4506 大日住薬 2020-07-30 15:30:00
2020年度(2021年3月期)第1四半期決算(IFRS)補足資料 [pdf]
証券コード:4506
2020年度(2021年3月期)第1四半期決算(IFRS)補足資料
―目次―
Ⅰ. 連結業績ハイライト 1
Ⅱ. 連結損益計算書 3
Ⅲ. セグメント情報 4
Ⅳ. 売上の状況 5
Ⅴ. 連結財政状態計算書 7
Ⅵ. 四半期業績の推移 8
Ⅶ. 主要な連結子会社の状況 8
Ⅷ. 開発状況表 9
Ⅸ. 主な開発品のプロフィール 12
2020年7月30日
大日本住友製薬株式会社
・ 本資料には、当社グループに関する業績その他の予想、見通し、目標、計画その他の将来に関する事項が含まれて
います。これらの事項は、発表日現在において入手可能な情報による当社の仮定、見積り、見通しその他の判断に
基づくものであり、既知または未知のリスクおよび不確実性が内在しております。したがって、その後のさまざまな要
因により、予想・計画等が記載どおりに実現しない可能性や、実際の業績、開発の成否・進捗その他の見通し等が記
載内容と大きく異なる結果となる可能性があります。
・ 本資料の数字は四捨五入で表示しています。四捨五入のため、合計数字に差異が生じる場合があります。
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第1四半期決算補足資料
I.連結業績ハイライト IFRS
(億円)
1.連結損益計算書(コアベース) 2019年度 2020年度 前同比 2020年度 前期比
1Q実績 1Q実績 増減率% 業績予想 増減率%
売上収益 1,175 1,339 13.9 (5,100) 4,950 2.5
売上原価 *1 288 360 24.7 (1,450) 1,400 9.1
売上総利益 886 979 10.4 (3,650) 3,550 0.2
販売費及び一般管理費 *1 463 478 3.1 (2,290) 2,190 15.3
研究開発費 *1 200 257 28.4 (1,030) 1,030 11.2
その他の収益・費用 *2 0 △0 (0) -
コア営業利益 223 244 9.4 330 △ 54.2
条件付対価公正価値の変動額(△:損) 185 △ 12 △ 240
その他の非経常項目(△:損) *3 △3 1 150
営業利益 404 233 △ 42.4 240 △ 71.2
四半期(当期)利益 67 156 132.2 (△ 140) △ 120 -
親会社の所有者に帰属する
四半期(当期)利益
67 183 172.4 (70) 90 △ 77.9
基本的1株当たり四半期(当期)利益(円) 16.87 45.96 (90.61) 22.65
親会社所有者帰属持分
四半期(当期)利益率(ROE)
1.4% 3.4% (7.1%) 1.7%
(注) 業績予想を修正しています。括弧内の数値は従来の予想値です。業績予想の増減率は、修正予想値の前期比増減率です。
*1 :非経常項目(減損損失、条件付対価
(億円)
公正価値の変動額等)を除く
2.連結損益計算書(フルベース) 2019年度 2020年度 前同比 *2 :持分法による損益等
1Q実績 1Q実績 増減率% *3 :*2を除くその他の収益・費用、減損損失
売上収益 1,175 1,339 13.9 等の非経常項目
売上原価 290 360 24.2
売上総利益 885 979 10.6
販売費及び一般管理費 279 490 75.8
研究開発費 201 257 28.4
その他の収益・費用 △2 1
営業利益 404 233 △ 42.4
金融収益・費用 △ 35 △ 13
税引前四半期利益 369 220 △ 40.4
法人所得税 302 64
四半期利益 67 156 132.2
親会社の所有者に帰属する四半期利益 67 183 172.4
3.連結キャッシュ・フロー計算書 2019年度 2020年度
(億円)
1Q実績 1Q実績
営業活動によるキャッシュ・フロー 82 5
投資活動によるキャッシュ・フロー 167 215
財務活動によるキャッシュ・フロー △ 93 △ 93
現金及び現金同等物の期末残高 1,490 1,134
4. 為替換算レート 2019年4-6月
2020年度 為替感応度(2020年度)
2020年4-6月 (1円円安の影響)
想定レート
売上収益 コア営業
期末日 平均 期末日 平均 平均 (億円) 利益(億円)
円/USD 107.8 109.9 107.7 107.6 108.0 25 △6
円/元 15.7 16.1 15.2 15.2 15.5 18 4
―補足資料1―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第1四半期決算補足資料
5.設備投資の状況・ 2019年度 2020年度 前同比 2020年度 前期比
(億円)
減価償却費 1Q実績 1Q実績 増減額 通期予想 増減額
設備投資額 31 21 △ 10 110 △ 10
有形固定資産償却費 16 26 10 100 △5
無形資産償却費 17 18 1 129 60
うち製品に係る無形資産
(特許権・販売権)償却費
11 12 0 98 54
(注)設備投資額は、有形固定資産とソフトウエアの設備投資額を記載しています。
2020年度の主な設備投資計画(継続中)
生産設備増強、総投資額20億円、2022年度完了予定
―補足資料2―
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Ⅱ.連結損益計算書 IFRS
1.連結損益計算書(コアベース) (億円)
2019年度 2020年度
増減額 増減率%
1Q実績 1Q実績 増減 うち為替
売上収益 1,175 1,339 164 13.9 日本 71
北米 81 △ 16
海外売上 755 852 97 12.8 中国 △ 17 △3
64.2% 海外その他 30
海外売上比率 63.6%
その他 △2
売上原価 288 360 71 24.7
売上原価率 24.5% 26.9%
売上総利益 886 979 92 10.4
販売費及び一般管理費 463 478 14 3.1 うちスミトバント +64
人件費 204 231 27 13.4
広告宣伝費 67 66 △1 △ 1.2
販売促進費 34 24 △ 10 △ 29.2
減価償却費 27 30 2 7.8
その他 132 127 △4 △ 3.4
研究開発費 200 257 57 28.4 うちスミトバント +73
研究開発費売上収益比率 17.1% 19.2%
その他の収益・費用 0 △0 △0
条件付対価変動額(△:損) 19/1Q 20/1Q
コア営業利益 223 244 21 9.4 ロンハラマグネア関連 △3 -
条件付対価公正価値 ボストン・バイオメディカル関連 *191 △6
185 △ 12 △ 197 △4 △6
の変動額 (△:損) トレロ関連
* 事業計画見直し等に伴う公正価値の減少
その他の非経常項目 (△:損) △3 1 5
営業利益 404 233 △ 172 △ 42.4
金融収益 14 6 △8
金融費用 49 19 △ 30
税引前四半期利益 369 220 △ 149 △ 40.4
法人所得税 302 64 △ 238 前期:米国で繰延税金資産の取崩発生
四半期利益 67 156 89 132.2
親会社の所有者に帰属する
67 183 116 172.4
四半期利益
2.コア営業利益への調整項目
(億円)
2020年度1Q実績 フルベース コ アベース 調整額 主な調整項目
売上収益 1,339 1,339 -
売上原価 360 360 -
売上総利益 979 979 -
販売費及び一般管理費 490 478 △ 12 ・条件付対価公正価値の変動額 △12
研究開発費 257 257 -
その他の収益 3 △0 △3
その他の費用 2 - △2
営業利益 233 244 11
―補足資料3―
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Ⅲ.セグメント情報(コアベース)
(億円)
医薬品事業
2020年度1Q実績 海外 その他 連結
日本 北米 中国 合計
その他
売上収益(外部顧客向け) 397 741 51 55 1,245 93 1,339
売上原価 204 54 8 24 290 70 360
売上総利益 194 688 43 31 956 23 979
販売費及び一般管理費 114 329 16 7 465 12 478
コアセグメント利益 80 359 27 24 490 11 501
研究開発費 *1 256 2 257
その他の収益・費用(コア内)*2 △0 0 △0
コア営業利益 234 9 244
(億円)
医薬品事業
2019年度1Q実績 海外 その他 連結
日本 北米 中国 合計
その他
売上収益(外部顧客向け) 326 660 68 25 1,079 96 1,175
売上原価 134 63 10 8 214 74 288
売上総利益 193 597 58 17 865 21 886
販売費及び一般管理費 120 302 20 8 451 13 463
コアセグメント利益 73 295 38 9 415 8 423
研究開発費 *1 198 2 200
その他の収益・費用(コア内)*2 0 △0 0
コア営業利益 217 6 223
(億円)
医薬品事業
2020年度通期予想 海外 その他 連結
日本 北米 中国 合計
その他
売上収益(外部顧客向け) 1,531 2,585 285 169 4,570 380 4,950
売上原価 779 225 53 50 1,107 293 1,400
売上総利益 752 2,360 232 119 3,463 87 3,550
販売費及び一般管理費 525 1,482 94 32 2,133 57 2,190
コアセグメント利益 227 878 138 87 1,330 30 1,360
研究開発費 *1 1,020 10 1,030
その他の収益・費用(コア内)*2 - - -
コア営業利益 310 20 330
*1 医薬品の研究開発費は、グローバルに管理しているため各セグメントに配分していません。
*2 持分法による損益等
(注) 業績予想を修正しています。
―補足資料4―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第1四半期決算補足資料
Ⅳ.売上の状況 IFRS
1.医薬セグメント別売上収益 (外部顧客向け) (億円)
2019年度 2020年度 2020年度 対通期
セグメント 増減額 増減率%
通期予想
1Q実績 1Q実績 進捗率%
日本 326 397 71 21.8 (1,544) 1,531 25.7
北米 660 741 81 12.3 (2,680) 2,585 27.7
中国 68 51 △ 17 △ 25.0 (308) 285 16.6
海外その他 25 55 30 123.0 (188) 169 29.3
2.主要製品の販売状況①
(仕切価ベース、億円)
品目 2019年度 2020年度 2020年度 対通期
増減額 増減率%
[薬効] 1Q実績 1Q実績 通期予想 進捗率%
日本
プロモーション品
エクア・エクメット *1
[2型糖尿病治療剤]'19.11~
- 103 103 - (405) 405 25.4
トルリシティ *2
[2型糖尿病治療剤]'15.9~
72 84 12 16.0 (366) 366 22.9
トレリーフ
42 43 0 0.2 (170) 170 25.0
[パーキンソン病治療剤]
リプレガル
34 35 1 2.3 (133) 133 26.0
[ファブリー病治療剤]
メトグルコ
25 25 △0 △ 0.4 (78) 88 31.6
[2型糖尿病治療剤]
アムビゾーム
10 9 △1 △ 11.2 (40) 40 22.0
[深在性真菌症治療剤]
ラツーダ
[非定型抗精神病薬]'20.6~
- 5 5 - (22) 22 23.6
ロナセンテープ
[非定型抗精神病薬]'19.9~
- 3 3 - (53) 25 4.9
その他品目
アムロジン
21 17 △4 △ 19.9 (61) 61 28.1
[高血圧症・狭心症治療薬]
シュアポスト
18 18 1 4.3 (30) 35 61.4
[2型糖尿病治療剤]
オーソライズドジェネリック品 20 19 △1 △ 5.0 (94) 72 20.2
*1 プロモーションのフィー収入は除く
*2 トルリシティの売上収益は薬価ベースの数値
(注) 一部製品の売上予想を修正しています。括弧内の数値は、従来の予想値です。進捗率は従来予想値に対する率です。
―補足資料5―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第1四半期決算補足資料
2.主要製品の販売状況② IFRS
(億円)
品目 2019年度 2020年度 2020年度 対通期
増減額 増減率%
[薬効] 1Q実績 1Q実績 通期予想 進捗率%
北米
ラツーダ
490 530 41 8.3 (1,942) 1,879 27.3
[非定型抗精神病薬]
ブロバナ
81 78 △3 △ 4.2 (311) 297 25.0
[COPD治療剤]
アプティオム
53 68 15 27.8 (233) 233 29.1
[抗てんかん剤]
ロンハラ マグネア
7 5 △1 △ 20.1 (38) 30 13.9
[COPD治療剤]'18.4~
ゾペネックス
8 13 5 61.9 (41) 46 32.9
[喘息治療剤]
キンモビ
[パーキンソン病に伴うオフ症状治療剤] - - - - (11) 11 -
'20.9発売予定
中国
メロペン
59 39 △ 19 △ 32.7 (253) 230 15.6
[カルバペネム系抗生物質製剤]
海外その他
メロペン
16 25 9 56.1 (80) 57 30.6
[カルバペネム系抗生物質製剤]
(参考)北米 現地通貨ベース (百万ドル)
2019年度 2020年度 2020年度 対通期
品目 1Q実績 1Q実績
増減額 増減率%
通期予想 進捗率%
ラツーダ 445 493 47 10.6 (1,798) 1,740 27.4
ブロバナ 74 72 △2 △ 2.2 (288) 275 25.1
アプティオム 48 63 15 30.5 (216) 216 29.2
ロンハラ マグネア 6 5 △1 △ 18.5 (35) 28 14.0
ゾペネックス 8 13 5 65.3 (38) 43 33.0
キンモビ - - - - (10) 10 -
(注) 一部製品の売上予想を修正しています。括弧内の数値は、従来の予想値です。進捗率は従来予想値に対する率です。
―補足資料6―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第1四半期決算補足資料
Ⅴ.連結財政状態計算書 IFRS
(億円)
2020年 2020年 対20/3末
科 目
3月末 6月末 増減額
資産 12,529 12,362 △ 167
(非流動資産) 8,888 8,827 △ 61
有形固定資産 657 645 △ 12 のれん内訳 20/3 20/6
のれん 1,690 1,673 △ 17 オンコロジー以外 1,452 1,438
オンコロジー関連 238 236
無形資産 4,218 4,163 △ 55
特許権・販売権 85 608 523 キンモビの仕掛研究開発を特許権へ振替
仕掛研究開発 4,063 3,487 △ 575
仕掛研究開発内訳 20/3 20/6
その他 70 68 △2 キンモビ(アポモルヒネ) 541 * -
その他の金融資産 2,009 2,014 5 ボストン・バイオメディカル品目 276 274
トレロ品目 261 259
その他の非流動資産 42 41 △1 レルゴリクス 1,751 1,733
繰延税金資産 271 290 19 ビベグロン 1,090 1,079
他 143 143
(流動資産) 3,641 3,535 △ 106 *特許権へ振替
棚卸資産 794 790 △4
営業債権及びその他の債権 1,345 1,374 29
その他の金融資産 287 38 △ 249 短期貸付金減少
その他の流動資産 155 157 2
現金及び現金同等物 1,017 1,134 117
小計 3,598 3,492 △ 106
売却目的で保有する資産 43 43 -
負債 6,208 5,994 △ 214
(非流動負債) 1,243 1,224 △ 19
借入金合計
社債及び借入金 250 243 △7 2,980 → 2,973
その他の金融負債 413 421 8
退職給付に係る負債 239 240 1 条件付対価公正価値残高 今後の支払
20/3 20/6 総額(最大)
その他の非流動負債 72 55 △ 17 ロンハラマグネア関連 - - $210M
ボストン・バイオメディカル関連 174 179 $1,390M
繰延税金負債 269 266 △2
トレロ関連 138 143 $580M
(流動負債) 4,965 4,770 △ 195 合計 312 322
その他の金融負債(非流動・流動)の内数
社債及び借入金 2,730 2,730 -
営業債務及びその他の債務 623 540 △ 82
その他の金融負債 139 137 △2
未払法人所得税 226 95 △ 131
引当金 846 904 57
その他の流動負債 401 364 △ 37
資本 6,321 6,368 47
資本金 224 224 -
資本剰余金 147 175 29
自己株式 △7 △7 0
利益剰余金 4,573 4,700 127
その他の資本の構成要素 358 318 △ 40 為替レート 20/3 20/6
USD 108.8 ⇒ 107.7
親会社の所有者に帰属する持分 5,295 5,410 116 RMB 15.3 ⇒ 15.2
非支配持分 1,026 958 △ 69
―補足資料7―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020年度第1四半期決算補足資料
Ⅵ.四半期業績の推移
(億円)
2019年度 2020年度
コアベース
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
売上収益 1,175 1,131 1,264 1,257 1,339 1,131 1,264 △ 2,232
売上原価 288 273 370 353 360 273 370 △ 571
売上総利益 886 859 894 905 979 859 894 △ 1661
販売費及び一般管理費 463 424 498 514 478 424 498 △ 908
研究開発費 200 210 202 314 257 210 202 △ 355
その他の収益・費用(コア内) 0 0 1 0 △0 0 1 △1
コア営業利益 223 225 195 77 244 225 195 △ 399
条件付対価に係る
公正価値の変動額(△:損) 185 233 △9 77 △ 12 233 △9 △ 420
その他の非経常項目(△:損) △3 △ 194 △ 39 △ 136 1 △ 194 △ 39 237
営業利益 404 264 146 18 233 264 146 △ 582
四半期利益 67 236 136 △ 81 156 236 136 △ 284
親会社の所有者に帰属する
四半期利益 67 236 136 △ 32 183 236 136 △ 257
Ⅶ.主要な連結子会社の状況(2020年6月30日現在)
国内 設立年月 持株比率 従業員数 主な事業内容
DSP五協フード&ケミカル株式会社 1947/10 202名100% 食品素材・食品添加物および化学製品材料等の製造、販売
DSファーマアニマルヘルス株式会社 2010/ 7 100%
92名 動物用医薬品等の製造、販売
DSファーマプロモ株式会社 1998/ 6 100%
47名 医療用医薬品等の製造、販売
海外 設立年月 持株比率 従業員数 主な事業内容
サノビオン社、ボストン・バイオメディカル社およびトレロ社の持
スミトモダイニッポンファーマアメリカ・インク 2009/7 100% 59名 株会社および各社の一般管理業務
サノビオン・ファーマシューティカルズ・インク 1984/ 1 100% *1,494名 医療用医薬品の製造、販売
ボストン・バイオメディカル・インク ※ 2006/11 100% 149名 がん領域の研究開発
トレロ・ファーマシューティカルズ・インク ※ 2011/ 6 100% 53名 がん領域の研究開発
スミトバント・バイオファーマ・インク 2019/10 100% 51名 スミトバントグループ会社の管理および事業戦略等の策定推進
マイオバント・サイエンシズ・リミテッド 2016/ 2 54% *240名 医療用医薬品(婦人科、前立腺がん)の研究開発
ユーロバント・サイエンシズ・リミテッド 2016/ 1 74% *90名 医療用医薬品(泌尿器科疾患)の研究開発
エンジバント・セラピューティクス・リミテッド 2016/ 1 100% *20名 医療用医薬品(小児希少疾患)の研究開発
アルタバント・サイエンシズ・リミテッド 2017/ 9 100% *12名 医療用医薬品(呼吸器系希少疾患)の研究開発
スピロバント・サイエンシズ・リミテッド 2019/ 2 100% *15名 医療用医薬品(嚢胞性線維症(遺伝子治療))の研究開発
住友制葯(蘇州)有限公司 2003/12 100% 764名 医療用医薬品の製造、販売
※2020年7月1日に両社は合併しスミトモダイニッポンファーマオンコロジー・インクとなりました。 *従業員数は傘下の連結子会社の人員を含む
参考)従業員数 (名) 2019/3/31 2020/3/31 2020/6/30
連結/個別 6,140 3,067 6,457 3,023 6,548 3,072
MR人数(コントラクトMR含む)
日本 マネージャー除く/総数 1,120 1,240 1,220 1,340 1,210 1,330
米国 マネージャー除く/総数 720 820 650 740 580 670
中国 マネージャー除く/総数 340 400 330 400 340 420
―補足資料8―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 1 四半期決算補足資料
Ⅷ.開発状況表(2020 年 7 月 30 日現在)
・ この表には当社グループが日本・米国・中国において承認取得を目指す適応症に関する臨床試験を掲載
しており、全ての臨床試験は掲載していません。
・ がん領域については、同じ適応症で複数の試験がある場合は、最も進んでいる開発段階の試験のみを記
載しています。
・ 開発段階の変更基準は、治験届受理日としています。
1. 精神神経領域
製品/コード名
予定適応症 地域 開発段階
(一般名)
ロナセン (新用法:小児)統合失調症 日本 申請(2020/5)
(ブロナンセリン)
SEP-363856 統合失調症 米国 フェーズ 3
日本 フェーズ 1
パーキンソン病に伴う精神病症状 米国 フェーズ 2
EPI-743 リー脳症 日本 フェーズ 2/3
(バチキノン)
EPI-589 パーキンソン病 米国 フェーズ 2
筋萎縮性側索硬化症(ALS) 米国 フェーズ 2
日本 フェーズ 1
SEP-4199 双極Ⅰ型障害うつ 米国・日本 フェーズ 2(国際共同試験)
DSP-6745 パーキンソン病に伴う精神病症状 米国 フェーズ 1
SEP-378608 双極性障害 米国 フェーズ 1
DSP-3905 神経障害性疼痛 米国 フェーズ 1
SEP-378614 治療抵抗性うつ 米国 フェーズ 1
SEP-380135 アルツハイマー病に伴う行動障害 米国 フェーズ 1
DSP-1181 強迫性障害 日本 フェーズ 1
2. がん領域
製品/コード名
予定適応症 地域 開発段階
(一般名)
レルゴリクス 前立腺がん(単剤) 米国 申請(2020/4)
BBI608 結腸直腸がん(併用) 米国・日本 フェーズ 3(国際共同試験)
(ナパブカシン) 肝細胞がん(併用) 米国 フェーズ 1/2
消化器がん(併用) 米国 フェーズ 1/2
固形がん(併用) 米国 フェーズ 1/2
DSP-2033 急性骨髄性白血病(AML)(単剤・併用) 米国 フェーズ 2
(alvocidib) (再発・難治性患者対象)
骨髄異形成症候群(MDS)(併用) 米国 フェーズ 1/2
―補足資料 9―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 1 四半期決算補足資料
2. がん領域(続き)
製品/コード名
予定適応症 地域 開発段階
(一般名)
DSP-7888 膠芽腫(併用) 米国・日本 フェーズ 2(国際共同試験)
(アデグラモチド酢酸塩/
ネラチモチドトリフルオロ酢酸 固形がん(併用) 米国 フェーズ 1/2
塩)
TP-0903 固形がん(単剤・併用) 米国・日本 フェーズ 1
(dubermatinib)
DSP-0509 固形がん(単剤・併用) 米国 フェーズ 1/2
TP-0184 骨髄異形成症候群に伴う貧血(単剤) 米国 フェーズ 1/2
固形がん(単剤) 米国 フェーズ 1
DSP-0337 固形がん(単剤) 米国 フェーズ 1
TP-1287 固形がん(単剤) 米国 フェーズ 1
TP-3654 固形がん(単剤) 米国 フェーズ 1
骨髄線維症(単剤・併用) 米国 フェーズ 1
TP-1454 固形がん(単剤・併用) 米国 フェーズ 1
3. 再生・細胞医薬分野
製品/コード名
予定適応症 地域 開発段階
(一般名)
申請(2019/4)
RVT-802 小児先天性無胸腺症 米国 審査結果通知(CRL)を受
領(2019/12)
他家 iPS 細胞由来ドパミン神 パーキンソン病 日本 フェーズ 1/2
経前駆細胞 (医師主導治験)
HLCR011 加齢黄斑変性 日本 治験開始に向けて準備中
(他家 iPS 細胞由来網膜色
素上皮)
4. その他の領域
製品/コード名
予定適応症 地域 開発段階
(一般名)
ビベグロン 過活動膀胱 米国 申請(2019/12)
前立腺肥大症を伴う過活動膀胱 米国 フェーズ 3
過敏性腸症候群関連疼痛 米国 フェーズ 2
レルゴリクス 子宮筋腫 欧州 申請(2020/3)
米国 申請(2020/5)
子宮内膜症 米国 フェーズ 3(国際共同試験)
PXL008 2 型糖尿病 日本 申請(2020/7)
(イメグリミン塩酸塩)
rodatristat ethyl 肺動脈性肺高血圧症(PAH) 米国 フェーズ 2
MVT-602 不妊症 ドイツ フェーズ 2
URO-902 過活動膀胱 米国 フェーズ 2
―補足資料 10―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 1 四半期決算補足資料
【前回 2020 年 5 月決算発表時点からの主な変更点】
製品/コード名
変更内容 予定適応症 地域 開発段階
(一般名)
APL-130277
承認取得 (アポモルヒネ塩酸塩 パーキンソン病に伴うオフ症状 米国 承認取得(2020/5)
水和物)
ロナセン
(新用法:小児)統合失調症 日本 申請(2020/5)
(ブロナンセリン)
申請 レルゴリクス 子宮筋腫 米国 申請(2020/5)
PXL008
2 型糖尿病 日本 申請(2020/7)
(イメグリミン塩酸塩)
DSP-2033 急性骨髄性白血病(AML)(併用)
米国 フェーズ 1
(alvocidib) (初発患者対象)
試験終了のため DSP-7888
表から削除 (アデグラモチド酢酸
小児悪性神経膠腫(単剤) 日本 フェーズ 1/2
塩/ネラチモチドトリ
フルオロ酢酸塩)
―補足資料 11―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 1 四半期決算補足資料
Ⅸ.主な開発品のプロフィール(2020 年 7 月 30 日現在)
1. 精神神経領域
SEP-363856 起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤は、新規な作用メカニズムの抗精神病薬であり、セロトニン 5-HT1A アゴニスト活性を持つ TAAR1
(微量アミン関連受容体 1)アゴニストであり、ドパミン D2 またはセロトニン 5-HT2A 受容体には結合しな
い。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを
使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-363856 を見出した。統合失調症患者を対象としたフェーズ
2 の結果では、統合失調症の陽性症状および陰性症状への効果を示し、錐体外路症状、体重増加、脂
質およびグルコースの異常、プロラクチン上昇の副作用はプラセボと同程度であった。
・ 開発段階:
統合失調症:フェーズ 3(米国)
パーキンソン病に伴う精神病症状:フェーズ 2(米国)
統合失調症:フェーズ 1(日本)
バチキノン(EPI-743) 起源:PTC Therapeutics 社(BioElectron 社から取得)、剤形:経口剤
・ 本剤は、ミトコンドリアの機能低下により発生する酸化ストレスを除去することにより効果を発揮し、有効
な治療薬の存在しないリー脳症をはじめとするミトコンドリア病に対する世界初の治療薬になることが期
待される。
・ 開発段階:リー脳症 フェーズ 2/3(日本)終了、今後の開発方針について検討中
EPI-589 起源:PTC Therapeutics 社(BioElectron 社から取得)、剤形:経口剤
・ 本剤は、ミトコンドリアの機能低下により発生する酸化ストレスを除去することにより効果を発揮し、酸化
ストレスに起因する神経変性疾患への適応が期待される。
・ 開発段階:
パーキンソン病:フェーズ 2(米国)
筋萎縮性側索硬化症(ALS):フェーズ 2(米国)
筋萎縮性側索硬化症(ALS):フェーズ 1(日本)
SEP-4199 起源:自社(Sunovion 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、アミスルプリド鏡像異性体の非ラセミ混合物である。Sunovion 社は、アミスルプリドの薬理作
用は鏡像異性体に特異的であり、S 体に対する R 体の比率を増加させることにより、ドパミン D2 受容体
に比べてセロトニン 5-HT7 受容体への作用が高まることを見出した。本剤は、抗うつ作用を強めるため
にセロトニン 5-HT7 活性を高め、双極性障害うつ治療に適したレベルのドパミン D2 受容体占有率となる
よう設計されている。
・ 開発段階:双極Ⅰ型障害うつ フェーズ 2(米国・日本)
DSP-6745 起源:自社、剤形:経口剤
・ 本剤は、セロトニン 5-HT2A とセロトニン 5-HT2C 受容体に対するデュアルアンタゴニストであり、パーキ
ンソン病に伴う精神病症状、およびパーキンソン病の非運動症状(non-motor symptoms;うつ、不安、
認知機能障害)に対する効果が期待される。また、本剤はドパミン D2 受容体拮抗作用がない。
・ 開発段階:パーキンソン病に伴う精神病症状 フェーズ 1(米国)
SEP-378608 起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤は、中枢神経系に作用する新規化合物である。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラ
ットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-378608 を見
出した。非臨床試験において、気分の制御に関係する重要な脳領域での神経活動を調節する可能性
が示唆されている。
・ 開発段階:双極性障害 フェーズ1(米国)
―補足資料 12―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 1 四半期決算補足資料
DSP-3905 起源:自社、剤形:経口剤
・ 本剤は、電位依存性ナトリウムチャンネル Nav1.7 選択的阻害剤であり、本剤の阻害様式から神経が
過剰に興奮している疼痛時に強い鎮痛作用を示すことが期待される。また、既存の神経障害性疼痛治
療薬では中枢神経系や心臓系の副作用が発症することもあるが、末梢神経に発現する Nav1.7 に高い
選択性を示す本剤は、そのような副作用を起こしにくいことが期待される。
・ 開発段階:神経障害性疼痛 フェーズ 1(米国)
SEP-378614 起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤は、中枢神経系に作用する新規化合物である。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラ
ットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-378614 を見
出した。非臨床試験において、即効性かつ持続性の抗うつ薬様活性を発現し、神経可塑性を高める可
能性が示唆されている。
・ 開発段階:治療抵抗性うつ フェーズ 1(米国)
SEP-380135 起源:自社(Sunovion 社と PsychoGenics 社との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤は、中枢神経系に作用する新規化合物である。Sunovion 社は、in vivo 表現型 SmartCube®プラ
ットフォームと関連する人工知能アルゴリズムを使用して PsychoGenics 社と共同で SEP-380135 を見
出した。非臨床試験において、焦燥、攻撃性、精神運動多亢進、うつ、社会的相互作用の欠如などの認
知症に伴う行動・心理症状に対して有効性を示すことが示唆されている。
・ 開発段階:アルツハイマー病に伴う行動障害 フェーズ 1(米国)
DSP-1181 起源:自社(Exscientia 社との共同研究)、剤形:経口剤
・ 本剤は、Exscientia 社の AI 技術を用いて当社が創製した新規化合物である。既存のセロトニン 5-
HT1A 受容体パーシャルアゴニスト(非ベンゾジアゼピン系の抗不安薬)と異なり、セロトニン 5-HT1A 受
容体に対して強力なフルアゴニスト活性を有することや長い半減期が示唆されていることから、長時間
にわたり強い薬効が期待できる。また、強迫性障害に関わる神経回路を操作した病態モデルにおいて、
標準治療薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)よりも早い薬効発現が示唆されている。
・ 開発段階:強迫性障害 フェーズ 1(日本)
2. がん領域
ナパブカシン(BBI608) 起源:自社(Boston Biomedical 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、新しいメカニズムの低分子経口剤で、がん細胞に発現する酵素 NQO1 によって生体内活性化
を受け、活性酸素種を産生することで STAT3 を含むがん幹細胞性やがんの増悪に関わる経路を阻害
し、最終的にはがん細胞を死に至らしめると期待されている。
・ 開発段階:
開発段階 予定適応症 開発地域 併用薬 試験番号
FOLFIRI*3、FOLFIRI*3+
フェーズ 3 結腸直腸がん(併用) 米国・日本 CanStem303C
ベバシズマブ
固形がん*1(併用) 米国 パクリタキセル 201
フェーズ 肝細胞がん*2(併用) 米国 ソラフェニブ HCC-103
1/2
イピリムマブ、ペムブロリズマブ、
固形がん(併用) 米国 201CIT
ニボルマブ
FOLFOX*3、FOLFOX*3+ベバシズ
フェーズ マ ブ 、 CAPOX*3 、 FOLFIRI*3 、
消化器がん(併用) 米国 246
1/2 FOLFIRI*3+ベバシズマブ、レゴラ
フェニブ、イリノテカン
ゲムシタビン+ナブパクリタキセ
ル、FOLFIRINOX*3、FOLFIRI*3、
フェーズ 1 膵がん(併用) 米国 118
イリノテカンリポソーム注射剤+フ
ルオロウラシル+ロイコボリン
―補足資料 13―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 1 四半期決算補足資料
*1 フェーズ 2 段階:卵巣がん、乳がん、メラノーマ等
*2 フェーズ 2 段階
*3 FOLFOX: フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチンの併用
CAPOX : カペシタビン、オキサリプラチンの併用
FOLFIRI: フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカンの併用
FOLFIRINOX: フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、オキサリプラチンの併用
alvocidib(DSP-2033) 起源:Sanofi 社、剤形:注射剤
・ 本剤は、低分子のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)9 阻害剤である。がん関連遺伝子の転写制御に関
与している CDK ファミリーの一つである CDK9 を阻害することによって、抗アポトーシス遺伝子である
MCL-1 を抑制し、抗腫瘍作用を示すと考えられる。
・ 開発段階:
開発段階 予定適応症 開発地域 併用薬 試験番号
急性骨髄性白血病(単剤・併用)
フェーズ 2 (ベネトクラクス併用治療後の再 米国 シタラビン TPI-ALV-202
発・難治性患者対象)
フェーズ TPI-ALV-102
骨髄異形成症候群(併用) 米国 デシタビン、アザシチジン
1/2 (Zella 102)
急性骨髄性白血病(併用)
フェーズ 1 米国 ベネトクラクス M16-186*
(再発・難治性患者対象)
* AbbVie 社との共同開発
アデグラモチド酢酸塩/ネラチモチドトリフルオロ酢酸塩(DSP-7888) 起源:自社、剤形:注射剤
・ 起源:自社、剤形:注射剤
・ 本剤は、WT1(Wilms’ tumor gene 1)タンパク由来の治療用がんペプチドワクチンであり、WT1 特異
的な細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導するペプチドおよびヘルパーT 細胞を誘導するペプチドを含む新
規ペプチドワクチンである。本剤の投与により誘導される CTL が、WT1 タンパクを発現するがん細胞を
攻撃することで、種々の血液がんおよび固形がんに対して治療効果を発揮することが期待される。ヘル
パーT 細胞を誘導するペプチドを加えることによって、CTL を誘導するペプチド単独よりも高い有効性を
示すと考えられる。本剤は、幅広い患者への適応が期待される。
・ 開発段階:
開発段階 予定適応症 開発地域 併用薬 試験番号
BBI-DSP7888-
フェーズ 2 膠芽腫(併用) 米国・日本 ベバシズマブ
201G
フェーズ BBI-DSP7888-
固形がん(併用) 米国 ニボルマブ、ペムブロリズマブ
1/2 102CI
dubermatinib(TP-0903) 起源:ユタ大学、剤形:経口剤
・ 本剤は、AXL 受容体チロシンキナーゼを含む複数のキナーゼ阻害剤である。抗がん剤への耐性やが
んの転移などに関与するとされているキナーゼの一つである AXL を阻害し、間葉系様細胞の性質への
移行を妨げることによって、様々ながん種の細胞に対する抗腫瘍作用を示すと考えられる。本剤は、非
臨床試験において、AXL シグナル伝達を阻害し、間葉系様細胞から上皮細胞の性質に逆転させること
が示されている。
・ 開発段階:
固形がん(単剤・併用):フェーズ 1(米国・日本)
DSP-0509 起源:自社、剤形:注射剤
・ 本剤は、新規の Toll-like receptor 7(TLR7)アゴニストである。樹状細胞に発現する TLR7 に対するア
ゴニスト作用を介して、サイトカイン誘導や細胞傷害性 T 細胞(CTL)の活性化を促進すると考えられる。
さらに、免疫記憶を司るメモリーT 細胞を誘導し、抗腫瘍免疫作用を維持することが期待される。
・ 開発段階:固形がん(単剤・併用):フェーズ 1/2(米国)
―補足資料 14―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 1 四半期決算補足資料
TP-0184 起源:自社(Tolero 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、TGFβ 受容体スーパーファミリーに属する ALK2 および ALK5 などのキナーゼ阻害作用を有
する。骨髄異形成症候群では ALK5 経路が活性化し、赤血球分化の異常を引き起こす。本剤は、キナ
ーゼ阻害を介して抗腫瘍作用を示すことが期待される。
・ 開発段階:
骨髄異形成症候群に伴う貧血(単剤):フェーズ 1/2(米国)
固形がん(単剤):フェーズ 1(米国)
DSP-0337 起源:自社、剤形:経口剤
・ 本剤は、ナパブカシンの低分子経口プロドラッグである。胃内での安定性や分散性に優れ、腸内でナパ
ブカシンに変換されて消化管吸収され、薬理作用を発揮することが期待される。
・ 開発段階:固形がん(単剤):フェーズ 1(米国)
TP-1287 起源:自社(Tolero 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)9 を阻害する低分子経口剤である。非臨床試験において、
良好な経口バイオアベイラビリティが示されるとともに、酵素により切断され CDK9 阻害作用を有する
alvocidib を生成することが示された。経口投与により長期投与が可能となり、持続的な CDK9 阻害が
期待される。
・ 開発段階:固形がん(単剤):フェーズ 1(米国)
TP-3654 起源:自社(Tolero 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、PIM(proviral integration site for Moloney murine leukemia virus)キナーゼ阻害を介して炎
症性シグナル経路を抑制する。PIM キナーゼは、様々な血液がんおよび固形がんにおいて過剰発現し、
がん細胞のアポトーシス回避、腫瘍増殖の促進につながる可能性がある。
・ 開発段階:
固形がん(単剤):フェーズ 1(米国)
骨髄線維症(単剤・併用):フェーズ 1(米国)
TP-1454 起源:自社(Tolero 社)、剤形:経口剤
・ 本剤は、PKM2(ピルビン酸キナーゼ M2)活性化を介してがん細胞の増殖を抑制するとともに、がん微
小環境中の免疫状態を改善する。PKM2 は、がん細胞では 2 量体として存在するが、本剤は PKM2 の
4 量体化(高活性型)を促進する。4 量体の形成によって PKM2 が活性化され、がん細胞の好む嫌気的
条件を好気的条件へ転換する。これによりがん微小環境中の免疫抑制状態が改善され、免疫チェック
ポイント阻害薬との相乗効果が期待される。
・ 開発段階:
固形がん(単剤・併用):フェーズ 1(米国)
3. 再生・細胞医薬分野
RVT-802 起源:デューク大学
・ 本剤は、先天性無胸腺症の小児患者に移植されて免疫応答機能を発揮するように作成された培養ヒト
胸腺組織で、生涯に 1 回きりの再生医療である。本剤の主要な原料は、心臓病の小児の心臓手術中に
除去されたヒト胸腺組織である。本剤は患者の大腿四頭筋に移植される。患者自身の骨髄由来幹細胞
が本剤に移動して成熟 T 細胞に分化することによって、感染を防御する。本剤に反応する患者では多
様な T 細胞集団が産生され、治療後 6~12 カ月で感染を防御するのに十分な胸腺機能が発達する。
・ 開発段階:2019 年 4 月申請(米国)、2019 年 12 月審査結果通知(CRL)を受領(米国)
他家 iPS 細胞由来医薬品
・ 当社は産学の連携先と、加齢黄斑変性、パーキンソン病、網膜色素変性、脊髄損傷を対象に、他家(健
常人)iPS 細胞を用いた再生・細胞医薬事業を推進している。
―補足資料 15―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 1 四半期決算補足資料
・ 開発段階:
開発番号 連携先 予定適応症 開発地域 開発段階
フェーズ 1/2
- 京都大学 iPS 細胞研究所 パーキンソン病 日本
(医師主導治験)
HLCR011 理化学研究所・ヘリオス 加齢黄斑変性 日本 治験開始に向けて準備中
4. その他の領域
ビベグロン 起源:Merck Sharp & Dohme 社、剤形:経口剤
・ 本剤は、1 日 1 回経口投与の低分子 β3 アドレナリン受容体作動薬である。膀胱の β3 アドレナリン受
容体に選択的に作用し、膀胱を弛緩させることで、蓄尿機能を高め、過活動膀胱における尿意切迫感、
頻尿および切迫性尿失禁の症状を改善する。
・ 開発段階:
過活動膀胱:2019 年 12 月申請(米国)
前立腺肥大症を伴う過活動膀胱:フェーズ 3(米国)
過敏性腸症症候群関連疼痛:フェーズ 2(米国)
レルゴリクス 起源:武田薬品工業㈱、剤形:経口剤
・ 本剤は、1 日 1 回経口投与の低分子 GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)受容体阻害剤である。前立
腺がんの発生に関与する精巣のテストステロンならびに子宮筋腫や子宮内膜症の成長を刺激すること
が知られている卵巣のエストラジオールの産生を抑制する。Myovant 社は、前立腺がん向けには単剤
の錠剤(120mg)を、子宮筋腫および子宮内膜症向けには配合剤(レルゴリクス 40mg+エストラジオー
ル 1.0mg+酢酸ノルエチンドロン 0.5mg)を開発している。
・ 開発段階:
子宮筋腫:2020 年 3 月申請(欧州)、2020 年 5 月申請(米国)
前立腺がん:2020 年 4 月申請(米国)
子宮内膜症:フェーズ 3(米国)
イメグリミン塩酸塩(PXL008) 起源:Poxel 社、剤形:経口剤
・ 本剤は、ミトコンドリアの機能を改善するという独自のメカニズムを有しており、また、2 型糖尿病治療に
おいて重要な役割を担う 3 つの器官(膵臓・筋肉・肝臓)に作用し、グルコース濃度依存的にインスリン
分泌を促進するとともに、インスリン抵抗性を改善、糖新生を抑制することで血糖降下作用を示すと考
えられる。
・ 開発段階:2 型糖尿病 2020 年 7 月申請(日本)(Poxel 社との共同開発)
rodatristat ethyl 起源:Karos Pharmaceuticals 社、剤形:経口剤
・ 本剤は、中枢に移行することなく末梢のセロトニン産生を阻害するように設計されたトリプトファン水酸
化酵素(TPH)阻害剤のプロドラッグである。過剰なセロトニン産生によって引き起こされる、肺動脈性肺
高血圧症(PAH)やサルコイドーシスなどの疾患の進行を抑制または病状を改善させると考えられる。
・ 開発段階: 肺動脈性肺高血圧症(PAH):フェーズ 2(米国)
MVT-602 起源:武田薬品工業㈱、剤形:経口剤
・ 本剤は、オリゴペプチドキスペプチン 1 受容体アゴニストである。視床下部の神経細胞に存在するキス
ペプチンが活性化されると視床下部からの GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)の分泌が促進されると
推測されるが、キスペプチンを刺激し続けることによって、最終的に GnRH が枯渇し、下流のシグナル
伝達が遮断されると考えられる。それによって、卵胞の成熟に必要な黄体形成ホルモン(LH)を増加さ
せると予想される。Myovant 社は体外受精を受けている不妊症の女性のためのホルモン製剤の一つと
なるように本剤を開発している。本剤は、GnRH を刺激した後に採卵前の卵成熟を引き起こす LH の分
泌を増加させると考えられている。
・ 開発段階: 不妊症:フェーズ 2(ドイツ)
―補足資料 16―
大日本住友製薬株式会社(4506) 2020 年度第 1 四半期決算補足資料
URO-902 起源:Ion Channel Innovation 社、剤形:注射剤
・ 本剤は、経口治療薬で効果不十分な過活動膀胱患者のための新規遺伝子治療である。本剤は、Maxi-
K チャンネルのポア(細孔)を形成するサブユニットをコードするヒト cDNA が組み込まれたプラスミドベ
クターである。筋細胞に Maxi-K チャンネルを発現させることで、細胞膜を通過するカリウムイオンの流
れを増加させ、平滑筋細胞の興奮を抑制すると推測される。本メカニズムにより、排尿筋の過活動が正
常化され、過活動膀胱の諸症状が軽減される可能性がある。
・ 開発段階: 過活動膀胱:フェーズ 2(米国)
以 上
―補足資料 17―