4506 大日住薬 2020-06-24 08:30:00
レルゴリクスの子宮内膜症を対象とした2 本目のフェーズ3 試験(SPIRIT1)における良好な解析結果について [pdf]

                                                  2020 年 6 月 24 日
各 位
                       会 社 名 大日本住友製薬株式会社
                       代表者名 代表取締役社長 野村 博
                             (コード:4506 東証第 1 部)
                       問合せ先 執行役員
                             コーポレートコミュニケーション担当 樋口 敦子
                             (大阪:TEL.06-6203-1407)
                             (東京:TEL.03-5159-3300)


 レルゴリクスの子宮内膜症を対象とした 2 本目のフェーズ 3 試験(SPIRIT1)における
              良好な解析結果について

 大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)は、本日、開発中の 1 日 1 回
経口投与であるレルゴリクス(一般名)の併用療法(レルゴリクス・エストラジオール・酢酸ノルエチンドロ
ン)の子宮内膜症に伴う痛みを対象とした 2 本目のフェーズ 3 試験である SPIRIT1 試験において、良好
な結果を得たことについて、別添資料のとおりプレスリリースを行いますので、お知らせします。


 なお、本件による当社の 2021 年 3 月期の連結業績への影響は軽微です。


                                                           以 上
                                                 2020 年 6 月 24 日
各 位
                                             大日本住友製薬株式会社


   レルゴリクスの子宮内膜症を対象とした 2 本目のフェーズ 3 試験(SPIRIT1)における
                良好な解析結果について

 大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村 博)の米国連結子会社であるマイオバ
ント・サイエンシズ・リミテッド(ニューヨーク証券取引所上場)は、開発中の 1 日 1 回経口投与であるレルゴリ
クス(一般名)の併用療法(レルゴリクス・エストラジオール・酢酸ノルエチンドロン、以下「本併用療法」)の子
宮内膜症に伴う痛みを対象とした 2 本目のフェーズ 3 試験である SPIRIT1 試験(以下「本試験」)について、
良好な結果を得たことを 2020 年 6 月 23 日(現地時間)に発表しましたので、お知らせします。

 本試験の結果、本併用療法群は、有効性に関する 2 つの主要評価項目および主な副次評価項目(7 項
目)のすべてを達成するとともに、骨密度の低下は 24 週間にわたり軽微であることを含め安全性プロファイ
ルは概ね良好でした。

  レルゴリクスの 1 本目のフェーズ 3 試験である SPIRIT2 試験結果と同様に、本試験の 2 つの主要評価項
目(月経困難症の改善および月経に起因しない下腹部痛の改善)において、本併用療法群は統計学的に有
意な改善を示しました。月経困難症の改善においては、本併用療法群の 74.5%が臨床的に意義のある改善
(プラセボ群 26.9%、p<0.0001)を示し、月経に起因しない下腹部痛においては、本併用療法群の 58.5%が
臨床的に意義のある改善(プラセボ群 39.6%、p<0.0001)を示しました。月経困難症に伴う痛みを評価する数
値評価尺度(0 点から 10 点の 11 段階で構成)では、本併用療法群は、平均で 7.3(激しい痛み)から 1.8(軽
度の痛み)へと 73.3%減少しました。
  主な副次評価項目(7 項目)は、投与 24 週目に本併用療法群とプラセボ群を比較した、①平均的な月経
困難症の症状、②平均的な下腹部全体の痛み、③子宮内膜症による健康状態に関する質問票(EHP-30)
で測定した日常活動に対する痛みの影響、④鎮痛薬を使用しなかった患者の割合、⑤月経に起因しない下
腹部痛の変化、⑥オピオイドを使用しなかった患者の割合、⑦性交疼痛症(痛みを伴う性交)であり、本併用
療法群は、すべての項目において、統計学的に有意な改善を示しました(①、②、③、④は p<0.0001、⑤は
p=0.0002、⑥は p=0.0005、⑦は p=0.0149)。
  安全性については、本併用療法群は概ね良好な忍容性を示し、骨密度の低下は 24 週間にわたり軽微で
した。有害事象の発現率は、本併用療法群が 71.2%、プラセボ群が 66.0%と同程度であり、有害事象による
投与中止の割合は、本併用療法群で 3.8%、プラセボ群で 1.9%でした。本併用療法群で 10%以上発現した
有害事象は、頭痛およびホットフラッシュのみでした。また本併用療法群で 1 名、プラセボ群で 3 名の妊娠が
報告されました。

 SPIRIT1 試験または SPIRIT2 試験を完了した治験参加者は、80 週間の継続投与試験への参加が可能で
あり、本併用療法の治療期間の合計が最大で 104 週間になります。2021 年第 1 四半期(2021 年 1 月~3
月)に判明予定である 1 年間の本継続投与試験結果は、SPIRIT1 試験および SPIRIT2 試験の有効性、安全
性データと共に、新薬承認申請資料に含まれる予定です。




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*本件の詳細についてはマイオバント社のプレスリリースをご覧ください。
(https://investors.myovant.com/node/8431/pdf)
*「レルゴリクスの子宮内膜症を対象としたフェーズ 3 試験(SPIRIT2)および排卵抑制試験における良好な
解析結果について」は、2020 年 4 月 23 日にプレスリリースしています。



(ご参考)
レルゴリクスについて
 レルゴリクスは、1 日 1 回経口投与の低分子 GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)受容体阻害剤であり、前
立腺がんの発生に関与する精巣のテストステロンおよび子宮筋腫や子宮内膜症の成長を刺激することが知
られている卵巣のエストラジオールの産生を抑制します。
 マイオバント社は、前立腺がん向けには単剤の錠剤(120mg)を、子宮筋腫および子宮内膜症向けには配
合剤(レルゴリクス 40mg+エストラジオール 1.0mg+酢酸ノルエチンドロン 0.5mg)を開発しています。各開発段
階は以下の通りです。
 ・子宮筋腫:2020 年 3 月申請済(欧州)、2020 年 5 月申請済(米国)
 ・前立腺がん:2020 年 4 月申請済(米国)
 ・子宮内膜症:フェーズ 3 段階

子宮内膜症を対象としたフェーズ 3 試験(SPIRIT 試験)について
  マイオバント社が行っている 1,200 人を超える子宮内膜症に伴う痛みを抱える患者を対象とした本併用療
法のフェーズ 3 試験は、重複する 2 つの国際共同臨床試験(SPIRIT1 および SPIRIT2)で構成され、本併用
療法を 24 週間 1 日 1 回投与、レルゴリクス 40 ㎎のみを 12 週間 1 日 1 回投与後に本併用療法を 12 週間
1 日 1 回投与、プラセボを 24 週間 1 日 1 回投与に割り付けられました。
  SPIRIT1 試験または SPIRIT2 試験を完了した治験参加者は、80 週間の継続投与試験への参加が可能で
あり、本併用療法の治療期間の合計が最大で 104 週間になります。本併用療法による長期治療の安全性
と持続的な有効性が評価されています。

子宮内膜症について
 子宮内膜症は、子宮腔の外側、通常は下腹部または骨盤の卵巣、膀胱、および結腸に子宮内膜のような
組織が認められる、エストロゲン依存性の炎症性疾患であり、子宮外の子宮内膜様組織は慢性的な炎症を
引き起こし、瘢痕や癒着を引き起こす可能性があります。子宮内膜症に関連する症状には、痛みを伴う期間
と慢性的な下腹部痛、痛みを伴う排卵、性交中または性交後の痛み、大量出血、疲労、不妊症などがあり、
一般的な身体的、精神的、および社会的な活動に影響を与える可能性があり、複合的なケアが必要とされ
ています。
 子宮内膜症に伴う痛みに対する最初の治療選択肢は、ホルモン避妊薬と市販の鎮痛薬であり、より重篤
な症例では、リュープロレリン酢酸塩などの GnRH 作動薬が短期間で投与されます。米国では推定 600 万人
の女性が子宮内膜症の症状を抱え、推定 100 万人の女性が現在の治療では不十分であり、さらなる治療を
求めています。また世界では、約 2 億人が罹患しています。

マイオバント社について
 マイオバント社は、女性および男性の疾患に対する革新的な治療法の提供に注力するバイオ医薬品企
業です。マイオバント社は、レルゴリクスの他に、不妊症に対するオリゴペプチドキスペプチン 1 受容体アゴ
ニストである MVT-602(開発コード)を開発中です。マイオバント社は武田薬品工業株式会社より、レルゴリ
クス(日本および特定のアジア諸国を除く全世界対象)および MVT-602(全世界対象)を開発・商業化するた




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めの独占的なライセンス権を付与されています。
 大日本住友製薬は Roivant Sciences Ltd.(本社:英国 ロンドン・スイス バーゼル)との戦略的提携により、
新設子会社であるスミトバント社の傘下に 2019 年 12 月にマイオバント社を連結子会社化しました。マイオ
バント社に関する詳細については、https://www.myovant.com をご覧ください。
 スミトバント社は大日本住友製薬の完全子会社であり、5 つのバイオ医薬品子会社のマイオバント社、ユ
ーロバント社、エンジバント社、アルタバント社およびスピロバント社の親会社です。スミトバント社に関する
詳細については、https://www.sumitovant.com をご覧ください。



○本件に関するお問い合わせ先
  大日本住友製薬株式会社 コーポレートコミュニケーション部
    (大阪) TEL 06-6203-1407/(東京) TEL 03-5159-3300




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