (61) 61 83.9
[高血圧症・狭心症治療薬]
シュアポスト
52 35 △ 18 △ 33.9 (35) 35 99.1
[2型糖尿病治療剤]
オーソライズドジェネリック品 58 59 1 1.7 (72) 72 81.3
*1 プロモーションのフィー収入は除く
*2 トルリシティの売上収益は薬価ベースの数値
―補足資料5―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第3四半期決算補足資料
2.主要製品の販売状況② IFRS
(億円)
品目 2019年度 2020年度 2020年度
増減額 増減率% 進捗率%
[薬効] 3Q累計 3Q累計 予想
北米
ラツーダ
1,421 1,605 184 12.9 #### 1,990 80.7
[非定型抗精神病薬]
ブロバナ
260 225 △ 35 △ 13.4 (297) 297 75.7
[COPD治療剤]
アプティオム
170 198 28 16.7 (246) 246 80.6
[抗てんかん剤]
ロンハラ マグネア
23 17 △6 △ 26.0 (30) 30 55.5
[COPD治療剤]'18.4~
ゾペネックス
28 36 8 30.2 (46) 46 78.2
[喘息治療剤]
キンモビ
[パーキンソン病に伴うオフ症状治療剤] - 2 2 - (11) 11 14.4
'20.9~
中国
メロペン
169 153 △ 16 △ 9.3 (225) 225 68.1
[カルバペネム系抗生物質製剤]
海外その他
メロペン
51 44 △7 △ 13.6 (57) 57 77.6
[カルバペネム系抗生物質製剤]
(参考)北米 現地通貨ベース (百万ドル)
2019年度 2020年度 2020年度
品目 3Q累計 3Q累計
増減額 増減率%
予想
進捗率%
ラツーダ 1,308 1,513 205 15.6 #### 1,843 82.1
ブロバナ 239 212 △ 27 △ 11.3 (275) 275 77.0
アプティオム 156 187 31 19.5 (228) 228 82.0
ロンハラ マグネア 21 16 △5 △ 24.2 (28) 28 56.1
ゾペネックス 25 34 8 33.3 (43) 43 78.8
キンモビ - 1 1 - (10) 10 14.9
―補足資料6―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第3四半期決算補足資料
Ⅴ.連結財政状態計算書 IFRS
2019年12月に取得したスミトバント社の取得原価
(億円) 配分が当第3四半期に確定したことにより、関連す
る2020年3月末の値を遡及修正しています。
2020年 2020年 対20/3末
科 目
3月末 12月末 増減額
資産 12,565 13,088 523
(非流動資産) 8,924 8,441 △ 483
のれん内訳 20/3 20/12
有形固定資産 657 628 △ 30 オンコロジー(SDPO)以外 **1,4961,423
のれん 1,735 1,650 △ 85 オンコロジー(SDPO)関連 238 227
**遡及修正後
無形資産 4,210 3,985 △ 225 主な特許権 20/3 20/12
特許権・販売権 85 2,018 1,932 キンモビ(アポモルヒネ) - *491
オルゴビクス(レルゴリクス) - *592
仕掛研究開発 4,055 1,903 △ 2,152 ジェムテサ(ビベグロン) - *869
その他 70 64 △6 *仕掛研究開発からの振替による増加
主な仕掛研究開発 20/3 20/12
その他の金融資産 2,009 1,675 △ 335
キンモビ(アポモルヒネ) 541 * -
その他の非流動資産 42 104 63 旧ボストン・バイオメディカル品目 276 263
旧トレロ品目 261 248
繰延税金資産 271 400 129
レルゴリクス **1,932 * 1,245
(流動資産) 3,641 4,647 1,006 ジェムテサ(ビベグロン) ** 900 * -
*特許権への振替による減少
棚卸資産 794 829 35 **遡及修正後
営業債権及びその他の債権 1,345 1,487 142
その他の金融資産 287 53 △ 235 短期貸付金減少
その他の流動資産 155 80 △ 75
現金及び現金同等物 1,017 2,198 1,181
小計 3,598 4,647 1,049
売却目的で保有する資産 43 - △ 43 旧茨木工場売却完了
負債 6,207 6,703 496
(非流動負債) 1,242 4,071 2,829 社債・借入金合計
社債及び借入金 250 2,646 2,395 2,980 → 2,945
その他の金融負債 413 418 4 劣後債発行と長期借入への借換により
ブリッジローンを長期資金化
退職給付に係る負債 239 245 7
その他の非流動負債 72 495 423 提携契約一時金により前受収益増加
繰延税金負債 268 268 0 条件付対価公正価値残高 今後の支払
20/3 20/12 総額(最大)
(流動負債) 4,965 2,632 △ 2,333 旧ボストン・バイオメディカル関連 174 171 $1,390M
借入金 2,730 300 △ 2,430 旧トレロ関連 138 130 $580M
合計 312 301
営業債務及びその他の債務 623 548 △ 74 その他の金融負債(非流動・流動)の内数
その他の金融負債 139 243 104
未払法人所得税 226 145 △ 81
引当金 846 951 104
その他の流動負債 401 445 44
資本 6,359 6,386 27
資本金 224 224 -
資本剰余金 178 164 △ 14
自己株式 △7 △7 △0
利益剰余金 4,573 5,162 589
為替レート 20/3 20/12
その他の資本の構成要素 358 △ 72 △ 430
USD 108.8 ⇒ 103.5
親会社の所有者に帰属する持分 5,327 5,472 145 RMB 15.3 ⇒ 15.9
非支配持分 1,032 914 △ 118
―補足資料7―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第3四半期決算補足資料
Ⅵ.四半期業績の推移
(億円)
2019年度 2020年度
コアベース
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
売上収益 1,175 1,131 1,264 1,257 1,339 1,276 1,333 △ 2,232
売上原価 288 273 370 353 360 347 341 △ 571
売上総利益 886 859 894 905 979 929 992 △ 1661
販売費及び一般管理費 463 424 498 514 478 458 521 △ 908
研究開発費 200 210 202 314 257 235 225 △ 355
その他の収益・費用(コア内) 0 0 1 0 △0 △0 0 △1
コア営業利益 223 225 195 77 244 236 246 △ 399
条件付対価に係る
公正価値の変動額(△:損) 185 233 △9 77 △ 12 13 △4 △ 420
その他の非経常項目(△:損) △3 △ 194 △ 39 △ 136 1 △6 159 237
営業利益 404 264 146 18 233 243 400 △ 582
四半期利益 67 236 136 △ 81 156 148 276 △ 284
親会社の所有者に帰属する
四半期利益 67 236 136 △ 32 183 190 330 △ 257
Ⅶ.主要な連結子会社の状況(2020年12月31日現在)
国内 設立年月 持株比率 従業員数 主な事業内容
DSP五協フード&ケミカル株式会社 1947/10 100%
205名 食品素材・食品添加物および化学製品材料等の製造、販売
DSファーマアニマルヘルス株式会社 2010/ 7 100%
91名 動物用医薬品等の製造、販売
DSファーマプロモ株式会社 1998/ 6 100%
42名 医療用医薬品等の製造、販売
海外 設立年月 持株比率 従業員数 主な事業内容
サノビオン社、スミトモダイニッポンファーマオンコロジー社の持
スミトモダイニッポンファーマアメリカ・インク 2009/7 100% 149名 株会社および各社の一般管理業務
サノビオン・ファーマシューティカルズ・インク 1984/ 1 100% *1,260名 医療用医薬品の製造、販売
スミトモダイニッポンファーマオンコロジー・インク 2006/11 100% 209名 がん領域の研究開発
スミトバント・バイオファーマ・インク 2019/10 100% 68名 スミトバントグループ会社の管理および事業戦略等の策定推進
マイオバント・サイエンシズ・リミテッド 2016/ 2 54% *387名 医療用医薬品(婦人科、前立腺がん)の研究開発
ユーロバント・サイエンシズ・リミテッド 2016/ 1 71% *134名 医療用医薬品(泌尿器科疾患)の研究開発
エンジバント・セラピューティクス・リミテッド 2016/ 1 100% *22名 医療用医薬品(小児希少疾患)の研究開発
アルタバント・サイエンシズ・リミテッド 2017/ 9 100% *14名 医療用医薬品(呼吸器系希少疾患)の研究開発
スピロバント・サイエンシズ・リミテッド 2019/ 2 100% *19名 医療用医薬品(嚢胞性線維症(遺伝子治療))の研究開発
住友制葯(蘇州)有限公司 2003/12 100% 763名 医療用医薬品の製造、販売
*従業員数は傘下の連結子会社の人員を含む
参考)従業員数 (名) 2019/3/31 2020/3/31 2020/12/31
連結/個別 6,140 3,067 6,457 3,023 6,646 3,074
MR人数(コントラクトMR含む)
日本 マネージャー除く/総数 1,120 1,240 1,220 1,340 1,150 1,270
米国 マネージャー除く/総数 720 820 650 740 * 720 * 830
中国 マネージャー除く/総数 340 400 330 400 340 410
*スミトバント傘下の営業人員を含む
―補足資料8―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料
Ⅷ.開発状況表(2021 年 1 月 28 日現在)
・ この表には当社グループが日本・米国・中国において承認取得を目指す適応症に関する臨床試験を掲載
しており、全ての臨床試験は掲載していません。
・ がん領域については、同じ適応症で複数の試験がある場合は、最も進んでいる開発段階の試験のみを記
載しています。
・ 開発段階の変更基準は、治験届受理日としています。
1. 精神神経領域
製品/コード名
予定適応症 地域 開発段階
(一般名)
ロナセン (新用法:小児)統合失調症 日本 申請(2020/5)
(ブロナンセリン)
ラツーダ (新効能)双極Ⅰ型障害うつ 中国 フェーズ 3
(ルラシドン塩酸塩)
SEP-363856 統合失調症 米国 フェーズ 3
日本 フェーズ 1
パーキンソン病に伴う精神病症状 米国 フェーズ 2
EPI-743 リー脳症 日本 フェーズ 2/3
(バチキノン)
EPI-589 パーキンソン病 米国 フェーズ 2
筋萎縮性側索硬化症(ALS) 米国 フェーズ 2
日本 フェーズ 1
SEP-4199 双極Ⅰ型障害うつ 米国・日本 フェーズ 2(国際共同試験)
DSP-6745 パーキンソン病に伴う精神病症状 米国 フェーズ 1
SEP-378608 双極性障害 米国 フェーズ 1
DSP-3905 神経障害性疼痛 米国 フェーズ 1
SEP-378614 治療抵抗性うつ 米国 フェーズ 1
SEP-380135 アルツハイマー病に伴うアジテーシ 米国 フェーズ 1
ョン
DSP-1181 強迫性障害 日本 フェーズ 1
2. がん領域
製品/コード名
予定適応症 地域 開発段階
(一般名)
BBI608 結腸直腸がん(併用) 米国・日本 フェーズ 3(国際共同試験)
(ナパブカシン) 肝細胞がん(併用) 米国 フェーズ 1/2
消化器がん(併用) 米国 フェーズ 1/2
固形がん(併用) 米国 フェーズ 1/2
DSP-2033 急性骨髄性白血病(AML)(単剤・併用) 米国 フェーズ 2
(alvocidib) (再発・難治性患者対象)
骨髄異形成症候群(MDS)(併用) 米国 フェーズ 1/2
―補足資料 9―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料
2. がん領域(続き)
製品/コード名
予定適応症 地域 開発段階
(一般名)
DSP-7888 膠芽腫(併用) 米国・日本 フェーズ 2(国際共同試験)
(アデグラモチド酢酸塩/
ネラチモチドトリフルオロ酢酸 固形がん(併用) 米国 フェーズ 1/2
塩)
TP-0903 固形がん(単剤・併用) 米国・日本 フェーズ 1
(dubermatinib)
DSP-0509 固形がん(単剤・併用) 米国 フェーズ 1/2
TP-0184 骨髄異形成症候群に伴う貧血(単剤) 米国 フェーズ 1/2
固形がん(単剤) 米国 フェーズ 1
DSP-0337 固形がん(単剤) 米国 フェーズ 1
TP-1287 固形がん(単剤) 米国 フェーズ 1
TP-3654 固形がん(単剤) 米国 フェーズ 1
骨髄線維症(単剤・併用) 米国 フェーズ 1
TP-1454 固形がん(単剤・併用) 米国 フェーズ 1
3. 再生・細胞医薬分野
製品/コード名
予定適応症 地域 開発段階
(一般名)
RVT-802 小児先天性無胸腺症 米国 申請(2019/4)
審査結果通知(CRL)を受
領(2019/12)
他家 iPS 細胞由来ドパミン神 パーキンソン病 日本 フェーズ 1/2
経前駆細胞 (医師主導治験)
HLCR011 加齢黄斑変性 日本 治験開始に向けて準備中
(他家 iPS 細胞由来網膜色
素上皮)
4. その他の領域
製品/コード名
予定適応症 地域 開発段階
(一般名)
レルゴリクス 子宮筋腫 欧州 申請(2020/3)
米国 申請(2020/5)
子宮内膜症 米国 フェーズ 3(国際共同試験)
PXL008 2 型糖尿病 日本 申請(2020/7)
(イメグリミン塩酸塩)
ジェムテサ(ビベグロン) (新効能)前立腺肥大症を伴う過活動 米国 フェーズ 3
膀胱
rodatristat ethyl 肺動脈性肺高血圧症(PAH) 米国 フェーズ 2
MVT-602 不妊症 ドイツ フェーズ 2
URO-902 過活動膀胱 米国 フェーズ 2
―補足資料 10―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料
5. フロンティア事業
製品/コード名 予定適応症 地域 開発段階
SMC-01
フェーズ 3
(2 型糖尿病管理指導用モバ 2 型糖尿病 日本
((株)Save Medical との共同開発)
イルアプリケーション)
【前回 2020 年 10 月決算発表時点からの主な変更点】
製品/コード名
予定適応症 地域 開発段階 変更内容
(一般名)
ラツーダ (新効能)双極Ⅰ型障害うつ 中国 フェーズ 3 新規掲載
(ルラシドン塩酸塩)
オルゴビクス 前立腺がん(単剤) 米国 承認取得 承認取得のため
(レルゴリクス) (2020/12) 表から削除
ジェムテサ 過活動膀胱 米国 承認取得 承認取得のため
(ビベグロン) (2020/12) 表から削除
過敏性腸症候群関連疼痛 米国 フェーズ 2 開発中止のため
表から削除
―補足資料 11―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料
Ⅸ.主な開発品のプロフィール(2021 年 1 月 28 日現在)
1. 精神神経領域
SEP-363856 起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤は、新規な作用メカニズムの抗精神病薬であり、セロトニン 5-HT1A アゴニスト活性を持つ TAAR1
(微量アミン関連受容体 1)アゴニストであり、ドパミン D2 またはセロトニン 5-HT2A 受容体には結合しな
い。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを
使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-363856 を見出した。統合失調症患者を対象としたフェーズ
2 の結果では、統合失調症の陽性症状および陰性症状への効果を示し、錐体外路症状、体重増加、脂
質およびグルコースの異常、プロラクチン上昇の副作用はプラセボと同程度であった。
・ 開発段階:
統合失調症:フェーズ 3(米国)
パーキンソン病に伴う精神病症状:フェーズ 2(米国)
統合失調症:フェーズ 1(日本)
バチキノン(EPI-743) 起源:PTC Therapeutics 社(BioElectron 社から取得)、剤形:経口剤
・ 本剤は、ミトコンドリアの機能低下により発生する酸化ストレスを除去することにより効果を発揮し、有効
な治療薬の存在しないリー脳症をはじめとするミトコンドリア病に対する世界初の治療薬になることが期
待される。
・ 開発段階:リー脳症 フェーズ 2/3(日本)終了、今後の開発方針について検討中
EPI-589 起源:PTC Therapeutics 社(BioElectron 社から取得)、剤形:経口剤
・ 本剤は、ミトコンドリアの機能低下により発生する酸化ストレスを除去することにより効果を発揮し、酸化
ストレスに起因する神経変性疾患への適応が期待される。
・ 開発段階:
パーキンソン病:フェーズ 2(米国)
筋萎縮性側索硬化症(ALS):フェーズ 2(米国)
筋萎縮性側索硬化症(ALS):フェーズ 1(日本)
SEP-4199 起源:自社(Sunovion 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、アミスルプリド鏡像異性体の非ラセミ混合物である。Sunovion 社は、アミスルプリドの薬理作
用は鏡像異性体に特異的であり、S 体に対する R 体の比率を増加させることにより、ドパミン D2 受容体
に比べてセロトニン 5-HT7 受容体への作用が高まることを見出した。本剤は、抗うつ作用を強めるため
にセロトニン 5-HT7 活性を高め、双極性障害うつ治療に適したレベルのドパミン D2 受容体占有率となる
よう R 体と S 体の比率が 85:15 に設計されている。
・ 開発段階:双極Ⅰ型障害うつ フェーズ 2(米国・日本)
DSP-6745 起源:自社、剤形:経口剤
・ 本剤は、セロトニン 5-HT2A とセロトニン 5-HT2C 受容体に対するデュアルアンタゴニストであり、パーキ
ンソン病に伴う精神病症状、およびパーキンソン病の非運動症状(non-motor symptoms;うつ、不安、
認知機能障害)に対する効果が期待される。また、本剤はドパミン D2 受容体拮抗作用がない。
・ 開発段階:パーキンソン病に伴う精神病症状 フェーズ 1(米国)
SEP-378608 起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤は、中枢神経系に作用する新規化合物である。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラ
ットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-378608 を見
出した。非臨床試験において、気分の制御に関係する重要な脳領域での神経活動を調節する可能性
が示唆されている。
・ 開発段階:双極性障害 フェーズ1(米国)
―補足資料 12―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料
DSP-3905 起源:自社、剤形:経口剤
・ 本剤は、電位依存性ナトリウムチャンネル Nav1.7 選択的阻害剤であり、本剤の阻害様式から神経が
過剰に興奮している疼痛時に強い鎮痛作用を示すことが期待される。また、既存の神経障害性疼痛治
療薬では中枢神経系や心臓系の副作用が発症することもあるが、末梢神経に発現する Nav1.7 に高い
選択性を示す本剤は、そのような副作用を起こしにくいことが期待される。
・ 開発段階:神経障害性疼痛 フェーズ 1(米国)
SEP-378614 起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤は、中枢神経系に作用する新規化合物である。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラ
ットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-378614 を見
出した。非臨床試験において、即効性かつ持続性の抗うつ薬様活性を発現し、神経可塑性を高める可
能性が示唆されている。
・ 開発段階:治療抵抗性うつ フェーズ 1(米国)
SEP-380135 起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤は、中枢神経系に作用する新規化合物である。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラ
ットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-380135 を見
出した。非臨床試験において、焦燥、攻撃性、精神運動多亢進、うつ、社会的相互作用の欠如などの認
知症に伴う行動・心理症状に対して有効性を示すことが示唆されている。
・ 開発段階:アルツハイマー病に伴うアジテーション フェーズ 1(米国)
DSP-1181 起源:自社(Exscientia 社との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤は、Exscientia 社の AI 技術を用いて当社が創製した新規化合物である。既存のセロトニン
5- HT1A 受容体パーシャルアゴニスト(非ベンゾジアゼピン系の抗不安薬)と異なり、セロトニン 5-HT1A
受容体に対して強力なフルアゴニスト活性を有することや長い半減期が示唆されていることから、長時
間にわたり強い薬効が期待できる。また、強迫性障害に関わる神経回路を操作した病態モデルにおい
て、標準治療薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)よりも早い薬効発現が示唆されてい
る。
・ 開発段階:強迫性障害 フェーズ 1(日本)
2. がん領域
ナパブカシン(BBI608) 起源:自社(旧 Boston Biomedical 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、新しいメカニズムの低分子経口剤で、がん細胞に発現する酵素 NQO1 によって生体内活性化
を受け、活性酸素種を産生することで STAT3 を含むがん幹細胞性やがんの増悪に関わる経路を阻害
し、最終的にはがん細胞を死に至らしめると期待されている。
・ 開発段階:
開発段階 予定適応症 開発地域 併用薬 試験番号
FOLFIRI*3、FOLFIRI*3+
フェーズ 3 結腸直腸がん(併用) 米国・日本 CanStem303C
ベバシズマブ
固形がん*1(併用) 米国 パクリタキセル 201
肝細胞がん*2(併用) 米国 ソラフェニブ HCC-103
フェーズ イピリムマブ、ペムブロリズマブ、
固形がん(併用) 米国 201CIT
1/2 ニボルマブ
FOLFOX*3、FOLFOX*3+ベバシズ
マ ブ 、 CAPOX*3 、 FOLFIRI*3 、
消化器がん(併用) 米国 246
FOLFIRI*3+ベバシズマブ、レゴラ
フェニブ、イリノテカン
*1 フェーズ 2 段階:卵巣がん、乳がん、メラノーマ等
*2 フェーズ 2 段階
*3 FOLFOX: フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチンの併用
―補足資料 13―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料
CAPOX : カペシタビン、オキサリプラチンの併用
FOLFIRI: フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカンの併用
alvocidib(DSP-2033) 起源:Sanofi 社、剤形:注射剤
・ 本剤は、低分子のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)9 阻害剤である。がん関連遺伝子の転写制御に関
与している CDK ファミリーの一つである CDK9 を阻害することによって、抗アポトーシス遺伝子である
MCL-1 を抑制し、抗腫瘍作用を示すと考えられる。
・ 開発段階:
開発段階 予定適応症 開発地域 併用薬 試験番号
急性骨髄性白血病(単剤・併用)
フェーズ 2 (ベネトクラクス併用治療後の再 米国 シタラビン TPI-ALV-202
発・難治性患者対象)
フェーズ TPI-ALV-102
骨髄異形成症候群(併用) 米国 デシタビン、アザシチジン
1/2 (Zella 102)
アデグラモチド酢酸塩/ネラチモチドトリフルオロ酢酸塩(DSP-7888) 起源:自社、剤形:注射剤
・ 起源:自社、剤形:注射剤
・ 本剤は、WT1(Wilms’ tumor gene 1)タンパク由来の治療用がんペプチドワクチンであり、WT1 特異
的な細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導するペプチドおよびヘルパーT 細胞を誘導するペプチドを含む新
規ペプチドワクチンである。本剤の投与により誘導される CTL が、WT1 タンパクを発現するがん細胞を
攻撃することで、種々の血液がんおよび固形がんに対して治療効果を発揮することが期待される。ヘル
パーT 細胞を誘導するペプチドを加えることによって、CTL を誘導するペプチド単独よりも高い有効性を
示すと考えられる。本剤は、幅広い患者への適応が期待される。
・ 開発段階:
開発段階 予定適応症 開発地域 併用薬 試験番号
BBI-DSP7888-
フェーズ 2 膠芽腫(併用) 米国・日本 ベバシズマブ
201G
フェーズ BBI-DSP7888-
固形がん(併用) 米国 ニボルマブ、ペムブロリズマブ
1/2 102CI
dubermatinib(TP-0903) 起源:ユタ大学、剤形:経口剤
・ 本剤は、AXL 受容体チロシンキナーゼを含む複数のキナーゼ阻害剤である。抗がん剤への耐性やが
んの転移などに関与するとされているキナーゼの一つである AXL を阻害し、間葉系様細胞の性質への
移行を妨げることによって、様々ながん種の細胞に対する抗腫瘍作用を示すと考えられる。本剤は、非
臨床試験において、AXL シグナル伝達を阻害し、間葉系様細胞から上皮細胞の性質に逆転させること
が示されている。
・ 開発段階:
固形がん(単剤・併用):フェーズ 1(米国・日本)
DSP-0509 起源:自社、剤形:注射剤
・ 本剤は、新規の Toll-like receptor 7(TLR7)アゴニストである。樹状細胞に発現する TLR7 に対するア
ゴニスト作用を介して、サイトカイン誘導や細胞傷害性 T 細胞(CTL)の活性化を促進すると考えられる。
さらに、免疫記憶を司るメモリーT 細胞を誘導し、抗腫瘍免疫作用を維持することが期待される。
・ 開発段階:固形がん(単剤・併用):フェーズ 1/2(米国)
TP-0184 起源:自社(旧 Tolero 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、TGFβ 受容体スーパーファミリーに属する ALK2 および ALK5 などのキナーゼ阻害作用を有
する。骨髄異形成症候群では ALK5 経路が活性化し、赤血球分化の異常を引き起こす。本剤は、キナ
ーゼ阻害を介して抗腫瘍作用を示すことが期待される。
・ 開発段階:
骨髄異形成症候群に伴う貧血(単剤):フェーズ 1/2(米国)
―補足資料 14―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料
固形がん(単剤):フェーズ 1(米国)
DSP-0337 起源:自社、剤形:経口剤
・ 本剤は、ナパブカシンの低分子経口プロドラッグである。胃内での安定性や分散性に優れ、腸内でナパ
ブカシンに変換されて消化管吸収され、薬理作用を発揮することが期待される。
・ 開発段階:固形がん(単剤):フェーズ 1(米国)
TP-1287 起源:自社(旧 Tolero 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)9 を阻害する低分子経口剤である。非臨床試験において、
良好な経口バイオアベイラビリティが示されるとともに、酵素により切断され CDK9 阻害作用を有する
alvocidib を生成することが示された。経口投与により長期投与が可能となり、持続的な CDK9 阻害が
期待される。
・ 開発段階:固形がん(単剤):フェーズ 1(米国)
TP-3654 起源:自社(旧 Tolero 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、PIM(proviral integration site for Moloney murine leukemia virus)キナーゼ阻害を介して炎
症性シグナル経路を抑制する。PIM キナーゼは、様々な血液がんおよび固形がんにおいて過剰発現し、
がん細胞のアポトーシス回避、腫瘍増殖の促進につながる可能性がある。
・ 開発段階:
固形がん(単剤):フェーズ 1(米国)
骨髄線維症(単剤・併用):フェーズ 1(米国)
TP-1454 起源:自社(旧 Tolero 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、PKM2(ピルビン酸キナーゼ M2)活性化を介してがん細胞の増殖を抑制するとともに、がん微
小環境中の免疫状態を改善する。PKM2 は、がん細胞では 2 量体として存在するが、本剤は PKM2 の
4 量体化(高活性型)を促進する。4 量体の形成によって PKM2 が活性化され、がん細胞の好む嫌気的
条件を好気的条件へ転換する。これによりがん微小環境中の免疫抑制状態が改善され、免疫チェック
ポイント阻害薬との相乗効果が期待される。
・ 開発段階:
固形がん(単剤・併用):フェーズ 1(米国)
3. 再生・細胞医薬分野
RVT-802 起源:デューク大学
・ 本剤は、先天性無胸腺症の小児患者に移植されて免疫応答機能を発揮するように作成された培養ヒト
胸腺組織で、生涯に 1 回きりの再生医療である。本剤の主要な原料は、心臓病の小児の心臓手術中に
除去されたヒト胸腺組織である。本剤は患者の大腿四頭筋に移植される。患者自身の骨髄由来幹細胞
が本剤に移動して成熟 T 細胞に分化することによって、感染を防御する。本剤に反応する患者では多
様な T 細胞集団が産生され、治療後 6~12 カ月で感染を防御するのに十分な胸腺機能が発達する。
・ 開発段階:2019 年 4 月申請(米国)、2019 年 12 月審査結果通知(CRL)を受領(米国)
他家 iPS 細胞由来医薬品
・ 当社は産学の連携先と、加齢黄斑変性、パーキンソン病、網膜色素変性、脊髄損傷を対象に、他家(健
常人)iPS 細胞を用いた再生・細胞医薬事業を推進している。
・ 開発段階:
開発番号 連携先 予定適応症 開発地域 開発段階
フェーズ 1/2
- 京都大学 iPS 細胞研究所 パーキンソン病 日本
(医師主導治験)
HLCR011 理化学研究所・ヘリオス 加齢黄斑変性 日本 治験開始に向けて準備中
―補足資料 15―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料
4. その他の領域
レルゴリクス 起源:武田薬品工業㈱、剤形:経口剤
・ 本剤は、1 日 1 回経口投与の低分子 GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)受容体阻害剤である。前立
腺がんの発生に関与する精巣のテストステロンならびに子宮筋腫や子宮内膜症の成長を刺激すること
が知られている卵巣のエストラジオールの産生を抑制する。Myovant 社は、前立腺がん向けに単剤の
錠剤(120mg)で 2020 年 12 月に米国での承認を取得し、子宮筋腫および子宮内膜症向けには配合剤
(レルゴリクス 40mg+エストラジオール 1.0mg+酢酸ノルエチンドロン 0.5mg)を開発している。
・ 開発段階:
子宮筋腫:2020 年 3 月申請(欧州)、2020 年 5 月申請(米国)
子宮内膜症:フェーズ 3(米国)
イメグリミン塩酸塩(PXL008) 起源:Poxel 社、剤形:経口剤
・ 本剤は、ミトコンドリアの機能を改善するという独自のメカニズムを有しており、また、2 型糖尿病治療に
おいて重要な役割を担う 3 つの器官(膵臓・筋肉・肝臓)に作用し、グルコース濃度依存的にインスリン
分泌を促進するとともに、インスリン抵抗性を改善、糖新生を抑制することで血糖降下作用を示すと考
えられる。
・ 開発段階:2 型糖尿病 2020 年 7 月申請(日本)(Poxel 社との共同開発)
ジェムテサ(ビベグロン) 起源:Merck Sharp & Dohme 社、剤形:経口剤
・ 本剤は、1 日 1 回経口投与の低分子 β3 アドレナリン受容体作動薬である。膀胱の β3 アドレナリン受
容体に選択的に作用し、膀胱を弛緩させることで、蓄尿機能を高め、過活動膀胱における尿意切迫感、
頻尿および切迫性尿失禁の症状を改善する。Urovant 社は過活動膀胱の適応症で 2020 年 12 月に米
国で承認を取得した。
・ 開発段階:
(新効能)前立腺肥大症を伴う過活動膀胱:フェーズ 3(米国)
rodatristat ethyl 起源:Karos Pharmaceuticals 社、剤形:経口剤
・ 本剤は、中枢に移行することなく末梢のセロトニン産生を阻害するように設計されたトリプトファン水酸
化酵素(TPH)阻害剤のプロドラッグである。過剰なセロトニン産生によって引き起こされる、肺動脈性肺
高血圧症(PAH)やサルコイドーシスなどの疾患の進行を抑制または病状を改善させると考えられる。
・ 開発段階: 肺動脈性肺高血圧症(PAH):フェーズ 2(米国)
MVT-602 起源:武田薬品工業㈱、剤形:経口剤
・ 本剤は、オリゴペプチドキスペプチン 1 受容体アゴニストである。視床下部の神経細胞に存在するキス
ペプチンが活性化されると視床下部からの GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)の分泌が促進されると
推測されるが、キスペプチンを刺激し続けることによって、最終的に GnRH が枯渇し、下流のシグナル
伝達が遮断されると考えられる。それによって、卵胞の成熟に必要な黄体形成ホルモン(LH)を増加さ
せると予想される。Myovant 社は体外受精を受けている不妊症の女性のためのホルモン製剤の一つと
なるように本剤を開発している。本剤は、GnRH を刺激した後に採卵前の卵成熟を引き起こす LH の分
泌を増加させると考えられている。
・ 開発段階: 不妊症:フェーズ 2(ドイツ)
URO-902 起源:Ion Channel Innovation 社、剤形:注射剤
・ 本剤は、経口治療薬で効果不十分な過活動膀胱患者のための新規遺伝子治療である。本剤は、Maxi-
K チャンネルのポア(細孔)を形成するサブユニットをコードするヒト cDNA が組み込まれたプラスミドベ
クターである。筋細胞に Maxi-K チャンネルを発現させることで、細胞膜を通過するカリウムイオンの流
れを増加させ、平滑筋細胞の興奮を抑制すると推測される。本メカニズムにより、排尿筋の過活動が正
常化され、過活動膀胱の諸症状が軽減される可能性がある。
・ 開発段階: 過活動膀胱:フェーズ 2(米国)
―補足資料 16―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 3 四半期決算補足資料
5. フロンティア事業
SMC-01(2 型糖尿病管理指導用モバイルアプリケーション)(医療機器) 起源:㈱Save Medical
・ 本アプリは、2 型糖尿病の非薬物療法の基本である生活習慣(食事・運動・体重)や指標(服薬・血圧・
血糖値)などを管理することにより、患者の行動変容を促し、臨床的指標が改善されることを目指してい
る。一般的なヘルスケアアプリに対し、本アプリは医師の指導下で利用されることにより、医師と患者が
協働して治療と行動変容を継続していくことが期待される。
・ 開発段階: 2 型糖尿病:フェーズ 3(日本)(㈱Save Medical との共同開発)
以 上
―補足資料 17―