4503 アステラス薬 2020-04-21 08:45:00
英国 Nanna社買収のお知らせ [pdf]
2020 年 4 月 21 日
各位
会 社 名
ア ス テ ラ ス 製 薬 株 式 会 社
代 表 代表取締役社長 CEO 安 川 健 司
者
(コード:4503、東証第一部)
(URL h t t p s : / / w w w. a s t e l l a s . c o m / j p / )
決 算 期 3月
問 い 合 わ せ 先 コーポレート・アドボカシー&リレーション部長
藤井 郁乃
(Tel:03-3244-3201)
英国 Nanna 社買収のお知らせ
- Nanna 社独自のスクリーニングプラットフォームを獲得し、
ミトコンドリア関連疾患の創薬研究プログラムを加速 -
アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Nanna Therapeutics
Limited(本社:英国ケンブリッジ、CEO: David Williams、以下「Nanna 社」)との合意に基
づき、英国子会社である Astellas Pharma Europe Ltd.を通じて、Nanna 社の発行済み全
株式を取得することにより、19 日(日本時間)に買収しました。Nanna 社は、ミトコンドリア*1
関連疾患*2 を含むアンメットメディカルニーズの高い、加齢に伴う疾患に対する創薬研究に
注力する英国のバイオベンチャー企業です。
この買収により、Nanna 社が持つ新規の DNA エンコード化合物ライブラリー(DELs)技
術*3 および最先端のスクリーニングプラットフォームを獲得することで、アステラス製薬の早
期創薬研究は大幅に強化されます。Nanna 社のユニークなケイパビリティにより、多様な
化合物ライブラリーの作成と迅速なスクリーニングを実施することが可能になります。この
スクリーニングプラットフォームでは、従来の DELs 技術ではできなかった細胞内標的に作
用する化合物のスクリーニングができるようになります。この Nanna 社の新しい技術は
様々なアッセイに応用可能であり、患者由来の細胞を用いることで特定の疾患バイオロ
ジーを標的としたスクリーニングを実現できる可能性があります。
アステラス製薬代表取締役社長 CEO の安川健司は、「本買収により、Nanna 社の持つ
ユニークな技術プラットフォームを、これまで私たちが培ってきたミトコンドリアバイオロジー
のケイパビリティと組み合わせることにより、アンメットメディカルニーズに応える治療法の
創出につながることを期待しています。Nanna 社のプラットフォームは、オートファジーやマ
イトファジー*4 などのミトコンドリアバイオロジー関連疾患分野だけでなく、加齢や免疫代謝
などの分野での創薬研究への展開も期待されます」と述べています。
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Nanna 社 CEO の David Williams は、「Nanna 社は、ミトコンドリア関連疾患に対する革
新的な治療法の開発に注力しています。ミトコンドリアは、ほぼ全ての細胞のエネルギー生
産とシグナル伝達において中心的な役割を果たしており、多くの疾患に関与しています。ミ
トコンドリアバイオロジーの研究・開発において実績あるアステラスグループの一員となるこ
とで、これまでの成果をさらに発展させていくことに貢献していきます」と述べています。
買収の対価として、買収手続き完了時に一時金 1,200 万ポンドを支払い、Nanna 社は
アステラス製薬の完全子会社となりました。また、開発の進捗に応じたマイルストンとして、
最大で総額 5,750 万ポンドが Nanna 社の株主に支払われる可能性があります。
なお、本件によるアステラス製薬の通期(2021 年 3 月期)連結業績への影響は軽微で
す。
記
買収の概要
(1) 株式取得者:Astellas Pharma Europe Ltd.(英国)
(2) Nanna 社の主要株主:同社設立者、従業員等(ストックオプション含む)
(3) 株式の取得方法:現金(手元資金を充当)
(4) 対価:一時金およびあらかじめ契約で定められた条件に基づく支払いを合わせ、最大
で 6,950 万ポンド
対象会社の概要
(1) 名称:Nanna Therapeutics Limited
(2) 所在地:英国ケンブリッジ
(3) 代表者:CEO David Williams
(4) 設立:2012 年
(5) 従業員 13 名(2020 年 4 月現在)
(6) アステラス製薬との関係:対象会社との間には、記載すべき関係はありません。
*1 ミトコンドリア: ミトコンドリアは人体のほぼ全ての細胞に存在し、人間が活動するためのエネルギー産生を
始めとして、活性酸素種の産生および除去、細胞死制御など様々な機能を有する極めて重要な細胞内小器官
である。
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*2 ミトコンドリア関連疾患: ミトコンドリア機能不全に起因する病気を総称してミトコンドリア病と呼び、遺伝性あ
るいは自然発生の mtDNA(ミトコンドリア内に存在するミトコンドリア DNA)変異や、ミトコンドリア機能に関連す
る nDNA(細胞の核に存在する核 DNA)変異が原因として同定されることが多い。ミトコンドリアは細胞内のエネ
ルギーを産生する小器官であるため、ミトコンドリア病患者さんでは、エネルギー消費が多い中枢および末梢神
経系障害や骨格筋・心筋の障害が多いが、他にも視覚・聴覚障害、代謝障害など様々な症状が生じ、患者さん
の健康な生活と QOL(生活の質)に影響を与えている。
*3 DNA エンコード化合物ライブラリー(DELs)技術: 創薬研究で新薬の候補となる低分子化合物をスクリーニ
ングする手法の一つ
*4 オートファジーおよびマイトファジー:多くの疾患は、細胞機能を損なう不完全・不要なたんぱく質が蓄積され
ることで引き起こされると考えられており、オートファジーは、これらのたんぱく質を細胞から除去するための重
要な品質管理プロセスの仕組みとして知られている。オートファジーの機能促進は、機能不全たんぱく質の蓄
積を特徴とする幅広い疾患に対処する直接的な方法となる。損傷したミトコンドリアを選択的にオートファジーに
よって分解、除去する仕組みをマイトファジーと呼ぶ。
アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、東京に本社を置き、「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念
に掲げる製薬企業です。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。
注意事項(アステラス製薬)
このプレスリリースに記載されている現在の計画、予想、戦略、想定に関する記述およびその他の過去の事実
ではない記述は、アステラス製薬の業績等に関する将来の見通しです。これらの記述は経営陣の現在入手可
能な情報に基づく見積りや想定によるものであり、既知および未知のリスクと不確実な要素を含んでいます。さ
まざまな要因によって、これら将来の見通しは実際の結果と大きく異なる可能性があります。その要因としては、
(i)医薬品市場における事業環境の変化および関係法規制の改正、(ii)為替レートの変動、(iii)新製品発売の
遅延、(iv)新製品および既存品の販売活動において期待した成果を得られない可能性、(v)競争力のある新薬
を継続的に生み出すことができない可能性、(vi)第三者による知的財産の侵害等がありますが、これらに限定
されるものではありません。また、このプレスリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情
報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的としているものではありません。
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