4503 アステラス薬 2020-01-30 14:00:00
腎性貧血治療薬「エベレンゾ錠」保存期の慢性腎臓病に伴う貧血の適応追加について日本で承認申請 [pdf]

                                                                              2020 年 1 月 30 日

各位
                             会      社       名
                                        ア ス テ ラ ス 製 薬 株 式 会 社
                             代      表   代表取締役社長 CEO 安 川 健 司
                                            者
                                        (コード:4503、東証第一部)
                                   (URL h t t p s : / / w w w. a s t e l l a s . c o m / j p / )
                             決    算     期 3月
                             問 い 合 わ せ 先 広報部長 緒方 スティグ
                                                   (Tel:03-3244-3201)


                 腎性貧血治療薬「エベレンゾ®錠」
     保存期の慢性腎臓病に伴う貧血の適応追加について
                           日本で承認申請

 アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、 FibroGen, Inc.
( NASDAQ : FGEN 、 本 社 : 米 国 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 サ ン フ ラ ン シ ス コ 、 CEO : Enrique
Conterno、以下「FibroGen 社」)と共同で開発を進めている腎性貧血治療薬エベレンゾ®錠
(一般名:ロキサデュスタット)について、本日、アステラス製薬が日本において、保存期(透
析導入前)の慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease: CKD)に伴う貧血の適応追加に関す
る承認申請を行いましたので、お知らせします。

 このたびの承認申請は、500 例以上の日本人の保存期の CKD に伴う貧血患者を対象
とした 3 つの臨床試験の結果に基づいており、この患者群におけるロキサデュスタットの有
効性および安全性が確認されました*1,2,3。
 1 つ目の第 III 相試験(1517-CL-0310)は、非盲検の実薬ダルベポエチン アルファ(遺
伝子組換え)製剤(一般名、以下「ダルベポエチン アルファ」)対照の切り替え試験で、主要
評価項目である平均ヘモグロビン(Hb)値のベースラインからの変化量において、ダルベポ
エチン アルファに対する非劣性が達成され、継続的な Hb 値の維持が確認されました*1。
また、ロキサデュスタットの忍容性は良好で、ダルベポエチン アルファと同等の安全性プロ
ファイルを示しました*1。その他の 2 つの臨床試験(第 III 相試験(1517-CL-0314)および第
II 相試験(1517-CL-0303))では、赤血球造血刺激因子製剤(Erythropoiesis Stimulating
Agent: ESA)による治療歴のない保存期の CKD に伴う貧血患者におけるロキサデュス
タットの有効性および安全性が確認されました*2,3。

 アステラス製薬と FibroGen 社は、透析施行中の腎性貧血に加え、今後、アンメットメディ
カルニーズが存在する保存期の腎性貧血に対する新たな選択肢としてエベレンゾ®錠を提
供していくことで、腎性貧血治療に一層貢献していきます。

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  なお、エベレンゾ®錠は、日本において、2019 年 9 月に透析施行中の腎性貧血の効能・
効果で承認され、同年 11 月に発売されています。



                                                                   以上

本承認申請に関する臨床試験について
本承認申請に関する臨床試験(1517-CL-0310*1 、1517-CL-0314*2 、1517-CL-0303*3 )の詳細については、
(www.clinicaltrials.gov)をご覧ください。


慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease: CKD)および腎性貧血について
CKDは、腎機能が損なわれていく疾患で、高血圧、糖尿病、免疫異常による炎症等による腎臓の障害が原因
です*4。世界では、10人に1人がCKDに罹患している*5との報告があり、特に日本では、CKDの罹患率が年々
著しく増加しています*6。CKDは、2040年までに世界で若年死の最も一般的な原因の5番目になると予測され
ています*7。CKDには、依然として大きなアンメットメディカルニーズが存在し、世界的に重要な医療上の課題と
なっています。


腎性貧血は、CKDの初期に見られる一般的な合併症で*8、CKD患者の約20%が腎性貧血を発症しますが*9。
骨髄による赤血球の生成を刺激する腎臓の機能低下により引き起こされます。腎性貧血は、透析患者または
保存期の患者のいずれにおいても高い有病率と死亡リスクの増加が認められ、CKDの進行とともに発症率お
よび重症度のいずれも増加することが報告されています*10。さらに腎性貧血は、心血管系合併症の発症リスク
を高め、腎疾患の転帰を悪化させるほか、患者さんのQOL(生活の質)にも影響を及ぼします*10,11,12。
現在、腎性貧血の標準治療には、赤血球を生成する働きを促進させる赤血球造血刺激因子製剤や鉄剤が用
いられています。


ロキサデュスタットについて
ロキサデュスタットは、低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬であり、赤血球造血刺激因子
製剤とは異なる働きで、腎性貧血を改善するファーストインクラスの経口投与による治療薬です。ロキサデュス
タットは、HIF-PH 阻害薬として、本来、生体が低酸素状態におかれたときに持つ生理学的反応を誘導します。
すなわち、正常酸素状態においても、生体内で複数の経路を調節することで赤血球の生成を活性化し、血液の
酸素運搬能力を増強します。ロキサデュスタットは、日本において、透析施行中の腎性貧血の治療薬として承
認・販売されています。また、透析期および保存期の CKD に伴う貧血の治療薬として、中国でも承認・販売され
ています。なお、ロキサデュスタットは、米国においても申請されました。このほか、化学療法に伴う貧血治療薬
として、第 II 相臨床試験段階にあります。


アステラス製薬と FibroGen 社は、日本、欧州、独立国家共同体(CIS)、中東、南アフリカ等において上述の貧
血患者を対象としたロキサデュスタットの開発を共同で行っています。また FibroGen 社は AstraZeneca 社と共
同で、米国、中国を含む他の地域において、貧血の治療薬としてロキサデュスタットの開発・商業化を行ってい
ます。




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*1: Clinicaltrials.Gov. A Study of Intermittent Oral Dosing of ASP1517 in Non-Dialysis Chronic Kidney
Disease Patients With Anemia NCT02988973. Available from:
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02988973 [Last accessed: January 2020].
*2: Akizawa T, Otsuka T, Yamaguchi Y, et al. A Phase 3, Multicenter, Randomized, Open-Label, Non-
Comparative Study of Intermittent Oral Roxadustat in ESA-Naive CKD Patients Not on Dialysis in
Japan. Poster session presented at the Kidney Week Congress, American Society of Nephrology;
November 9, 2019; Washington, DC, US. Available from:
https://www.asn-online.org/education/kidneyweek/2019/program-abstract.aspx?controlId=3229880 [Last
accessed: January 2020].
*3: Akizawa T, Iwasaki M, Otsuka T, et al. Roxadustat Treatment of Chronic Kidney Disease-Associated
Anemia in Japanese Patients Not on Dialysis: A Phase 2, Randomized, Double-Blind, Placebo-
Controlled Trial. Adv Ther 2019;36:1438–1454.
*4: Ojo A. Addressing the Global Burden of Chronic Kidney Disease Through Clinical and Translational
Research. Trans Am Clin Climatol Assoc 2014;125:229–246.
*5: International Society of Nephrology. Chronic kidney disease. Global kidney health atlas. Available from:
www.theisn.org/global-atlas [Last accessed: January 2020].
*6: Nagata M, Ninomiya T, Doi Y, et al. Trends in the prevalence of chronic kidney disease and its risk
factors in a general Japanese population: The Hisayama Study. Nephrol Dial Transplant 2010;25:2557–
2564.
*7: Institute for Health Metrics and Evaluation (IHME). Findings from the Global Burden of Disease
Study 2017. Seattle, WA: IHME, 2018. Available from:
http://www.healthdata.org/sites/default/files/files/policy_report/2019/GBD_2017_Booklet.pdf [Last
accessed: January 2020].
*8: McClellan W, Aronoff SL, Bolton WK, et al. The prevalence of anemia in patients with chronic kidney
disease. Curr Med Res Opin 2004;20:1501–1510.
*9: Dmitrieva O, de Lusignan S, Macdougall IC, et al. Association of anaemia in primary care patients
with chronic kidney disease: cross sectional study of quality improvement in chronic kidney disease
(QICKD) trial data. BMC Nephrol 2013;14:24.
*10: Weiner DE, Tighiouart H, Stark PC, et al. Kidney disease as a risk factor for recurrent
cardiovascular disease and mortality. Am J Kidney Dis 2004;44:198–206.
*11: Eriksson D, Goldsmith D, Teitsson S, et al. Cross-sectional survey in CKD patients across Europe
describing the association between quality of life and anaemia. BMC Nephrol 2016;17:97.
*12: Mohanram A, Zhang Z, Shahinfar S, et al. Anemia and end-stage renal disease in patients with
type 2 diabetes and nephropathy. Kidney Int 2004;66:1131–1138.


アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、東京に本社を置き、「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念
に掲げる製薬企業です。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。


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