4503 アステラス薬 2019-12-27 09:30:00
Xyphos Biosciences, Inc.買収に関するお知らせ [pdf]

                                                                               2019 年 12 月 27 日

各位
                              会       社 名 ア ス テ ラ ス 製 薬 株 式 会 社
                              代       表 者 代表取締役社長 CEO 安 川 健 司
                                           (コード:4503、東証第一部)
                                      (URL h t t p s : / / w w w. a s t e l l a s . c o m / j p / )
                              決    算    期 3月
                              問 い 合 わ せ 先 広報部長 緒方 スティグ
                                                      (Tel:03-3244-3201)


         Xyphos Biosciences, Inc.買収に関するお知らせ
     -    Xyphos 社の人材および技術プラットフォームを獲得することにより、
                 次世代がん免疫療法の研究開発をさらに加速 -

  アステラス製薬株式会社(本社:東京、以下「アステラス製薬」)は、Xyphos Biosciences,
Inc.(本社:米国カリフォルニア州、CEO:James Knighton、以下「Xyphos 社」)との合意に
基づき、米国子会社を通じて Xyphos 社の発行済み全株式を取得することにより、米国太
平洋時間 12 月 26 日に買収しました。本買収により、アステラス製薬は、Xyphos 社が有す
る CAR(Chimeric Antigen Receptor:キメラ抗原受容体)-細胞療法に関する技術プラット
フォームである ACCELTM(Advanced Cellular Control through Engineered Ligands)とと
もに、がん免疫の分野をリードする優秀な人材を獲得することになります。

  Xyphos 社独自の ACCELTM 技術は、タンパク工学により創製した受容体とリガンドタン
パクの特異的な結合を利用した合成生物学的手法に基づいています。受容体を発現させ
たナチュラルキラー(NK)細胞や T 細胞といった免疫細胞(convertibleCAR®細胞)と、攻撃
標的であるがん抗原を認識する抗体をリガンドタンパクと融合させた抗体-リガンド融合タン
パク(MicAbody)を患者さんに投与し、治療する技術です(下図参照)。攻撃対象となるが
ん 細 胞 の 特 徴 に 応 じ て 、 MicAbody を 取 り 替 え た り 、 複 数 使 用 す る こ と で 、
convertibleCAR®細胞に異なるがん抗原や複数のがん抗原を認識させ、様々ながん細胞
を攻撃することができます。また、MicAbody の投与量を調節することで、免疫細胞による
過剰な免疫反応を制御し、従来の CAR-T 療法で見られるサイトカイン放出症候群
( cytokine release syndrome ) *1 の 発 生 を 抑 制 で き る こ と も 期 待 さ れ ま す 。 さ ら に 、
MicAbody の抗体部分を別のタンパクに替えることにより、convertibleCAR®細胞の増殖や
生存制御も可能になります。Xyphos 社の convertibleCAR®-T 細胞のリードプログラムは
現在、前臨床開発段階にあり、2021 年に初めての臨床試験が行われる予定です。今後、
アステラス製薬の子会社である Universal Cells 社が有するユニバーサルドナー細胞技術
と組み合わせ 、白血球型抗原(HLA)不適合に よる拒絶を抑えた多能性幹細胞 から

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convertibleCAR®細胞を作製することで、多くの患者さんの治療に用いることが可能な革
新的 CAR-細胞医療製品が創製できると期待しています。




 アステラス製薬の代表取締役社長 CEO である安川健司は、「アステラス製薬では、がん
免疫を研究開発戦略上の Primary Focus のひとつに位置づけ、新たなモダリティ/テクノ
ロジーによる次世代のがん免疫治療法の開発に取り組んでいます。Xyphos 社が有する革
新的な技術は、がん免疫領域において患者さんに価値をもたらす革新的な治療法を創出
することを目指す私たちの戦略に合致するものです。この技術をこれまで培ってきた再生・
細胞医療のケイパビリティと組み合わせることにより、がん免疫における次世代高機能細
胞の創製が可能となり、技術価値を最大化することができると確信しています。私たちは、
今後、Xyphos 社の優秀なチームとともに、研究開発プログラムを進展させ、がん免疫パイ
プラインをさらに強固にしていきます」と述べています。

 Xyphos 社の CEO である James Knighton は、「私たちは、がんの治療や治癒につなが
る可能性のある革新的な技術プラットフォームの開発を進めてきました。がん免疫に注力
するアステラス製薬は、NK 細胞および T 細胞の活性化を制御する技術プラットフォームか
ら得られた治療薬候補を臨床開発へ進めていくための理想的なパートナーです。私たちは




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今後、アステラスグループの一員として、活気溢れるサウスサンフランシスコ地域において、
がん免疫の研究開発をさらに加速させていくことを楽しみにしています」と述べています。

 買収の対価として、買収手続完了時に 1 億 2,000 万ドルが支払われ、Xyphos 社はアス
テラス製薬の完全子会社となりました。当該支払いと、開発の進捗に応じたマイルストン支
払いを合わせ、最大で総額 6 億 6,500 万ドルが支払われる可能性があります。

 本買収によるアステラス製薬の通期(2020 年 3 月期)連結業績への影響は軽微です。



                                記

買収の概要
(1) 株式取得者:        アステラス US ホールディング Inc.
(2) Xyphos 社の主要株主: 同社設立者、従業員等(ストックオプション含む)
(3) 株式の取得方法:      現金(手元資金を充当)
(4) 対価:           買収手続完了時の 1 億 2,000 万ドルの支払いおよび開発の
                  進捗に応じたマイルストン支払いを合わせ、最大で総額 6 億
                  6,500 万ドル


対象会社の概要
(1) 名称:           Xyphos Biosciences, Inc.
(2) 所在地:          米国カリフォルニア州サウスサンフランシスコ
(3) 代表者:          CEO James Knighton
(4)事業内容           がん免疫治療技術を活用した医薬品の研究開発
(5) 設立:           2017 年
(6) 従業員数          7名


                                                 以上

*1 サイトカイン放出症候群:
CAR-T 療法下で見られる有害事象の一つで、過剰な免疫反応により多量のサイトカインが放出され、血中の
サイトカイン濃度が高度に上昇することにより起こります。インフルエンザ様症状(発熱、悪心・悪寒、筋肉痛
等)、重度の低血圧、頻脈、呼吸困難などの症状が急激に進展すると死亡に至ることがあります。




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アステラス製薬株式会社について
アステラス製薬は、東京に本社を置き、「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念
に掲げる製薬企業です。アステラス製薬の詳細については、(https://www.astellas.com/jp/)をご覧ください。



注意事項
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